ベトナム日系企業に迫る「ハラスメント告発」リスク
- 2026.07.12
- コラム
- CastGlobal
目次
1.「ベトナムはまだ緩い」は危険な誤解
「ベトナムはまだハラスメント規制が緩い」――こうした認識は危険です。2021年1月施行の現行労働法(No.45/2019/QH14)により、ベトナムのハラスメント規制は高水準となっておいます。また、労働者の権利意識の高まりから、労働者によるハラスメント告発事案が近年大幅に増加しています。
2.ベトナム労働法のハラスメント規制
労働法第3条第9項はセクシャルハラスメントを「職場における他者に対する性的な性質を有する行為であって、その他者が望まず又は承認しないもの」と定義し、政令145/2020/ND-CP第84条で身体的・言語的・非言語的セクハラを具体化しています。なお「職場」には出張先、会食、通勤車両などまで幅広く含まれています。
また、使用者には以下の義務が課されます。
- セクハラ防止措置の実施(労働法第6条第2項d号)
- 就業規則へのセクハラ対策規定の整備(労働法第118条第2項d号、政令145号第85条)
また、労働法第35条第2項により、ハラスメントや侮辱的言動を受けた労働者は事前通知なく労働契約を即時解約でき、損害賠償請求に発展するリスクもあります。またSNSでの書き込みなど、レピュテーションリスクが発生する場合もあります。
3.高まる労働者の権利意識と相次ぐ告発
SNSによる告発の増加、若い世代の権利意識の高まり、労働市場の流動化により、現地従業員は「嫌なら辞める」「公にする」という選択を躊躇しません。当事務所にも、駐在員に対する告発、退職者からの法的請求、不正経費の内部告発、SNSへの書き込みなどのご相談が急増しています。
他方、社内通報窓口は「身内に話しにくい」「報復が怖い」という理由で機能しないケースが大半です。
4.事後対応ではなく「事前防止」を
問題が表面化してからの対応は、和解金・訴訟費用・レピュテーション低下という大きな代償を伴います。そのため、予防的対策が重要になります。具体的には、
- ハラスメント研修による認識共有
- 外部通報窓口による安心できる相談ルートの確保
- 定期ヒアリングによる兆候の早期検知と抑止効果
の3つを組み合わせることで、ハラスメント・内部告発リスクを大幅に低減できます。
5.CastGlobal Vietnam のサービス
当事務所は、ベトナム現地に拠点を構える日系法律事務所として、以下の3サービスを単体およびパッケージにてご提供しています。
① 外部通報窓口の設置・運用
日本語・ベトナム語の専用メールアドレスで通報を受付。駐在員に関する告発は日本本社へ、ベトナム人従業員に関する告発は現地法人へ報告します。
② ハラスメント研修
駐在員向け(日本語)・現地従業員向け(ベトナム語)に分けて、ベトナム労働法の規制、NG言動、文化的配慮、ケーススタディを解説。対面・オンライン両対応。
③ 定期オンラインヒアリング
当事務所担当者が駐在員・現地従業員に1対1のオンラインヒアリングを定期実施。通報を待つのではなく能動的にアプローチし、兆候を早期検知。結果は匿名化レポートとして経営層へご報告します。
料金は貴社の規模・現状の体制等を踏まえてお見積もりいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。