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ベトナムの広告業における「特別な商品」の当局への登録について

  • 2025.01.24
  • 組織体制、契約管理
  • 広告

ベトナムでは、広告業について、DPIでの広告ビジネスラインを持っているとき、DOIT等に他のビジネスライセンスの登録は原則不要です。しかしながら、広告前に事前承認・登録が必要となる「特別な商品」があり、これらについては事前の登録・承認等が必要になります。 特別な商品について 政令181/2013/ND-CP第12条に基づき、以下のカテゴリーに該当する商品・サービスを広告する場合は、広告開始前に所管当局での広告内容登録が必要とされています。 1.医薬品 2.化粧品 3.食品(特に保健機能食品・健康補助食品 等) 4.家庭用および医療用の化学薬品、殺虫剤、消毒剤 5.医療機器 6.乳製品や子供向け栄養補助食品 7.健康診断・治療サービス 8...

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ベトナムにおける電話番号の取得とテレマーケティングに関する法的留意点
企業の営業活動において、電話を利用したテレマーケティングは依然として有効な手段の一つです。 しかしベトナムでは、近年の個人データ保護規制の強化や広告規制により、電話番号の収集・利用に対して様々な規制が課されており、その遵守が重要となっています。 本コラムでは、2023年7月1日に施行された政令第13/2023/ND-CP(以下「政令第13号」といいます。)や、広告・宣伝電話に関する政令第91/2020/ND-CP(以下「政令第91号」といいます。)を中心に、電話番号を取得して商品・サービスの販売目的で連絡する際の法的留意点や将来的なリスクについて解説します。 目次1. 個人データの保護と電話番号の扱い2. テレマーケティングに関する広告規制(政令第91号)3. 法改正の遡及リスク3-1. 原則としての非遡及3-2. 実務上の解釈変更リスク4. 実務上の対策とポイントまとめ 政令第13号第2条1項によれば、電話番号は「個人に関する情報」として個人データの一種に該当し得るものと解されます。そして、同政令第3条4項では「法律で別段の定めがない限り、個人データはいかなる形式でも売買してはならない」と定められています。 このため、電話番号を購入する場合は、売買行為そのものが違法となり得るリスクが高い点に注意が必要です。実際に公安省の説明会合でも、データ主体の承認に関わらず個人データの売買が禁止されると明確に示されています。 ● 専門業者からの購入は原則違法のリスク 専門業者から、本人の同意が得られているか不明な電話番号リストを購入することは、ほぼ違法な個人データの売買行為にあたる可能性が高いと考えられます。企業としては、電話番号の入手方法が適法であることを担保できない手段は避けることが望ましいでしょう。 ● インターネットで公開されている電話番号の扱い インターネット上で無料公開されている電話番号については、データ主体(電話番号の使用者)が、インターネット上で公開することに同意している旨が示されていれば、合法的に入手された電話番号として取り扱う余地があります。ただし、それをテレマーケティングに利用することまでの明示的な同意があるとは限りません。政令第91号をはじめとした広告規制をクリアするためにも、追加の同意取得や、少なくともDoNotCallリストの確認などが必須となります。 電話を用いた広告活動を行う場合、主に政令第91号の規定を遵守しなければなりません。とりわけ以下の点が実務上重要です。 DoNotCallリストへの配慮 政令第91号第7条3項および第13条1項により、DoNotCallリストに登録されている電話番号へは原則として広告電話をかけることが禁止されています。 ベトナム当局が管理するDoNotCallリストはhttps://khongquangcao.ais.gov.vn/で確認できます。 事前同意の原則 政令第91号第11条2項では、電話番号の使用者が広告の受信に事前に同意した場合にのみ、広告電話をかけることが認められています。 広告拒否(オプトアウト)への対応 政令第91号第13条4項および第21条2項により、電話番号の使用者が広告拒否を求めた後は、同じ電話番号に対して再度電話をかけることが禁止されます。 発信回数・時間帯の制限 政令第91号第13条5項により、別途合意がない限り、同じ電話番号に対して24時間以内にかけられる広告電話は1回のみです。 政令第91号第13条6項では、広告電話をかける時間帯が8時から17時までに限定されており、こちらも別段の合意がない限り厳守が必要です。 識別名(tên định danh)の使用 政令第91号第13条8項で定められているとおり、当局が発行する広告目的の識別名を用いて電話をかける必要があります。 広告電話開始時の情報開示 政令第91号第21条1項により、通話開始時に広告電話をかける者の氏名や住所など、情報開示を行う義務があります。有料サービスの場合は料金についても説明しなければなりません。 これらのルールを遵守しない場合、広告法や政令第91号に基づく罰金措置が下されるリスクがあるため、注意が必要です。 ベトナムの民事法典や刑事法典を含む一般原則として、新たな法令によって過去にさかのぼって法的責任を問われることは原則として認められていません(ベトナム法律第80/2015/QH13号第152条2項参照)。そのため、「過去に合法だった行為が、法改正により将来遡って違法となる」ということは基本的にはありません。 他方で、ベトナムでは同じ法令の条文でも解釈が運用上変化し、結果として過去の行為にも疑問が呈されるケースが散見されるのも事実です。 特に個人データの保護というテーマは、国内外で注目度が高く、当局が今後ガイドラインや解釈運用を厳格化する可能性もあります。したがって、現時点で合法的なスキームを採用する際にも、将来にわたって当局の解釈がどのように変わり得るかを注視しておくことが望まれます。 電話番号の取得方法の透明化 データ主体の同意を得ていない電話番号の購入や利用は基本的にリスクが高いと認識すべきです。取得元を明確にし、法的に問題のない形でデータを入手するプロセスを構築することが重要です。 事前同意・オプトアウト手続の整備 テレマーケティングに関しては、政令第91号に準拠した事前同意の取得方法、オプトアウトの明確化、DoNotCallリストの活用など、コンプライアンス体制の整備が不可欠です。 将来的な法改正・運用変化への注視 ベトナム当局によるガイドラインや通達の発行など、政令第13号に関連する詳細規定が今後整備される可能性があります。そうした動きには継続的にアンテナを張り、必要に応じて運用方針を見直していくことが望まれます。 識別名(tên định danh)の取得・使用 広告電話での識別名使用は既に義務化されているため、手続を怠っている場合は直ちに取得手続を進めるべきです。 ベトナムで電話番号を用いたテレマーケティングを行う際には、政令第13号(個人データ保護)と政令第91号(広告規制)の両面から慎重に検討する必要があります。専門業者からの電話番号購入はほぼ違法と評価されるリスクが高いため避けるべきであり、仮にインターネット上で無料入手した電話番号を利用する場合でも、DoNotCallリストの確認や事前の同意取得などの広告規制を順守することが求められます。 また、ベトナムでは一度確立した法解釈が変化する可能性があるため、将来的な運用やガイドラインの更新に注意を払い、定期的な法改正の確認や専門家への相談を行うことが望ましいでしょう。