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ベトナムにおける船荷証券(B/L、ベトナム語:Vận Đơn)に関わる行政上の規制について教えてください。

  • 2021.09.17
  • その他企業法務
  • その他全般

1. 船荷証券を発行するに当たって事前に国家機関への登録等が必要になりますか? ベトナムの船荷証券については海事法(95/2015/QH13。以下「海事法」といいます)に規定されています。同法の第159条第1項によれば、運送人(ベトナム語:người vận chuyển)は、荷送人(ベトナム語:người giao hàng)の要求に応じて、船荷証券を発行しなければならない旨規定されていますが、国家機関への登録は規定されていません。 船荷証券の発効の形式については、同条第2項に以下のように規定されています。 Article 159. Issue of bill of lading 2. Bill of lading may be signed and...

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  • 2024.12.23
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ベトナムの国民番号と変更について
目次Q1. ベトナムのID番号とはどのようなものですかQ2. ベトナムでID番号が変更されるのはどのようなケースですかQ3. 本人の希望でID番号を変更することはできますかQ4. 過去にどのようなID番号システムの変更がありましたか1. 9桁システムの時代2. 12桁システムの導入Q5. これからID番号が変わる可能性はありますかQ6. 個別にID番号が誤って付番されていたことが発覚した場合、どのように修正されますかまとめ A. ベトナムのID番号は、ベトナム国民一人ひとりに付与される個別の番号であり、国民の身分を証明するうえで重要な役割を果たします。従来、9桁や12桁の「Chứng minh nhân dân(CMND)」の番号や、「Căn cước công dân(CCCD)」と呼ばれる市民IDカードの番号等、法改正や政府の管理方針の変遷により複数回の変更・移行が行われてきました。 A. 大きく分けて以下の2つのケースに限られます。 1. 国家(政府)の政策変更などに伴い、国民管理番号システム全体が変更される場合 条約加盟や国家管理政策の変更などによって、政府が法令改正や新規法律の施行を行い、国民管理番号システムをリセットまたは一斉変更する場合です。 過去の例としては、1999年に9桁のCMNDから12桁のCMNDへの移行や、現在のCCCD(電子チップ付含む)への切り替えなどが該当します。 このようなケースでは、国民全体のID番号が新システムに移行し、結果的に番号が変わります。 2. 個別の発行誤りや重複発見など、正当な理由によりID番号が修正される場合 行政当局の発行ミスや重複番号を発見した場合などに、個別でID番号が変更されることがあります。 ただし、具体的な手続きや基準は法律上詳細な規定がない部分もあり、ケースバイケースで政府当局が判断していると考えられます。 A. 原則として不可と考えられます。 法律第26/2023/QH15号 第24条1項g は「国民の申請があれば、IDカードの交付(あるいは交替)を新規発行することができる」と定めていますが、これはあくまでも「同じID番号」での新カード発行を想定した規定です。 有効期限が切れた場合やカードの破損・紛失によって新規IDカードを作成する場合でも、ID番号自体は変わらずに同じ番号が付されます。 A. ベトナムでは、1950年代以降、複数回にわたるIDシステムの変更が実施されてきました。主な変更は以下のとおりです。 GCM (Giấy Chứng Minh) / GCNCC (Giấy Chứng Nhận Căn Cước) / CMT (Chứng Minh Thư) など、時期によって名称や様式が異なるIDカードが存在しました。 1999年に「9桁のCMND (Chứng Minh Nhân Dân 9 số)」へ移行しましたが、そのタイミングでID番号が変更されました。 2012年から「12桁のCMND (Chứng Minh Nhân Dân 12 số)」が導入され、9桁から12桁に移行したことによりID番号が実質的に変更されました。 2016年に「CCCD (Căn Cước Công Dân)」が採用され、さらに2020年からはICチップ内蔵カードである「CCCD gắn chip」の発給が始まりました。 2024年以降は「Thẻ Căn Cước(TCC)」へ移行する予定とされていますが、基本的には12桁の番号体系を継続して使用する見込みです。 これら大規模なIDシステム変更が行われた場合、国民のID番号は政府が定める手続きに従い新しい番号へ移行されることとなります。なお、2016年以降のCCCD(ICチップ搭載含む)への切り替えに関しては、番号の桁数自体は同じ12桁を継続しており、ID番号としての変更は行われておりません(個別の誤発行等を除く)。 A. 政府方針や法令改正の内容によっては、将来的に新たなシステムへの移行が行われる可能性はあります。しかしながら、2024年の時点では、ICチップ付きのCCCDからTCC(Thẻ Căn Cước)への呼称変更やカード様式の改正が予定されている一方で、番号自体を変更する方針が公に示されているわけではありません。 したがって、特段の方針変更(例えば国民管理政策の大幅な転換)や国際条約加盟によるシステム再編などがなければ、現時点でID番号が一斉に変わる可能性は低いと考えられます。 A. 個別事案の場合は、原則として当局による審査や手続きの上で新しいID番号が割り当てられます。具体的には以下のような流れが想定されます。 1.誤付番や重複番号の事実が判明 2.当事者が警察当局・管轄官庁に訂正申請 3.当局による調査・審査の結果、正当な理由が認められた場合に新番号を付与 4.新しいIDカード(CCCD等)の発行 ただし、詳細な手続きについては現行法上細かく規定されておらず、実務上は関係当局の判断やガイドラインに基づいて運用されるケースが多いといわれています。 ベトナムのID番号は、国家の管理政策や法令改正に伴う大規模なシステム変更、もしくは個別の誤発行・重複が見つかった場合に限り原則として変更されます。 本人都合(希望)による任意の変更は認められておらず、カードの更新・再発行を申請してもID番号自体が変わるわけではありません。 過去には9桁から12桁に移行するなど、大きなシステム変更が実施されてきましたが、近年では同じ12桁の番号を継続利用する形でカード様式のみが変わっている状況です。 将来的な大規模変更の可能性を完全に否定はできませんが、現時点で公式に公表された方針や法改正案では「番号の変更」ではなく「カード名称・様式の改正」が主たる内容となっているため、企業実務や個人の生活への大きな影響は限定的と思われます。
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  • 2022.09.20
  • その他全般
電子識別及び電子認証を規定する政令59/2022/ND-CPの概要
2022年9月5日、電子識別(e-Identification)及び電子認証(e-Authentication)を規定する政令No 59/2022/NĐ-CP(以下、「本政令」といいます。)が公布されました。 本政令は2022年10月20日から施行されます。以下、本政令に規定されている特に注意すべき点について説明します。   目次1. 電子識別アカウントを発行する対象(本政令第11条)2. 電子識別アカウントに含まれる情報(本政令第7条、8条、9条、12条)3. 電子識別アカウントの登録4. 電子識別アカウントの使用 電子識別アカウントを発行する対象は以下のとおりです。 満14歳以上のベトナム国民 ベトナムに入国する満14歳以上の外国人 ベトナムで活動するために設立または登録された組織(日系企業を含む)   ベトナム国民の場合: 個人識別番号、氏名、生年月日、性別、顔写真、指紋 外国人の場合: 外国人の識別番号、氏名、生年月日、性別、国籍、パスポートの番号・記号・日付・発行機関、顔写真、指紋 組織の場合: 組織の電子識別番号、組織名、設立年月日、本社住所、法定代表者又は組織の長の識別番号・氏名   対象及び電子識別アカウントのレベルによって、登録手順が異なります。 ベトナム国民の場合: VNelD アプリケーションを介して登録します又は、村レベルの公安、またはID カード申請機関において登録(本政令第 14 条) 外国人の場合: VNelD アプリケーションを介して登録します又は、出入国管理局又は、省レベルの公安において登録(本政令第 15条) 組織の場合: VNelD アプリケーションを介して登録(本政令第16条) 具体的な手順については、本政令に規定される上記の条項をご参照ください。 なお、本政令には、電子識別アカウントを登録することを義務とするという明確な規定はありません。 つまり、電子識別アカウントを登録するかしないかは、個人や組織の決定により行われることになります。   電子識別アカウントは、本政令第 13 条に定める目的に使用されます。 以下のとおり、代表的な目的をいくつか説明します。 VNelD アプリケーションの機能とユーティリティを使用するため 電子環境での行政手続を実施するため 個人情報の提供を必要とする活動や取引において、アカウントにセットをされた個人情報を証明するため IDカード又はパスポートの提供が必要な取引において、IDカード、パスポートを代わるため 組織に関する情報の証明を必要とする取引において、組織の情報を証明するため 本政令によれば、上記の規定が2022年10月20日から施行されますが、実際の登録手続や、取引等に電子識別アカウントを通じて行う際の手続・取引等については、運用がどのようになるかを注視していく必要があります。
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  • 2022.09.12
  • その他全般
サイバーセキュリティ法の一部条項の詳細を規定する政令(No.53/2022/ND-CP号)の概要を教えてください。
2022年8月15日、サイバーセキュリティ法(法律No. 24/2018/QH14号)の一部の条項を詳細に規定する政令No.53/2022/ND-CP号(以下、「本政令」といいます。)が公布されました。本政令は2022年10月1日から施行されます。 以下、本政令に規定されている特に注意すべき点について説明します。 目次1. 国家機関によって実施され得るサイバーセキュリティ保護措置■サイバーセキュリティを検査する措置(サイバーセキュリティ法第24条、本政令第16条)■国家安全保障、社会秩序と安全、機関・組織・個人の適法な権利と利益を侵害するサイバースペースにおける違法または虚偽の情報の削除を請求する措置(本政令第19条)■サイバースペースにおける国家安全保障、社会秩序と安全、機関・組織・個人の適法な権利と利益を侵害する活動に関連する電子データを収集する措置(本政令第20条)■情報システムを一時もしくは恒久的に停止し、またはドメインを没収する措置(本政令第21条)2. ベトナム国内企業の情報保存義務(本政令第26条第2項・第3項)3. 外国企業がベトナムにおいて保存すべきデータ(本政令第26条、第27条)適用対象データの保存形式データ保存期間外国企業のベトナムにおける支店または駐在員事務所を置くこと(本政令第26条)4. 本政令の意義 サイバーセキュリティに関わる法律に違反し、国家の安全保障を侵害し、社会の秩序や安全に重大な損害を与える行為がある場合、または、情報システム管理者の要請がある場合、サイバーセキュリティ保護専門部隊は、サイバーセキュリティに関わる検査について以下の措置を実施することができます。 サイバーセキュリティの保護、サイバースペースにおける国家機密の保護に関わる法律の規定の遵守を検査すること サイバーセキュリティの保護対策、サイバーセキュリティに関わる事故の対応、その修復に関する計画の有効性を検討、評価すること セキュリティの弱点等を検出・評価すること なお、サイバーセキュリティを守る専門部隊とは、本政令第2条9項によれば、以下の機関を含むとされています。 公安省のサイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局 国防省の軍事安全保護局 公安省のサイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局の局長と、情報通信省の管轄機関の長は、以下の内容を有する情報の削除を請求することができます。またテレコムネットワーク、インターネットにおけるサービスの提供企業、サイバースペースにおける付加価値サービスの提供企業、情報システムの管理者に対しては、情報削除請求書を送付することができます。 国家安全保障を侵害したり、ベトナム社会主義共和国に反対を宣伝したり、暴動を扇動したり、治安を乱したり、公の秩序を乱したりする情報と法令により判断される場合 侮辱又は中傷したり、経済管理の秩序に違反したり、捏造したり、情報を削除しなければならないほどに社会経済活動に深刻な損害を与える情報 歴史を歪曲したり、革命の成果を否定したり、国民全体の団結を弱体化させたり、宗教を侮辱したり、ジェンダーもしくは人種を差別する情報 売春、社会悪弊、人身売買、犯罪に関わる情報 国の慣習と伝統、社会的道徳、公衆衛生を損なう情報 他人に犯罪を行わせるように扇動・教唆する内容 サイバースペースにおける国家安全保障、社会の秩序と安全、機関、組織、個人の適法な権利と利益を侵害する行為を調査し処分するために電子データを収集する必要がある場合、公安省のサイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局の局長は、電子データを収集する措置を講じる権利を有します。 なお、電子データの収集に従事する者は、専任の幹部である必要があります。 情報システムの活動が国家安全保障、サイバーセキュリティに関わる法律に違反していることを証明するに足る根拠がある場合、または国家安全保障、社会の秩序と安全を侵害する目的で情報システムが使用されている場合、公安大臣は、当該情報システムを一時もしくは恒久的に停止し、当該ドメインを没収する権利を有します。 機関、組織、個人は、自己の責任と権限の範囲内で、上記のサイバーセキュリティ保護措置が実施されるために、管轄機関と協力し、その活動を支援するものとされています。 ベトナム国内企業(※)(本政令第2条第11項の国内企業の定義により、日系子会社を含めた外資系企業のベトナム現地法人も含まれます)は、以下の情報についてベトナム国内に保存されなければならないと規定されています(以下、下記の情報を総称して「保存すべき情報」という場合があります)。 ベトナムにおけるサービス利用者の個人情報 ベトナムのサービス利用者が作成するデータで、サービスアカウント名・サービス利用時間・クレジットカード情報・電子メールアドレス・最終ログイン・ログアウトのネットワークアドレス(IP)・アカウントまたはデータに関連付けられた登録済み電話番号を含む情報 ベトナムにおけるサービスユーザーの関係に関わるデータであり、ユーザーの接続または交流する友人、グループを含む情報 (※)本政令には、ベトナム国内企業としか規定されていませんが、サイバーセキュリティ法の第26条第3項により、上記の国内企業とは、すべての国内企業ではなく、以下の二つの要件を満たす企業に限定されると考えられます。 通信ネットワークにおけるサービス、インターネットにおけるサービス、サイバースペースにおける付加価値サービスのいずれかを提供すること サービス利用者の個人情報に関するデータ、ベトナムのサービス利用者が作成したデータ、またはサービス利用者の関係性に関するデータを収集、利用、分析、処理を行っていること   外国企業は以下に該当する場合、保存すべき情報をベトナムにおいて保存しなければなりません。 通信サービス、サイバースペースにおけるデータの保存と共有、ベトナムにおけるサービスユーザーに国内または国際ドメイン名の提供、eコマース、オンライン支払い、支払い仲介、ソーシャルネットワークとソーシャルメディア、オンラインゲーム、及びメッセージ・音声通話・ビデオ通話・電子メール・オンラインチャットの形式でサイバースペースにおけるその他の情報を提供、管理、運用するサービスを提供していること 上記のサービスがサイバーセキュリティに関わる法律に違反する行為を実施するために利用されていること 公安省のサイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局から通知され、協力・防止・調査等を書面による請求されたが、管轄機関より行うサイバーセキュリティ保護措置を履行しない、履行が不十分である、当該措置を妨害する、または無効化をさせること 上記の要件を満たす外国企業は、公安大臣よりベトナムにおけるデータ保存請求決定書が発行された場合、当該決定書の発行日からの12か月以内に、ベトナムにおいてデータ保存を実施しなければなりません。 定型のものがなく各企業の決定に従って行うとされています。 データ保存請求を受け取った企業は、請求時点から、 最低でも 24 か月は当該データについて保存しなければなりません。 上記の適用対象となった外国企業は、公安大臣よりベトナムにおける支店又は駐在員事務所の設置請求決定書が発行される場合、決定書の発行日から12か月以内に、ベトナムにおいて支店または駐在員事務所を設置しなければなりません。   サイバーセキュリティ法については、ベトナムサーバーへのデータ保存について定めた規定があり(同法第26条第3項)、文言上は適用範囲が広範になる可能性があり、この点が懸念されていました。本政令上には、ベトナムの国内企業についてこれを特に限定する旨の規定がなく、インターネットを活用したベトナム国内企業については、それが例え外資系企業であっても、広くベトナムサーバーへのデータ保存義務が適用されることになります。この点で、日系企業含め注意が必要です。 また、外国企業であっても一定の要件を満たす場合には、上記のデータの保存義務や、支店等の拠点の設置義務が課されることが明示されました。これまでサイバーセキュリティ法では明確にされていなかった適用要件が規定され限定的な適用になったものの、当局の判断によって外国企業でも適用されることになります。 上記がその文言のとおり適用されるとかなり広範囲の企業に適用されるおそれがあり、今後のベトナム政府の運用については注視していく必要があります。 関連: サイバーセキュリティー法の概要について
  • その他企業法務
  • 2022.06.21
  • その他全般
自然災害基金について教えてください。
目次1. 自然災害基金とは2. 企業負担と従業員負担について1)企業負担分2)従業員負担分3. 自然災害基金の納付について1)企業の納付義務2)罰則3)現状 ベトナムにおいては、法律第33/2013/QH13号(法律第60/2020/QH14号により一部修正)により、ベトナムに所在する企業および18歳以上のベトナム国民は、自然災害に関わる基金(ベトナム語:Quỹ phòng, chống thiên tai。以下「自然災害基金」といいます)へ拠出する義務が課せられています(同法第10条第2項a号)。当該基金は、自然災害が発生した場合の被災者への援助等に活用されると規定されています(同法第10条第3項)。 ベトナム国内に所在するローカル企業と外資企業は年間財務報告書記載の資産価格の0.02%に相当する金銭(但し、最低でも50万VND、最高でも1億VNDの範囲となります)を拠出する義務を負います(政令78/2021/ND-CP号。以下「政令78号」といいます。第12条第1項)。 ベトナムで一般的な企業のもとで勤務する18歳以上のベトナム人労働者は、勤務する地域の最低賃金の半額を契約書上の労働日数で割った金額を拠出する義務を負います(政令78号第12条第3項b号)。 なお、上記の負担については経済的状況により義務が免除される場合があります(政令78号第13条参照)。 自然災害基金の拠出については、企業と労働者個人でそれぞれに拠出義務を負いますが、個人の拠出分も含めて、企業が個人より徴収して管轄の人民委員会に納付する義務を負います(政令78号第15条第1項)。 また、企業は、毎年5月15日までに納付の計画について提出する義務を負います。 そして個人の負担分については毎年7月末までに、企業負担分については、最低でも半分を毎年7月末、残りは11月末までに納付をする義務を負います(政令78号第15条第3項)。 自然災害基金の納付計画が未提出の場合、500万VND~1000万VNDの範囲で罰金を課される場合があります(政令03/2022/ND-CP号第17条第2項)。 また、自然災害基金の納付を行わなかった場合、未納付額に応じて、60万VND~2000万VNDの範囲で罰金が科される可能性があります(同条第1項参照、第6条第3項)。 自然災害基金については地方により運用がまちまちのこともあり、地域によっては当該基金の納付が全く行なわれていない場合もあります。しかし、法律上は上記のように納付は義務となっています。そのため各自治体から負担を求める書面を受け取った場合、納付する必要があります。
  • その他企業法務
  • 2022.02.11
  • その他全般
輸入貨物に関するラベル貼り付けの新規定について(2022年2月15日開始)
政令第111/2021/ND-CP号で改訂される政令第43/2017/ND-CP号(以下、「本政令」という)により、2022年2月15日から、海外からベトナムへ輸入される全ての貨物 及び ベトナム国内で流通される貨物に品名・原産国・製造者等、貨物の内容が特定出来るものが記載されたラベルの貼付けが必要とされることとなりました。 海外からの輸⼊時には、英語で製品名称、原産国、製造者名などの記載が必要となり、ベトナム国内流通時には、ベトナム語で製品名称、原産国、製造者名などの記載が必要となります。 法令(ベトナム語)は以下からご確認ください。 https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Thuong-mai/Nghi-dinh-111-2021-ND-CP-sua-doi-Nghi-dinh-43-2017-ND-CP-497099.aspx   政令第111/2021/ND-CP号で改訂される政令第43/2017/ND-CP号(以下、「本政令」という)の第1条により、本政令は(i)ベトナムにおける流通される貨物 及び (ii)輸出入貨物に適用されます。 一方で、商法の第28条および政令第82/2018/ND-CP号の第30条により、EPEと海外の貨物流通関係がベトナムに対して輸出入関係とみなされないとされております。 そのため、当該貨物が政令上の輸出入貨物ではなくラベル政令の規定は、EPEと海外の貨物に対して適用されないと考えられます。 EPE→国内販売時にラベルが必要かどうかについては、政令第82/2018/ND-CP号の第30条により、EPEから国内に販売するのは、輸入とみなされるので、当該貨物にはラベル政令が適用されると考えております。 その場合、本政令の第10.2条により、当該貨物に対して、流通の前にラベルを貼り付けることが必要となります。 例として、本政令において、一定のガスおよび材料などのようなラベルの貼り付けできない貨物は本政令の対象外となります。 また、本政令の第10.1条により、貨物のサイズのために、ラベルを貼り付けられない場合には、別の付随資料に一部を記載することが可能です。 ベトナムに貨物を輸入され、また、国内で流通する場合には新規定をご確認のうえ、ご対応ください。 また、実務上、運用後に解釈や適用関係が変わる可能性もありますので、実務動向も随時確認が必要となります。
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  • 2021.11.08
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【2021年労働法】ベトナムでは徴兵制がとられており、従業員が兵役に行かなければならない場合があると聞きました。その場合どのように対処したら良いでしょうか。
労働法第30条第1項a号により、労働者が兵役の義務を履行する場合、労働契約の履行の一時停止事由にあたるとされています。 労働契約が一時履行停止となる場合、別段の合意がなければ、会社は当該労働者に対して賃金を支払う必要はありません(同条第2項)。なお、労働者が兵役の義務を履行することは、労働契約の終了事由や懲戒事由には当たらないため、当該労働者と労働契約を終了することに合意した場合を除き、会社は労働契約を解除することはできません。 兵役が終了してから15日以内に当該労働者は、会社に出勤しなければならず、会社も締結済みの労働契約に基づいて賃金の支払いやその他の福利厚生を労働者に供与する義務を負います。   18歳から25歳までの男子は、兵役の対象とされます。また、大学等に進学したこと等(下記参照)により兵役を延期した者は27歳まで兵役の義務があるとされています(兵役法第30条)。女性については志願制ですので兵役は義務ではありません(兵役法第6条第2項参照)。 兵役の期間は原則として24ヶ月間です(兵役法第21条第1項)。 大学在学中であることや、家族を養わなければならない者、実の兄弟姉妹が兵役に従事中である者については、兵役を延期することができます(詳しくは兵役法第41条第1項をご参照ください)。 家族に戦死者や、戦争により労働能力を失った父親がいてその唯一の子供である場合等は兵役が免除されます(こちらも詳しくは兵役法第41条第2項をご参照ください)。
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  • 2021.05.23
  • その他全般
ベトナムにおける契約書の一般条項(準拠法、契約言語、紛争解決)
今回はベトナムにおいて契約を作成または確認する際に知っておいた方が良いことや、留意すべき点について記載していこうと思います。 皆様ご理解のとおり、種類や条件によって契約の内容は種々様々に異なりますので、本稿では一般条項(契約の種類や条件にかかわらず定められることが多い条項)である準拠法、契約言語、紛争解決機関について記載していきます。   1)準拠法に関わるベトナム法令の規定 ベトナム法上契約当事者の一方が外国の個人、法人である場合は、当該契約は外国的要素をもつ契約となります(民法91/2015/QH13号(以下「民法」といいます)第664条第2項a号)。そして、外国要素を持つ契約については、国際条約またはベトナムの個別法に選択権を有するとの規定がある場合には当事者が準拠法を選択できることが規定されています(民法第664条第2項)。 契約については、民法第683条第1項が一部の例外(不動産の権利関係の変動や、労働契約や消費者契約において労働者や消費者の最低限保護されるべき権利関係に影響を与える場合等)を除いては、契約当事者が適用法令について合意できる旨が規定されています。 したがって、契約当事者の一方が例えば日本法人の場合には、契約の準拠法についてベトナム法以外を選択することが可能です。 なお、ベトナム法人同士の契約は、それがたとえ日系の子会社同士の契約であっても、民法上の外国的要素をもつ契約に当たりませんので、準拠法を他国法とすることはできずベトナム法とする必要があります。 2)準拠法に関わる日本法の規定 国際私法における法の適用関係を定めている法の適用に関する通則法第7条によれば、適用法については当事者主義が原則とされています。したがって日本法上も、準拠法は原則として当事者が自由に定めることができます。 3)まとめ 以上のとおり、ベトナム法人と日本法人の契約であれば、両国の法令により契約の準拠法を選択できることが原則とされていますので、当事者の合意によって日本法を準拠法として定めることも可能です。   1)法令の規定 ベトナムの民法や商法といった一般法には契約について使用言語を指定する法律の規定は存在しませんが、個別法上にはベトナム語を使用言語として用いなければならないことが定められている場合があります。例えば建設法50/2014/QH13第138条第4項には、建設に関わる契約書についてはベトナム語にて作成しなければならない旨が規定されています(なお、建設法のように契約上の使用言語を定めている法令の方が例外であり、そのような法令の数が多いわけではありません)。 したがって、個別法によりベトナム語を契約言語として使用しなければならない旨が定められている場合は、ベトナム語で契約書を作成しなければなりませんが、その他の場合は契約当事者が自由に決めることができます。 2)事実上の制限 法令上の原則は以上のとおりですが、例えばM&A手続きにおいて、法令上管轄当局に持分(株式)譲渡契約書を提出しなければなりません(政令 01/2021/ND-CP号第52条第2項c号他)。この場合、契約書の言語について法令上の制限はありませんが、ベトナム語以外の契約書を当局は受領してくれません(受領してくれるケースも存在するのかもしれませんが、私が知る限りではありません)。 その他にも以下のような場合(あくまで例示であってすべての場合を網羅的に記載するものではありません)にはベトナム語の契約書の提出を要求される場合があります。 ・    税務上の証憑として、当局への提出が求められる場合 ・    国際送金が必要になる場合(ベトナム側の取扱銀行のルールによるので、ベトナム語の契約書が必要か事前に確認しておくことを推奨します) ・    裁判所等、ベトナム国内で紛争解決を行う場合に証拠として提出する場合   ※以下の記載を読むに当たっては、下記の記事(弊所弁護士による外部サイトへの寄稿)もご参照ください。ベトナムの仲裁と裁判所の特徴や、仲裁合意と裁判所での紛争解決の関係について本稿よりも詳しく記載していますので、ここでは題目について簡潔に記載するにとどめます。 * 『日本企業のベトナム企業に対する債権管理の注意点・問題点』中の第2項「訴訟・仲裁上の問題点」 *『ベトナムにおける仲裁合意と訴訟』 1)ベトナム法人同士の紛争 契約当事者がベトナム法人同士の場合は、特に契約上の規定がなければベトナムの裁判所が紛争管轄機関となります。しかし、ベトナムの裁判所は一般的に信用性や公平性の観点から問題があります。この点を懸念する場合ベトナム国内または外国で仲裁を行うことを契約書上に規定する必要があります。 2)日本法人とベトナム法人の紛争 日本法人とベトナム法人の場合、制度上裁判結果の執行ができないため、日本またはベトナムの裁判所を紛争解決機関とするべきではありません。この場合、ベトナム国内または外国で仲裁を行うことを契約書上で規定してく置く必要があります。 3)ベトナム国内の仲裁 ベトナム国内で仲裁を行う場合、外国要素のある紛争(ベトナム法人同士)については、仲裁言語がベトナム語、適用法がベトナム法となりますが、外国要素のある紛争(ベトナム法人と外国法人等の紛争)については、当事者が定めた仲裁言語と適用法令で審理が行われます(VSIC仲裁規則(2017年3月1日以降)第23条・第24条)。
  • その他企業法務
  • 2021.02.23
  • その他全般
ベトナムで受けられる予防接種は、外国人も無料で接種可能ですか。
感染症防止法第03/2007/QH12号の第29条により、子供および妊婦は、拡大予防接種プログラム(英語:Expanded Program on Immunization (EPI))の下で、一定の感染症のワクチンを無料で受けられることになります。 保健省の通達第38/2017/TT-BYT号により、以下の感染症のワクチンの接種が行われます。 ①         B型肝炎(HepB) ②         BCG(結核) ③         ジフテリア ④         百日咳 ⑤         破傷風 ⑥         ポリオ ⑦         ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) ⑧         麻疹 ⑨         B型日本脳炎 ⑩         風疹 それ以外に、ベトナムの感染症の状況によって、臨時に、国家機関の指示により、特定のワクチンを無料で接種することもあります。 以上のワクチンの以外は、ベトナム人も自己で負担することになります。 では、外国人は無料接種が可能なのでしょうか? 感染症防止法第03/2007/QH12号および関連法令により、適用対象には外国人が含まれますが、拡大予防接種プログラムの子供は、外国人の子供を含むか否か、明確に規定していません。 保健省に電話でヒアリングしたところ、ベトナムで居住している外国人の子供も、拡大予防接種プログラムの下で、ワクチンを無料で受けられるとのことでした。 しかしながら、個別地域レベルの保健所によって予防接種を受ける手続きなどが異なります。 たとえば、Nguyen Thai Binh坊の保険所への口頭によるヒアリングでは、ベトナムで居住している外国人も、ワクチンの拡大予防接種プログラムの下で、ワクチンを無料で受けられるとのことでした。 実務上は、各外国人が居住している各地方の実施を確認する必要があると考えられます。 上記のように、外国人が実務上受けられるケースはあるものの、駐在員の方の実際は駐在員の自己負担または会社負担できちんとしたクリニックで受けているケースが多いとは思います。 また、各教育機関の要請や渡航上のリスク回避の観点で、義務付けられているもの以外でも予防接種する機会は増えることと思いますので、都度確認が必要です。
  • その他企業法務
  • 2020.11.04
  • その他全般
ベトナムの広告表現規制について教えてください。
広告の表現については、主に商法36/2005/QH11、広告法16/2012/QH13及び競争法23/2018/QH14の3つの法令において定められています。なお、医薬品など、特別法で表現が規制されているものもあるので、注意が必要です。下記はあくまで一般的な表現規制についての整理です。 商法の第102条において、「商業広告」とは、「商人が顧客へ自社の製品又はサービスを紹介することを目的として行う商業的促進活動」をいうと定義されている 。商法は以下の商業広告を禁止する(第109条)。   a) 国家機密を開示し、国家の独立、主権及び安全保障、社会の秩序と安全に悪影響を広告 b) ベトナムの歴史的・文化的・倫理的伝統や美風、法律に反する広告製品又は広告手段を利用した広告 c) 国家がその取扱を禁止、制限又は広告を禁止している製品又はサービスの広告 d) タバコ、アルコール度数 15度以上の酒、並びに広告時点でベトナム市場で流通が未だ許可されていない製品、商品及び提供が未だ許可されていないサービスの広告 e) 国家、組織、個人の利益に損害を与えるための広告の濫用 f) 自社の製品又はサービスの経営活動と他社の同種の製品又はサービスの経営活動を直接に比較する方法を用いる広告(比較広告) g) 製品又はサービスの数量、品質、価格、用法、デザイン、原産地、種類、包装、使用方法又は保証期間等に関して、虚偽の情報を表示する広告(虚偽広告) h) 知的財産所有権を侵害する製品を利用し、又は他の組織や個人の事前の承認を得ることなく当該組織や個人のイメージを利用することによって自社の事業活動の広告 i)法律に定める不正競争を目的とする広告   2012年広告法において、「広告」とは、「営利目的での製品及びサービス、非営利目的での製品及びサービス、紹介される商品・製品・サービスを経営する組織及び個人(ニュースを除く)、社会政策並びに個人情報を公共に紹介する手段の使用」をいうと定義されている。 2005年商法に比べて、2012年広告法においては、広告に係る禁止行為が拡大された。具体的には、2012年広告法の第8条は以下のように規定する。 広告法の第8条(広告活動の禁止行為) 1.    本法の第7条に定める商品、製品、サービスの広告 2.    国家機密を開示し、国家の独立、主権及び安全保障、国防に悪影響を広告 3.    ベトナムの歴史的・文化的・倫理的伝統や美風に反する広告 4.    都市の美しさ、交通の秩序と安全、社会の秩序と安全に影響を及ぼす広告 5.    国旗、国章、国歌、政党旗、国民英雄、名人、偉人、政党又は国家の元首等の尊厳を傷つけるおそれがある広告 6.    人種差別的広告、宗教・信念の自由に違反する広告、性別や身体障害者への偏見がある広告 7.    組織・個人の名誉、威信及び尊厳を傷つける広告 8.    法律の許可がない限り、個人の同意を得ることなく個人のイメージ、発言、書字を使用する広告 9.    商品やサービスを取扱う事業者の経営能力及びその商品・サービスの提供能力、登録又は公表された商品・サービスの数量、品質、価格、用法、デザイン、包装、商標、原産地、種類、利用方法、保証期間等に関して、消費者に虚偽の情報を与え又は消費者を誤認させる広告(虚偽広告) 10.    自社の製品、商品又はサービスの価格、品質、効能等と他社の同種の製品又はサービスの価格、品質、効能等を直接に比較する広告(比較広告) 11.    文化スポーツ観光省の規定に基づく法的根拠なしに、「唯一」「最高」「ナンバーワン」等の最上級表現又は類似表現を使った広告 12.    競争に関する法律に基づく不公正な競争内容のある広告 13.    知的財産に関する法律に違反する広告 14.    子どもに倫理や美風に反する考え、言葉、行為を持たせたり、子どもの健康、安全又は普通な成長に悪影響を及ぼすような広告 15.    機関、組織、個人が意思に反して広告を行い、又は広告を受け取ることを強制すること。 16.    公共の場の電柱、ラインサポート(line supports)、木等に広告製品を掲げ、置き、掲示し、又はペイントすること。 このうち、2005年商法の第109条と重複する禁止行為(例えば、2012年広告法の第8条第9項に定める虚偽広告、2012年広告法の第8条第10項に定める比較広告等)のほか、2012年広告法の第8条の第5項、第6項及び第7項等の内容は、サイバーセキュリティ法の第16条に定める内容と同様である。 また、2012年広告法の第19条において、広告の内容は真実性や明確性を確保しなければならず、製造業者、販売業者及び広告受信者に損害を与えないものでなければならない。 なお、下記の商品やサービス(特別な商品やサービス)に関する広告及びその内容について、広告法の第20条4項の規定通りに許可証や証明書を保有し、広告法の一部条項の施行細則に関する政令第181/2013/ND-CP号の規定を満たす必要がある。 a)    医薬品 b)    化粧品 c)    家庭用及び医療用の化学品、殺虫剤、殺菌剤 d)    本法の第7条4項に該当しない幼児向けのミルク及び栄養食品 e)    食品及び食品添加物 f)    健康診断及び治療のサービス g)    医療機器 h)    農薬及びその原料 i)    動物用医薬品及び動物用の医療補助品 j)    肥料、農業用生物学的製剤、動物用飼料、飼育用生物学的製剤   商法と広告法と同様に、競争法において、「他の企業の顧客を惹き付けることを目的として、顧客に対して、企業に関する、又は企業が提供する商品、サービス若しくはその販売促進、取引条件に関する虚偽又は誤認させる情報を表示することにより、不当に顧客を誘引する行為」又は「裏付けがないにもかかわらず、自社の商品・サービスを他の企業の同種の商品・サービスと比較することにより、不当に顧客を誘引する行為」等は不正競争行為とみなされる(競争法第45条5項)。 競争法の第45条(禁止される不正競争行為) 1.    以下の形式で事業上の秘密情報を侵害すること。 a)    事業上の秘密情報を、当該情報保持者が講じたセキュリティシステムに侵入してアクセス若しくは収集する。 b)    当該情報保持者の同意なく事業上の秘密情報を開示若しくは利用する。 2.    他の企業の顧客又はビジネスパートナーに対して、脅迫又は強制で当該企業と取引させないこと、又は取引を停止させること。 3.    直接又は間接を問わず、他の企業の評判、財政状態又は事業活動に悪影響を及ぼす虚偽の情報を流布することにより、当該企業に関する不正確な情報を提供すること。 4.    直接又は間接を問わず、他の企業による適法な事業活動を妨害又は中断することにより、当該企業を混乱させること。 5.    以下の形式で、不当に顧客を誘引すること。 a)    他の企業の顧客を惹き付けることを目的として、顧客に対して、企業に関する、又は企業が提供する商品、サービス若しくはその販売促進、取引条件に関する虚偽又は誤認させる情報を表示する。 b)    裏付けがないにもかかわらず、自社の商品・サービスを他の企業の同種の商品・サービスと比較する。 6.    総費用を下回る価格で商品・サービスを提供することにより、同種の商品・サービスを提供する他の企業を排除する、又はそのおそれを生じさせること。 7.    他の法律で禁止される不正競争行為。 全体としてみれば、商法、広告法及び競争法の3つの法令は、広告について同類の規制をしている。具体的には比較広告と虚偽広告であり、その内容が重複している状況である。 また、具体的にどのような表現方法が違反になるかなどについては、例示などがなされておらず、かつ、判例なども出ていないため各企業の判断に委ねられている。そのため、常に他社の規制状況、法令の変更のニュースなどについて情報収集することが重要と考える。
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  • 2020.10.04
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火災報知器・火災探知機の設置義務について教えてください。
科学技術部が公布する消防用の機械器具に関する国家技術基準(TCVN3890:2009)(以下「TCVN3890」という)によれば、容積が1000 m 3以上の可燃性の物品、資材、包装材料の保管倉庫は、自動火災報知システムを設備する必要があります(国家技術基準の6.1.3(n)参照) TCVN3890により、自動火災報知システムは、火災報知センター、火災探知機、火災報知の押しボタン、音及び光での報知装置、関連機器、電源のように基本的な部分で構成され、この自動火災報知システムは、国家技術基準(TCVN5738:2001)(以下「TCVN5738」という)に従って設置されなければならないとされています。 TCVN5738によれば、保護区域に設置する必要のある火災探知機の数量は、その区域の全域で火災を検出するために必要なレベルによって異なり、経済的及び技術的要件を確保する必要があるとされています。 また、自動火災報知システムの一つチャネルに設定されている火災探知機の数量は、その火災報知センターの技術的特性によって異なりますが、各チャネルの保護面積は、開放保護領域の場合2000m2を超えず、閉鎖保護領域の場合が500m2を超えない、とされています。 (TCVN5738の4.3及び4.7項参照)