プレビルド物件(将来形成住宅)の販売価格の支払いに関する規制(2024年不動産事業法)
- 2024.10.30
- コラム
- CastGlobal
ベトナムにおけるプレビルド物件の販売に関する規制は、2024年8月1日から施行される新しい法律によって変更が加えられています。
関連規定には2024年の土地法、改正された住宅法(Law No. 27/2023/QH15)、改正された不動産事業法(Law No. 29/2023/QH15)が含まれています。
これらの法律は、不動産市場の透明性を高め、持続可能な成長を促進することを目的とし、直近いずれも改正されました。
プレビルド物件の販売に関する新しい規制
初回販売時の受け取り額について、新しい不動産事業法では、開発中の物件に対して購入者が支払う初回金は契約総額の30%を上限としています。
これは、不動産開発者がプロジェクトの進捗に応じて段階的に資金を受け取ることを保障し、購入者が投資に対するセキュリティを持つことを目的としています。具体的には、以下のような条件が適用されます。
- 初回の支払い(デポジットを含む)は契約総額の30%を超えてはならない。
- 残りの支払いは建設進捗に応じて行われ、物件引き渡し前に合計で70%以上を受け取ることはできません
- 売主が外国投資企業である場合、合計で契約総額の50%を超えることはできません。
不動産事業法では、初回支払の前のデポジットは購入価格の5%までとされています。
これにより、開発者はプロジェクトを完了させる責任を持ち、購入者は投資が実際に進行していることを確認できます。
なお、土地使用権証明書や土地に付随する資産の所有権(LURC)が発行されるまで、購入者への支払い総額は契約総額の95%を超えてはならず、残りは証明書発行時に支払われます。
開発進捗と受け取り条件
新しい法律では、プレビルド物件がどの程度開発されている必要があるかについて具体的な基準は示されていませんが、一般的には以下のような進捗に応じて、30−70%までの支払いが行われています。
- 基礎工事が完了している場合:この段階では、プロジェクトが具体的な形になっているため、購入者はリスクを理解しやすくなります。
- 主要構造体が完成している場合:例えば、建物のフレームや外壁など。
- 内部工事が始まっている場合:内装工事や設備設置が進んでいる段階です。
これらの条件は一般的なガイドラインであり、具体的なプロジェクトによって異なる場合があります。したがって、各プロジェクトの詳細や進捗状況を確認することが重要です。
2024年以降の法的枠組み
2024年8月1日から施行される新しい土地法や住宅法は、不動産市場全体に影響を与える重要な法律となっています。
これらは土地利用権や不動産取引の透明性を高め、市場参加者にとってより良い環境を提供することを目指していますが、実際の運用は実務によって変わってくる可能性があります。
不動産プロジェクトに関わる場合には、企業としての投資においても、個人においての投資においても注意点が多くあり、トラブルも増えています。
事前にしっかり検討して投資判断、送金等をされるようご注意ください。