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労働組合設立の流れについて教えてください。

  • 2016.12.23
  • 労務
  • 労働組合・労働協約・ストライキ

労働組合設立の流れ・内容概要

ベトナム労働組合定款の16条によって自主的で労働組合参加申請書が5人以上である場合は、労働組合設置が必要となる。

• 1年目:暫定的執行委員会設置(委員会のメンバーは上級労働組合=3区労働連合に任命される。暫定的執行委員会の任期は1年間以内である。)

• 2年目以降:会社内の労働組合メンバーは会議を開き、執行委員会を投票する。執行委員会の任期は5年間であり、5年間毎一回会議が開かれ、委員会メンバーが投票される。

具体的な 労働組合設置の為のステップは以下のようです。

第1ステップ:労働組合参加申請書は労働者に回付する。

  • もし組合参加賛成者が5人以上であれば—->組合設置進行.
  • もし組合参加賛成者が5人未満であれば—->組合設置不可能—->上級労働組合にその旨を書面にて通知しなければならない。
  • その後、労働組合参加をさせるように、上級組合が組織・企業に訪問し説得するそうです。

第2ステップ:3区の労働連合に暫定的労働組合参加申請書[U1] を提出

  • 上級組合から供給される申請書
  • ERC

会社内労働組合組織の構成について

  • 労働組合メンバーの中に、執行委人会の3人を選挙し、この3人の中に組合会長一人と委員2人を選挙します。
  • そして、2人委員の内に、経費管理者1人、一般的な委員一人になります。
  • 3区の労働連合に組合執行委人会の3人に関する履歴・個人情報リストを提出し、暫定的執行委員会として任命してもらう。

組合費用の納付について

企業内の労働組合執行委員会は3区の労働組合機関のご案内に基づき、組合の活動のための支出基金を管理する。当該支出基金は下記の通り構成される。

 

 

会社及び労働者が負担比率 上級組合から供与される比率 納付方法 留意
会社が納付比率 社会保険算出用の給与の2% 会社が納付する金額の66%は逆に会社内の労働組合に供与される(つまり、納付金:34%、会社にて自主管理:66%) 3区の労働組合機関の口座への振り込み。

会社にて管理の為、逆に供与される66%は組合執行委人会の中に1人を代理人として66%の現金を受け取りに行ってもらう或いは、労働組合に開設される口座にて送金

会社が納付する金額は損金算入できます。
労働者が納付比率(労働者の給与から引く) 労働組合が規定上限に対する1%は121.000ドンです。(1.210.000X10%=121.000) 労働者が納付する金額の60%は逆に供与される(つまり、納付金:40%、会社にて自主管理:60%) 上記と同様 労働者が納付する金額はPIT課税される。

 

 

年1回労働者会議と四半期毎に定期面談会は会社に行われる。参加者は組合執行委人会及び会社側です。

年1回労働者会議と四半期毎に定期面談会に関する様式・面談内容は上級組合の案内に従う。その後、面談後の様式、書類には組合執行委人会及び会社側の捺印署名を実施する。

(労働組合から支給される判子があります)

年末に組合費用に関する残金があれば、累計で引き続き来年に持ち越される。

労働組合参加の権利について

労働者から逆に供与された金額(66%+60%)について社員旅行や誕生日やお正月やつらい生活がある社員の等の事を世話するのは目的となります。

当金額を使う時、3区の労働組合機関のご案内に沿う営業の支出基金(ファンド)を

元に使用する。

労働協約について

会社にて労働組合設置してからでないと、労働協約を作成できません。

※労働組合参加者が会社の半分しかない場合は、残りの労働者は組合参加者と同権利を有しますが、支給額は労働組合参加者と均等しない

例えば、生まれた赤ちゃんのお祝い金は労働組合参加者が500.000 VND を貰います

残りの労働者が300.000 VNDを貰います。

 

 


[U1]労働組合設立希望者は5人未満の場合、このステップ②が不要ですよね。

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【2021年労働法】外国人労働者に関わる社会保険料の負担について教えて下さい。
ベトナムの管轄機関によって発給される労働許可証、実務証明書、実務許可証を持ち、使用者との間で無期労働契約を締結する者は、強制社会保険の加入対象となります(政令143号第2条第1項)。 もっとも、以下の労働者については、強制社会保険加入の対象外となります(同条第2項)。 労働法のベトナムで就労する外国人労働者関連条項の施行細則を定めた2016年2月3日付政令11/2016/ND-CP号(現在同政令は失効しており政令152号が有効です)第3条1項で定める企業内人事異動(ベトナム語:Di chuyển trong nội bộ doanh nghiệp )の対象者 定年に達した労働者 社会保険料の支払いを怠った場合、怠った支払いの履行および遅延損害金の支払いに加えて、1500万VNDの範囲で罰金を課される場合があります(政令28号第38条。具体的な罰金額はここの事案により異なる場合があるので注意が必要です。詳しくは政令28号第38条をご確認ください)。 2021年現在において、一般的な労働者の定年は60歳と3ヶ月とされています(労働法第169条第2項参照)
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法令上、社内の労働組合の有無にかかわらず会社は労働組合費の支払いをしなければならないとされています(政令191号第4条)。 会社は、労働者一人当たりにつき給与から社会保険料を差し引いた金額の2%に相当する金額を組合費として納付しなければなりません(労働組合法第26条第2項)。 労働組合費の納付を怠った場合、支払っていない組合費の納付および遅延損害金の支払いに加えて、1500万VNDの範囲で罰金が課される可能性があります(政令28号第37条)。 外国人労働者であってもその分の労働組合費の支払いは必要となります。2020年3月31日付けホーチミンの労働組合(ベトナム語: LIÊN ĐOÀN LAO ĐỘNG THÀNH PHỐ HỒ CHÍ MINH)発行のSố: 05/HD-LĐLĐ第1項によれば、強制社会保険の対象となる外国人労働者についても、2018年12月1日以降については組合費の納付対象とするとされているからです。なお、企業内の人事異動者に該当する場合は強制社会保険の対象とならないため、労働組合費の納付対象となりません(政令143号第2条第2項a号)。
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日本法上では、使用者は労働基準法の10条に以下のような定義があります。 「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」なので、使用者をかなり広い概念で捉えており、部長等の管理職についても文脈等にもよると思いますが、使用者と捉えうることが可能と考えます。 一方ベトナム法においては、労働法上「Người sử dụng lao động」という用語が使われており、この言葉を使用者と訳すのが一般的です。この使用者という概念は、法上の文脈においては、ほぼ会社自身と同義で使用されており、ベトナム法上の使用者は、会社の代表者(経営者)を想定していると思われます。 そして、ベトナム語の一般的な言葉の使い方では(法令上の文脈ではなく)、管理職を「Người quản lý」と、部長については「Trưởng phòng」といいますが、こちらについてはいずれも労働法上に言及がありません。 以上から考えるに、ベトナム法上においては、特に管理職の人間を会社経営者と同一視して扱うということが想定されておらず、一般的な労働者として同一的に扱うことが法令上想定されているものと解されます それでは、労働組合において使用者側と考えられる「労働組合への加入が禁止される者」を確認してみましょう。 通達238/HD-TLD第1条2項によれば、 一般的な会社組織において、労働組合への加入が禁止されるのは、以下の労働者です。 ・外国人労働者 ・企業の所有者 ・取締役会会長 ・社員総会会長 ・社長 ・その他会社の経営(管理)権限や労働契約の締結権限が与えられている者をいい、これらの者には取締役会の副議長、副社長、人事部長が含まれます。 逆に、これら以外の労働者は広く労働組合に加入することができることとなっています。 特に最後の項目などが比較的抽象的な規定となっており、部長職や取締役全員が含まれるというわけでもないことから、ベトナムにおける使用者の概念の難しさが見て取れます。
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外国人について労働組合費を払わなければならない場合を教えてください。
2020年3月31日付ホーチミンの労働連合組合(ベトナム語:LIÊN ĐOÀN LAO ĐỘNG THÀNH PHỐ HỒ CHÍ MINH)発行のSố: 05/HD-LĐLĐ第1項によれば、政令191/2013/NĐ-CP号第5条、及び政令143/2018 / ND-CP号(以下「政令143号」といいます)第2条1項に基づき、使用者は以下の義務を負います。 ・法令で規定されている強制社会保険の対象となる外国人労働者を雇用している使用者は、労働組合費を支払わなければならない。 ・労働組合費は、社会保険料の基礎となる給与額の2%に相当する。 ・当該労働組合費の支払い対象時期は、2018年12月1日からとする。 (以下、原文) 1. Về việc đóng kinh phí công đoàn đối với đối tượng người lao động nước ngoài làm việc tại Việt Nam. Theo Điều 5 Nghị định số 191/2013/NĐ-CP và khoản 1, điều 2 Nghị định số 143/2018/NĐ-CP: + Người sử dụng lao động có sử dụng lao động nước ngoài là đối tượng tham gia bảo hiểm xã hội bắt buộc theo quy định của pháp luật thì người sử dụng lao động có trách nhiệm đóng kinh phí công đoàn. + Mức đóng kinh phí công đoàn bằng 2% tiền lương làm căn cứ đóng bảo hiểm xã hội cho người lao động. + Thời điểm bắt đầu đóng kinh phí công đoàn: từ 01/12/2018, thực hiện định kỳ hàng tháng cùng thời điểm đóng bảo hiểm xã hội cho người lao động. 1)政令第143号第2条第1項は強制社会保険加入対象となる外国人について 「ベトナムの管轄機関によって発給される労働許可書または実務証明書または実務公認書を持ち、ベトナムにおける使用者と無期限労働契約、満1年以上の有期限労働契約を締結する、ベトナムで就労する外国人労働者が強制社会保険の加入対象となる」と定めています。 2)ただし、政令143号第2条2項は前記の同条1項の例外として、 「2. 本条1項で定める労働者で以下に該当する場合、本政令で定める強制社会保険の加入対象外となる。 a) 労働法のベトナムで就労する外国人労働者関連条項の施行細則を定めた2016年2月3日付政令11/2016/ND-CP号第3条1項で定める企業内人事異動者 b) 労働法第187条1項で定める定年に達した労働者」と定めています。 3)そして、労働法のベトナムで就労する外国人労働者関連条項の施行細則を定めた2016年2月3日付政令11/2016/ND-CP号第3条1項によれば、「『企業内人事異動』の外国人労働者とは、ベトナム現地商業拠点を設立した外国企業の管理者、代表取締役社長、専門家、技術的な労働者として当該企業に12ヶ月以上前に採用され、企業内からベトナム現地商業拠点に一時的に異動する者をいう。」とされています。 4)上記1)~3)によると以下のとおりとなります。 ① 企業内人事異動で、上記3の条件を満たし一時的に異動している者 1)の「外国人労働者」に当たるものの、 3)の「一時的に異動する者」に該当し、2)の「企業内人事異動者」となるため、 強制社会保険の加入対象外となり、労働組合の支払い対象となる労働者には該当しないことになります。 ② 一方、①にあたらない外国人は、1)の「外国人労働者」に該当し、かつ加入対象外とならないため、労働組合費の支払い対象となります。
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労働協約の有効期間及びその更新は労働法上どのように定められていますか。
労働協約は、労働組合と使用者が団体交渉で合意した労働条件に関する両当事者間の合意書をいいます(労働法第73条)。 労働協約の有効期間は、発効日(記載のない場合は署名日)から計算され、1年から3年の間有効となりますが、初回の労働協約の場合には、1年未満の期間での締結が可能です(労働法第76条、第85条)。 第76条 労働協約の発効日 労働協約の発効日は当該協約に記載される。労働協約に発効日が記載されない場合、発効日は締結日とする。 第85条 事業所内労働協約の期間 事業所内労働協約の期間は1年から3年とする。労働協約を初めて締結する事業者は、1年未満の期間で締結することができる。   労働協約の期限が満了する3ヶ月前までに、期間の延長または新たな労働契約の締結交渉が可能とされます(労働法第81条)。 ベトナム労働法 第81条 集団労働協約の期間が終了する3ヶ月前までに、両当事者は集団労働協約の期間の延長、または新たな集団労働協約の締結を交渉することができる。 集団労働協約の期間が終了したが、両当事者が交渉を続けている場合、その集団労働協約は 60日間を超えない期間では有効である。 また、期間終了後であっても「両当事者が交渉を続けている場合」、60日を超えない期間で有効である、とされています。   では、「両当事者が交渉を続けている場合」がどのような場合かが問題になる場合があります。 そもそも交渉していないのに、「両当事者が交渉を続けている場合」に該当するというのは不当であるという解釈が通常の解釈と考えます、労働協約の期間終了前の3か月以内の期間中に交渉していない場合であっても、労働協約の期間が終了してから60日以内であれば交渉の権利があると解釈がなされる場合があります。 その場合、何も交渉しなかった(=「両当事者が交渉を続けている場合」ではない)と結論できるのは、期間終了後の60日後となります。 このような解釈を取る場合、当該60日の期間は交渉のための期間であり、その間、労働協約はまだ有効であるとの解釈となります。 この解釈のいずれが妥当かについて、その他の根據となるもの(ガイドラインや判例)がないですが、労働者有利のベトナムにおいては、紛争時には後者の解釈が取られる可能性もあると考えます。
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労働組合の費用負担はどうなりますか。
労働組合に関する費用負担は以下のようになります。労働組合がある場合と、ない場合とで労働者の負担が異なります。 計算のベースとなる賃金の上限については、公務員の最低賃金の20ヶ月分となります。     組合員費用(労働者負担) 労働組合経費(使用者負担) 企業内労働組合がない企業 ・負担なし。 ・賃金の2%。但し、上限あり。 ・労働組合経費は全て上級労働組合に納め、上級労働組合は支払いを受けた金額の65%を組合活動に使用することができるが、余った部分は企業内労働組合が設立されたときに基礎労働組合に支払われる。 企業内労働組合がある企業 ・賃金の1%。 ・組合員費用のうち、60%は基礎労働組合に割り当てられ、40%は上級労働組合に割り当てられる。 ・賃金の2%。但し、上限あり。 ・労働組合経費のうち、65%は企業内労働組合に割り当てられ、35%は上級労働組合に割り当てられる。
  • 労務
  • 2016.04.25
  • 労働組合・労働協約・ストライキ
社内に労働組合を作る意義はありますか。
会社内の労働組合は、多くの場面で労働者の代表として会社内の手続きに関与します。たとえば、以下のような場面です。 【就業規則制定】 ・就業規則を公布する以前に、使用者は労働組合の意見を参考とするため聴取 ・就業規則の登録のためには、「事業所における労働組合による見解書」が必要 ・就業規則の変更にも意見聴取が必要 【懲戒手続】 ・懲戒手続には、労働組合の代表組織が参加する必要。 ・懲戒の審査中の、労働者の一時業務停止についても労働組合の代表組織の意見を聴取する必要   企業内に労働組合がない場合には、地区を管轄する上級の労働組合の意見をもらう必要がありますが、上級の労働組合は非協力的であることも多いですし、手続の都度協力をしてもらうのは煩雑です。 したがって、就業規則の作成・改訂や懲戒手続等をスムーズにするためにも企業内に労働組合を作る必要性は高いです。
  • 労務
  • 2015.06.30
  • 労働組合・労働協約・ストライキ
労働協約について抑えておくべきポイントを教えてください。
集団労働合意(ベトナム語:「thỏa ước lao động tập thể」)は、日本でいうところの労働協約に類似するものです。 本稿では集団労働合意の意義や手続等についてご説明します。   集団労働合意とは、両当事者が団体交渉を通じて達成した、各労働条件に関する労働集団及び使用者の間の合意文書をいいます。集団労働合意には、企業集団労働合意、産業集団労働合意及び政府の規定に基づくその他の集団労働合意の形式が含まれます(「労働法」第73条第1項)。 集団労働合意の内容は、法律の規定に違反してはならず、かつ、法律の規定よりも労働者に対してより有利でなければならないとされています(「労働法」第73条第2項)。 集団労働合意の期間は原則として1年から3年とされますが、集団労働合意を初めて締結する企業は1年未満の期間で締結することが可能です(「労働法」第85条)。   集団労働合意を締結するときの手続は、以下のとおりとなります。 ①集団労働合意は、労働集団の代表及び使用者(又は使用者の代表)との間で締結される(「労働法」第74条第1項、第83条第1項)。 ②集団労働合意は、各当事者が団体交渉で合意に達した場合にのみ締結される(「労働法」第74条第2項)。 ・企業の集団労働合意を締結する場合は、労働組合の過半数の者が団体交渉の内容に賛成することが必要。 ③集団労働合意が締結された後、使用者は労働者全員に公表しなければならない「労働法」第74条第3項。 ④集団労働合意が締結された日より10日以内に、使用者は、以下の機関に集団労働合意の 一部を送付しなければならない(「労働法」第75条)。 ・企業の集団労働合意の場合は、労働に関する省レベルの国家管理機関に送付する。 ※全部で5部作成し、当事者が1部ずつ、上部の労働集団及び使用者の代表組織が1部ずつ、国家管理機関が1部保有する(「労働法」第85条第2項)。 集団労働合意を修正又は追加する場合、上記締結手続と同じステップとなりますが(「労働法」第77条第3項)、以下の点にご留意ください。   ①両当事者は以下の期間内に集団労働合意の修正又は追加を要求する権利を有する(「労働法」第77条第1項)。 (a)1年未満の集団労働合意:発効日か3ヶ月 (b)1年から3年の集団労働合意:発効日か6ヶ月 ②法律の変更により集団労働合意と法律が一致しなくなった場合、両当事者は当該法律の施行日より 15日以内に集団労働合意を修正・追加しなければならない(「労働法」第77条第2項)。   また、上記2のとおり、集団労働合意の期間は原則として1年から3年になりますが、当該期間が終了する3ヶ月前までに両当事者が集団労働合意の期間の延長又は新たな集団労働合意の締結を交渉することができます。 集団労働合意の期間が終了した後も両当事者がなお交渉を続けている場合いは、その集団労働合意は60日間を超えない期間は有効となります(「労働法」第81条)。   労働集団の代表及び使用者が集団労働合意を締結した場合、集団労働合意を締結した後に勤務を始めた労働者を含めて、全ての労働者が集団労働合意の適用を受けることになります(「労働法」第84条第1項)。 以下では、集団労働合意の効果について、いくつか問題になる点をご説明します。   労働契約の内容の一部又は全てが集団労働合意で規定している権利より低い水準で規定する場合には、労働契約の内容の一部又は全てが無効となります(「労働法」第50条第3項)。 よって、使用者及び労働者が労働契約で労働条件を合意していたとしても、集団労働合意でそれよりも高い水準の労働条件を定めた場合には、労働契約はその一部又は全部が無効となり、集団労働合意が適用されることになります。そして、集団労働合意の発効日以前に締結した労働契約の中で、各当事者の権利、義務及び利益が集団労働合意の対応する規定と比べて低い水準であった場合は、集団労働合意の対応する規定に適合させなければならないことになります(「労働法」第84条第2項)。 一方、労働契約が集団労働合意よりも高い水準の労働条件を定める場合の優先関係は、法律上は明確ではありませんが、一般的にはこのような場合には労働契約の規定が優先すると考えられているようです。少なくとも、労働契約で合意された手当の支給を否定するような集団労働合意は無効とされる可能性が高いようい思われます。   使用者の労働に関する規定が集団労働合意に適合しない場合、集団労働合意の発効日から15日以内に、集団労働合意に適合するよう修正しなければなりません(「労働法」第84条第2項)。 よって、集団労働合意の効力は、就業規則の効力に優先するということができます。   一定の場合には、集団労働合意はその一部又は全部が無効とされます(「労働法」第78条)。 ①一部の無効 集団労働合意の1つ又は複数の内容が法律に違反する場合、集団労働合意は部分的に無効となります。 ②全部の無効 以下の(a)乃至(c)に該当する場合には、集団労働合意はその全てが無効となります。 (a)全ての内容が法律に違反する場合 (b)締結者が権限を持たない場合 (c)締結手続が団体交渉の手続に基づかない場合   集団労働合意が無効か否かを判断する権限は人民裁判所が有します(「労働法」第79条)。 また、集団労働合意が人民裁判所により無効と宣告された場合には、無効と宣告された全部又は該当する部分の各当事者の権利、義務及び利益は、法律及び労働契約における合法な合意に基づいて解決されることとなります(「労働法」第80条)。   基本的には、団体交渉の対象となる事項は全て集団労働合意による合意の対象となります。すなわち、①賃金、賞与、補助及び昇給、②勤務時間、休憩時間、時間外勤務、及び交代制勤務間の休み、③労働者の雇用保証、④労働安全・労働衛生の保証、就業規則の履行、⑤両当事者が関心を持つその他の内容(「労働法」第70条)は、議論の対象となり得ます。   実務上は、賃金や手当の充実化に関する話(テト休暇中の帰省に関する費用の補助、食事手当の増額、会社が任意に支払う退職金の設定、結婚・出産時等の慶弔見舞金の支給等。)が集団労働合意の対象なることが多く、これらは組合側からの要望に基づいて集団労働合意において合意をすることが多いのが実情です。つまり、集団労働合意は、組合側が従業員の特別な利益を確保するためのツールとして用いられているということです。   しかし、使用者側の立場から、集団労働合意をより積極的に活用する方法も検討されるべきと考えます。すなわち、ベトナムの労働法及び関連するDecree等はまだ発展途上ですので、法令上決まりが存在してもその詳細が不明確であったり、また、そもそも決まり自体が存在しないことも珍しくありません。このような状況のとき、「法律の決まりが不明確(又は存在しない)だから仕方がない。」と考え、何らの措置も講じない使用者が多いように思われますが、これではリスクについて見て見ぬ振りをしているのに等しいといえます。そこで、法令の空白地帯を埋めて、何が起こるかわからないリスクを解消又は減少するために、集団労働合意の交渉過程において組合側と議論を尽くし、集団労働合意の中に合意内容を落とし込んでいく方法が積極的に検討されるべきと考えます。   なお、就業規則もこれと同様の役割を果たし得ますが、集団労働合意は、就業規則よりも法的効力が強く(上記4.2参照)、かつ、労使双方の合意に基づくことから就業規則に比べて法的効果を否定されにくいと考えられますので、集団労働合意を用いる方が望ましいといえます。
  • 労務
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  • 労働組合・労働協約・ストライキ
ベトナムにおける労働組合の歴史的な役割について教えてください。
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