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ベトナムでは法令が遡及的に適用されることがあると聞きましたが、本当ですか。

  • 2015.06.30
  • その他企業法務
  • その他全般

「法規範文書発行法」第79条が法規範文書の遡及適用のルールを規定しています。 同条第1項は、「必要な場合にのみ」新たな法規範文書に遡及的効力を規定することができると規定しますので、必要な場合には法規範文書に遡及的効力を持たせることができます この点、「誰が」必要と考えた場合か、「必要な場合」とは具体的にどのような場合を指すか、といった点は明確ではありませんが、実際に遡及的効力を持つ法令を見ても、遡及的効力を持たせる必要性についての説明等はありませんので、実務上は、法規範文書の制定機関が必要と考えた場合には遡及的効力を持った法規範文書が制定される、ということになっていると思われます。   もっとも、同条第2項は、以下の場合には遡及的効力を規定することはできない...

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  • その他企業法務
  • 2020.11.04
  • その他全般
ベトナムの広告表現規制について教えてください。
広告の表現については、主に商法36/2005/QH11、広告法16/2012/QH13及び競争法23/2018/QH14の3つの法令において定められています。なお、医薬品など、特別法で表現が規制されているものもあるので、注意が必要です。下記はあくまで一般的な表現規制についての整理です。 商法の第102条において、「商業広告」とは、「商人が顧客へ自社の製品又はサービスを紹介することを目的として行う商業的促進活動」をいうと定義されている 。商法は以下の商業広告を禁止する(第109条)。   a) 国家機密を開示し、国家の独立、主権及び安全保障、社会の秩序と安全に悪影響を広告 b) ベトナムの歴史的・文化的・倫理的伝統や美風、法律に反する広告製品又は広告手段を利用した広告 c) 国家がその取扱を禁止、制限又は広告を禁止している製品又はサービスの広告 d) タバコ、アルコール度数 15度以上の酒、並びに広告時点でベトナム市場で流通が未だ許可されていない製品、商品及び提供が未だ許可されていないサービスの広告 e) 国家、組織、個人の利益に損害を与えるための広告の濫用 f) 自社の製品又はサービスの経営活動と他社の同種の製品又はサービスの経営活動を直接に比較する方法を用いる広告(比較広告) g) 製品又はサービスの数量、品質、価格、用法、デザイン、原産地、種類、包装、使用方法又は保証期間等に関して、虚偽の情報を表示する広告(虚偽広告) h) 知的財産所有権を侵害する製品を利用し、又は他の組織や個人の事前の承認を得ることなく当該組織や個人のイメージを利用することによって自社の事業活動の広告 i)法律に定める不正競争を目的とする広告   2012年広告法において、「広告」とは、「営利目的での製品及びサービス、非営利目的での製品及びサービス、紹介される商品・製品・サービスを経営する組織及び個人(ニュースを除く)、社会政策並びに個人情報を公共に紹介する手段の使用」をいうと定義されている。 2005年商法に比べて、2012年広告法においては、広告に係る禁止行為が拡大された。具体的には、2012年広告法の第8条は以下のように規定する。 広告法の第8条(広告活動の禁止行為) 1.    本法の第7条に定める商品、製品、サービスの広告 2.    国家機密を開示し、国家の独立、主権及び安全保障、国防に悪影響を広告 3.    ベトナムの歴史的・文化的・倫理的伝統や美風に反する広告 4.    都市の美しさ、交通の秩序と安全、社会の秩序と安全に影響を及ぼす広告 5.    国旗、国章、国歌、政党旗、国民英雄、名人、偉人、政党又は国家の元首等の尊厳を傷つけるおそれがある広告 6.    人種差別的広告、宗教・信念の自由に違反する広告、性別や身体障害者への偏見がある広告 7.    組織・個人の名誉、威信及び尊厳を傷つける広告 8.    法律の許可がない限り、個人の同意を得ることなく個人のイメージ、発言、書字を使用する広告 9.    商品やサービスを取扱う事業者の経営能力及びその商品・サービスの提供能力、登録又は公表された商品・サービスの数量、品質、価格、用法、デザイン、包装、商標、原産地、種類、利用方法、保証期間等に関して、消費者に虚偽の情報を与え又は消費者を誤認させる広告(虚偽広告) 10.    自社の製品、商品又はサービスの価格、品質、効能等と他社の同種の製品又はサービスの価格、品質、効能等を直接に比較する広告(比較広告) 11.    文化スポーツ観光省の規定に基づく法的根拠なしに、「唯一」「最高」「ナンバーワン」等の最上級表現又は類似表現を使った広告 12.    競争に関する法律に基づく不公正な競争内容のある広告 13.    知的財産に関する法律に違反する広告 14.    子どもに倫理や美風に反する考え、言葉、行為を持たせたり、子どもの健康、安全又は普通な成長に悪影響を及ぼすような広告 15.    機関、組織、個人が意思に反して広告を行い、又は広告を受け取ることを強制すること。 16.    公共の場の電柱、ラインサポート(line supports)、木等に広告製品を掲げ、置き、掲示し、又はペイントすること。 このうち、2005年商法の第109条と重複する禁止行為(例えば、2012年広告法の第8条第9項に定める虚偽広告、2012年広告法の第8条第10項に定める比較広告等)のほか、2012年広告法の第8条の第5項、第6項及び第7項等の内容は、サイバーセキュリティ法の第16条に定める内容と同様である。 また、2012年広告法の第19条において、広告の内容は真実性や明確性を確保しなければならず、製造業者、販売業者及び広告受信者に損害を与えないものでなければならない。 なお、下記の商品やサービス(特別な商品やサービス)に関する広告及びその内容について、広告法の第20条4項の規定通りに許可証や証明書を保有し、広告法の一部条項の施行細則に関する政令第181/2013/ND-CP号の規定を満たす必要がある。 a)    医薬品 b)    化粧品 c)    家庭用及び医療用の化学品、殺虫剤、殺菌剤 d)    本法の第7条4項に該当しない幼児向けのミルク及び栄養食品 e)    食品及び食品添加物 f)    健康診断及び治療のサービス g)    医療機器 h)    農薬及びその原料 i)    動物用医薬品及び動物用の医療補助品 j)    肥料、農業用生物学的製剤、動物用飼料、飼育用生物学的製剤   商法と広告法と同様に、競争法において、「他の企業の顧客を惹き付けることを目的として、顧客に対して、企業に関する、又は企業が提供する商品、サービス若しくはその販売促進、取引条件に関する虚偽又は誤認させる情報を表示することにより、不当に顧客を誘引する行為」又は「裏付けがないにもかかわらず、自社の商品・サービスを他の企業の同種の商品・サービスと比較することにより、不当に顧客を誘引する行為」等は不正競争行為とみなされる(競争法第45条5項)。 競争法の第45条(禁止される不正競争行為) 1.    以下の形式で事業上の秘密情報を侵害すること。 a)    事業上の秘密情報を、当該情報保持者が講じたセキュリティシステムに侵入してアクセス若しくは収集する。 b)    当該情報保持者の同意なく事業上の秘密情報を開示若しくは利用する。 2.    他の企業の顧客又はビジネスパートナーに対して、脅迫又は強制で当該企業と取引させないこと、又は取引を停止させること。 3.    直接又は間接を問わず、他の企業の評判、財政状態又は事業活動に悪影響を及ぼす虚偽の情報を流布することにより、当該企業に関する不正確な情報を提供すること。 4.    直接又は間接を問わず、他の企業による適法な事業活動を妨害又は中断することにより、当該企業を混乱させること。 5.    以下の形式で、不当に顧客を誘引すること。 a)    他の企業の顧客を惹き付けることを目的として、顧客に対して、企業に関する、又は企業が提供する商品、サービス若しくはその販売促進、取引条件に関する虚偽又は誤認させる情報を表示する。 b)    裏付けがないにもかかわらず、自社の商品・サービスを他の企業の同種の商品・サービスと比較する。 6.    総費用を下回る価格で商品・サービスを提供することにより、同種の商品・サービスを提供する他の企業を排除する、又はそのおそれを生じさせること。 7.    他の法律で禁止される不正競争行為。 全体としてみれば、商法、広告法及び競争法の3つの法令は、広告について同類の規制をしている。具体的には比較広告と虚偽広告であり、その内容が重複している状況である。 また、具体的にどのような表現方法が違反になるかなどについては、例示などがなされておらず、かつ、判例なども出ていないため各企業の判断に委ねられている。そのため、常に他社の規制状況、法令の変更のニュースなどについて情報収集することが重要と考える。
  • その他企業法務
  • 2024.12.23
  • その他全般
ベトナムの国民番号と変更について
目次Q1. ベトナムのID番号とはどのようなものですかQ2. ベトナムでID番号が変更されるのはどのようなケースですかQ3. 本人の希望でID番号を変更することはできますかQ4. 過去にどのようなID番号システムの変更がありましたか1. 9桁システムの時代2. 12桁システムの導入Q5. これからID番号が変わる可能性はありますかQ6. 個別にID番号が誤って付番されていたことが発覚した場合、どのように修正されますかまとめ A. ベトナムのID番号は、ベトナム国民一人ひとりに付与される個別の番号であり、国民の身分を証明するうえで重要な役割を果たします。従来、9桁や12桁の「Chứng minh nhân dân(CMND)」の番号や、「Căn cước công dân(CCCD)」と呼ばれる市民IDカードの番号等、法改正や政府の管理方針の変遷により複数回の変更・移行が行われてきました。 A. 大きく分けて以下の2つのケースに限られます。 1. 国家(政府)の政策変更などに伴い、国民管理番号システム全体が変更される場合 条約加盟や国家管理政策の変更などによって、政府が法令改正や新規法律の施行を行い、国民管理番号システムをリセットまたは一斉変更する場合です。 過去の例としては、1999年に9桁のCMNDから12桁のCMNDへの移行や、現在のCCCD(電子チップ付含む)への切り替えなどが該当します。 このようなケースでは、国民全体のID番号が新システムに移行し、結果的に番号が変わります。 2. 個別の発行誤りや重複発見など、正当な理由によりID番号が修正される場合 行政当局の発行ミスや重複番号を発見した場合などに、個別でID番号が変更されることがあります。 ただし、具体的な手続きや基準は法律上詳細な規定がない部分もあり、ケースバイケースで政府当局が判断していると考えられます。 A. 原則として不可と考えられます。 法律第26/2023/QH15号 第24条1項g は「国民の申請があれば、IDカードの交付(あるいは交替)を新規発行することができる」と定めていますが、これはあくまでも「同じID番号」での新カード発行を想定した規定です。 有効期限が切れた場合やカードの破損・紛失によって新規IDカードを作成する場合でも、ID番号自体は変わらずに同じ番号が付されます。 A. ベトナムでは、1950年代以降、複数回にわたるIDシステムの変更が実施されてきました。主な変更は以下のとおりです。 GCM (Giấy Chứng Minh) / GCNCC (Giấy Chứng Nhận Căn Cước) / CMT (Chứng Minh Thư) など、時期によって名称や様式が異なるIDカードが存在しました。 1999年に「9桁のCMND (Chứng Minh Nhân Dân 9 số)」へ移行しましたが、そのタイミングでID番号が変更されました。 2012年から「12桁のCMND (Chứng Minh Nhân Dân 12 số)」が導入され、9桁から12桁に移行したことによりID番号が実質的に変更されました。 2016年に「CCCD (Căn Cước Công Dân)」が採用され、さらに2020年からはICチップ内蔵カードである「CCCD gắn chip」の発給が始まりました。 2024年以降は「Thẻ Căn Cước(TCC)」へ移行する予定とされていますが、基本的には12桁の番号体系を継続して使用する見込みです。 これら大規模なIDシステム変更が行われた場合、国民のID番号は政府が定める手続きに従い新しい番号へ移行されることとなります。なお、2016年以降のCCCD(ICチップ搭載含む)への切り替えに関しては、番号の桁数自体は同じ12桁を継続しており、ID番号としての変更は行われておりません(個別の誤発行等を除く)。 A. 政府方針や法令改正の内容によっては、将来的に新たなシステムへの移行が行われる可能性はあります。しかしながら、2024年の時点では、ICチップ付きのCCCDからTCC(Thẻ Căn Cước)への呼称変更やカード様式の改正が予定されている一方で、番号自体を変更する方針が公に示されているわけではありません。 したがって、特段の方針変更(例えば国民管理政策の大幅な転換)や国際条約加盟によるシステム再編などがなければ、現時点でID番号が一斉に変わる可能性は低いと考えられます。 A. 個別事案の場合は、原則として当局による審査や手続きの上で新しいID番号が割り当てられます。具体的には以下のような流れが想定されます。 1.誤付番や重複番号の事実が判明 2.当事者が警察当局・管轄官庁に訂正申請 3.当局による調査・審査の結果、正当な理由が認められた場合に新番号を付与 4.新しいIDカード(CCCD等)の発行 ただし、詳細な手続きについては現行法上細かく規定されておらず、実務上は関係当局の判断やガイドラインに基づいて運用されるケースが多いといわれています。 ベトナムのID番号は、国家の管理政策や法令改正に伴う大規模なシステム変更、もしくは個別の誤発行・重複が見つかった場合に限り原則として変更されます。 本人都合(希望)による任意の変更は認められておらず、カードの更新・再発行を申請してもID番号自体が変わるわけではありません。 過去には9桁から12桁に移行するなど、大きなシステム変更が実施されてきましたが、近年では同じ12桁の番号を継続利用する形でカード様式のみが変わっている状況です。 将来的な大規模変更の可能性を完全に否定はできませんが、現時点で公式に公表された方針や法改正案では「番号の変更」ではなく「カード名称・様式の改正」が主たる内容となっているため、企業実務や個人の生活への大きな影響は限定的と思われます。
  • その他企業法務
  • 2022.09.20
  • その他全般
電子識別及び電子認証を規定する政令59/2022/ND-CPの概要
2022年9月5日、電子識別(e-Identification)及び電子認証(e-Authentication)を規定する政令No 59/2022/NĐ-CP(以下、「本政令」といいます。)が公布されました。 本政令は2022年10月20日から施行されます。以下、本政令に規定されている特に注意すべき点について説明します。   目次1. 電子識別アカウントを発行する対象(本政令第11条)2. 電子識別アカウントに含まれる情報(本政令第7条、8条、9条、12条)3. 電子識別アカウントの登録4. 電子識別アカウントの使用 電子識別アカウントを発行する対象は以下のとおりです。 満14歳以上のベトナム国民 ベトナムに入国する満14歳以上の外国人 ベトナムで活動するために設立または登録された組織(日系企業を含む)   ベトナム国民の場合: 個人識別番号、氏名、生年月日、性別、顔写真、指紋 外国人の場合: 外国人の識別番号、氏名、生年月日、性別、国籍、パスポートの番号・記号・日付・発行機関、顔写真、指紋 組織の場合: 組織の電子識別番号、組織名、設立年月日、本社住所、法定代表者又は組織の長の識別番号・氏名   対象及び電子識別アカウントのレベルによって、登録手順が異なります。 ベトナム国民の場合: VNelD アプリケーションを介して登録します又は、村レベルの公安、またはID カード申請機関において登録(本政令第 14 条) 外国人の場合: VNelD アプリケーションを介して登録します又は、出入国管理局又は、省レベルの公安において登録(本政令第 15条) 組織の場合: VNelD アプリケーションを介して登録(本政令第16条) 具体的な手順については、本政令に規定される上記の条項をご参照ください。 なお、本政令には、電子識別アカウントを登録することを義務とするという明確な規定はありません。 つまり、電子識別アカウントを登録するかしないかは、個人や組織の決定により行われることになります。   電子識別アカウントは、本政令第 13 条に定める目的に使用されます。 以下のとおり、代表的な目的をいくつか説明します。 VNelD アプリケーションの機能とユーティリティを使用するため 電子環境での行政手続を実施するため 個人情報の提供を必要とする活動や取引において、アカウントにセットをされた個人情報を証明するため IDカード又はパスポートの提供が必要な取引において、IDカード、パスポートを代わるため 組織に関する情報の証明を必要とする取引において、組織の情報を証明するため 本政令によれば、上記の規定が2022年10月20日から施行されますが、実際の登録手続や、取引等に電子識別アカウントを通じて行う際の手続・取引等については、運用がどのようになるかを注視していく必要があります。