全世界所得（Worldwide Income）とは、個人や法人が、居住国だけでなく、世界中で得たすべての所得を指す。これは、国内での給与や事業収益だけでなく、海外で得た投資収益や事業利益、不動産取引の利益なども含まれる。全世界所得に基づいて課税が行われる場合、居住者は世界中で得た所得に対して居住国の税制に従って納税義務を負う。

ベトナムにおける全世界所得の課税

• ベトナム居住者: ベトナムの税法では、ベトナム国内に183日以上滞在する居住者には、全世界所得が個人所得税（PIT）上の課税対象となる。つまり、ベトナム国内外で得たすべての所得が、累進課税方式により課税される。たとえば、外国にある銀行預金からの利息や、国外の不動産からの賃貸収入も課税対象となる。
• 非居住者: 一方で、非居住者の場合、ベトナムで得た所得に対してのみ課税されるため、ベトナム源泉以外の全世界所得は課税対象外となる。

重要性

全世界所得に基づく課税は、特に外国に投資や資産を持つ個人や企業にとって重要であり、適切な税務計画が不可欠である。たとえば、二重課税を避けるための租税条約の活用や、国外所得の正確な申告が求められる。ベトナムに居住する外国人にとっても、母国で得た収入がベトナムで課税される可能性があるため、全世界所得に関する知識は重要である。

二重課税の回避

ベトナムは、他国との間で多くの租税条約を締結しており、これにより同じ所得に対する二重課税が回避される仕組みが整えられている。たとえば、個人が海外で支払った税金は、ベトナムでの課税から控除されることがある。