CastGlobal Law Vietnam
(CAST)についてABOUT US
私たちは、2013年にベトナムに設立した日本人弁護士とベトナム人弁護士の所属する日系の弁護士事務所です。ハノイ市とホーチミン市に拠点を有しています。
ベトナムでは、大きなトラブルにならないように日常的に法務を意識して経営することが重要ですが、実際には何が問題になりうるのかや日本との違いもわからず、法的な事柄によって日々の業務に集中できないことも多く生じています。
お客様に憂いなくビジネスに集中いただくため、"法務面からベトナムビジネスを伴走する身近なパートナー"として貢献していきます。
CASTの特徴FEATURES
- 01
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ビジネスの現状・ベトナムのスピード感に合わせたスピーディーかつ柔軟な対応
- 02
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タイムチャージに基づかないリーズナブルで相談しやすい顧問契約の設定
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ベトナムのM&A、不動産、企業運営に関わる法務、知財戦略などの専門分野の支援実績
活用例
- 現地の担当弁護士にチャット・メールでいつでも気軽に相談できる環境。
- 自社の担当・駐在員が変わっても、過去の経緯から把握してアドバイスしてもらうことが可能。
- 会社の総務・法務スタッフとも普段からやりとりし、社内のコンプライアンス体制・意識向上にも。
導入事例CASES
ニュースNEWS
- コラム
- 2025.06.23
- CastGlobal
ダナン自由貿易区(FTZ)2025始動:税制優遇その他詳細解説
ダナン自由貿易区(FTZ)は、2025年 6 月 16 日付の首相決定 1142/QĐ-TTg で設立が決定されました。
面積やゾーン区分、優遇税制など“枠組み”はすでに法令で固まりましたが、運営細則・労務通達・税関手順の多くはこれから 2026 年にかけて策定される予定で、実務運用はまだ“白地図”の箇所も少なくありません。
本コラムでは、確定した事実と未確定の論点を切り分けながら、外資企業・日系企業が検討段階で押さえるべきポイントを整理します。
確定:首相決定 1142/QĐ-TTg(2025/06/16)および国会決議 136/2024/QH15 で「パイロット型 FTZ」として承認。
未確定:実務を規定する政令 19/2025/ND-CP の下位通達(関税評価・労務許認可)は 2025 年 Q4~2026 年 Q2 に順次公布予定。
ダナン市は中部の深水港・国際空港・東西経済回廊の“結節点”として、製造・物流ハブを狙います。長期的には国際金融センター計画とも連携し、バンコク・シンガポールと競合するリージョナル HQ 機能の取り込みを視野に入れています。
ゾーン
面積
主機能
行政区
コメント
1・2
177 ha
港湾背後物流・製造
Liên Chiểu
リエンチュウ港からゲート直結。自動車部品・冷蔵倉庫に初期需要。
3
500 ha
港湾〜郊外製造回廊
Liên Chiểu〜Hoà Vang
国道1号・東西経済回廊 IC 至近。大型工業団地化を想定。
4
559 ha
スマート製造・R&D
Hoà Vang
高地で洪水リスク低。研究・試験ライン用地として人気。
5
90 ha
観光・商業
Hoà Ninh
Sun Group が高級リゾート開発を表明。
6
154 ha
商業・観光複合
Hoà Nhơn/Hoà Ninh
リゾート+アウトレットモール構想。
7
401 ha
デジタルヘルス・IT
Hoà Nhơn/Hoà Phú
国際金融センター用地と隣接。
確定部分は面積と用途区分。用地取得の進捗や用途変更可否は未確定要素が残ります。
確定しているインセンティブ(政令で明記)
項目
内容
標準との比較
CIT 税率
10%(15 年間)
国内標準 20%
CIT 免除
4 年全額免除 + 9 年 50% 減免
EZ と同等、期間長め
関税・輸入 VAT
FTZ 内で免税
一般 EPZ と同等
用地賃料
2~15 年免除(ゾーン別)
EZ を上回る場合あり
投資登録証 (IRC)
取得・変更原則不要
ベトナム初の運用
未確定/通達待ち
域外(=国内本土)への搬出時の関税計算式
移転価格文書の形式簡素化範囲
労働許可(WP)・在留レジメの「ワンストップ」詳細手順
期
2025–26
2027–28
2029
2030 以降
主な動き
運営規則策定・戦略投資家選定
用地取得・基幹インフラ建設
フェーズ1 稼働(物流+一部製造)
フェーズ2 拡張(金融センター・R&D 完工)
留意点
通達整備前で手続き不透明
立退き遅延リスク
インフラ接続費の調整
税制優遇延長の可否
Sun Group(VN):リゾート・商業コンプレックス(ゾーン 5–6)
Terne Holdings(SG):港湾背後型先端物流センター
Amata Vietnam(TH):産業インフラ FS(ゾーン 3)
IPPG(VN):免税店・リテールハブ
欧州・台湾系エレクトロニクス企業が R&D ラボ検討中(確度は未公表)
投資コミットメント総額は速報値で 15 億 USD。実際の資金拠出タイミングと条件は今後の政令細則で大きく変動し得ます。
法人設立コストとスピード
IRC 免除は大幅な短縮要因ですが、ライセンス付随産業(食品・医療・教育)は別途主管省庁の許可が不可欠です。
原産地規則・FTA 活用
FTZ 内製造品を CPTPP・EVFTA 原産品として認定できるかは今後の税関ガイドライン次第。
労務・人材確保
労働許可の簡素化は発表済みですが、社会保険適用区分が未定。HQ 機能誘致には外国人専門職の在留安定が鍵。
用地取得リスク
フェーズ 1 は 2027 年末取得完了予定。大型設備投資は土地引渡し時期の実行確約条項を契約に盛り込む必要があります。
ダナン FTZ は 「税制+立地+手続簡素化」の三拍子がそろうベトナム初の試みです。ハイフォン、ドンナイに計画中の後続 FTZ を 2~3 年リードすることから、“China+1/Thailand+1”の拠点シフトを検討する企業には先行者優位が望めます。
ただし、通達未整備=制度が流動的である点を忘れてはなりません。
今後の流れについて、詳細の内容とともに要注目です。
- コラム
- 2025.06.20
- CastGlobal
2026年施行へ|ベトナム製品・商品品質法 大改正を総解説―リスク区分とデジタルパスポート義務とは?
2025年6月18日に国会で製品・商品品質法の改正案が可決されました。2026年1月1日施行予定です。下記に現状わかっている重要内容をまとめます。
項目
内容
法律名
「製品・商品品質法の一部を改正する法律」(正式名称:Luật sửa đổi, bổ sung một số điều của Luật Chất lượng sản phẩm, hàng hóa)
可決日
2025年6月18日(第15期国会第9回会期)
賛成率
出席420名中408名(賛成85.36%)
施行日
2026年1月1日(一部規定は政令で段階的に発効予定)
主管省庁
科学技術省(Bộ Khoa học và Công nghệ)が国家品質インフラ(NQI)整備の司令塔を担う
関連政令・通達
施行細則となる政令・通達は2025年第4四半期までに公布予定と報道(ドラフト未公表・推測情報)
現行法(2007年制定/2008年7月施行)は 17年ぶりの大改正。急拡大する電子商取引、国際統合、デジタル化に対応しきれず、規制の「アップデート」が不可欠と指摘されていた(vietnamnews.vn)。
「科学技術・イノベーションをテコに国際競争力を高める」という政府方針(第13次党大会決議など)を法制面で具現化。
製品を「低・中・高リスク」の3層に分類し、リスク度合いで管理手法を差別化することになっています。
従来の“一律事前審査”を見直し、事前コスト削減と事後監視強化を両立する狙いです。
リスク区分
定義(例示)
主要管理措置
低
人体・環境への影響が軽微、国際警告なし
自己適合宣言・事後監視中心
中
一定の健康・環境影響あり
第三者試験報告の提出、ランダム検査
高
健康・生命・環境に重大リスク、国際警告対象
強制適合証明+デジタル追跡義務
「製品のデジタルパスポート」を法定概念化。バーコード等で原材料~流通の履歴を一元管理・閲覧可。
高リスク製品については義務化(施行政令で移行スケジュール設定)
EC運営者は品質・原産地・安全警告等のフル情報開示義務。
苦情処理システムを設置し、監督機関とデータ共有を行う必要
誤認広告・虚偽表示・リスク情報の隠蔽を追加で明示禁止。
デジタル空間での不当競争行為(品質を偽装し競合を損なう行為)も新設
標準化、計量、試験、認証、認定を**「インフラ」と定義**し、政府主導で整備。
関係省庁・税関・市場監視とのデータ連携を義務づけ、早期警戒システムを構築
各省庁検査機関に製造段階・輸出入段階の監視権限を再編。
コミューンレベル(最末端行政)も市場流通品の品質監視に協力義務
消費者保護団体による集団訴訟提起権を明文化。
販売者・輸入者の損害賠償責任を明記し、民法の時効規定とリンク
製造業やECプラットフォーム、日系企業への影響として考えられるものは以下のとおりです。
影響主体
影響内容
推奨アクション
製造業者・輸入業者
①製品分類に応じた適合証明の再取得
②デジタルパスポート用データ管理
製品設計段階でリスク評価フローを導入し、サプライヤーから原材料情報を電子的に収集
ECプラットフォーム運営者
品質情報開示・苦情対応システム義務化
利用規約・出店契約への品質保証条項追加、AIモデレーション導入検討
在越日系企業(販売・製造)
日本本社仕様とのダブルトラック管理が必要(追跡可能性・表示言語)
日越双方のラベリング基準を統合し、統一SKU管理
責任保険/PL保険
賠償責任拡大への備え
限度額見直し、追加条項検討
留意点
施行細則が出揃うまで技術的要件(バーコード仕様等)は不透明。試行政令ドラフトが公開され次第、速やかなギャップ分析を推奨します。
高リスク製品のデジタル追跡義務は最長3年の経過措置が設けられる見込み(報道ベース)。ただし輸出用製品も対象外とはならない可能性。
同日施行予定の改正消費者保護法(2024)との重複規制に注意。
本改正は「リスク管理+デジタル化+消費者保護強化」が三本柱。
日本企業にとっては、①製造段階からのデータ整備、②EC販売時の品質保証体制強化、③PL保険の見直しが急務です。
年内に公布される細則までは暫定運用を検討のうえ、細則が出たら対応できる仕組みを整えることが重要です。
弊所でも引き続き情報収集しアップデートしていきます。各関連規制の内容チェック、規程類の作成なども適宜ご相談ください。
- お知らせ
- 2025.06.19
- CastGlobal
【お知らせ】Jinzai Plus様に弊社代表・工藤のインタビュー記事が掲載されました
このたび、外国人採用の専門メディア 「Jinzai Plus」 にて、弊社 CastGlobal Law Vietnam の代表弁護士・工藤拓人のインタビューが公開されましたのでご案内いたします。
ベトナム進出は今がチャンス? 弁護士が語る日系企業進出・法務支援の実態|CastGlobal Law Vietnam(公開日:2025年6月19日)
1億人市場の現在地
ベトナムを「製造拠点だけでなく成長する消費市場」として捉える最新トレンドを解説。
進出支援の実務と料金イメージ
顧問サービス(月額固定制)から M&A・ライセンス取得支援まで、具体的なサポート内容と費用感をご紹介。
よくある“落とし穴”と対策
登記前送金やローン登録漏れなど、現場で頻発するリスク事例と防止策を提示。
新サービス「Outbound Axis Vietnam」
まず弊社グループ内で市場検証し、軌道に乗ったら外資法人化──リスクを抑えたステップイン方式を紹介。
急速な法改正をチャンスに変えるポイント
徴税強化や行政改革が進む中での日系企業の優位性と、意思決定スピードの重要性を解説。
以下のリンクより、ぜひ全文をご覧ください。
▼ インタビュー記事はこちら
https://www.jinzaiplus.jp/posts/210
- コラム
- 2025.06.18
- CastGlobal
ベトナム広告法改正|インフルエンサー義務化とオンライン広告ラベル等(2026年1月1日施行)
2025 年 6 月 16 日、国会本会議で「広告法の一部条項を改正・補充する法律」(全3条、23条改正・1条削除)が可決されました。2012年広告法を改正するもので、広告物配信者(Người chuyển tải sản phẩm quảng cáo)≒インフルエンサー・KOL/KOCの定義を新設して義務を設定したほか、オンライン広告のラベル義務やプラットフォームの24時間以内の削除義務などが規定され、広告関連者にとって大きい影響がありそうです。施行日は 2026 年 1 月 1 日です。
まだ可決されたばかりであり、かつ、草案が直前で変わったこともあり、最終確定内容によって若干変動がある可能性もありますが、最終決議の第4次草案が可決されたもののようですので、以下にまとめます。
改正点(確定)
概 要
広告物配信者(広告伝達者)の定義新設
“Người chuyển tải sản phẩm quảng cáo(広告物配信者(広告伝達者))”=SNS投稿・ライブ配信で商品を紹介する者、またはロゴ入り衣装等で広告効果を生む者を法主体化。
影響力保持者(インフルエンサー)の追加義務
商品を紹介する前に以下が必要。
①広告主の信頼性確認
②資料チェック
③未使用または未理解商品の推薦禁止。※実際に使用しなければならない、という草案時点の義務は若干柔軟に変更
ステルスマーケティング禁止
広告の表示義務、一般コンテンツとの区別義務により、“Quảng cáo trá hình”(隠れ広告/ステマ)は認められない。
オンライン広告ラベル義務
SNS・Web広告は「#QuảngCáo/#Ad」等で広告表示を明示。バナーは「閉じる」「報告」UI必須。
違法広告の24h削除
プラットフォーム・当事者は当局要請後24時間以内に広告をブロックまたは削除。
広告契約の義務化
広告取引は、広告の対象となる組織、個人、製品、商品、サービスの広告条件などを含む契約締結が必須となります。
越境広告の法的根拠
「Hoạt động cung cấp dịch vụ quảng cáo xuyên biên giới(越境広告サービス活動)」を定義し、海外SNS・広告主にも法適用。
行政・刑事二重の罰則
行政過料(額は政令改定で上限引上げ予定)+刑事訴追(詐欺広告で懲役1‑5年・罰金最大5億VND)+違反利益没収を明記。
活字媒体の広告枠緩和
新聞広告 25 → 30 %、雑誌 30 → 40 %。テレビは有料 5 %維持。
施行日
新広告法は 2026‑01‑01 発効。
草案時点の記事は以下:
ベトナム広告法改正案:SNS広告・インフルエンサー規制の要点
- コラム
- 2025.06.17
- CastGlobal
ベトナム企業法2025年改正|公務員出資禁止・BO開示など主要7ポイント(2025年7月1日施行)
本日(2025年6月17日)、第15期国会第9会期において「企業法(2020年法)の一部を改正する法律」が可決されました。改正法は (i) 公務員・公立職員による企業関与の禁止拡大、(ii) 経営者責任と資本の実在性確保、(iii) 受益所有者(Beneficial Owner)の情報開示、(iv) 株式出資価値算定ルールの明確化―という国際基準への適合とガバナンス強化を柱としており、2025年7月1日に施行されます。
2020年企業法と、今回の主要な改正点の相違は以下のとおりです。
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改正テーマ
2020年企業法(現行)
2025年改正法
実務上の影響
1
公務員・公立職員の資本参加等
出資は可、設立・経営は禁止
設立・出資・経営すべて禁止(科学技術・DX等の特例除く)
国・省庁系人材とのJVや株主構成の見直しが必須
2
法定代理人(Legal Representative)の責任
民事責任の明示規定なし
企業に損害を与えた場合の個人責任を明文化
駐在員社長等にD&O保険加入を検討
3
資本金・登録情報の虚偽届出
行政処分中心で曖昧
虚偽・過少資本・資産過大評価に刑事・行政罰を強化
M&A・DDで資本の実在性確認が不可欠
4
受益所有者(BO)情報
規定なし
BO概念を導入し情報収集・保存・提供義務を課す
グループ構造図の整備、AML対応コスト増
5
株式出資価値算定
直前終値等
過去30日平均+当事者合意+鑑定機関の3方法を規定
株式対価投資の価格交渉が柔軟化
6
優先株買戻しに伴う資本減少
明確規定なし
優先株・一部他の取得株式でも資本減少を容認
Exit/資本再構成の選択肢拡大
7
監督方式
事前審査中心
事後検査へシフト、社内機関の権限拡大
設立・変更手続きの迅速化、内部統制強化が前提
■改正内容
国家・地方の公務員および公立病院・大学等の職員は、例外を除き企業の設立・出資・経営に関与できません(改正後17条2項b、3項b)。
■影響
日本企業が国立大学・公的研究機関と共同で事業会社を設立する場合、該当研究者が取締役や株主となるスキームは原則不可。技術移転やR&D投資では 科学技術・イノベーション特例 を適用できるかを事前確認要。
既存JVでは対象者持分の整理・譲渡が必要になる可能性。
■改正内容
法定代理人が善管注意義務違反により会社に損害を与えた場合、会社・株主に対し個人負担で賠償責任を負うことを明示。
■影響
日系親会社から派遣される駐在員社長はリスクが高まる。
役員賠償責任(D&O)保険 や業務執行権限と監督機能の分離を含むガバナンス体制の再点検が推奨。
■改正内容
偽装登録、資本未払い、過大評価等を列挙し行政罰・刑事罰を強化。
■影響
資本実在性 が対越M&A・合弁の重要DD項目へ。
キャッシュコントリビューションの実行管理、財務監査証跡の整備が必須。
■改正内容
FATF基準に沿いBOを定義し、企業に対しBO情報の収集・保管・提出を義務化。既存企業は次回登記変更時に届け出。
■影響
多階層SPCで投資するPEファンドや日本本社は、最終実質支配者(>25%等)を提示する必要。
グループ再編や優先株発行時にBOが変動する場合、変更届出を失念しない管理体制が求められる。
■改正内容
時価算定を「30日平均価格」「当事者合意」「鑑定機関評価」の3択とし、直前終値主義を改めた。
■影響
シェアスワップ案件で価格調整条項を組みやすくなる一方、30日平均が市場変動を反映しにくい可能性。契約上の評価方法合意を明確化すべき。
■改正内容
優先株(redeemable preference shares)等の買戻しに伴うチャーターキャピタル減少を認可し、資本構成の柔軟性を付与。
■影響
ベトナム子会社の段階的Exit や配当性資金還流がしやすくなる。
ただし減資手続きに伴う債権者保護手続を確認。
■改正内容
設立・変更時の事前審査を簡素化し、違反時に事後的に厳罰を科す仕組みに転換。
■影響
手続スピードは向上するが、内部統制とコンプライアンス体制 が重要に。
分野
影響の深度
日系・外資系企業の推奨アクション
JV・M&A
高
(1) ベトナム側株主に公務員・公立職員が含まれないか調査
(2) 登録資本の払込証憑と資産評価書の再確認
コーポレートガバナンス
高
(1) 法定代理人の責任範囲の見える化
(2) D&O保険・議事録管理・委任権限規程の整備
コンプライアンス/AML
中
(1) グループのBO情報を統一フォーマットで管理
(2) 社内ガイドライン改訂とITシステム連携
資本政策・ファイナンス
中
(1) 優先株発行・買戻しスキームを活用した資本リサイクリング
(2) 株式対価投資で評価メソッドと価格調整メカニズムを契約明記
改正法は「透明性・実在性・責任」をキーワードに、ガバナンスと投資環境を国際基準へ近づけるものです。
日系企業にとっては コンプライアンス負担増 と 制度的安心感 が表裏一体となる改正であり、先回りの体制整備が競争優位 を生む可能性があります。7月1日の施行前に、上記チェックリストに沿ったギャップ分析と社内規程の確認を進めることを推奨します。実務上の動向は随時確認が必要です。
※本稿は2025年6月17日時点で公表された法令・報道を基に概要を整理したものです。個別案件への適用にあたっては、正式な公布文および省令・通達の動向を確認のうえ、専門家にご相談ください。