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ベトナムにおける電話番号の取得とテレマーケティングに関する法的留意点

  • 2025.03.07
  • 組織体制、契約管理
  • 広告

企業の営業活動において、電話を利用したテレマーケティングは依然として有効な手段の一つです。 しかしベトナムでは、近年の個人データ保護規制の強化や広告規制により、電話番号の収集・利用に対して様々な規制が課されており、その遵守が重要となっています。 本コラムでは、2023年7月1日に施行された政令第13/2023/ND-CP(以下「政令第13号」といいます。)や、広告・宣伝電話に関する政令第91/2020/ND-CP(以下「政令第91号」といいます。)を中心に、電話番号を取得して商品・サービスの販売目的で連絡する際の法的留意点や将来的なリスクについて解説します。 1. 個人データの保護と電話番号の扱い 政令第13号第2条1項によれば、電話番号は「個人に関する情報」として個人データの一...

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ベトナムの広告業における「特別な商品」の当局への登録について
ベトナムでは、広告業について、DPIでの広告ビジネスラインを持っているとき、DOIT等に他のビジネスライセンスの登録は原則不要です。しかしながら、広告前に事前承認・登録が必要となる「特別な商品」があり、これらについては事前の登録・承認等が必要になります。 目次特別な商品について所管当局と広告内容登録の大まかな流れ・医薬品、医療機器、化粧品等の場合・食品、栄養補助食品、乳製品等の場合・農薬、肥料、家畜用生物製品、動物品種 等の場合・工業商務省(MOIT)/産業貿易局(DOIT)がかかわるケース具体的に必要とされる書類(例示)1.申請書(所定のフォーム)2.ビジネスライセンス(ERC/IRCなど)のコピー3.商品に関する各種承認書・登録証明書4.広告内容を示すサンプル(原稿)5.その他の必要書類手続き期間・実務上の留意点実務対応のポイントまとめ 政令181/2013/ND-CP第12条に基づき、以下のカテゴリーに該当する商品・サービスを広告する場合は、広告開始前に所管当局での広告内容登録が必要とされています。 1.医薬品 2.化粧品 3.食品(特に保健機能食品・健康補助食品 等) 4.家庭用および医療用の化学薬品、殺虫剤、消毒剤 5.医療機器 6.乳製品や子供向け栄養補助食品 7.健康診断・治療サービス 8.農薬、農薬成分、植物保護用品、獣医用医薬品・獣医用品 9.肥料、栽培用生物製品、家畜用生物製品、植物品種、動物品種 上記商品を広告する場合は、広告を出す前に広告主(商品を保有・販売する当事者)が、広告内容を所管当局(具体的には保健省、農業農村開発省、工業商務省(MOIT)等)に提出し、承認あるいは登録証明書を取得する必要があります。 該当商品ごとに所管省庁や登録窓口が異なります。ベトナムでは、中央省庁とローカル(省・市)レベルのDepartment(例:DOIT, DOH, DARDなど)の2層構造で管理されることが多く、どのレベルで手続きをするかは商品区分・企業所在地・広告規模等によって変わります。 • 所管省庁:主に保健省(Ministry of Health, MOH) • ローカル機関:各省・市の保健局(Department of Health, DOH) • 主な手続きの流れ 1.広告主が、医薬品/医療機器/化粧品の承認番号や品質適合証明などの関連書類を準備 2.広告で使用する原稿(画像・動画・テキスト等)を作成し、提出書類の一部として添付 3.指定の申請書(所定のフォーム)に必要事項を記載し、DOHまたはMOHに申請 4.当局での審査後、問題がなければ広告内容承認書(Advertising License)が発行される 5.広告主は、この承認書に基づいて広告を実施 • 所管省庁:保健省(MOH)が中心。ただし食品の種類によっては工業商務省(MOIT)や農業農村開発省(MARD)がかかわる場合があります。 • 主な手続きの流れ:上記と同様に、食品の品質登録や衛生証明書等を事前に取得していることが前提となり、その上で広告内容に関する申請を行い、承認を受けます。 • 所管省庁:農業農村開発省(MARD) • ローカル機関:各省・市の農業農村開発局(Department of Agriculture and Rural Development, DARD) • 主な手続きの流れ:他の分野とほぼ同様ですが、使用・販売認可(製品登録番号)などが既に取得済みであることが前提となり、広告内容の事前承認を得ることが必要です。 主に工業製品や商取引活動に関連する特定品目、あるいは保健省や農業農村開発省の所管外であるが、政府の別規定で特別に指定された商品・サービスを広告する場合に、MOITまたは各省・市の産業貿易局(DOIT*が広告許可を管轄するケースもあります。 商品ジャンルによって書類が多少異なりますが、一般的には以下のような書類が求められます。 広告主の情報(会社名、所在地、ライセンス番号など) 広告代理店が代理申請する場合、その委任状(Power of Attorney) 会社の事業登録証明書(商号、事業内容等がわかるもの) 医薬品・医療機器:製品登録番号、品質規格証明、輸入許可等 食品:衛生証明書、栄養補助食品の登録証明など 農薬・肥料等:製品登録番号、輸入許可証、成分分析証明等 テキスト広告の場合:文言や訴求内容が書かれた原稿データ 画像・動画広告の場合:実際の画像や動画のキャプション、台本など 広告に使用する言語(ベトナム語)や翻訳文が正しいかどうかもチェックされます。 製品の有効期限や安全性を証明する書類、輸入時の通関書類(必要に応じて) 広告審査手数料の支払い証明など 審査期間:通常は10~15営業日程度が目安とされますが、当局の繁忙状況や書類不備の有無によって延びる可能性があります。 不備対応:書類に不備や追加要件がある場合、当局より訂正・補足提出を求められることが多々あります。 ライセンスの有効期間:特定期間(例:1~3年)限定で発行される場合や、対象となる広告内容自体に有効期限が付される場合があります。 広告表現の制限:医薬品や化粧品、食品などの広告は、「医療効果・効能を誇大にうたう表現の禁止」「虚偽・誤認を与える表示の禁止」など、ベトナの広告法・消費者保護法令に基づき厳格に規制されています。広告文案の作成時には注意が必要です。 1.商品カテゴリーの確認 該当の商品が「特別な商品」にあたるかをまず特定し、それぞれの所管省庁がどこになるかを明確にします。 2.必要ライセンス・登録番号の取得状況を確認 広告主(商品保有者)が、製品登録番号や品質証明書を既に取得しているかどうかを事前に確認します。 未取得の場合、広告許可申請の前提条件が満たされていないため、まず製品登録などを完了させる必要があります。 3.広告表現のチェックと原稿作成 広告法や関連規定に抵触しない表現かどうか、専門家や翻訳者のチェックを経て原稿を完成させます。 4.所管当局への申請 地域によってはローカルの省庁(DOH、DOIT、DARD等)で手続きする場合と、中央省庁(MOH、MARD、MOIT等)で手続きする場合があります。 広告規模や商品の性質に応じて、どちらに申請すべきかを事前に確定します。 5.審査対応・ライセンス受領 審査中に追加書類や修正指示が出た場合は、速やかに対応し、ライセンスを取得します。 当局から承認を受けた広告内容と実際の広告が一致することが重要です。 DOITへの登録について、実際には特定商品を取り扱う広告ではない限り、ビジネスライン(広告サービス)の登録のみで済む場合がほとんどです。一方で、「政令181/2013/ND-CP第12条で定められた特別な商品」に該当する場合は、広告開始前に商品固有の広告ライセンス(承認)を取得する必要があります。 手続きは広告主が行うのが原則ですが、実際には広告代理店が委任されて進めるケースも多々あります。必要書類や審査期間などは実務上変動があり、事前の準備と当局への照会が鍵となります。事前に確認のうえ準備を行うようにしてください。