PMIとは、M&A（合併・買収）後の統合プロセスを指し、経営、業務、文化の3つの側面での統合を含むとされることが一般的である。PMIの目的は、買収した企業が迅速かつ効果的に新しい組織に統合され、シナジー効果を最大限に引き出すことである。

具体的な内容としては、以下が挙げられる:

• 諸規程類の整備: 両社の規程やポリシーを統一し、新しい組織としての一貫性を確立する。
• 経営陣・従業員の維持: 経営層および従業員のモチベーションを維持し、離職を防ぐための対策が求められる。
• 秘密情報管理体制の整備: 機密情報の管理を強化し、漏洩リスクを低減する。
• 経理処理の早期確認: 財務報告の統合や会計基準の統一を早期に行い、財務的な透明性を確保する。

ベトナムにおけるローカル企業とのM&Aでは、特に会計基準、法務体制、企業文化などの面で大きな違いが見られることが多いため、PMIの重要性が一層強調される。これらの差異を効果的に管理し、統合プロセスを円滑に進めることが、M&Aの成功において不可欠である。
特に、法的・会計的な整合性の確保や、異なる企業文化の調整には細心の注意が必要であり、適切なPMI戦略が取られることが、ベトナム市場でのM&A成功の重要な要素となる。