CastGlobal Law Vietnam
(CAST)についてABOUT US
私たちは、2013年にベトナムに設立した日本人弁護士とベトナム人弁護士の所属する日系の弁護士事務所です。ハノイ市とホーチミン市に拠点を有しています。
ベトナムでは、大きなトラブルにならないように日常的に法務を意識して経営することが重要ですが、実際には何が問題になりうるのかや日本との違いもわからず、法的な事柄によって日々の業務に集中できないことも多く生じています。
お客様に憂いなくビジネスに集中いただくため、"法務面からベトナムビジネスを伴走する身近なパートナー"として貢献していきます。
CASTの特徴FEATURES
- 01
-
ビジネスの現状・ベトナムのスピード感に合わせたスピーディーかつ柔軟な対応
- 02
-
タイムチャージに基づかないリーズナブルで相談しやすい顧問契約の設定
- 03
-
ベトナムのM&A、不動産、企業運営に関わる法務、知財戦略などの専門分野の支援実績
活用例
- 現地の担当弁護士にチャット・メールでいつでも気軽に相談できる環境。
- 自社の担当・駐在員が変わっても、過去の経緯から把握してアドバイスしてもらうことが可能。
- 会社の総務・法務スタッフとも普段からやりとりし、社内のコンプライアンス体制・意識向上にも。
導入事例CASES
ニュースNEWS
- コラム
- 2026.09.04
- CastGlobal
ベトナム個人データ保護法の対応支援サービス|書類作成から公安省への提出まで...
2026年1月1日、個人データ保護法(法律91/2025/QH15号、2026年1月1日施行)と、その細則を定める政府令356/2025/NĐ-CP号(2026年1月1日施行)が施行されました。ベトナム法人には、公安省への影響評価書類の提出をはじめとする具体的な手続義務が生じています。本稿では、当事務所の対応支援サービスの内容をご案内します。
本稿は当事務所のサービス内容に絞ってご説明します。法令そのものの内容や、違反した場合の制裁金の水準については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事
ベトナム個人データ保護法の全体像|法律91/2025/QH15号の内容を解説
個人データ保護法違反の罰則|売上高連動型の制裁金と実務上の留意点
ベトナムに拠点を持つ日系企業の多くは、従業員データ、顧客データ、取引先担当者の連絡先を日常的に取り扱い、さらにこれらを日本の親会社やグループ会社のシステムに送信しています。この時点で、個人データ処理影響評価(DPIA)と越境個人データ移転影響評価(TIA)の双方が必要となる可能性がございます。その他の対応事項を含めた主な期限は次のとおりです。
対応項目
提出書類・対応内容
期限
個人データ処理影響評価(DPIA)
影響評価報告書を、公安省サイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局(A05)へ提出
個人データの処理を開始した日から60日以内
越境個人データ移転影響評価(TIA)
越境移転影響評価報告書をA05へ提出。日本の親会社へのデータ送信や海外クラウドの利用が対象となり得ます
越境移転を開始した日から60日以内
社内規程・同意取得書式
個人データの安全管理措置を定めた社内規程と、データ主体からの同意取得書式の整備(個人データの保管、削除、廃棄、安全管理措置その他関連する個人データ保護規定を含む)
処理開始前に整備
担当部署・担当者(DPO)の選任
担当部署・人員の指定または外部サービスの起用
影響評価書類の提出時までに選任し、社内決定書を整備
契約面の手当て
親会社・グループ会社との間、および顧客・との間の合意書・条項の整備
既存契約の棚卸しと順次改定
なお、小規模企業等については、施行日から5年間、影響評価、DPO選任等の一定の義務を実施するか否かを選択できる特例が設けられています。ただし、個人データ処理サービスを事業として行う企業、センシティブな個人データを直接取り扱う企業、大量のデータ主体の個人データを処理する企業は対象外です。自社が特例の対象となるかは、事業内容とデータの取扱状況に即した個別の検討が必要です。
当事務所では、影響評価書類の作成・提出から、社内規程・契約書類の整備まで、一連の対応を日本語またはベトナム語でご案内しながらワンストップでお引き受けします。ご依頼は下記のパッケージ単位でも、必要な項目のみの単発でも承ります。
No.
書類
様式
業務範囲
1
個人データ処理影響評価報告書
政令356/2025/NĐ-CP号 様式第10号
申請書類の作成、公安省への提出、および公安省における審査・処理状況のフォロー
2
個人データ処理影響評価書類の提出通知書
政令356/2025/NĐ-CP号 様式第02a号
同上
No.
書類
様式
業務範囲
3
越境個人データ移転影響評価報告書
政令356/2025/NĐ-CP号 様式第09号
申請書類の作成、公安省への提出、および公安省における審査・処理状況のフォロー
4
越境個人データ移転影響評価書類の提出通知書(法人向け)
政令356/2025/NĐ-CP号 様式第01a号
同上
No.
書類
様式
業務範囲
5
個人データ保護に関する社内規程/ポリシー(個人データの保管、削除、廃棄、安全管理措置その他関連する個人データ保護規定を含む)
法定様式なし
書類の作成またはレビュー
6
データ主体による個人データ処理への同意書のテンプレート
法定様式なし
書類の作成またはレビュー
7
個人データ保護担当部署・担当者の選任・任命に関する会社決定書、および担当者の実務経験に関する会社確認書
法定様式なし
書類の作成またはレビュー
8
個人データの取扱いに関する外国法人(親会社等)との間の合意書
法定様式なし
書類の作成またはレビュー
9
個人データの取扱いに関する貴社と顧客/サプライヤー/取引先との間の合意書
法定様式なし
書類の作成またはレビュー
「自社に提出義務があるのか分からない」「日本の親会社へのデータ送信が越境移転に当たるのか確認したい」といった入口のご相談から承ります。現状をお伺いしたうえで、必要な対応の範囲とスケジュール、お見積りをご提示します。制度そのものの内容や制裁金の水準については、個人データ保護法の解説記事および罰則の解説記事もあわせてご参照ください。
免責事項: 本記事の内容は2026年9月4日時点の情報に基づいています。制度の詳細は今後変更される可能性があります。個別の案件については専門家にご相談ください。
- コラム
- 2026.08.28
- CastGlobal
【2026年8月施行】ベトナム個人データ保護法の罰金額がついに明確化|政府令330/2026/NĐ-...
速報
2026年8月19日、ベトナムでサイバーセキュリティ及び個人データ保護分野の行政違反処罰に関する政府令330/2026/NĐ-CP(2026年8月19日施行)が公布・即日施行されました。これまで上限額しか定められていなかった個人データ保護法の罰則について、違反行為の類型ごとの具体的な罰金額がついに明示されています。本稿では、ベトナム現地の日系法律事務所の観点から、日系企業が押さえるべき罰金額の読み方と特に注意すべき違反類型を整理します。
本稿のポイント
個人データ保護分野の罰金額は「組織」が基準。企業にはそのままの金額が適用される
上限は原則30億VND(約1,700万円超)。ただし、売買は違反収益の10倍、越境移転違反は前年度売上高の5%まで
越境移転・人事労務・監視カメラは日系企業が抵触しやすい領域
2026年1月1日、ベトナムでは個人データ保護法(法律91/2025/QH15)と、その施行政府令(政府令356/2025/NĐ-CP)が施行されました。もっとも、これらの法令では罰則の上限が規定されていたにとどまり、「実際に違反した場合にいくら課されるのか」が不明確な状態が続いていました。詳細は当事務所の過去の寄稿記事「ベトナム個人データ保護法 日系企業が押さえるべきポイント」もあわせてご参照ください。
この空白を埋めたのが、サイバーセキュリティ及び個人データ保護の分野における行政違反処罰に関する政府令(政府令330/2026/NĐ-CP、2026年8月19日施行。以下「政府令330」)です。同令は公布日である2026年8月19日から即日施行されています。個人データ保護に関する罰則は第2章第6節(第39条〜第71条)に集中しており、行為類型ごとに罰金額が明記されました。
政府令330第7条1項は、金額を読み解くうえで極めて重要なルールを置いています。
第2章第1節〜第5節(サイバーセキュリティ分野)の金額は個人が基準。組織はその2倍。
第2章第6節(個人データ保護分野)の金額は「組織」が基準。個人が同じ行為をした場合は2分の1。
つまり、以下で紹介する個人データ保護に関する罰金額は、そのまま企業に適用される金額ということになります。
罰金の上限は政府令330第7条4項が定めています(個人データ保護法第8条と同内容)。
区分
上限
根拠
個人データの売買
違反により得た収益の10倍
第7条4項a号
個人データの越境移転規定違反(組織)
前年度売上高の5%
第7条4項b号
その他の個人データ保護違反
30億VND(約1,700万円超)
第7条4項c号
※収益・売上高を基準として算出した額が30億VNDを下回る場合や、そもそも収益・売上高がない場合には、30億VNDが適用されます(第7条4項a号・b号但書)。なお、処罰の時効は1年と短く設定されています(第3条1項)。
政府令330のうち、日系企業にとって特に重要と考えられるのは以下の4類型です。
個人データ保護分野における最も重い類型です。原則として、違反により得た収益の2倍から10倍の罰金が課されます(第53条1項)。収益がない場合には、対象となったデータ主体の人数に応じた定額が適用されます(同条3項)。
対象規模
罰金
基本データ1,000名未満/センシティブデータ200名未満
7,000万〜1億VND
基本データ1,000〜2,000名未満/センシティブデータ200〜400名未満
1億〜3億VND
基本データ2,000〜10,000名未満/センシティブデータ400〜2,000名
3億〜5億VND
基本データ10,000名以上/センシティブデータ2,000名以上
5億〜10億VND
国防・安寧・対外関係・マクロ経済、生命・身体・名誉・財産を侵害するもの
10億〜30億VND
形式不備も「売買」に該当しうる
「有償の移転であるのに移転合意書がない」といった形式面の不備も、第53条1項b号〜e号により売買とみなされ、この枠で処罰されうる点に注意が必要です。有償のデータ提供や、業務委託先へのデータ提供の対価が発生している場合は、契約書の記載内容を今一度確認すべきです。
2,000万〜3,000万VND(第55条1項):影響評価書を作成・保管しない、処理開始日から60日以内に専門責任機関へ提出しない、定期更新をしない等。
5,000万〜1億VND(同条2項):処理影響評価報告書において故意にデータを偽造する、虚偽情報を提供する、報告書の訂正・補完の要請を拒否する等。
日系企業が最も高い頻度で抵触しうる領域です。日本本社へのデータ共有、クラウドサービスの利用、グループ共通の人事システムの利用などは、いずれも越境移転に該当し得ます。
3,000万〜5,000万VND(第56条1項):越境移転影響評価書を作成しない、移転開始日から60日以内に専門責任機関へ提出しない、要求から30日以内に補正しない、定期更新をしない等。
5,000万〜1億VND(同条2項):受領者との責任分担契約がない、データ主体への通知・同意がない、移転後の安全確保策がない、停止決定後も移転を継続した等。
売上高比例罰(同条3項):影響評価書を作成せずに移転しデータ漏洩を招いた場合等は、ベトナム市場における前年度売上高の1〜2%(被害者1万〜10万人)、2〜3%(10万〜100万人)、3〜5%(100万人以上、または停止決定後の継続移転により国防・国家安全に損害を与えた場合)。
付加的処罰として6〜12か月の越境移転停止(同条5項b号)。
技術的・工学的手段を用いて違法に個人データを収集した場合、対象者数に応じて1億〜8億VNDの罰金が課されます。基本データ5,000名以上またはセンシティブデータ1,000名以上の場合は5億〜8億VNDとなります。ウェブサイトのトラッキングツールやアプリの権限設定なども、同意取得の設計次第ではこの類型に触れうる点に留意が必要です。
場面
主な違反行為
罰金
根拠
同意
同意なしの処理、同意の記録・ログを保存していない等
3,000万〜5,000万VND
第43条1項
同意
停止要求後も処理を継続、沈黙を同意とみなす等
5,000万〜7,000万VND
第43条2項
権利対応
データ主体からの有効な請求に2営業日以内に応答しない、手続きを周知しない等
1,000万〜2,000万VND
第44条1項
権利対応
同意撤回15日、閲覧・修正10日、削除20日等の期限を徒過
3,000万〜4,000万VND
第44条3項
人事労務
採用目的外のデータ要求等
2,000万〜5,000万VND
第61条1項
人事労務
退職後、法定期間を超えてデータを保持、通知なしの監視カメラ・PC監視ソフト導入
5,000万〜7,000万VND
第61条2項
人事労務
違法に収集した従業員データの利用
7,000万〜1億VND
第61条3項
漏洩対応
発見から72時間を超える通報遅延(国防・安寧・本人の生命身体等に損害のおそれ)
4,000万〜6,000万VND
第54条3項
漏洩対応
阻止措置・結果是正を行わない、専門責任機関に協力しない
6,000万〜8,000万VND
第54条4項
体制
DPO(個人データ保護担当者)の指定文書を発行しない、学歴・実務2年の要件を満たさない者を指定
2,000万〜3,000万VND
第57条2項
監視カメラ
公共空間・顧客対応区域で録音録画の掲示・通知をしない
1,000万〜2,000万VND
第71条1項
監視カメラ
映像を商用利用・行動分析・顔認証プロファイリングに転用
3,000万〜5,000万VND
第71条2項
※上記は主要な類型の抜粋です。原文には他の類型についても規定が置かれています。
個人データ保護法においては、罰金額の上限は定められていたものの、違反行為ごとの個別具体的な罰金額は定められていませんでした。政府令330の施行により、今後は取締りが強化される可能性があります。特に越境移転については、日系企業の通常の業務フローに組み込まれていることが多く、意図せず違反状態となっているケースが少なくありません。
当事務所では、個人データ保護法対応に関するアドバイス、影響評価書をはじめとする各種書類の作成、当局への提出代行等を行っております。お気軽にお問い合わせください。
情報ソース: サイバーセキュリティ及び個人データ保護の分野における行政違反処罰に関する政府令(政府令330/2026/NĐ-CP、2026年8月19日施行)/個人データ保護法(法律91/2025/QH15、2026年1月1日施行)/個人データ保護法施行政府令(政府令356/2025/NĐ-CP、2026年1月1日施行)
免責事項: 本記事の内容は2026年8月25日時点の情報に基づいています。制度の詳細は今後変更される可能性があります。個別の案件については専門家にご相談ください。
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CastGlobal Law Vietnam Co., Ltd.
ベトナム・ホーチミン市拠点の日系法律事務所。日系企業向けの企業法務、M&A、コンプライアンス、労務、知的財産を中心にリーガルサービスを提供。
- コラム
- 2026.08.24
- CastGlobal
ベトナム受益所有者(BO)規制改正|政令296の三段階基準と罰則強化...
2025年7月にベトナムで受益所有者(Beneficial Owner, BO)規制が導入されてから約1年、2026年7月23日付の政令第296/2026/ND-CP号(以下「政令296」という)が公布・即日施行され、政令第168/2025/ND-CP号(以下「政令168」という)のBO関連規定が全面的に書き換えられました。あわせて、政令第288/2026/ND-CP号により制裁金の上限が1億ドンへ引き上げられています。本稿では、昨年の寄稿記事でご紹介した旧規制からの変更点と、日本企業に求められる対応を整理します。
政令296は政令168の改正政令であり、2026年7月23日から施行されています(政令296第22条第1項)。企業登録手続全般に及ぶ改正ですが、実務上最も影響が大きいのは、BOの認定基準を定める第17条と、その申告義務を定める第18条が丸ごと差し替えられた点です(政令296第3条・第4条)。
旧規定の下では、25%基準を満たす個人が存在しない企業について「該当者なし」として申告が完結し得ましたが、政令296は最終的な個人に到達するまで所有構造を遡ることを求めております。
旧政令168第17条第1項は、(a)25%以上の直接・間接所有、(b)重要事項に関する支配権のいずれか一方に該当すればBOと認定される並列型の基準でした。改正後第17条は、(1)所有基準 →(2)支配基準 →(3)最上位経営者、という優先順位で検討することを企業に義務づける段階構造に改められています。
「直接・間接・その双方の合算により、定款資本の25%以上または議決権付株式総数の25%以上を保有する個人」
旧規定は「直接または間接」の別建てでしたが、合算して判定することが明文化されました。
間接保有の経路として、他の組織に加えて「その他の法的取決め」が追加されました(旧第17条第2項は他の組織を通じた保有のみを想定)。
企業法第4条第22項の家族関係にある個人グループ、または契約に基づき共同で25%以上を保有する場合、グループ内の全員がBOとなります。
合名会社では、出資比率・議決権にかかわらず全ての合名社員がBOとなります。
企業における国家資本の代表者はBOから除外されます(改正後第17条柱書)。
第一段階に該当する個人がいない場合、または第一段階で特定した個人が実際にはBOではないと認めるべき根拠がある場合に検討します。列挙される支配権のうち、企業の財務・投資・事業方針の決定権が追加され、他方で法定代表者の任免権が削除されました(旧第17条第1項b号との対比)。株主間契約や定款上の予算・投資計画の承認権が、25%基準を満たさない個人をBOに引き上げる可能性がある点に注意が必要です。
第一・第二段階のいずれでも該当者が特定できない場合、企業を代表して行動する最大の権限を有する管理者を1名特定します(国家資本の代表者を除く)。すなわち、「該当者なし」で申告を終えることは原則としてできなくなりました。
改正後第18条第1項は、所有構造の各階層を順に精査し、最終的な所有権または支配権を有する個人に到達するまで遡ることを企業の義務として明記しました。所有構造にマネーロンダリング防止法上の法的取決めが含まれる場合、当該取決めのBOは同法に従って特定します。申告は改正後第18条第2項a号〜c号の順序に従います。
2026年7月21日付・同日施行の政令第288/2026/ND-CP号は、政令第122/2021/ND-CP号を改正し、BOに関する違反類型を新設しました。主な制裁金は図表のとおりです。
違反行為
制裁金
根拠(改正後政令122)
設立登記時にBO情報を申告しない
5,000万〜1億ドン
第46条第4項c号・第5項d号
2025年7月1日前設立の企業が直近の変更登記・変更届出時にBO情報を補充しない
7,000万〜1億ドン
第44条第6項
BO情報を不実・不正確に申告
3,000万〜7,000万ドン
第43条
BO情報の変更届出の遅延
1日~10日:警告
11〜30日:1,000万〜2,000万ドン/31〜90日:3,000万〜4,000万ドン/91日以上:5,000万〜6,000万ドン(1〜10日は警告)
第44条第1項〜第4項
いずれもBO情報の補充・届出という是正措置が併せて課されます。特に留意すべきは、2025年7月1日前に設立された既存企業が、直近の変更手続の際にBO情報を補充していなければ制裁の対象となる点です。設立年次を問わず、すでに変更登記を経ている現地法人は提出済み書類の確認が必要です。
BO規制は、単なる登記実務ではなく、グループ全体の所有構造の透明性に関するコンプライアンス課題です。実務対応としては、①最終個人まで到達する所有構造図を作成し、三段階の順序で検討した過程を証跡として保存することが重要です。
情報ソース: 政令第296/2026/ND-CP号(2026年7月23日施行)/政令第288/2026/ND-CP号(2026年7月21日施行)/政令第168/2025/ND-CP号/政令第122/2021/ND-CP号
免責事項: 本記事の内容は2026年8月21日時点の情報に基づいています。制度の詳細は今後変更される可能性があります。個別の案件については専門家にご相談ください。
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- コラム
- 2026.08.21
- CastGlobal
ベトナムにおけるセクハラ対応 ~日系企業が見直すべき就業規則と初動対応~【寄稿のお知らせ】...
お知らせ
ベトナムに進出する日系企業において、セクシャルハラスメント対応の重要性が高まっています。近年は、ベトナム人従業員から日本人駐在員やベトナム人管理職に対する告発も見られます。これは単にトラブルが増えたというより、ベトナム人従業員側の権利意識が高まっている表れといえます。このたび、当事務所代表弁護士 工藤拓人が、ベトナム法上のセクハラの考え方と実務対応について解説した寄稿記事が、専門プラットフォーム「リンオペ」に掲載されました。
セクハラの定義
「職場」の範囲
就業規則への明記の必要性
セクハラに対する懲戒処分
通報を受けた後の初動
行政処罰とレピュテーション棄損等のリスク
日系企業がすぐに確認すべき実務対応
ベトナム法人の人事労務を担当される方
ベトナムの労働法規制を把握したい本社海外事業担当の方
ベトナムでは、セクハラ対応を人事マナーの問題としてではなく、就業規則の整備と手続の設計という労務コンプライアンスの問題として捉える必要があります。当事務所では、就業規則の改定、社内研修、通報窓口の整備をあわせてご支援しています。
掲載媒体: リンオペ(株式会社スタディスト運営)https://lean-operation.com/media/global/castglobal_2608/(公開日:2026年8月21日)
免責事項: 本記事及び寄稿記事の内容は2026年8月21日時点の情報に基づく一般的な情報提供であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。制度の詳細は今後変更される可能性があります。個別の案件については個別にご相談ください。
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- コラム
- 2026.08.21
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【2026年9月28日施行】ベトナムVNeID改正|外国人の「在留カード要件」が撤廃されます...
速報
2026年8月13日、ベトナム政府は電子的識別及び電子的認証に関する政府令を改正する政令(政令320/2026/NĐ-CP、2026年9月28日施行)を公布しました。外国人のVNeID(電子的識別アカウント)取得要件から在留カードの保有が外れ、レベル1・レベル2の区分も撤廃されます。あわせて、統合済み書類の再提出要求の禁止と、電子取引アカウントの連携義務化という、日系企業の実務に直結する改正が入りました。ベトナム現地の日系法律事務所の観点から、変更点と施行に向けた確認事項を整理します。
本稿のポイント
外国人のアカウント取得要件から一時在留カード(TRC)・永住カード(PRC)の保有が外れ、レベル区分も撤廃(改正後 第7条第2項)
国家識別アプリに統合済みの書類について、原本・写しの提出や提示を求めることが禁止(改正後 第4条第4項)
銀行・電子商取引・運送・旅行・医薬品など11分野の電子取引アカウントは、電子的識別アカウントとの連携・認証が義務化(改正後 第40条第9項)
既存アカウントの連携期限は2026年12月31日(銀行分野は2027年6月30日)
本記事は、2025年公開の「【ベトナム】外国人・外資系企業におけるVNeID登録の最新情報」のアップデート版です。以下では、改正法令を「政令320号」、改正対象法令である電子的識別及び電子的認証に関する政府令(政令69/2024/NĐ-CP、2024年6月25日公布)を「政令69号」と表記します。条番号は、特に断りのない限り改正後の政令69号のものです。
政令320号は、政令69号の一部条項を改正・補充するもので、施行日は2026年9月28日です(政令320号第20条第3項)。日系企業の観点から重要なのは、次の3点です。
外国人の取得要件の緩和(改正後 第7条)
統合済み書類の再提出要求の禁止(改正後 第4条第4項)
電子取引アカウントの連携義務化(改正後 第40条第9項・第10項)
項目
改正前(第7条第2項)
改正後(第7条第2項)
対象者
満6歳以上で、永住カード(PRC)又は一時在留カード(TRC)の交付を受けた外国人
ベトナムに合法的に入国した外国人、又はベトナムに合法的に在留する外国人
レベル区分
レベル1・レベル2の2区分(6歳未満はレベル1のみ)
区分なし
年齢要件
満6歳以上/6歳未満で区別あり
条文上、下限の定めなし
最大の変更点は、在留カードの保有が取得要件から外れたことです。従来は在留カードの取得を待たなければアカウントを作れませんでしたが、改正後は「合法的な入国」又は「合法的な在留」で足りることになります。
なお、レベル区分の廃止は外国人についてのものです。ベトナム国民については改正後 第7条第1項でレベル1・レベル2の区分が維持されています。機関・組織については、改正前後を通じてレベルの区別はありません(改正後 第7条第3項)。
外国人アカウントの機能面については、改正後 第9条第3項が「国家データベース・専門データベースから共有・統合・更新された情報と、システムの全機能・全ユーティリティ」にアクセスできると定めており、従来のレベル2に相当する扱いと読めます。
改正前は、外国人がレベル2アカウントを取得するには有効なTRC又はPRCが必要でした(改正前 第7条第2項)。他方、法人アカウントの取得には、法定代表者(又はその受任者)がレベル2アカウントを保有していることが前提とされています(政令69号第12条第1項。同条は今回改正されていません)。
そのため、設立直後でTRC未取得の日本人法定代表者は本人アカウントを取得できず、結果として法人アカウントも作成できないという問題が生じていました。改正後は在留カード要件が外れるため、この問題は条文上解消されます。
条文上は解消、ただし運用は要確認
第12条第1項は「自己のレベル2電子的識別アカウントを用いてログインし」という文言のままであり、外国人の「レベルなし」アカウントがこれに該当するかは条文上明示されていません。第9条第3項の趣旨からは該当すると解すべきですが、システム実装と窓口実務が追随するかは施行後の確認が必要です。
また、条文上は「合法的に入国した外国人」も対象となり得ますが、短期商用ビザでの入国者による申請が実際に受理されるかは、出入国管理当局の受付実務によります。
省級入国管理機関に出向き、旅券又は国際旅行に有効な書類を提示する(第1項)
様式TK01を提出する。携帯電話番号、メールアドレス(ある場合)、アプリケーションへの統合を希望する情報を記載する(第2項)
担当官が情報を入力し、顔写真・指紋を採取して出入国国家データベースと照合する。あわせて国家識別アプリのインストール・申告方法が案内される(第3項)
出入国管理機関がシステム管理運営機関に交付を要請する(第4項)
結果は国家識別アプリ、携帯番号又はメールで通知される(第5項)
14歳未満・被後見人・被代理人は代理人又は後見人と同伴で出頭する。申告には代理人・後見人本人名義の携帯番号を使用する(第6項)
改正前の第11条第1項にあった、アプリ上で完結する非対面ルート(レベル1)は条文上なくなりました。したがって、全ての外国人について窓口出頭と生体情報の採取が必要となります。委任状による代理申請を認める規定は、改正後も置かれていません。
申請先についても変更があります。改正前 第11条第2項aは「公安省出入国管理局又は省級公安」を掲げていましたが、改正後 第11条第1項は「省級出入国管理機関」のみとなりました。ホーチミン市・ハノイ市の受付体制については、施行後に管轄機関へ確認することをお勧めします。
区分
改正前
改正後
外国人・顔写真及び指紋が出入国国家データベースにある場合
レベル1:1営業日/レベル2:3営業日
2営業日(第3項a)
外国人・当該情報がない場合
レベル2:7営業日
5営業日(第3項b)
組織・照合情報が国家データベース等にある場合
3営業日
3営業日(第4項a・改正なし)
組織・照合情報がない場合
15日(暦日)
10営業日(第4項b)
改正後 第4条第4項は、行政手続・公共サービス・民事取引その他の場面において、国家識別アプリに統合済みの情報・書類につき、原本又は写しの提出・提示を求めてはならないと定めました。あわせて、同アプリ経由のオンライン行政手続については手数料・料金の免除・軽減が規定されています(具体的な範囲は改正後 第36条第4項に基づき別途規定)。
統合の対象となる書類は、政令320号第20条第2項により付表としてリスト化されました。
リスト1(個人向け・66種類):一般旅券、査証、外国人の永住カード・一時在留カード、居住情報確認証明書、運転免許証 など
リスト2(機関・組織向け・140種類):企業登録証明書(ERC)、条件付事業許可証 など
駐在員の在留・行政手続と、法人側の許認可書類が、段階的に電子的識別アカウントへ集約されていく方向です。「紙の写し+公証」を前提とした社内フローや、契約書上の提出書類条項は中期的な見直しの対象となります。
ただし、統合はデータベース連携が完了した書類から順次進むため(改正後 第8条第1項・第2項)、施行日から一斉に全種類が使えるわけではありません。
事業への影響という点では、政令320号第19条により追加された第40条第9項・第10項が最も重要です。
第9項は、ベトナム国内の以下の分野に関するデジタルプラットフォーム上の電子取引アカウントについて、電子的識別アカウントとの連携及び認証を行わなければならないと定めています。
連携・認証が義務付けられる分野
教育・デジタルリテラシー/証券/通信/銀行/電子商取引(電子商取引法に定める販売者、ライブコマース実施者、アフィリエイトマーケター)/電子インボイス/運送事業/旅行事業/医薬品事業/診療・治療/ソーシャルネットワーク
第10項は、上記以外の分野について、各大臣・省庁級機関の長が、利用前に連携・認証が義務付けられるオンライン取引の具体的リストを公布すると定めています。今後、所管省庁ごとに対象範囲が拡張されていく可能性があります。
対象
期限
国家デジタルプラットフォーム(認証・ログイン・取引実施への電子的識別アカウントの統合)
2026年12月31日
第40条第9項の電子取引アカウントのうち、施行日前に作成済みのもの(銀行分野を除く)
2026年12月31日
同上のうち銀行分野
2027年6月30日
既に交付済みのレベル1・レベル2アカウントが施行後にどう扱われるか(自動的に区分が解消されるのか、経過措置が置かれるのか)は、公布された条文からは明らかではありません。政令320号第20条に関連する経過規定は置かれていないため、当局のガイダンスを確認する必要があります。
また、改正後 第7条第2項も「必要がある場合に」と定めており、条文上は一律の取得義務ではありません。もっとも、改正後 第40条第9項の連携義務や行政手続の電子化が進むほど、事実上の必要性は高まっていくと考えられます。
ベトナムの携帯電話番号を保有しているか確認する(様式TK01で記載が必要)
TRC未取得の法定代表者について、施行後の申請可否を管轄公安に確認する
窓口出頭と生体情報採取が必要となるため、出張・帰任スケジュールに余裕を持たせる
自社の事業が改正後 第40条第9項の列挙分野に該当するかを整理する
該当する場合、2026年12月31日(銀行分野は2027年6月30日)までの連携計画を策定する
「紙の写し+公証」を前提とする社内フロー、及び契約書上の提出書類条項を棚卸しする
法人アカウント取得の前提となる法定代表者個人のアカウント保有状況を確認する
当事務所では、駐在員の在留手続及び現地法人の許認可管理の観点から、施行後の運用を注視してまいります。
参照法令: 電子的識別及び電子的認証に関する政府令を改正する政令(政令320/2026/NĐ-CP、2026年8月13日公布・2026年9月28日施行)/電子的識別及び電子的認証に関する政府令(政令69/2024/NĐ-CP、2024年6月25日公布)
免責事項: 本記事の内容は2026年8月21日時点で公布されている法令に基づく一般的な情報提供であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。施行後の当局運用により取扱いが異なる可能性がありますので、実務対応の前に最新情報をご確認ください。
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CastGlobal Law Vietnam Co., Ltd.
ベトナム・ホーチミン市拠点の日系法律事務所。日系企業向けの企業法務、M&A、コンプライアンス、労務、知的財産を中心にリーガルサービスを提供。



