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コラム

【ベトナム労務】2024年7月1日からの最低賃金の変更(国家賃金評議会の提案)

コラム
2024.02.07
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【ベトナム労務】2024年7月1日からの最低賃金の変更(国家賃金評議会の提案)
ベトナムの国家賃金評議会は、2024年7月1日から地域別の最低賃金を平均6%引き上げることを政府に正式に提案しました。2022年7月以来の2年ぶりの引き上げとなり、ファム・ミン・チン首相の承認後、正式に公布される見通しとなっています。 各地域の最低賃金の推移は以下のとおりです(すべて6%アップで調整)。 第1地域:496万VND 第2地域:441万VND 第3地域:386万VND 第4地域:345万VND 国家賃金評議会が合意した地域別最低賃金: 地域 2022年7月〜 2024年7月〜 第1地域 468万VND 496万VND 第2地域 416万VND 441万VND 第3地域 363万VND 386万VND 第4地域 325万VND 345万VND 最低賃金については労働法(法律:45/2019/QH14)に以下の規定が存在します。 第91 条 最低賃金額 1 最低賃金額とは、経済・社会の発展状況に応じた、労働者とその家族の最低限度の生活水準を保障するために、通常の労働条件の下で最も単純な業務を行う労働者に対し支給される、最も低い賃金額である。 2 最低賃金額は地域ごとに定められ、時給・月給で決定される。 3 最低賃金額は、労働者及びその家族の最低限度の生活水準、最低賃金額と市場の賃金額との相関、消費者物価指数、経済成長の速度、労働需給関係、雇用及び失業、労働能率、企業の支払能力に基づき調整される。 4 政府は、本条の詳細を定め、国家賃金評議会の勧告に基づき最低賃金額を決定し、公表する 上記の規定に従い、最低賃金は物価水準等に応じて第1から第4の地域ごとに規定されます。最低賃金の決定過程については、草案が国家賃金評議会により審議され、了承を得た草案が首相府に提出されます。そして首相の最終判断を経た後、政令の形式で発布されます。 今回はこの国家賃金評議会からの正式な提案であり、従来はほぼこのまま承認されています。 労働法によれば、賃金とは以下のように定義されています。 第90 条 賃金 1. 賃金とは、業務を実施するために、合意に基づき、使用者が労働者に対して払う金員であり、業務又は職位に応じた賃金額、手当その他の補助からなる 法文の原文も確認すると賃金とは、基本給(mức lương)、手当(phụ cấp lương)、その他の支給金(các khoản bổ sung khác)の三つにより構成されていると理解できます。 政令90/2019/ND-CP号の規定をみると、最低賃金では、mức lươngという用語を使用しているので、手当金を除いた基本給が最低賃金として予定されていると理解できます。そのため、手当金等を除いた基本給が最低賃金額を下回ってはいけないことになりますので、この点注意が必要です。

ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)

コラム
2024.01.31
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ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)
2020年の環境保護法によれば、製造・輸入事業者は、リサイクル責任(第54条)と廃棄物の収集・処理の責任(第55条)の2つの責任を有します。ベトナム政府は2022年1月10日、「環境保護法の複数条項の詳細規定に関する政令08/2022/ND-CP」を制定しました。本政令の第77~86条において、2020年環境保護の第54、55条で定める廃棄製品・包装材のリサイクルに関するEPR制度の詳細が定められています。一部は2024年1月から開始されます。詳細は以下のとおりです。 政令No.08/2022/NĐ-CP(以下「政令08号」という)の第77条第4項によれば、製造・輸入事業者は、以下に従って、自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルする責任を負う。 包装及びバッテリー・電池、潤滑油、チューブ・タイヤ等の製品:2024 年1 月 1 日から 電気・電子製品:2025 年1 月 1 日から 交通手段:2027年1 月 1 日から 政令08号の第77条第1項によれば、本政令のAppendix XXIIの第 3 欄に規定される製品・包装を製造・輸入してベトナムの市場に出す組織・個人は、その製品・包装をリサイクルする責任を遂行しなければならない。 政令08号の第77条第2項によれば、リサイクル責任の対象となる包装は、以下の製品・商品の商業包装(直接包装及び外装を含む)である。商業包装の定義について、政令No.43/2017/NĐ-CPの第3条第5項を参照。商業包装ではない包装について、通達05/2019/TT-BKHCNの第3条第1項を参照。 食品の安全に関する法律に基づく食品 化粧品の製造条件に関する法律に基づく化粧品 医薬品に関する法律に基づく薬 肥料、動物用飼料、動物用医薬品に関する法律に基づく肥料、動物用飼料、動物用医薬品 家庭用・農業用・医療用の洗浄剤、製剤 セメント リサイクル責任の対象となる製品及び包装の種類については、政令08号Appendix XXIIを参照。 政令08号の第77条第3項によれば、以下の対象がリサイクルの責任を遂行しなくてよい対象である。 a)環境保護法の第54条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者 b)前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の製造事業者 c)前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の輸入事業者義務的なリサイクル率 政令08号の第78条によれば、最初の3年間の製品・包装の種類ごとの義務的なリサイクル率は、政令08号のAppendix XXII の第 4 欄に規定されている。義務的なリサイクル率は 3 年ごとに上昇し、3年間の最終年の 9 月 30 日までに首相政府により調整され、発行される。 製造・輸入事業者は、義務的なリサイクル率を達成するために、政令08号のAppendix XXII の第3欄に規定される自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルするか、又は他の製造・輸入事業者が製造・輸入した同類の製品・包装をリサイクルすることができる 。 製造原料のための輸入スクラップのリサイクルは、製造・輸入事業者の義務的なリサイクル率に含まれない。 製造・輸入事業者が義務的なリサイクル率を超えてリサイクルした場合、その比率の差は、翌年の義務的なリサイクル率に計算するよう保留される。 政令08号の第78条第6項によれば、製品・包装の種類ごとの義務的な規格は、政令08号のAppendix XXII の第 5 欄に規定されている。 例えば:A企業は、2024 年に 100トンのカートン包装である商業包装を製造し市場に出す。Appendix XXIIの規定に基づき、カートン包装の義務的なリサイクル率は20%である。そのため、2024 年に、A企業は、少なくとも 20トンのカートン包装をリサイクルする責任を有する(=100トン x 20%)。 Appendix XXIIの規定に基づき、A企業は、義務的なリサイクル規格を満たすために、(i) 商業用パルプの製造又はトイレットペーパー、板紙、紙箱等の紙製品の製造を含むリサイクルソリューションを行い、(ii) リサイクルされる20トンのカートン包装から少なくとも 40%の材料量をリサイクルし、回収する。これは、少なくとも 8トンの商業用パルプ又は紙製品を回収する必要があることを意味する (= 20トン x 40%)。 環境保護法の第54条第2項によれば、対象となる組織・個人は、製品・包装をリサイクルするために次のいずれかの形式を選択することができる。 ■製品・包装のリサイクルの組織化 政令08号の第79条第2 項によれば、製造・輸入事業者が製品・包装のリサイクルの組織化という形式を選択した場合、製造・輸入事業者が次の方法でリサイクルを自分で決定する。 リサイクルを自分自身で実施すること。 リサイクルを実施するためにリサイクルサービス事業者を雇うこと。(リサイクルサービス事業者のリストが天然資源環境省により公表される。) リサイクルの実施を組織するために中間組織に委任すること。(中間組織のリストが天然資源環境省により公表される。) 上記の方法を組み合わせること。 また、製造・輸入事業者は、毎年3月31日までに、天然資源環境省に対して年間リサイクル計画を登録し、前年のリサイクル結果を報告しなければならない。製造・輸入事業者が全てを受任者に委任した場合、受任者は、製造・輸入事業者に代わって登録及び報告を行う責任を有する。(政令08号の第80条第1項) 現在、天然資源環境省は、EPR 電子情報ポータル(https://epr.monre.gov.vn/vi/)を正式に公開している。 対象となる製造・輸入事業者は、天然資源環境省への紙書類の提出に代わり、2024 年 1 月 29 日から国家 EPR電子情報ポータル (オンライン) 上で登録、申告、報告等を行わなければならない。 ■製品・包装のリサイクルを支援するためのベトナム環境保護基金への財政的な寄付 ベトナム環境保護基金への寄付額の計算方法及び寄付方法について、政令08号の第81条参照。 製造・輸入事業者が、ベトナム環境保護基金への財政的な寄付という形式を選択した場合、登録、リサイクル計画の実施及びリサイクル結果の報告を行う必要がない(政令08号の第80条第4項)。 政令08号の第83条第1 項によれば、政令08号のAppendix XXIIIの第2欄に規定される製品・包装を製造・輸入してベトナムの市場に出す事業者は、廃棄物の処理活動を支援するためにベトナム環境保護基金に財政的に寄付する責任を有する。しかし、以下の対象を除く。 環境保護法の第55条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者 前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億 VND 未満の製造事業者 前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億 VND 未満の輸入事業者 対象となる包装は、製品・商品の商業包装(直接包装)である。 製品・包装ごとの具体的な寄付額は、政令08号のAppendix XXIIIの第3欄、第4欄及び第5欄に規定される。 廃棄物の処理活動を支援するためのベトナム環境保護基金への寄付額が5年ごとに上昇する。ベトナム環境保護基金への財政的な寄付の実施の流れについては、政令08号の第84条を参照。 ベトナム環境保護基金が支援する廃棄物処理活動は以下を含む。 家庭、個人から発生した家庭用固形廃棄物の収集、輸送、処理 家庭用固形廃棄物の処理のテクノロジー、技術、アイデアの研究・開発 植物保護薬を含む包装の収集、輸送、処理 現在の時点において、リサイクルを支援するためのベトナム環境保護基金への寄付額を計算するための基礎となるリサイクル費用水準(政令08号の第81条第1項のFsである)に関する規定は発行されていない。 天然資源環境省は首相政府への提出のためにリサイクル費用水準に関する決定の草案を作成している。また、天然資源環境省は、EPR制度に関する規定を明確にするために政令08号の一部を改正し、追加する政令の草案も作成している。

【ベトナム】食品ラベルに関する新規制について(2024年2月15日から)

コラム
2024.01.04
CastGlobal

【ベトナム】食品ラベルに関する新規制について(2024年2月15日から)
2023年12月30日付で、保険省より、栄養成分と栄養価の食品ラベル上の記載方法を案内する通達29/2023/TT-BYT号(以下「通達29号」といいます)が公布されました。 通達29号は、2024年2月15日から施行となります。もっとも、通達29号第8条に実施のロードマップについての記載があり、同条によれば、遅くとも2025年12月31日までに同通達に従って、栄養成分や栄養価を記載しなければならず、2026年1月1日からは、この通達に従わないラベルを生産、印刷、輸入、使用することはできないと規定されています。 したがって、施行前までに対応が必要というわけではなく、2025年末までの対応が求められているものと解されます。 1)ベトナムで生産、取引、輸入、流通させられる包装済みの食料品のラベルには、以下の栄養成分とその容量が記載されなければなりません(通達第29号第5条第1項および付録Ⅰ)。 カロリー(kcal) タンパク質(g) 炭水化物(g) 脂質(g) ナトリウム(mg) 2)清涼飲料水(Nước giải khát)、砂糖を加えた加工乳およびその他の砂糖を加えた食品については、添加した砂糖の合計量を記載する必要があります(通達第29号第5条第1項第2項)。 また、油で揚げるような加工を施している食料品については、上記の五つの栄養成分に加えて、飽和脂肪酸についても記載する必要があります(通達第29号第5条第1項第3項)。 1)以下の原材料および食料品については、通達第29号の適用対象外となります(通達第29号第1条第2項) 消費者に直接販売されない原材料および商品 単一の原材料のみ使用されている食料品 ミネラルウォーター(天然水)およびボトル入りの水(CO2または香料のみを添加しているものも含む) 食用塩、精製塩 酢、およびその代用品(香料のみを添加しているものも含む) 香料、添加物、食品加工助剤 酵素 着色料と香料以外のものが含まれていない茶とコーヒー 健康を守るための食品 アルコール飲料 など 2)また以下に規定する基準値以下の成分についても記載が不要となります(通達第29号付録Ⅰ) 100㎖あたり、4kcal以下のカロリー 100g(100㎖)あたり、5g以下のタンパク質 100g(100㎖)あたり、5g以下の炭水化物 100g(100㎖)あたり、5g以下の脂質 100g(100㎖)あたり、1g以下の飽和脂肪酸 100g(100㎖)あたり、5g以下の砂糖 100gあたり、005g以下のナトリウム

【ベトナム】付加価値税(VAT)減税措置の延長について(2024年1月1日〜6月30日)

コラム
2024.01.03
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【ベトナム】付加価値税(VAT)減税措置の延長について(2024年1月1日〜6月30日)
政府は、2023年12月28日付で、付加価値税の減税に関する政令94/2023/ND-CP号(以下、「政令94号」といいます)を発布しました。 政令94号により、一部の業種の商品やサービスを除き(化学製品、精製石油、金融、不動産、保険業など。詳しくは政令94号をご参照ください)、10%とされている税率が、2024年1月1日から同年6月30日まで、減税されます。 VAT減税対象外の商品・サービス: 電気通信、情報技術、財政金融活動、銀行、証券、保険、不動産業、金属、金属製品、鉱業製品(石炭鉱業を除く)、コークス、精製石油、化学製品、アルコール・たばこなど特別消費税が課税される商品及びサービス。 減税の対象となる商品やサービスに対する税率は8%となります。 2023年7月1日から12月31日まで適用となっていた減税措置を延長したものです。 参考: 【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜) 一部の嗜好品または嗜好性の高いとされる商品やサービスについても、特別消費税が課されることにより、減税されません(政令94号の付録Ⅱ参照) ※以下は概要で、すべてを記載しているわけではありません。詳細は政令第94号の付録Ⅱをご確認下さい。 1)嗜好品の例 タバコ類 ビールを含む酒類 ガソリン など 2)サービスの例 ダンスホール マッサージ カラオケ カジノ ゴルフ など

【ベトナム】VAT減税の延長とグローバルミニマム課税についての国会決議

コラム
2023.12.05
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【ベトナム】VAT減税の延長とグローバルミニマム課税についての国会決議
ベトナム国会は2023年11月29日、付加価値税(VAT)税率が10.0%となっている商品・サービスに対するVAT税率を8.0%とする決議を可決しました。 2024年6月末までの適用となります。 2023年7月1日から12月31日まで適用となっていた減税措置を延長したものです。 *参考:https://www.reuters.com/markets/asia/vietnam-extend-vat-cut-until-mid-2024-support-economy-2023-11-29/ 対象は以前と同様ですので、以下をご確認ください。 【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜) また、グローバルミニマム課税(GMT)に対応する上乗せの課税を正式に可決しました。 これにより、現在15%未満の税しか支払っていない条件を満たす企業は、来年の初めからその差額を補う上乗せ税を支払う必要があります。 具体的な法案は来年に見送りになりましたが、先に決議で課税を決定した形です。 参考:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76567420Q3A131C2FFJ000/ 【ニュース】ベトナムでも国際最低課税(グローバルミニマム課税)の対応が本格化。2024年の施行に向け。

【ベトナム】2024年のテト休暇(Tet Holidays)、建国記念日(国慶節)について

コラム
2023.11.26
CastGlobal

【ベトナム】2024年のテト休暇(Tet Holidays)、建国記念日(国慶節)について
ベトナムでは太陰暦に基づき、年末年始の休暇であるテト休暇(Tết Âm lịch)の日付が決められ、労働法上5日間の祝日と規定されています。西暦での日付は毎年変わりますが、2024年は、太陽暦の2月9日(金)が大晦日、2月10日(土)が元旦となります。 2月8日(木):旧暦大晦日前日 2月9日(金):旧暦大晦日 2月10日(土):旧暦元旦 2月11日(日):テト2日目 2月12日(月):テト3日目 2月13日(火):テト4日目 2月14日(水):テト5日目 2月15日(木):テト6日目 2023年11月22日、2024年のテト休暇(NGHỈ TẾT ÂM LỊCH)および建国記念日(国慶節)の休暇(NGHỈ LỄ QUỐC KHÁNH)についての通知5015/TB-LDTBXH号(以下、「通知5015号」といいます)が労働傷病兵社会省(BỘ LAO ĐỘNG – THƯƠNG BINH VÀ XÃ HỘI)から公布されました。 なお、労働法上「週休日が祝日・正月と重なる場合、労働者は次の営業日に週休の振替休日を付与される」とされており、今回は土日がテト期間にあることから、土曜日・日曜日が週休日の企業には代休も発生することになります。 労働傷病社会省は、通知5015号において、公務員の休暇について以下のように記載しています。 2024年2月8日(木)から2月14日(水)まで。 労働法112条第1項b号に基づき5日の正月休暇と、週休日である土日の休みの分2日合わせて、7日間が休みとなることが通知5015号中にも記載されています(労働法第111条第3項も参照)。 2月8日(木) 2月9日(金) 2月10日(土) 2月11日(日) 2月12日(月) 2月13日(火) 2月14日(水) 大晦日の前日 (旧暦猫年12月29日) 大晦日 (旧暦猫年12月30日) 旧暦1月1日 旧暦辰年1月2日 旧暦辰年1月3日 旧暦辰年1月4日 旧暦辰年1月5日 2024年8月31日(土)から9月3日(火)まで 8月31日(土) 9月1日(日) 9月2日(月) 9月3日(火) 建国(独立)記念日   通知5015号は、民間企業などに対しても上記の公的機関のテト期間に従って、テト休暇と国慶節を設定することを推奨していますが、以下のような日程で休みを設定することも認めています。 以下の三つの日程で休みを設けることを認めています。なお、テト休暇は土日を挟む関係で、週休日をどのように設定しているかによって会社ごとに日程が異なる可能性があります。テト休暇と週休日が重なる場合は、労働法第111条第3項により翌営業日を振替休日とする必要があります(そのため、土日が週休の会社は振替休日と合わせて全部で7日間が休みとなります)。 大晦日の1日と元旦の4日を正月休暇とする。 年末の2日と年始の3日を正月休暇とする。 年末の3日と年始の2日を正月休暇とする。 今回はパターンが多くありますが、一例を以下に示します。 ケースA:代休1日間=週休1日間(日曜日を想定)の企業が2月9日から休暇を取得 ケースB:代休2日間=週休2日間(土曜日及び日曜日を想定)の企業が公的期間同様に2月8日から休暇を取得 2月8日(木) 2月9日(金) 2月10日(土) 2月11日(日) 2月12日(月) 2月13日(火) 2月14日(水) ケースA 代休1日 (働く場合の給与) 平日 (100%) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) ケースB 代休2日 (働く場合の給与) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) 週休日の代休 (200%) ① 9月2日の建国記念日の前日である1日を国慶節の休日に指定する 9月1日が日曜なので、日曜が週休日となっている会社は、労働法111条第3項により、結局翌営業日の9月4日が休みとなるので、②を選んだ場合と同じ結果となります。 ② 9月2日の建国記念日の翌日である3日を国慶節の休日に設定する テト休暇と国慶節の休暇についてどの日程にするか決定した後、会社はその日程を従業員に通知する必要があります。会社は休暇の開始日の少なくとも30日前までに従業員にその日程を通知しなければなりません。

【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

コラム
2023.10.18
行政書士法人キャストグローバル

【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい...
前記事で団体監理型技能実習について述べましたが、今回は技能実習制度において規定されているもう一つの技能実習の形「企業単独型技能実習」について解説していきます。 前回の記事は以下から。 【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい 技能実習制度とはその名の通り実習生に日本で行う研修を通じて特定の技術を習得してもらい、実習修了後に本国に学んだ技術をフィードバックする事を前提に設計されています。(技能実習法第1条)これは企業単独型技能実習であっても団体監理型技能実習と変わりありません。 技能実習を在留資格別に分類すると以下の通りとなります。(3号を除く) 1年目 2年目 3年目 団体監理型技能実習 技能実習第1号ロ 技能実習第2号ロ 技能実習第2号ロ 企業単独型技能実習 技能実習第1号イ 技能実習第2号イ 技能実習第2号イ (技能実習法第2条3項及び5項) 団体監理型技能実習と同様に企業単独型技能実習も1号~3号まで存在し、各在留資格の在留期間も変わりません。 技能実習生受け入れに伴って団体監理型技能実習では3つの機関が介在していましたが、企業単独型技能実習では2つの機関しか制度上想定されていません。 ① 実習実施者 技能実習生が実際に技能研修を行う企業、団体を指します。企業単独型技能実習では海外の子会社関連会社から日本国内の法人が実習生を受け入れることとなります。 ② 実習実施機関の現地法人 実習実施者の海外現地法人が送り出し機関に代わって現地での採用を行う事となります。あくまで、海外現地法人の常勤職員の転勤又は出向と位置付けられます。現地法上の転勤や出向の取り扱いを十分に確認しておく必要があります。 団体監理型実習生受け入れの流れは以下の通りとなります。 (JITCO、https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/) 上記、海外の所属機関の範囲が定義されていますが、基本的に(1)の海外支店、子会社、合弁会社が想定されており、その他要件に該当する場合には更なる証明が必要とされます。 企業単独型技能実習は監理団体を介在しない、例外的な技能実習の形態であり全技能実習の中でも数パーセントの割合でしか実行されていません。又、監理団体が負っていた責務、役割を全て実習実施者が負う必要があり、現地法人の存在も必須となります。この事実を考えると、企業単独型技能実習を実行できる可能性がある企業は、既に技能実習生の受け入れ実績があり、更に既に海外支店が存在する大企業だと言えるでしょう。 関連記事: 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい

【ベトナム・労働許可】就労する外国人労働者の条件等について一部を変更した政令第70/2023/NĐ-CP号について

コラム
2023.10.14
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【ベトナム・労働許可】就労する外国人労働者の条件等について一部を変更した政令第70/2023/NĐ-CP号について...
政府は、2023年9月18日、ベトナムで就労する外国人労働者に関する政令第152/2020/NĐ-CP 号(以下、「政令第152号」といいます。)の条項の一部を改正する政令第70/2023/NĐ-CP号(以下、「政令第70号」といいます。)を公布し、同政令は即日発効となっています。 政令第70号は外国人の労働許可書(ワークパーミット/Work Permit。以下「WP」といいます。)に関する変更点などについて規定しており、日系企業にも重要な影響を及ぼすので、以下に主な変更点を記載します。 以前の規定では、外国人労働者が専門家とみなされるために、以下の条件を満たすことが必要とされていました。 大学レベル以上の卒業証明書または同等の資格証明書類を持つこと ベトナムで就労する予定の職能に適合する分野を専攻し、その専攻分野で3年以上の実務経験を有すること しかし、政令第70号により、高等教育における専攻との一致要件は削除されています。 そのため、外国人労働者は、 大学レベル以上の学校を卒業したことまたは同等の資格を有すること、 ベトナムで就労予定の職能に適した3年以上の実務経験を有すること の二点を満たせば、専門家とみなされます(政令第70号第1条第1項(a))。   政令第70号第1条1項(c)によれば、 ベトナムで就労する予定の職能に適した1年以上の研修を受け、 その職能について3年以上の実務経験を有する 外国人労働者は、技術的な労働者とみなされます。 旧規定と比較すると、やはり教育との関連性が要求されなくなっています。   執行役員社長について政令第70号第1条1項(b)は、具体的にどのような者が当たるかを明記しています。 同項により、執行役員社長は以下のいずれかに該当する者とされています。 企業の支社・駐在事務所あるいは営業所の長 組織・機関・企業の一つ以上の事業を直接に運営し、それらの事業の長として務め、組織・機関・企業の最高責任者の指導・指示を直接に受ける者   原則として、会社は外国人労働者を雇入れる前に、ベトナム人労働者が対応できず外国人労働者の使用を必要とする各ポジションに対するニーズを確定し、当局へ報告・説明しなければなりません(以下、「外国人労働者の使用ニーズを報告する手続」といいます。)。 政令第152号によれば、この手続きは外国人労働者の使用予定日の少なくとも 30 日前までとされていました。しかし、政令第70号によりこの手続きは、外国人労働者の使用予定日(雇用開始日)の少なくとも 15 日前までに、労働・傷病兵・社会省または外国人労働者が就労する予定地の労働・傷病兵・社会局で行わなければならないと変更されています(政令第70号第1条2項)。   政令第70号第1条2項により、会社は、外国人労働者の使用ニーズを報告する手続を行う前に、外国人労働者を募集する予定のポジションにベトナム人労働者を募集する通知を以下のとおり実施しなければなりません。この通知は、2024年1月1日より実施しなければならないとされています。 募集通知の内容:ポジション、職務、ジョブディスクリプション、人数、資格・実務経験に関する条件、給与、勤務時間・所在地を含む必要がある。 募集通知の方法:労働・傷病兵・社会省の電子情報ポータル(雇用局)または、省レベルの人民委員会の委員長が設立した採用サービスセンターの電子情報ポータルにて掲載する。 募集通知の期限:当局へ報告・説明する予定日の少なくとも 15日前。 外国人労働者を募集する予定のポジションにベトナム人労働者を募集することができなかった後、会社は、外国人労働者の使用ニーズを報告する手続を行います。   従来は、外国人労働者の勤務所在地の1か所(普通はベトナム本社の住所)がWPに記入されていました。しかし、政令第70号第1条5項(a)によれば、外国人労働者が、複数の勤務所在地にて就労する場合、WP発給申請書にその外国人労働者の全ての勤務所在地を記入しなければならないと変更されています。 複数の勤務所在地が複数の省・中央直轄市にある場合には、WPの発給を担当する機関が、労働・傷病兵・社会省となります(政令第70号第1条11項(a))。 複数の勤務所在地が同じ省・中央直轄市にある場合、WPの発給を担当する機関は、外国人労働者が就労する地方の労働・傷病兵・社会局となります(政令第70号第1条11項(dd))。 政令第70号第1条3項によれば、外国人労働者が、複数の省・中央直轄市にて就労する場合、会社は以下に従って報告をしなければなりません。 報告の方法:労働・傷病兵・社会省及び外国人労働者が就労する所在地の労働・傷病兵・社会局へオンラインで報告する 報告の雛形:政令第70号の付録Ⅰ、17/PLIの書式を用いる 報告の期限:外国人労働者の就労開始日から3営業日以内   WPの再発給となる場合として、政令第70号第1条7項は、労働許可書の有効期限内にWPに記載した企業名(企業コード変更なし)が変更される場合を追加しています。   政令第70号第2条により、工業団地・経済地区の委員会は、以下の権限を喪失することになります。 工業団地・経済地区で就労する外国人労働者に対するWPの発給・再発給・更新・取消、および当該外国人労働者がWPの発給対象外であることの確認 外国人労働者の使用状況に関する報告書の受理 ベトナム人労働者が対応できない各ポジションに対する外国人労働者の使用ニーズに関する工業団地・経済地区の会社の報告説明書の受理 工業団地・経済地区の会社は、状況に応じて、WP申請などの上記の手続を労働・傷病兵・社会省または外国人労働者が就労する所在地の労働・傷病兵・社会局で実施する必要があります。 最後に、政令第70号はWP申請書類などを規定しています。これらの書類については、政令第70号の原文をご確認ください。  

ベトナム入国時の注意点について(2023年最新)

コラム
2023.09.13
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ベトナム入国時の注意点について(2023年最新)
本コラムでは、ベトナムに入国する際に一般的に気をつけなければならない点について、整理します。 入国時の規制・制度は随時変わる可能性があるため、入国時には改めて確認するようお願いいたします。 ■査証(ビザ)について ○基本情報 45日以上の滞在、または業務目的で報奨を伴う場合はVISAの発行が必要。 詳しくはこちらをご覧ください。 【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について(2023年最新版) ○電子ビザの申請について 日本を含む80カ国はオンラインで申請・決済できる電子ビザ「E-VISA」の発行が許可されています。電子ビザの有効期限は渡航日より90日間です。発効までに3営業日以上を必要としているので、余裕をもった申請が必要です。 (2023年8月15日より、30日から90日間に延長され、かつ、複数回入国にも対応しました。) 以下のリンクから申請できます。 https://evisa.xuatnhapcanh.gov.vn/web/guest/trang-chu-ttdt ○ビザ免除措置 以下の要件に当てはまる場合、ビザ無しでも入国できます。 ベトナム滞在期間が45日以内 (2023年8月15日より、15日から45日に延長されました。) ベトナム入国の時点でパスポート旅券の有効期限が6か月以上あること 47/2014/QH1第 21条により入国禁止措置の対象になっていないこと ○APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)※以下ABTC APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするための特別なカードです。 申請するには、申請書類を準備の上、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)ABTC班に郵送しなければなりません。ABTCを保有している場合、入国時の審査ゲートも優遇されており、迅速に入国が可能です。 必要書類は以下の通りです。 000040032.pdf (mofa.go.jp) 以下のリンクよりABTCカードの詳細を確認できます。 APECビジネス・トラベル・カード(ABTC)とは?|外務省 (mofa.go.jp) ■パスポート(旅券) ・ベトナム渡航の場合、渡航日から6か月以上の有効期限を残したパスポートが必要 ※VISA申請時にも、有効期限6か月以上を残したパスポートが必要となります。 パスポートは継続発行・新規発行に関わらず、発行完了まで6日間(土日祝を除く)を要するので注意が必要です。   ■パスポート 有効期限6か月以上を残したもの ■VISA 入国審査時に使用します。発給されたE-VISAは印刷して持参します。 ※報酬を伴う業務目的での滞在、または45日以上の滞在をする者 ※ノービザ(ビザ免除措置)での入国の場合には不要。 ■復路航空券または第三国への航空券 確認を受ける場合があります。Eチケットを事前に印刷して準備しておきましょう。 ※VISAなしでベトナムに滞在する者が対象 ■滞在先情報 入国審査時、ベトナムでの滞在場所を聞かれることがあります。 滞在するホテル等の名前と住所があらかじめわかるよう準備します。   ■入国審査 到着後、イミグレーションカウンターで入国審査が行われます。 ・審査官に、パスポート・復路のEチケット・VISAを提示が必要。 ・審査官から「滞在期間」「滞在場所」「滞在目的」について聞かれる場合があります。(もっとも、口頭で確認されることは少ないです。) ・審査通過後、パスポートに入国スタンプを押される。 【注意点】 VISAを利用する場合、入国審査時にVISAを提示しないと、ノービザで入国扱いになってしまい、ノービザの期間を超えて帰国時に不法滞在として扱われる場合があります。VISAをしっかり提示するようにご注意ください。 滞在許可期限の確認について 審査官がパスポート下に記入する日付(日/月/年)は滞在許可の期限日です。 VISAを取得し、45日以上滞在する人は、記入された日付が正しいかどうか、その場を離れる前に確認する必要があります。 ※自動入国ゲート 現在、自動入国ゲートの導入が行われています。ベトナム居住者については事前に登録することで使うことができるようになるようですが、まだ導入段階のため係員も不慣れ、かつ、外国人の使用例も多くありません。 ■税関検査 持ち込み、持ち出し禁止物は以下の通りです。 銃 骨董品 爆発物 麻薬 ベトナム人のモラルに悪影響をもたらす写真、出版物、映像、等。 詳しくは以下のリンクから確認できます。 ベトナム出入国情報 | 在ベトナム日本国大使館   ■外貨申告 ○上限を超えた現金・外貨を持って入国する場合は申請が必要です。 上限は以下の通りです。 現金5,000米ドル 同額相当の外貨 1,500万ベトナムドン ○申請方法 空港で税関係官に申告用紙を請求し、申請します。   ■外貨交換 ○ベトナムドン(VND)について 1VND=約0.006円(2023年8月29日現在) VNDをおおよその日本円に換算するときは、0を3つ取って6をかけると計算しやすいです。 (例)50,000VNDの場合、下の位から0を3つ取った値「50」×6=300円 ○両替所 両替所は空港や街中にあります。 日本や、ベトナムの空港での換金は街中にある料金所よりレートが悪いことが多いです。 必要最低限分だけ空港などで換金し、主には比較的レートの良い街中の両替所、金屋、宝石店などを利用することがおすすめです。 ○街中の両替所の代表例 ※レートなどは、その時々で変わります。両替金額が間違いないかどうかは、常に現地で確認するようにしてください。 ・ホーチミン Quầy Thu đổi Ngoại tệ Eximbank 59(135 Đ. Đồng Khởi, Bến Nghé, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh) ↓google map https://maps.app.goo.gl/YyU2wnVYGUyB5pUz5?g_st=il ・ダナン Hiệu vàng Soạn Hà(121 Trần Phú, Hải Châu 1, Hải Châu, Đà Nẵng 550000) ↓google map https://maps.app.goo.gl/prm5fkzogvT1kas17?g_st=il ・ハノイ QUANG HUY GEMSTONE & JEWLLERY(130 P. Hàng Bạc, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm, Hà Nội) ↓google map https://maps.app.goo.gl/GBrfRgzoXE3DsJrw6?g_st=il ■タクシー利用について ベトナムでの移動手段は車タクシーやバイクタクシーが一般的です。 支払い方法は現金が基本です。(ビナサンタクシーやマイリンタクシーではクレジットカードを使うことも可能です) 料金表示は下3桁(000)が表示されていません。自分でメーターを見て支払いします。 例)下記の写真の場合 98,000 VND の支払いです。 【注意点】 「白タク」と呼ばれるぼったくりのタクシーも多くいます。利用するタクシー会社に注意してください。 特に、空港出口付近のタクシー乗り場に行く途中で話しかけてくるドライバーは、「白タク」である場合が多いです。 正規のタクシー乗り場には、上記のタクシー会社のスタッフ(ユニフォーム着用)がおり、案内してくれることが多いです。できるだけ、そうしたスタッフに声をかけて乗るべきタクシーを指示してもらいましょう。 下の表では南部ホーチミン、中部ダナン、北部ハノイ、の3地域に分けてタクシー利用に関して整理しています。 タンソンニャット国際空港(ホーチミン) ダナン国際空港 ノイバイ国際空港(ハノイ) タクシー会社 VINASUN(ビナサン) MILINH(マイリン) VINASUN(ビナサン) MILINH(マイリン) TIEN SA(ティエンサ) Taxi group(タクシーグループ) MILINH(マイリン) 国際線ターミナル タクシー乗り場 到着ロビーを出て左 →Taxi Standの看板(空港タクシー乗り場)を直進 →タクシー乗り場到着 到着ロビー正面 ※上記のタクシーが居なければ、右手方面に5分ほど歩き、国内線ターミナルより乗車 到着ロビーを出て左 中心地への所要時間 30分 15分 40分 中心地までの料金 200,000VND(*1) 100,000VND(*1) 400,000VND(*1) *1:別途空港使用料が取られます。10,000〜15,000VNDを要求されることが多いので、それに従って支払います。 ○タクシー会社と画像 上記でおすすめしたタクシーブランドに似せた車も多くあります。 以下にタクシー画像を載せているので、参考にしてください。 VINASUN(ビナサン)タクシー MILINH(マイリン)タクシー   TIEN SA(ティエンサ)タクシー Taxi group   ■配車サービスアプリ「Grab」 東南アジアを中心に普及している配車アプリです。 アプリは英語と中国語に対応しており、日本で会員登録、クレジットカードの登録が出来ます。 アプリ上で出発地・到着地を指定可能、さらに予約段階で支払額がわかるため、ベトナム語が出来なくても問題ありません。 アプリの詳細は以下のリンクから確認できます。 Grab Japan | 東南アジアで一般車の配車を依頼するならぜひダウンロード 【注意点】 雨の日はドライバーが捕まりにくいので注意が必要です。 なお、空港などではタクシー乗り場のような正規の乗車場所がないケースも多くあり、タクシーのほうが便利なこともあります。Grabを利用する場合は、本当に自分が予約した車かどうかを確認してから、乗り込むようにしてください。 予約したGrabを装って話しかけてくる「白タク」ドライバー(往々にしてぼったくられる)の被害例もあります。

【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

コラム
2023.07.28
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【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい...
日本国内で外国人が現業分野で就労することは、非常に限られた手段でのみ認められています。そのうちの手段の一つが技能実習制度を利用することとなります。 技能実習制度とはその名の通り実習生に日本で行う研修を通じて特定の技術を習得してもらい、実習修了後に本国に学んだ技術をフィードバックする事を前提に設計されています。(技能実習法第1条) 技能実習を在留資格別に分類すると以下の通りとなります。(3号を除く) 1年目 2年目 3年目 団体監理型技能実習 技能実習第1号ロ 技能実習第2号ロ 技能実習第2号ロ 企業単独型技能実習 技能実習第1号イ 技能実習第2号イ 技能実習第2号イ (技能実習法第2条3項及び5項) 技能実習は上記の通り団体監理型技能実習と企業単独型技能実習に分類できますが、当記事では団体監理型技能実習について解説を行います。 大きく分けると3つの機関が団体監理型技能実習制度に介在しています。 実習実施機関 技能実習生が実際に技能研修を行う企業、団体を指します。 実習実施者については届出制となりますので、実習に当たっては技能実習機構に届け出を行う必要があります。(技能実習法第2条6項) 監理団体 技能実習生の紹介、監督を行うのが監理団体です。監理団体については許可制となりますので、技能実習機構に事前に許可申請を行う必要があります。(技能実習法第2条10項) 送り出し機関 技能実習生の募集・選抜、送り出し前の日本語教育、送り出し後のサポート、帰国後の実習生に対するフォローアップなどを行います。(技能実習法第二十三条第二項第六号)   団体監理型技能実習生受け入れの流れは以下の通りとなります。 技能実習生の受け入れが単純に申請や届け出、受け入れ企業の希望のみをもって行われるものではなく、送り出し機関を含む関係各所の協力関係に基づいて成り立っていることが見て取れると思います。 なお、技能実習制度は見直しが検討されており、中間報告が令和5年5月に技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の形で中間報告がなされています。 制度の枠組みの大きな変更はないと思われるものの、送り出し、監理団体の双方の規制を強化する方向で検討されており今後も引き続き注視が必要です。 関連記事: 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい 【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい