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労働組合法 12/2012/QH13

  • 2015.06.30
  • 労務
  • 労務一般

労働組合法 決議第51/2001/QH10号に従って補充・改正された1992年ベトナム社会主義協和国憲法に基づき、国会は労働組合法を公布する。 第I章 総則 第1条 労働組合 労働組合は、工員や労働者層における大きな政治・社会組織であり、自主性の原則の下で設立され、ベトナム共産党の指導の下で活動し、ベトナム社会の政治体制の一員となる。また、労働組合は従業員、公務員、職員、工員やその他の労働者(以下「労働者」と記す)の代理人となり、行政機関や経済組織及び社会組織とともに労働者の合法的且つ正当な権利及び利益を支え、守る責任を負う。また、労働組合は国家管理、経済社会の管理並びに行政機関や組織、機関、企業への監督・検査・監視活動に関与し、さらに労働者の知識、職業技能の向上、法律規定の遵守、ベトナム...

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  • 2017.12.18
  • 労務一般
労働契約に基づき就労する労働者に対して地域別最低賃金を規定する政令141/2017/ND-CP(2018年1月1日施行)
政府 ——- 141/2017/ND-CP ベトナム社会主義共和国 独立-自由-幸福 ————— 2017年12月07日, ハノイ 政令 労働契約に基づき就労する労働者に対して地域別最低賃金を規定する     2015年06月19日付政府組織法に基づき、 2012年6月18 日付労働法に基づき、 2014年11 月26日付企業法に基づき、 労働傷病兵社会省大臣の要請により 政府は労働契約に基づく就労する労働者に対して地域別最低賃金を規定する政令を公布する。   第1条 適用範囲 本政令は、労働法の規定により、労働契約に基づく就労する労働者に対して適用される地域別最低賃金を規定する。 第2条 適用対象 1.労働法の規定により労働契約の制度に基づく就労する労働者 2.企業法に基づき設立、管理、活動される企業 3.労働契約に基づいて雇用を行う合作社・合作社連合・農園・世帯・個人及びその他のベトナムの組織 4.労働契約に基づいて雇用を行うベトナムにおいての機関・外国組織・国際組織及び外国個人(ベトナムが加盟している国際条約に別段の定めがある場合を除く) 本条の第2、3及び4項に規定される企業、合作者、合作社連合、農園、世帯、機関、組織及び個人を総称して企業と呼んでいる。 第3条:地域別最低賃金 1.企業における就労する労働者に対して適用される地域別最低賃金は、以下の通り規定される。 1ヶ月3,980,000 VND、第I地域に位置する企業に対して適用される 1ヶ月3,530,000 VND、第II地域に位置する企業に対して適用される 1ヶ月3,090,000 VND、第III地域に位置する企業に対して適用される 1ヶ月2,760,000 VND、第IV地域に位置する企業に対して適用される 2. 地域別最低賃金を適用する地区は、省レベル、県レベル、町村レベル等の行政単位に基づき規定される。第I地域、第II地域、第III地域及び第IV地域の地域別最低賃金を適用する地区一覧表は、本政令の添付付録に規定される。 第4条 地域別最低賃金の適用原則 1.企業は、事業所が存在する地区の最低賃金を適用する。企業は、異なる地域別最低賃金がある各地区における活動する支店や単位を有する場合、当該支店や単位は、事業所が存在する地区の最低賃金を適用する。 2.工業団地及び輸出加工区の中に活動し、異なる地域別最低賃金がある各地区に位置する工場を有する企業は、最も高い地域別最低賃金がある地区に基づき適用する。 3.名称が変更された又は分割された地区における活動する企業は、政府の新規定があるまでに名称の変更又は分割前の地区に対して規定される地域別最低賃金を適用する。 4.一つの地区又は異なる地域別最低賃金がある多くの地区から新しく設立された地区における活動する企業は、最も高い地域別最低賃金がある地区に基づき、地域別最低賃金を適用する。第IV地域に位置する一つの地区又は多くの地区から新しく設立された省直轄市である地区における活動する企業は、本政令の添付付録の第3号の省直轄市である地区に対して規定される地域別最低賃金を適用する。 第5条 地域別最低賃金の適用 1.本政令の第3条に規定される地域別最低賃金は、企業及び労働者が協議と賃金支払いを行うための基礎となる最低のレベルであり、その中で、通常勤務条件で勤務し、1ヵ月の通常勤務時間を十分に保証し、労働基準量又は合意した業務を十分に履行した労働者に支払われる賃金は、以下の事項を保証しなければならない。 a) 最も簡単な仕事をする労働者に対して地域別最低賃金を下回ってはならない。 b)本条の第2項の規定により職業訓練を受けた労働者に対して地域別最低賃金よりも少なくとも7%以上でなければならない。 2. 職業訓練等を受けた労働者は、下記のものを含む。 a) 国家の教育システムの構造、教育及び訓練についての資格・証明書システムを規定する1993年11月24日付政府の政令90/CP号の規定に基づいて職業証明書、職業資格、専門高校の証明書、職業高校の証明書、高等の証明書、大卒資格、大学院の修了資格、学士号、修士号、博士号を取得したもの; b)1998年の教育法及び2005年の教育法の規定に基づいて専門高校の卒業証書、職業訓練の卒業証書、高等の卒業証書、大学の卒業証書、修士号、博士号、職業教育の証明書・資格、大学教育の資格、継続教育の証明書・資格の発行を受けたもの; c)継続訓練カリキュラムの証明書、職業初級証明書、職業中級卒業証、職業高等卒業証の発行を受けたもの又は職業訓練法に規定される職業契約書により訓練カリキュラムを完成したもの; d)雇用法の規定に基づいて国家職業技能の証明書の発行を受けたもの; đ)職業教育法の規定に基づいて初級・中級・高等レベルの訓練カリキュラム、継続訓練カリキュラム及びその他の職業訓練カリキュラム等の職業教育の証明書・資格の発行を受けたもの; e) 大学教育法の規定に基づいて大学教育の訓練レベルの卒業証の発行を受けたもの; g) 外国職業訓練所の証明書・資格の発行を受けたもの; h)企業に職業を訓練されるもの又は自らで専門分野を学んで、企業にその専門分野をチェックされ、訓練されるべき業務を配置されるもの。 3.本政令に規定される地域別最低賃金を実施する際に、企業は、時間外労働、深夜労働、危険・重労働の賃金制度、危険で有害な条件下で就労する労働者に対する現物による補償制度及び労働法の規定によりその他の制度を削除・減少してはならない。企業により規定される手当、賞与、その他の追加項目は、労働契約のなかの合意、集団労働協約、又は企業規則に従って実施される。 第6条:執行効力 1.本政令は2018年01月25日より発効する。本政令の規定は、2018年01月01日より執行される。労働契約に基づく就労する労働者に対して地域別最低賃金を規定する政府の政令153/2016/ND-CP号は、本政令の発効日より失効するものとする。 2. 各省庁の大臣、省同級機関の首長、政府直轄機関の首長、省人民委員会委員長、中央直轄市人民委員会委員長および各機関、企業は本政令の執行に責任を負うものとする。 宛先 -党中央書記局                                                    首相 -首相、各副首相                       (署名済み) -各省・省同級機関・政府直轄機関 -評議委員会、中央直轄市・省人民委員会 -中央事務所、党の各機関                   NGUYEN XUAN PHUC -総書記事務所 -国家主席事務所 -民族評議会及び国会の委員会 -国会事務所 -最高人民裁判所 -最高人民検察院 -国家会計監査機関 -国家財政監査委員会 -社会政策銀行 -ベトナム開発銀行 -ベトナム祖国戦線中央委員会 -各団体の中央機関 -各経済団体及び国家企業 -政府事務所:担当大臣、各担当者、首相アシスタント、政府電子情報ポータル、各傘下局・組織、公報 -保管:VT、KTTH    
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  • 2015.06.30
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労働法 10/2012/QH13
労働法 国会決議第51/2001/QH10号に伴って改正・補足された1992年ベトナム社会主義共和国憲法に基づき、国会は労働法を公布するものとする。 第I章 総則 第1条 適用範囲 労働法は、労働基準、労使関係およびその他の労使関係に直接関連する労働者、使用者、労働者集団の代表組織、使用者の代表組織の権利・義務・責任並びに労働に関する国家管理について規定する。 第2条 適用対象 1.ベトナム人労働者、職業訓練生および本法で定めるその他の労働者 2.使用者 3.ベトナムで就労する外国人労働者 4.その他の労使関係に直接関連する機関・組織・個人 第3条 用語解説 本法において、以下の用語は次のとおりに解釈される。 1.「労働者」とは、満15歳以上で、労働能力を有し、労働契約に基づいて就労し、賃金の支払いを受け、使用者に管理される者をいう。 2.「使用者」とは、労働契約に基づいて労働者を雇用し使用する企業・機関・組織・協同組合・世帯・個人をいう。個人の場合は、完全な民事行為能力を有さなければならない。 3.「労働者集団」とは、同じ使用者または使用者の組織に属する同じ部門の下で従事している労働者で組織された集団をいう。 4.「事業所における労働者集団の代表組織」とは、事業所内労働組合の執行委員会、または事業所内労働組合を設立していない事業所の直属上級労働組合執行委員会をいう。 5.「使用者の代表組織」とは、労使関係における使用者の合法的な権利と利益を代表・保護する、合法的に設立された組織をいう。 6.「労使関係」とは、労働者と使用者の間での雇用、労働使用、給与支払いにおいて発生する社会的関係をいう。 7.「労働争議」とは、労使関係の当事者間で発生する権利・義務・利益に関する争議をいう。 労働争議には、個々の労働者と使用者との間の個別労働紛争および労働者集団と使用者との間の集団的労働紛争が含まれる。 8.「権利に関する集団的労働紛争」とは、労働に関する法律・労働協約・就業規則・その他の合法的な規則または合意の規定の解釈と履行が異なることから発生する、労働者集団と使用者との間の紛争をいう。 9.「利益に関する集団的労働紛争」とは、労働者集団と使用者間の交渉過程において、労働者集団が労働に関する法律・労働協約・就業規則・その他の合法的な規則または合意の規定に関して、新たな労働条件の確立を要求することから発生する労働争議をいう。 10.「強制労働」とは、暴力、暴力による脅迫、またはその他の手段を使うことによって、労働者の意思に反する労働を強制することをいう。 第4条 労働に関する国家政策 1.労働者の正当な権利と利益を保障すること。労働に関する法律の規定よりも有利な条件を労働者に保障する合意を奨励すること。労働者の株式購入、生産・経営の発展のために出資できる政策をとること。 2.法律に従い、民主的、公平かつ文明的に、また社会的責任を持って労働者を管理できるように、使用者の合法的な権利と利益を保障すること。 3.雇用創出活動、自営業、雇用のための職業訓練、多数の労働者を雇用する生産・経営活動に対し、有利な条件を付与すること。 4.人材の開発・配置の政策をとること。労働者の職業訓練・養成・技能レベルの向上を図り、国家の工業化・近代化事業の要求に応えられる専門性と技能の高い労働者を優遇すること。 5.労働市場を発展させ、労働需給と連携する形式を多様化する政策をとること。 6.労働者と使用者が対話や団体交渉を行い、調和的・安定的・進歩的な労使関係を構築するように指導すること。 7.男女平等の原則を保障すること。女性労働者、障害を持つ労働者、高齢労働者、未成年労働者を保護するための労働制度と社会政策を規定すること。 第5条 労働者の権利および義務 1.労働者は以下の権利を有するものとする。 a)自由に仕事又は職業を選択して働き、職業訓練を受け、職業水準を向上させ、差別的な扱いを受けないこと。 b)使用者との合意に基づき、職業技能水準に適した賃金を受け取ること。労働保護を受け、労働安全および労働衛生が保証された条件の下で就労すること。制度に基づき、休暇、年次有給休暇を取得し、団体の福利厚生を享受すること。 c)労働組合、職業組織およびその他の法律で規定された組織を設立、加入すること。使用者との対話を要求、またはそれに参加し、自身の合法的な権利と利益を保護するため、職場での民主的規則の履行を求め、相談を受けること。就業規則に基づき管理に参加すること。 d)法規に従って労働契約を一方的に解除すること。 e)ストライキを起こすこと。 2.労働者は以下の義務を負うものとする。 a)労働契約、労働協約を履行すること。 b)労働規律、就業規則を遵守し、使用者の合法的な指示を順守すること。 c)社会保険・医療保険に関する法規を履行すること。 第6条 使用者の権利および義務 1.使用者は以下の権利を有するものとする。 a)生産・経営の需要に応じて、労働者を雇用、配置、管理するほか、報奨、労働規律違反の処分を行うこと。 b)法規に基づき職業組織およびその他の組織を設立し、その組織に加入し、積極的に参加すること。 c)労働者集団と対話、交渉し、労働協約の締結を要求すること。労働争議、ストライキの解決に参加すること。労使関係の課題、労働者の物質的・精神的な生活の改善について労働組合と協議すること。 d)職場を一時的に閉鎖すること。 2.使用者は以下の義務を負うものとする。 a)労働者との労働契約・労働協約およびその他の合意を履行し、労働者の名誉と人格を尊重すること。 b)企業における労働者集団との対話制度を構築・履行し、事業所における民主的規則を厳正に履行すること。 c)労働管理簿と賃金支払簿を作成し、管轄機関から要求された際に提出すること。 d)地方の労働に関する国家管理機関に対し、労働者の使用について、事業開始日から30日以内に届出を行い、事業の過程で生じた労働に関する変更状況を定期的に報告すること。 e)労働に関する法律、社会保険法および医療保険法のその他の規定を履行すること。 第7条 労使関係 1.労働者または労働者集団と使用者との間の関係は、自主・善意・平等・協力・相互の合法的な権利と利益の尊重の原則に基づいて、対話、交渉、合意を通じて確立される。 2.労働組合と使用者の代表組織は、国家機関とともに、調和的・安定的・進歩的な労使関係を構築するための支援を行い、労働に関する法規の施行を監視し、労働者と使用者の合法的な権利と利益を保護する。 第8条 禁止される行為 1.性別・民族・皮膚の色・社会的身分・婚姻状況・信仰・宗教・HIV感染・障害または労働組合の設立・加入・活動を理由とした差別的取り扱い。 2.労働者の虐待、職場でのセクシャルハラスメント。 3.労働の強制。 4.職業訓練を悪用して労働力を搾取すること、または職業訓練生を違法な活動に勧誘若しくはこれを強制すること。 5.職業訓練を受けた者または国家職業技能証明書を有する者の使用が義務付けられている職業又は業務について、職業訓練をまだ受けていない者または国家職業技能証明書をまだ有していない者を使用すること。 6.労働者をだます目的で勧誘・約束・虚偽の広告を行うこと、または雇用サービスを悪用し、違法行為を行う目的で契約に基づき外国への労働者派遣活動を行うこと。 7.未成年の労働者を違法使用すること。 第II章 就労 第9条 就労、雇用創出 1.就労とは、収入を生み出し、法律上禁止されない労働活動をいう。 2.政府、使用者、社会は雇用創出に従事し、労働能力を有する全ての者に就労の機会を確保する責任を負う。 第10条 労働者の労働権 1.法律上禁止されていない、いかなる使用者のもと、いかなる場所でも就労することができる。 2.求職者は求職活動の際、自身の希望・能力・実務の技能・健康状態に応じて、使用者に直接連絡、または職業紹介組織に登録することができる。 第11条 使用者の労働者採用権 使用者は直接、または職業紹介事業者、労働者派遣事業者を通じて労働者を採用し、生産・経営の必要に応じて労働者の人数を増減することができる。 第12条 雇用開発を助成するための国家政策 1.政府は、経済社会開発5ヶ年計画および年次計画において、雇用の創出目標を確定する。 政府は、各期間の経済・社会条件に基づいて、雇用や職業訓練に関する国家目標計画を国会に提出する。 2.失業保険政策や、労働者が自営業を営むことができるような奨励政策をとること。使用者が女性労働者・障害を持つ労働者・少数民族からの労働者を多く雇用するような支援政策をとること。 3.雇用を創出するため、国内外の組織・個人に対し、生産・経営への開発投資を奨励し、有利な条件を付与すること。 4.雇用者と労働者からの協力により、労働市場の海外への進出を目指すこと。 5.雇用に関する国家基金を創設し、雇用創出および法律の規定に基づいたその他の活動を実施するために、優遇的な融資で支援すること。 第13条 雇用計画 1.省・中央直轄市の人民委員会(以下、「省レベル人民委員会」という。)は、地域での雇用計画を作成した上、同地の人民評議会に提出して決定を受ける。 2.国家機関、企業、政治・社会組織、社会組織およびその他の使用者は、自身の任務と権限の範囲内で雇用計画の実施に参加する責任を負う。 第14条 職業紹介組織 1.職業紹介組織は、労働者に対する助言、職業紹介、職業訓練を行う機能、使用者の要求に応じて労働者の募集・供給をする機能、労働市場に関する情報の収集・提供を行う機能を持つほか、法規に基づいてその他の任務を履行する。 2.職業紹介事業者は、職業紹介センターおよび職業紹介企業を含む。 職業紹介センターは、政府の規定に基づき設立され、事業を行う。 職業紹介企業は、企業法の規定に基づき設立され、事業を行うが、労働に関する省レベル国家管理機関より発行された職業紹介事業許可書を必要とする。 3.職業紹介事業者は、手数料および税金に関する法律に基づき、手数料を徴収し、税金の減免を受けることができる。 第III章 労働契約 第1節 労働契約の締結 第15条 労働契約 労働契約とは、賃金が支給される業務、労働条件、労使関係における当事者各々の権利と義務に関する労働者と使用者との間の合意をいう。 第16条 労働契約の形式 1.労働契約は書面により締結され、2通作成のうえ労働者と使用者が各1通を保持しなければならない。ただし、本条第2項に規定する場合を除くものとする。 2.期間が3ヶ月未満の一時的な業務の場合、当事者は口頭で労働契約を締結することができる。 第17条 労働契約の締結原則 1.自主、平等、善意、協力、忠実の原則を遵守すること。 2.労働契約を自由に締結することができるが、法律、労働協約および社会道徳に反してはならない。 第18条 労働契約の締結義務 1.労働者を雇用する前に、使用者と労働者は労働契約を直接締結しなければならない。 満15歳から18歳未満までの労働者と労働契約を締結する場合、労働者の法的代理人の同意が必要である。 2.季節的業務・12ヶ月未満の特定業務の場合、労働者のグループは、グループ内の1名の労働者に委任して、書面による労働契約を締結することができる。この場合の労働契約は、個別に各人と締結したものと同様の効力を持つ。 委任された労働者が締結する労働契約には、各労働者の氏名、年齢、性別、居住住所、職業、署名が具体的に明記されたリストが添付されなければならない。 第19条 労働契約の締結前の情報提供義務 1.使用者は労働者に対し、業務、就労場所、労働条件、勤務時間、休憩時間、労働安全、労働衛生、賃金、賃金の支払い形式、社会保険、医療保険、営業もしくは技術上の秘密の保護に関する規定および労働者が要求する労働契約の締結に直接関連するその他の問題について、情報を提供しなければならない。 2.労働者は使用者に対し、氏名、年齢、性別、居住地、学歴、職業技能水準、健康状態および使用者が要求する労働契約の締結に直接関連するその他の事項について、情報を提供しなければならない。 第20条 労働契約を締結・履行する際に使用者がしてはならない行為 1.労働者の身分証明書、学位や資格の証明書の原本を保管すること。 2.労働者に対し、労働契約の履行を理由とし、現金またはその他の財産による保証の手段をとるよう強制すること。 第21条 複数の使用者との労働契約の締結 労働者は、複数の使用者と労働契約を締結することができる。しかし、締結した内容を十分に履行できることを保証しなければならない。 複数の使用者と労働契約を締結した場合、労働者の社会保険および医療保険への加入は、政府の規定に基づいて行うものとする。 第22条 労働契約の種類 1.労働契約は次のいずれかの形式で締結しなければならない。 a)無期限労働契約 無期限労働契約とは、両当事者が契約の効力を終了する期限および時期を確定しない契約をいう。 b)有期限労働契約 有期限労働契約とは、両当事者が契約の効力を終了する期限および時期を、満12ヶ月から36ヶ月までの期間に確定した契約をいう。 c)季節的な業務または12ヶ月未満の特定業務を履行する有期限労働契約 2.本条第1項第b、c号で規定する労働契約の期限が満了しても、労働者が仕事を辞めず引き続き就労する場合、労働契約の期限が終了した日から30日以内に両当事者は新たな労働契約を締結しなければならない。新たな労働契約を締結しない場合、本条第1項第b号に規定された既存の労働契約は無期限労働契約となり、本条第1項第c号に規定された既存の労働契約は、24ヶ月を期限とする有期限労働契約となる。 両当事者が有期限契約として新たな労働契約を再度締結しようとする場合、一回のみ締結することができる。その後、労働者が引き続き就労する場合、無期限労働契約を締結しなければならない。 3.12ヶ月以上の勤務が必要となる業務を実施するために、季節的業務または12ヶ月未満の特定業務を履行する労働契約を締結してはならない。ただし、労働者が兵役義務の履行、産休、疾病、労働災害、その他の一時的な休暇を取得するための、一時的な交代が必要な場合を除くものとする。 第23条 労働契約の内容 1.労働契約は、次の事項を主な内容としなければならない。 a)使用者またはその法的代表者の氏名および住所 b)労働者の氏名、生年月日、性別、居住住所、身分証明書番号または他の法的書類 c)業務および就労場所 d)労働契約の期限 e)賃金、賃金支払いの形式および期限、手当て、その他の追加支払い f)昇格・昇給制度 g)勤務時間、休憩時間 h)労働者のための労働保護設備の供給 i)社会保険および医療保険 j)職業訓練、職業技能水準の向上 2.労働者が法律の規定に基づいて営業もしくは技術上の秘密に直接関わる業務を行う場合、使用者は保護すべき内容・期間、労働者が違反を犯した場合における権利と賠償について、労働者と文書による合意を得ることができる。 3.農業・林業・漁業・塩業に従事する労働者については、業務の種類により、両当事者は労働契約の主な内容の一部を削除すると同時に、契約の履行中において自然災害・火災・天候の影響を受けた場合の解決方法に関する内容の追加について合意することができる。 4.国家資本が出資される企業の社長として雇用される労働者の労働契約の内容は、政府が定めるものとする。 第24条 労働契約の附録 1.労働契約の附録は、労働契約の一部であり、労働契約と同様の効力を有する。 2.労働契約の附録は、労働契約の一部条項の詳細を規定し、または労働契約を改正・補足するためのものである。 労働契約の附録が労働契約の一部条項の詳細を規定し、それが労働契約の解釈と異なる場合は、労働契約の内容に基づいて履行するものとする。 労働契約の附録を労働契約の改正・補足に使用する場合は、改正・補足される条項の内容とその発効日を明記しなければならない。 第25条 労働契約の効力 労働契約は各当事者が締結した日から発効する。ただし、両当事者が別段の合意をしている場合、または法律に別段の規定がある場合を除くものとする。 第26条 試用 1.使用者と労働者は、試用および試用期間中の両当事者の権利と義務について協議することができる。試用について合意した場合、両当事者は試用契約を締結できる。 試用契約は、本法の第23条第1項第a、b、c、d、e、g、h号に規定する内容を含む。 2.季節的な業務の労働契約に基づいて勤務する労働者については、試用を不要とする。 第27条 試用期間 試用期間は、業務の性質と複雑さの程度によるものとするが、一つの業務に対して一回のみ試用期間が設定でき、また次の条件を保障しなければならない。 1.短期大学以上の専門技術程度を要する職位の業務の場合は、60日を超えない。 2.職業訓練学校、専門学校、技術を持つワーカー、経験を持つ事務補助職の専門技術程度を要する職位の業務の場合は、30日を超えない。 3.その他の業務の場合は、6営業日を超えない。 第28条 試用期間中の給与 試用時間中の給与は、両当事者の合意によるものとするが、少なくとも同種の業務に対する給与の85%以上でなければならない。 第29条 試用期間の終了 1.試用期間中の業務内容が要件を満たす場合、使用者は労働者と労働契約を締結しなければならない。 2.各当事者は相手方に対して、試用期間中の業務内容が両当事者の合意を満たさない場合の賠償義務を負わずに、事前の通知をすることなく試用を取り消すことができる。 第2節 労働契約の履行 第30条 労働契約に基づく業務の履行 労働契約に基づく業務は、契約を締結した労働者によって履行されなければならない。勤務場所は、労働契約または両当事者のその他の合意によるものとする。 第31条 労働契約に基づく業務と異なる業務への労働者の異動 1.自然災害、火災、疫病、労働災害の回避・被害克服の措置適用、職業病、水・電力障害の突発的な困難の発生または生産もしくは経営上必要がある際、使用者は本来の業務と異なる業務に一時的に労働者を異動させることができるが、労働者の同意を受けた場合を除き、1年につき合計で60営業日を超えてはならない。 2.一時的に本来の業務と異なる業務に労働者を異動させる際、使用者は労働者に対し、少なくとも3営業日前までに通告し、一時的な業務の期間を明確に通知し、労働者の健康や性別に適合する業務を配置しなければならない。 3.本条第1項の規定に従って異動される労働者は、新業務に応じた給与を受けるものとするが、新業務の給与が従来の給与より低い場合、30営業日の間は従来の給与水準が維持される。新業務に対する給与は、少なくとも従来の給与の85%を維持する必要があるが、国の規定による地域別の最低賃金を下回ってはならない。 第32条 労働契約の一時履行停止の場合 1.労働者が兵役義務を履行する場合 2.労働者が刑訴訟法に基づいて逮捕・拘留された場合 3.労働者が、再教育学校、強制麻薬中毒者更生施設、強制教育施設に入所させる措置の決定を厳守しなければならない場合 4.本法第156条に規定される妊娠中の女性である労働者の場合 5.両当事者が合意したその他の場合 第33条 労働契約の一時履行停止期間が終了した後の労働者雇用の継続 本法第32条に規定する場合における労働契約の一時履行停止期間終了日より15日以内に、両当事者が別段の合意をしている場合を除き、労働者は業務に復帰し、使用者は労働者を引き続き雇用しなければならない。 第34条 非常勤労働者 1.非常勤労働者とは、労働に関する法律、企業の労働協約、産業別労働協約または使用者よって定められた1日または1週当たりの通常勤務時間より短い勤務時間で勤務する労働者をいう。 2.労働者は使用者と労働契約を締結する際、非常勤について合意することができる。 3.非常勤労働者は常勤労働者と同様に賃金の支払いを受け、各種権利と義務を有し、機会の均等を享受し、差別的取り扱いを受けず、労働安全と労働衛生の保障を受けることができる。 第3節 労働契約の修正・補足・解除 第35条 労働契約の修正・補足 1.労働契約の履行過程で、一方の当事者が労働契約内容の修正・補足を求める場合、修正・補足の必要な内容について、少なくとも3営業日前までに相手方に通知しなければならない。 2.両当事者が修正・補足について合意した場合、労働契約の修正・補足は、労働契約の附録作成または新たな労働契約の締結によって行う。 3.両当事者が労働契約内容の修正・補足に合意できなかった場合、締結済みの労働契約を引き続き履行する。 第36条 労働契約を解除する場合 1.契約期間が終了した。ただし、本法第192条6項に規定する場合は除くものとする。 2.契約に規定された業務が完了した。 3.両当事者が契約の解除に合意した。 4.労働者が、本法第187条の規定に定める社会保険の加入期間および定年退職の年齢に関する条件を十分に満たしている。 5.裁判所の判決、決定により労働者が懲役もしくは死刑となるか、または労働契約に記載された業務の継続が禁止された。 6.労働者が死亡した、または民事行為能力を失った、失跡したもしくは死亡したとの認定決定書が裁判所から受け取った。 7.個人である使用者が死亡した、または裁判所より民事行為能力を失った、失跡したもしくは死亡したという認定決定書を裁判所から受け取った。個人でない使用者が活動を終了した。 8.労働者が、本法第125条3項の規定に基づき規律違反で解雇された。 9.労働者が、本法第37条の規定に基づき労働契約を一方的に解除した。 10.使用者が本法第38条の規定に基づき労働契約を一方的に解除した。使用者が組織・技術の変更、経済上の問題、企業の吸収・合併・分割・分離の理由で労働者を解雇した。 第37条 労働者が労働契約を一方的に解除する権利 1.有期限労働契約、季節的な業務または12ヶ月未満の特定業務を履行するための労働契約の下で就労する労働者は、次の場合に契約を契約期間満了前に一方的に解除することができる。 a)労働契約で合意した業務もしくは勤務地に配置されない、または労働条件が保証されない。 b)労働契約に定めた給与が十分に支給されない、または支給が遅延する。 c)虐待、セクシャルハラスメントを受ける、強制労働をさせられる。 d)自身または家族が困難な状況に陥り、契約履行の継続が不可能になる。 e)住民関連機関における専従職に選出される、または国家機関の職務に任命される。 f)妊娠中の女性従業員が、認可を受けている医療機関の指示により、業務を休止せざるを得ない。 g)労働者が疾病または事故にあったものの、有期限労働契約の場合は90日間、季節的業務または12ヶ月未満の特定業務を履行する労働契約の場合は契約期間の1/4を治療に充てたにも関わらず、労働能力を回復できない。 2.本条第1項に基づいて労働契約を一方的に解除する労働者は、使用者に対し、次の期間をもって事前通知しなければならない。 a)本条第1項第a、b、c、g号の場合は、少なくとも3営業日前とする。 b)本条第1項dおよびeの場合、有期限労働契約については少なくとも30日前、季節的業務または12ヶ月未満の特定業務を履行するための労働契約については少なくとも3営業日前とする。 c)本条第1項第f号の場合、事前通知期限は本法第156条の規定によるものとする。 3.無期限労働契約の下で就労する労働者は、本法第156条に規定する場合を除き、労働契約を一方的に解除できるが、使用者に対し少なくとも45日前に事前通知しなければならない。 第38条 使用者が労働契約を一方的に解除する権利 1.使用者は、次の場合に労働契約を一方的に解除することができる。 a)労働者が労働契約で定められた業務を遂行しない姿勢が頻繁に見られる。 b)労働者が、病気、事故のため、継続して12ヶ月(無期限労働契約の場合)、6ヶ月(有期限労働契約の場合)、契約期間の1/2以上(季節的業務または12ヶ月未満の特定業務を履行するための労働契約の場合)にわたり治療を受けたにも関わらず労働能力を回復できない。 労働者の労働能力が回復した際、使用者は労働契約の継続を検討する。 c)天災、火災またはその他法令規定に従った不可抗力の理由により、使用者が全ての克服措置を実行したが、やむを得ず生産規模の縮小および人員削減を行う。 d)労働者が、本法第33条に規定する期限後に欠勤する。 2.使用者は労働契約を一方的に解除する際、以下の期間をもって労働者に事前通知をしなければならない。 a)無期限労働契約の場合は、少なくとも45日前 b)有期限労働契約の場合は、少なくとも30日前 c)本条第1項第b号に規定する場合および季節的業務または12ヶ月未満の特定業務を履行するための労働契約の場合は、少なくとも3営業日前 第39条 使用者が労働契約を一方的に解除してはならない場合 1.疾病、労働災害または職業病の被害を受け、認可を受けている医療機関の指示に従って治療、療養している労働者。ただし、本法第38条第1項第b号に規定する場合は除くものとする。 2.年次有給休暇または使用者の許可を得た私用休暇およびその他休暇を取得中の労働者 3.本法第155条第3項に規定される女性労働者 4.社会保険に関する法律の規定に基づき、出産休暇を取得する労働者 第40条 労働契約の一方的な解除の取り消し 各当事者は、事前通知期限までに労働契約の一方的な解除を取り消すことができる。ただし、文書により通知し、相手方の同意を得る必要がある。 第41条 労働契約の一方的な不法解除 労働契約の一方的な解除が不法である場合とは、本法第37条、第38条、第39条の規定に基づかない労働契約の解除である。 第42条 労働契約の一方的な不法解除を行った使用者の義務 1.労働者を労働契約書で定めた業務に復帰させ、さらに労働者が不法に契約解除された期間の給与、社会保険、医療保険以外に、労働契約書に基づく最低2ヶ月の給与を支払わなければならない。 2.労働者が元の業務に復帰を希望しない場合、本条第1項に規定する賠償金以外に、使用者は本法第48条に規定する退職金を支払わなければならない。 3.使用者が労働者を復帰させたくなく、労働者もそれに同意する場合、本条第1項に規定する賠償金および本法第48条に規定する退職金以外に、両当事者は、労働契約を解除するための労働者に対する追加の賠償金について協議できるが、労働契約書に基づき最低2ヶ月分の給与に当たる賠償金を支払わなければならない。 4.労働契約において締結していた職位、業務がなくなったが、労働者が復帰を希望する場合、本条第1項に規定する賠償金以外に、両当事者は労働契約の修正・補足について協議することができる。 5.使用者が事前通知期限の規定に違反した場合、事前通知を行わなかった日数に応じて、給与に応じた賠償金を労働者に支払わなければならない。 第43条 労働契約の一方的な不法解除を行なった労働者の義務 1.退職金を受給できないほか、労働契約書に基づく給与の1/2に当たる賠償金を使用者に支払わなければならない。 2.労働者が事前通知期限の規定に違反した場合、事前通知を行わなかった日数に応じて、給与に応じた賠償金を使用者に支払わなければならない。 3.本法第62条に規定する教育費用を使用者に返済しなければならない。 第44条 組織・技術の変更を行ったまたは経済的理由を有する場合の使用者の義務 1.多数の労働者に影響を与える組織・技術を変更する場合、使用者は本法第46条の規定に基づき、労働者使用計画を作成し、履行する責任を負う。新たな業務がある場合、労働者を優先的に訓練し継続して使用する。 使用者が新たな業務を用意できず、余儀なく労働者を解雇しなければならない場合は、本法第49条の規定に基づき、労働者に失業手当を支払わなければならない。 2.経済的理由により多数の労働者が失業する恐れがある場合、使用者は本法第46条の規定に基づき、労働者使用計画を作成し、履行しなければならない。 使用者が雇用先を用意できず、余儀なく労働者を解雇しなければならない場合は、本法第49条の規定に基づき、労働者に失業手当を支払わなければならない。 3.本条の規定に基づく多数の労働者の解雇は、事業所内労働者集団の代表組織と協議した後のみに実行し、また労働に関する省レベル国家管理機関に30日前までに通知しなければならない。 第45条 企業・協同組合が吸収・合併・分割・分離された場合の使用者の義務 1.企業・共同組合が吸収・合併・分割・分離された場合、後継の使用者は現有の労働者の使用を継続し、労働契約の修正・補足を行う責任を負う。 現有の労働者の全員を使用することができない場合、後継の使用者は本法第46条の規定に基づき、労働者使用計画を作成し、履行する責任を負う。 2.企業資産の所有権または使用権が譲渡される場合、元の使用者は本法第46条の規定に基づき、労働者使用計画を作成しなければならない。 3.使用者が本条の規定に基づき労働者を解雇した場合、本法第49条の規定に基づいて、労働者に失業手当を支払わなければならない。 第46条 労働者使用計画 1.労働者使用計画の主な内容は、以下のとおりとする。 a)使用を継続する労働者、使用を継続するために再訓練する労働者の名簿および人数 b)定年退職させる労働者の名簿および人数 c)非常勤業務に異動する労働者、労働契約を解除する労働者の名簿および人数 d)計画の履行を保証する方策および財源 2.労働者使用計画を作成する際、事業所内労働者集団の代表組織を参加させなければならない。 第47条 労働契約を解除する場合の使用者の責任 1.使用者は有期限労働契約の期限終了の少なくとも15日前までに、書面により労働契約の解除日を労働者に通知しなければならない。 2.労働契約の解除日から7営業日以内に、両当事者は相手方の権利に関連する金額を十分に支払わなければならない。特別な場合においてその期間を延長することができるが、30日を超えないものとする。 3.使用者は、労働者から預かった社会保険手帳およびその他の書類の確認手続きを行い、返還する責任を負う。 4.企業・共同組合が活動停止・解散・破産した場合、締結された労働協約や労働契約に基づいた、労働者の賃金・退職金・社会保険・医療保険・失業保険およびその他の権利が、優先的に清算される。 第48条 退職金 1. 12ヶ月以上継続して勤務した労働者と労働契約を本法第36条第1、2、3、5、6、7、9及び10項の規定に基づき解除する場合、使用者は退職金を支払わなければならず、その金額は勤続年数1年に対して月給の半分とする。 2.退職金算出の基礎となる勤務期間は、労働者が使用者のために実際に勤務した期間であって、労働者が社会保険法の規定に基づき失業保険に加入していた期間および使用者から退職金を受け取っていた期間を除くものとする。 3.退職金算出の基礎となる賃金は、労働者が退職する直前の連続6ヶ月の労働契約における平均賃金とする。 第49条 失業手当 1.使用者は、本法第44条と第45条の規定に基づき、12ヶ月以上継続して勤務した失業した労働者に対し、勤続年数1年に対して1ヶ月分の賃金に相当する失業手当を支払わなければならない。ただし、少なくとも2ヶ月以上とする。 2.失業手当算出の基礎となる勤務期間は、労働者が使用者のために実際に勤務した期間であって、労働者が社会保険法の規定に基づき失業保険に加入していた期間および使用者から退職金を受け取っていた期間を除くものとする。 3.失業手当算出の基礎となる賃金は、労働者が失業する直前の連続6ヶ月の労働契約における平均賃金とする。 第4節 無効な労働契約 第50条 無効な労働契約 1.次に掲げる事項のいずれかに該当する労働契約は全て無効となる。 a)労働契約のあらゆる内容が違法な場合 b)労働契約の締結者が正当な権限を有しない場合 c)両当事者によって労働契約に締結された業務が、法律で禁止されている場合 d)労働契約の内容に、労働者の労働組合の設立・加入・活動の権利を制限または妨害する事項を含んでいる場合 2.労働契約の一部の内容が法律に違反している場合、当該部分は無効となるが、契約の残りの部分に影響をもたらさないものとする。 3.現行の労働に関する法律・就業規則・労働協約に規定する労働者の権利基準に達しない権利が労働契約の内容の一部または全てにおいて規定されている場合、または労働契約の内容が労働者のその他の権利を制限している場合、該当する内容の一部または全ては無効となる。 第51条 無効な労働契約を宣告する権限 1.労働監査と人民裁判所は、無効な労働契約を宣告する権限を有する。 2.政府は、労働監査が無効な労働契約を宣告する手順・手続きについて規定する。 第52条 無効な労働契約の処理 1.労働契約の一部の無効が宣告された場合の処理は、以下のとおりとする。 a)各当事者の権利・義務・利益は、労働協約または法規に基づき解決される。 b)各当事者は、無効を宣告された労働契約の該当部分を修正・補足して、労働協約または労働に関する法律に適合させる。 2. 労働契約の全ての無効が宣告された場合の処理は、以下のとおりとする。 a)本法第50条第1項第b号に規定するとおり、締結者が正当な権限を有しない場合、国家管理機関は各当事者に対して締結をやり直すよう指導する。 b)労働者の権利・義務・利益は、法規に基づいて解決される。 3.本条の具体的な規定は政府が定める。 第5節 労働者派遣 第53条 労働者派遣 1.労働者派遣とは、労働者派遣事業の許可を受けた事業者が自ら雇用する労働者を、派遣先の管理の下で労働に従事させることをいう。労働者と労働者派遣事業者との雇用関係は維持されるものとする。 2.労働者派遣事業は条件付事業であり、一部の決められた業務のみに適用される。 第54条 労働者派遣事業者 1.労働者派遣事業者は預託金を納付し、労働者派遣事業の許可を受けなければならない。 2.労働者派遣の期間は、12ヶ月を超えないものとする。 3.労働者派遣事業の許認可、預託金の納付および労働者派遣が実施可能な業務のリストは、政府が規定する。 第55条 労働者派遣契約 1.労働者派遣事業者と派遣労働者の派遣先は、書面により労働者派遣契約を締結して、契約書を2通作成し、各当事者が1通を保管しなければならない。 2.労働者派遣契約の主な内容は、次のとおりとする。 a)派遣労働者の使用を必要とする就労場所・所在地、業務の具体的な内容、派遣労働者に対する具体的な要件 b)派遣労働者の派遣期間および就業開始日 c)勤務時間、休憩時間、就労場所の労働安全および労働衛生の条件 d)派遣労働者に対する各当事者の義務 3. 労働者派遣契約に定める派遣労働者の権利と利益は、労働者派遣事業者が当該労働者と締結した労働契約より低い水準であってははならない。 第56条 労働者派遣事業者の権利および義務 1.派遣先の要求および労働者と締結した労働契約の内容に適合したレベルの労働者の派遣を保証すること。 2.労働者派遣契約の内容を労働者に通知すること。 3.本法の規定に基づき労働者と労働契約を締結すること。 4.労働者の職歴および要求を派遣先に通知すること。 5.本法の規定に基づき使用者の義務を履行すること。賃金、休日・有給休暇清算分の賃金、休業時の賃金、退職金、失業手当を支払うこと。法規に基づき、派遣労働者の強制社会保険料、医療保険料、失業保険料を納付すること。 派遣労働者の賃金として、派遣先において同一レベルを有し、同一業務または同一価値の業務に従事している労働者の賃金と比べ、それを下回らない額の支払いを保証すること。 6.派遣労働者の人数、派遣先、派遣の報酬を明記した書類を作成し、労働に関する省レベル国家管理機関に報告すること。 7.労働規律違反を理由に派遣労働者が派遣先から戻された場合、違反した派遣労働者に対し、労働規律違反の処分を行うこと。 第57条 派遣先の権利および義務 1.派遣労働者に対して、派遣先の就業規則およびその他の規則を周知し、指導すること。 2.派遣労働者の労働条件については、派遣先の労働者と比べ差別的な取り扱いをしてはならない。 3.労働者派遣契約内容外の夜間勤務・時間外勤務をさせる場合、派遣労働者と合意すること。 4.受け入れた派遣労働者を、別の使用者に派遣してはならない。 5.派遣労働者と労働者派遣事業者間の労働契約が解除されていない限り、派遣労働者を正式に採用することについて、派遣労働者および労働者派遣事業者と合意すること。 6.派遣労働者が合意した要求に応えることができない、または労働規律に違反した場合、当該派遣労働者を労働者派遣事業者に戻すこと。 7.派遣労働者の労働規律違反処分の検討に必要な違反行為に関する証拠を、労働者派遣事業者に提供すること。 第58条 派遣労働者の権利および義務 1.労働者派遣事業者と締結した労働契約に基づき業務を履行すること。 2.合法的な管理の下に勤務し、派遣先の就業規則・労働規律および労働協約を遵守すること。 3.派遣先において同一レベルを有し、同一業務または同一価値の業務に従事している者の賃金と比べ、それを下回らない額の賃金の支払いを受けることができる。 4.派遣先が労働者派遣契約の合意に違反した場合、労働者派遣事業者に苦情を申し出ることができる。 5.本法第37条の規定に基づき、労働者派遣事業者に対し労働契約の一方的な解除権を行使することができる。 6.労働者派遣事業者との労働契約の解除後、派遣先と労働契約を締結することができる。 第IV章 職業訓練、職業技能水準向上を図る訓練 第59条 職業訓練 1.労働者は職場において、自分の希望に沿った職業を選択し、職業訓練を受けることができる。 2.国家は職業訓練法令の規定に従い、職業訓練所を設立するまたは職場で職業訓練教室を開設する条件を十分に満たしている使用者に対し、現在業務に従事している労働者に対して職業訓練・再訓練・職業技能水準向上を図る訓練を行い、その他の職業訓練生に対して職業訓練を行うよう奨励する。 第60条 職業訓練・職業技能水準向上を図る訓練に関する使用者の責任 1.使用者は、自身の事業者で業務に従事している労働者に対する職業訓練・職業技能水準向上を図る訓練の実施に関する年次計画を作成し、費用を捻出すること。労働者を同じ使用者の別の業務に異動させる場合は、事前に職業訓練を実施すること。 2.使用者は、労働に関する年次報告書の中に職業訓練・職業技能水準向上を図る訓練の実施結果を盛り込み、労働に関する省レベル国家管理機関に報告しなければならない。 第61条 使用者の下で就労させるための職業訓練 1.使用者が自らの事業所で就労させることを目的とし、職業訓練生を受け入れる場合、職業訓練事業の登録をする必要はないが、学費を徴収してはならない。 この場合の職業訓練生は満14歳以上で、職業上の要求に対して適切な健康状態である者でなければならない。ただし、労働傷病兵社会福祉省が規定する一部の職業は除くものとする。 両当事者は職業訓練契約を締結しなければならない。職業訓練契約書は2通作成し、各自が1通ずつ保管しなければならない。 2.職業訓練期間中、職業訓練生が規格に適合した製品を直接生産した、または生産活動に参加した場合、職業訓練生は使用者から両当事者が合意した金額で、報酬の支払いを受けることができる。 3.職業訓練期間が終了し、本法に規定する条件が満たされている場合、両当事者は労働契約を締結しなければならない。 4.使用者は、労働者が職業能力試験を受け、国家レベルの職業能力証明書を取得する機会を得られるように条件を整える責任を負うものとする。 第62条 使用者と労働者間の職業訓練契約および職業訓練費用 1.職業訓練・再訓練・職業技能水準向上を図る訓練を、労働者が使用者の経費(協力者から使用者に対して援助される経費も含む)負担により国内外で受ける場合、両当事者は職業訓練契約を締結しなければならない。 職業訓練契約書は2通作成し、各当事者が1通ずつ保管しなければならない。 2.職業訓練契約の主な内容は、以下のとおりとする。 a)訓練する職業 b)訓練場所、訓練期間 c)訓練費用 d)労働者が訓練後に使用者のために就労すべき期間 e)訓練費用の返還責任 f)使用者の責任 3.訓練費用は、教員に対する支払い費用、学習資料、学校、教室、機械、設備、実習資材、訓練生を補助するためのその他の費用、訓練期間中の訓練生の賃金、社会保険料および医療保険料で、合法的な領収書のある費用を含むものとする。労働者が訓練のため海外へ派遣される場合、訓練費用にはさらに往復の交通費、海外滞在期間中の生活費も含まれる。 第V章 職場における対話、団体交渉、労働協約 第1節 職場における対話 第63条 職場における対話の目的・形式 1.職場における対話は、使用者と労働者間で情報を共有し、理解を深めることを目的とし、職場の労使関係を構築するために行われる。 2.職場における対話は、労働者または労働者集団の代表組織と使用者の間の直接的な意見交換を通じて行われ、事業所における民主的規則の履行が保証される。 3.労働者と使用者は政府の規定に基づいて、職場における民主的規則を履行する義務を負うものとする。 第64条 職場における対話の内容 1.使用者の生産・経営状況 2.労働契約、労働協約、就業規則、規則、誓約と職場におけるその他の合意の履行 3.労働条件 4.労働者または労働者集団の使用者に対する要求 5.使用者の労働者または労働集団に対する要求 6.両当事者が関心を持つその他の内容 第65条 職場における対話の実施 1.職場における対話は、3ヶ月ごとに1回、または一方の当事者の要求に基づいて行われるものとする。 2.使用者は、職場における対話を行うための場所を用意し、その他の物質的条件を整える義務を負うものとする。 第2節 団体交渉 第66条 団体交渉の目的 団体交渉は、次に掲げる目的のために労働者集団が使用者と討論し交渉することをいう。 1.調和的・安定的・進歩的な労使関係を構築すること。 2.労働協約を締結するための根拠となる新たな労働条件を確立すること。 3.労使関係の各当事者の権利と義務の履行における問題や困難を解決すること。 第67条 団体交渉の原則 1.団体交渉は善意・平等・協力・公開・透明性の原則に基づいて行われること。 2.団体交渉は定期的または臨時に行われること。 3.団体交渉は両当事者が合意した場所で行われること。 第68条 団体交渉要求権 1.各当事者は団体交渉要求権を有し、要求を受けた当事者は交渉を拒否することができない。交渉の要求を受けた日から7営業日以内に、各当事者は交渉会合の開始日時について合意するものとする。 2.一方の当事者が、合意した交渉開始日の交渉会合に参加できない場合、延期を提案することができるが、交渉開始日時は団体交渉の要求を受けた日から30日を超えてはならない。 3.一方の当事者が交渉を拒否、または本条に規定する期限内に交渉を行わない場合、他方の当事者は法律の規定に基づき、労働争議による解決の要求手続きを行うことができる。 第69条 団体交渉の代表者 1.団体交渉の代表者は、以下のとおりとする。 a)労働者集団側は、事業所内の団体交渉である場合、事業所における労働者集団の代表者とし、産業別の団体交渉の場合、産業別労働組合の執行委員会の代表者とする。 b)使用者側は、事業所内の団体交渉である場合、使用者または使用者の代表者とし、産業別の団体交渉の場合、産業別使用者の代表組織の代表者とする。 2.交渉に参加する人数については、両当事者の合意によるものとする。 第70条 団体交渉の対象事項 1.賃金、賞与、手当および昇給 2.勤務時間、休憩時間、時間外勤務、2交代の休憩時間 3.労働者の雇用保証 4.労働安全・労働衛生の保証、就業規則の履行 5.両当事者が関心を持つその他の事項 第71条 団体交渉の手順 1.団体交渉の準備手順は、以下のとおりとする。 a)労働者集団が要求する場合、使用者は生産・経営活動の状況に関する情報を、団体交渉会合開始日の少なくとも10日前までに提供しなければならない。ただし、使用者の経営上または技術上の秘密は除くものとする。 b)労働者集団の意見聴取 労働者集団の交渉代表者は、労働者の使用者に対する提案および使用者の労働者集団に対する提案について、労働者集団から直接的または労働者の代表者会議を通じて間接的に意見を聴取する。 c)団体交渉の対象事項の通知 団体交渉を要求した当事者は、団体交渉会合開始日の少なくとも5営業日前までに、他方の当事者に対して、団体交渉で予定されている内容を書面により通知しなければならない。 2.団体交渉の実施手順は以下のとおりとする。 a)団体交渉会合の開催 使用者は、両当事者が合意した時間と場所において、団体交渉会合を開催する責任を負うものとする。 団体交渉は議事録に記録されなければならない。議事録には、両当事者が合意した内容、合意した内容に関する文書の調印予定日、意見の相違点について記載しなければならない。 b)団体交渉会合の議事録には、労働者集団の代表者、使用者および議事録作成者が署名しなければならない。 3.労働者集団の交渉代表者は、団体交渉会合の終了日から15日以内に、団体交渉会合の議事録を労働者集団に公開・周知して、合意した内容に関する労働者集団の意見を聴取しなければならない。 4.交渉に失敗した場合、両当事者の一方は、交渉の継続を要求するか、または本法の規定に基づき労働争議による解決手続きを行う権利を有する。 第72条 団体交渉における労働組合、使用者の代表組織および労働に関する国家管理機関の責任 1.団体交渉に参加する者に対して、団体交渉能力の養成を行うこと。 2.団体交渉の両当事者の一方から要請がある場合、団体交渉会合に参加すること。 3.団体交渉に関連する情報を提供・交換すること。 第3節 労働協約 第73条 労働協約 1.労働協約とは、労働者集団と使用者が団体交渉で合意した労働条件に関する両当事者間の合意書をいう。 労働協約には、事業所内労働協約、産業別労働協約および政府の規定に基づくその他の労働協約の形式が含まれる。 2.労働協約の内容は、法規に違反してはならず、法規よりも労働者に対してより有益でなければならない。 第74条 労働協約の締結 1.労働協約は、労働者集団の代表者と使用者または使用者の代表者との間で締結されるものとする。 2.労働協約は、各当事者が団体交渉会合で合意に達した場合、且つ以下の要件を満たした場合にのみ締結されるものとする。 a)事業所内労働協約を締結する場合は、労働者集団における労働者の過半数が団体交渉の内容に賛成すること。 b)産業別労働協約を締結する場合は、事業所内労働組合の執行委員会または事業所の直接管轄労働組合の執行委員会における代表者の過半数が、団体交渉の内容に賛成すること。 c)その他の労働協約の形式は、政府の規定に基づく。 3.労働協約が締結された後、使用者はその旨を労働者全員に公表しなければならない。 第75条 国家管理機関への労働協約の送付 締結日より10日以内に、使用者または使用者の代表者は、以下の機関に労働協約の1通を送付しなければならない。 1.事業所内労働協約の場合は、労働に関する省レベル国家管理機関に送付すること。 2.産業別労働協約およびその他の労働協約の場合は、労働傷病兵社会福祉省に送付すること。 第76条 労働協約の発効日 労働協約の発効日は当該協約に記載される。労働協約に発効日が記載されない場合、発効日は締結日とする。 第77条 労働協約の修正・補足 1.両当事者は以下の期間以降、労働協約の修正・補足を要求する権利を有する。 a)期限が1年未満の労働協約に関しては、発効日より3ヶ月後 b)期限が1年から3年の労働協約に関しては、発効日より6ヶ月後 2.法規の変更によって、労働協約が法規と一致しなくなった場合、両当事者はその法規の施行日より15日以内に、労働協約を修正・補足しなければならない。 労働協約の修正・補足を行っている期間中、労働者の権利は法規に基づいて解決される。 3.労働協約の修正・補足は、労働協約の締結と同様の手続きで行なわれる。 第78条 無効な労働協約 1.協約の内容で、1箇所または複数の箇所が法規に違反する場合、労働協約は部分的に無効となる。 2.次に掲げる事項のいずれかに該当する労働協約は、全て無効となる。 a)内容が全体的に違法な場合 b)締結者が正当な権限を有しない場合 c)締結が団体交渉の手順に基づいていない場合 第79条 無効な労働協約を宣告する権限 人民裁判所は無効な労働協約を宣告する権限を有する。 第80条 無効な労働協約の処理 無効な労働協約を宣告された場合、無効と宣告された全部または該当する一部の協約で定めた各当事者の権利、義務および利益は、法規および労働契約における合法的な合意に基づいて解決される。 第81条 労働協約の期間終了 労働協約終了日の3ヶ月前までに、両当事者は労働協約の期間の延長、または新たな労働協約の締結について交渉することができる。 労働協約が終了しているにも関らず、両当事者が交渉を続けている場合、その労働協約は60日以内であれば有効とされる。 第82条 団体交渉、労働協約締結の費用 使用者は、労働協約の交渉、締結、修正、補足、送付、公表に関する費用を負担しなければならない。 第4節 事業所内労働協約 第83条 事業所内労働協約の締結 1.事業所内労働協約の締結者は、以下のとおりとする。 a)労働者集団側は、事業所の労働者集団の代表者とする。 b)使用者側は、使用者または使用者の代表者とする。 2.事業所内労働協約は5通作成するものとし、このうち、 a)各締結者が1通ずつ保管し、 b)1通は本法第75条の規定に基づいて国家機関に送付され、 c)1通は事業所内労働組合の直接管轄労働組合に送付され、1通は使用者が会員である使用者代表組織に送付される。 第84条 事業所内労働協約の履行 1.使用者および労働協約の発効日以降に就労した者を含む労働者は、労働協約を十全に履行する責任を負うものとする。 2.労働協約の発効日以前に締結した労働契約の中で、各当事者の権利・義務・利益が労働協約の該当規定と比べ低い水準となった場合は、労働協約の該当規定に適合させなければならない。労働に関する使用者の規定が労働協約に適合していない場合は、労働協約の発効日から15日以内に、労働協約に適合するよう修正しなければならない。 3.一方の当事者が労働協約を十全に履行していないまたは違反していると認められた場合、他方当事者は労働協約の正しい履行を要求することができ、両当事者はともに解決を図らなければならない。解決できない場合、各当事者は法規に基づいて集団的労働紛争による解決を要求することができる。 第85条 事業所内労働協約の期間 事業所内労働協約の期間は1年から3年とする。労働協約を初めて締結する事業者は、1年未満の期間で締結することができる。 第86条 事業所の吸収・合併・分割・分離、事業所の所有権・管理権・使用権に変更がある場合における労働協約の履行 1.事業所の吸収・合併・分割・分離、事業所の所有権・管理権・使用権に変更がある場合、後継の使用者と労働者集団の代表者は、労働者使用計画に基づいて旧労働協約を継続・修正・補足するか、または交渉によって新たな労働協約を締結するかの選択について検討する。 2.使用者の事業中止により労働協約の効力が失われた場合、労働者の権利は労働に関する法規に基づいて解決される。 第5節 産業別労働協約 第87条 産業別労働協約の締結 1.産業別労働協約を締結する代表者は、以下のとおりとする。 a)労働者集団側は、産業別労働組合の委員長とする。 b)使用者側は、産業別団体交渉に参加した使用者代表組織の代表者とする。 2.産業別労働協約は4通作成するものとし、このうち、 a)各締結者が1通ずつ保管し、 b)1通は本法第75条の規定に基づいて国家機関に送付され、 c)1通は事業所内労働組合の直接管轄労働組合に送付される。 第88条 事業所内労働協約と産業別労働協約の関係 1.事業所内の労働者の合法的な権利・義務・利益に関する事業所内労働協約の内容、または使用者の規定が、産業別労働協約の該当規定の内容と比べ低い水準となった場合、産業別労働協約が発効した日から3ヶ月以内に、事業所内労働協約を修正・補足しなければならない。 2.産業別労働協約の適用対象となっているが、事業所内労働協約を作成していない事業所は、産業別労働協約の規定より労働者に有利な条項を含む事業所内労働協約を作成することができる。 3.産業別労働協約に参加していない産業内の事業所に対し、産業労働協約の履行を奨励する。 第89条 産業別労働協約の期間 産業別労働協約の期間は1年から3年とする。 第VI章 賃金 第90条 賃金 1.賃金とは、両当事者が合意した業務を行うために、使用者が労働者に支払う金額をいう。 賃金は業務や職位に基づく給与、役職手当、扶助およびその他の手当を含む。 労働者の賃金は、政府が定めた最低賃金を下回ってはならない。 2.労働者の賃金は、業務の生産性および成果に応じて支払われる。 3.使用者は、同一の業務を行う労働者に対し、性別による差別をせず、平等に賃金を支払うことを保証しなければならない。 第91条 最低賃金 1.最低賃金とは、通常の労働条件で最も単純な業務を行う労働者に支払われる最低の金額であり、且つ労働者および彼らの家族の最低限の生活需要を保証できるように設定されるものである。 最低賃金は月、日、時間、地域別、産業別により設定される。 2.労働者および労働者の家族の最低限の生活需要、経済社会状況および労働市場での賃金額に基づき、政府は国家賃金評議会の提案に基づいた地域別最低賃金額を公表する。 3.産業別最低賃金額は、産業別団体交渉により設定され、産業別労働協約に記載されるが、政府が公表した地域別最低賃金を下回ってはならない。 第92条 国家賃金評議会 1.国家賃金評議会は政府の諮問機関であり、労働傷病兵社会福祉省、ベトナム労働総連盟および中央の使用者代表組織の代表者から構成される。 2.国家賃金評議会の役割、任務および組織は、政府が具体的に規定する。 第93条 賃金表および労働基準の作成 1.政府が規定した賃金表および労働基準の作成原則に基づき、使用者は募集、労働の使用、労働契約の給料交渉および給料支払いの根拠とするために、賃金表および労働基準を作成する責任を負うものとする。 2.賃金表および労働基準を作成する際、使用者は事業所の労働者集団の代表組織より意見を聴取しなければならないほか、作成した賃金表を適用する前に事業所で公表・公開するとともに、使用者の所在地がある労働に関する県レベルの国家管理機関へ送付しなければならない。 第94条 賃金の支払い形式 1.使用者は、賃金の支払い形式を時間、出来高、請負のいずれかの形で選択することができる。選択した形式は一定期間維持しなければならない。賃金の支払い形式を変更する場合、使用者は労働者に対して少なくとも10日前までに通知しなければならない。 2.賃金は、現金または労働者の個人銀行口座へ支払われる。銀行口座へ支払われる場合、使用者は口座の開設と維持に関連する各種手数料について、労働者と合意しなければならない。 第95条 賃金の支払い期限 1.労働者が時給、日給または週給により賃金の支払いを受ける場合、その時間、日、週の作業を済ませた後に当該賃金の支払いを受ける。また、両当事者の合意により、まとめて支払いを受けることもできるが、その場合は少なくとも15日に1度の支払いでなければならない。 2.労働者が月給により賃金の支払いを受ける場合、満1ヶ月に1度または半月に1度、当該給与の支払いを受けることができる。 3.労働者が出来高または請負により賃金の支払いを受ける場合、両当事者の合意に沿って賃金の支払いを受ける。業務の実施に数ヶ月が必要な場合は、月間で完了した作業量に応じた賃金の前払いを受けることができる。 第96条 賃金の支払い原則 労働者は直接、十分に、期限通りに賃金の支払いを受けることができる。 使用者による労働者への賃金支払いが期限通りに行えない特別な場合でも、当該遅延が1ヶ月を超えてはならない。またこの場合、使用者は、遅延期間に対して、少なくとも賃金の支払い時点における中央銀行が公表した金利に相応する金額を労働者に追加で支払わなければならない。 第97条 時間外労働、深夜労働の賃金 1.労働者が時間外労働を行った場合、以下の割増率で割増賃金が支払われるものとする。 a)通常勤務日の時間外労働の場合は、少なくとも150%とする。 b)週休日の時間外労働の場合は、少なくとも200%とする。 c)祝日または有給休暇の時間外労働の場合は、少なくとも300%とする。日給の労働者に対しては、それに加えて祝日または有給休暇日の賃金を支払う。 2.深夜労働を行った労働者に対しては、少なくとも通常の賃金に基づいて算出される賃金の30%に相当する割増賃金が支払われるものとする。 3.深夜に時間外労働を行った労働者に対しては、本条第1項、第2項の規定に基づく賃金以外に、昼間の賃金に基づいて算出される賃金の20%に相当する割増賃金が支払われるものとする。 第98条 休業時の賃金 休業の場合、労働者は以下のとおり賃金の支払いを受けることができる。 1.使用者の過失による場合、労働者は賃金全額の支払いを受けることができる。 2.労働者の過失による場合、賃金は本人に支払われない。同じ事業所で勤務し、やむを得ず休業した他の労働者は、両当事者が合意した水準で賃金の支払いを受けられるが、政府が定める地域別最低賃金を下回ってはならない。 3.使用者、労働者の過失でない停電、断水、または自然災害、火災、危険な疫病、戦争、国家管轄機関の要求に基づく稼動場所の移転、経済的な理由など、その他の客観的な原因による場合、休業時の賃金は両当事者の合意に基づくが、政府が定める地域別最低賃金を下回ってはならない。 第99条 請負人による給与支払い 1.請負人または仲介者に依頼する場合、事業主である使用者は、この者たちのリストおよび住所と共に一緒に勤務する労働者のリストを入手する必要がある。また、彼らが賃金の支払いや労働安全・衛生に関する法律を遵守することを保証しなければならない。 2.請負人または仲介者が労働者に対して、給与の不支払い、不十分な給与の支払いまたはその他の権利を保証しない場合、事業主である使用者は、労働者に対する給与の支払や権利の保証について責任を負わなければならない。 この場合、事業主である使用者は、請負人または仲介者に対して賠償を要求し、または法規に基づいて、国家管轄機関に争議の解決を要請することができる。 第100条 賃金の前払い 1.労働者は、両当事者が合意した条件に基づいて、賃金の前払いを受けることができる。 2.使用者は、労働者が1週間以上国民の義務を履行するために、一時休業する分の賃金を、1ヶ月分を超えない範囲で前払いし、労働者は兵役義務を履行する場合を除き、前払いを受けた金額を返済しなければならない。 第101条 賃金の天引き 1.使用者は本法第130条の規定に基づいて、労働者が使用者の道具・設備を損壊したことにより与えた損害を賠償する場合のみに、賃金から天引きをすることができる。 2.労働者は、自分の賃金が天引きされる理由を知ることができる。 3.毎月の賃金からの天引き額は、労働者の毎月の賃金から強制社会保険料・医療保険料・失業保険料・所得税の納付額を差し引いた金額の30%を超えてはならない。 第102条 補助金・手当・昇級・昇給の制度 補助金・手当・昇級・昇給の制度および労働者向けの奨励制度は、労働契約、労働協約または使用者の規則の規定において合意されなければならない。 第103条 賞与 1.賞与とは、毎年の生産経営実績および労働者の業務達成度に基づいて、使用者が労働者に支給する金額をいう。 2.賞与規則は、使用者が事業所の労働者集団の代表組織の意見を参考にして決定し、職場で公表・公開する。 第VII章 勤務時間、休憩時間 第1節 勤務時間 第104条 通常の勤務時間 1.通常の勤務時間は、1日につき8時間、1週間につき48時間を超えないものとする。 2.使用者は、時間、日または週の勤務時間を規定することができる。週当りの勤務時間を規定する場合、通常の勤務時間は1日につき10時間、1週間につき48時間を超えないものとする。 政府は使用者に対して、週40時間労働制の適用を奨励する。 3.労働傷病兵社会福祉省および保健省が共同公布した特別な重労働・有害・危険の業務のリストに該当する業務を行う者に対しては、勤務時間が1日6時間を超えないものとする。 第105条 深夜勤務時間 深夜勤務時間は、22時から翌日の6時までとする。 第106条 時間外労働 1.時間外労働とは、法律、労働協約または就業規則に規定する通常の勤務時間以外の時間に就労することをいう。 2.使用者は、次の条件を十全に満たしている際に、労働者に時間外労働をさせることができる。 a)労働者の同意を得ること。 b)労働者の時間外労働の時間数は、1日の通常勤務時間の50%を超えてはならず、週当たり勤務時間の規定を適用している場合、通常勤務時間と時間外労働の総時間数は1日につき12時間、1ヶ月につき30時間、1年につき200時間を超えてはならない。ただし、政府が規定する特別な場合は、1年につき300時間を超えない時間外労働が認められる。 c)1ヶ月の間に時間外労働に従事する日が連続した場合、使用者は労働者が休めなかった期間の代休を取得できるように配置しなければならない。 第107条 特別な場合の時間外労働 使用者は以下の場合、労働者に対していかなる日でも時間外労働を要求できる権利を有し、労働者はこれを拒否することができない。 1.法規による国防・安全保障上の緊急事態において、国防・安全保障上の任務遂行のため動員令を履行する場合。 2.自然災害・火災・疫病および大惨事の防止および被害克服において、人命、機関・組織・個人の財産を守るために必要な業務を履行する場合。 第2節 休憩時間 第108条 勤務中の休憩時間 1.本法第104条の規定に基づいて8時間又は6時間連続で勤務する労働者は、少なくとも30分の休憩を取ることができ、当該休憩時間は勤務時間として見なされる。 2.深夜労働の場合、労働者は少なくとも45分の休憩を取ることができ、当該休憩時間は勤務時間として見なされる。 3.本条第1項および第2項に規定する休憩時間以外、使用者は短い休憩時間を規定し、それを就業規則に盛り込むものとする。 第109条 交代制勤務の休憩 交代制勤務の労働者は、次のシフトに入る前に少なくとも12時間の休憩を取得することができる。 第110条 週休 1.毎週、労働者は少なくとも連続24時間の休憩を取得することができる。労働の周期により週休が取得できない特別な場合、使用者は労働者が毎月平均で少なくとも4日の休日を取得できるよう保証する責任を負うものとする。 2.使用者は、週休を日曜日又はその他の一定の週日に定めることができるが、就業規則に記入しなければならない。 第111条 年次有給休暇 1.同一の使用者の下で12ヶ月勤務した労働者は、以下のとおりに労働契約書に基づく賃金の全額を受け、年次有給休暇を取得することができる。 a)通常の労働条件で勤務する者の場合は12日間 b)労働傷病兵社会福祉省と保健省が共同公布したリストによる重労働・有害・危険な業務をする者もしくは生活条件が過酷な地域において勤務する者、未成年の労働者、または障害を持つ労働者の場合は14日間 c)労働傷病兵社会福祉省と保健省が共同公布したリストによる過度なレベルの重労働・有害・危険な業務をする者または生活条件が非常に過酷な地域において勤務する者の場合は16日間 2.使用者は年次有給休暇スケジュールを規定することができるが、労働者の意見を参考にし、また労働者に対して事前に通知しなければならない。 3.労働者は、使用者と合意のうえで年次有給休暇を複数回に分割、または最大3年分をまとめて1回で取得することができる。 4.年次有給休暇中の労働者が、道路・鉄道・水路による往復の移動にかかる日数が2日を超える場合、3日目からは年次有給休暇とは別に移動期間として算定することができる。ただし、算定できるのは年に1回の休暇時に限られる。 第112条 勤務年数に応じた年次有給休暇日の増加 同一の使用者の下で勤務する場合、本法第111条第1項の規定に基づいた労働者の年次有給休暇の日数は、勤務年数5年ごとに1日増加するものとする。 第113条 年次有給休暇期間中の賃金、交通費の前払い 1.年次有給休暇の際、労働者は少なくとも休暇の日数の賃金に相当する金額の前払いを受けることができる。 2.年次有給休暇期間中の移動日における交通費および賃金は両当事者の合意によるものとする。就労のため平地から高地、遠隔地、国境、島嶼へ行く労働者、または就労のため高地、遠隔地、国境、島嶼から平地へ行く労働者に対しては、使用者が移動日の交通費および賃金を支払う。 第114条 未消化の年次有給休暇の清算 1.労働者は、退職、失業またはその他の理由により、まだ年次有給休暇を取得していない、またはまだすべてを消化していない場合、未消化の年次有給休暇を賃金として清算することができる。 2.労働期間が12ヶ月未満の労働者の年次有給休暇は、労働期間に比例して算定される。年次有給休暇を取得していない場合は、賃金として清算することができる。 第3節 祝日、私用休暇、無給休暇 第115条 祝日、正月休み 1.労働者は以下の祝日、正月休みに有給にて休暇を取得することができる。 a)陽暦の正月:1日(陽暦の1月1日) b)旧正月テト:5日 c)戦勝記念日:1日(陽暦の4月30日) d)メーデー:1日(陽暦の5月1日) e)建国記念日:1日(陽暦の9月2日) f)フン王国家忌日:1日(陰暦の3月10日) 2.ベトナムで就労する外国人である労働者の場合、本条第1項に規定する休日のほか、当該労働者の国の伝統的正月に1日、および建国記念日に1日の休暇を取得することができる。 3.本条第1項に規定する休日が週休と重なった場合、労働者はその翌日を代休とすることができる。 第116条 私用休暇、無給休暇 1.労働者は以下の場合に給与の全額を受け取り、私用休暇を取得することができる。 a)本人の結婚:3日 b)子供の結婚:1日 c)父母、義理の父母、配偶者および子供の死亡:3日 2.労働者は、父方の祖父母・母方の祖父母・兄弟姉妹が死亡した、または父もしくは母の結婚、兄弟姉妹の結婚に際して、1日の無給休暇を取得することができるが、使用者に通知しなければならない。 3.本条第1項および第2項の規定のほか、労働者は使用者と合意の上で無給休暇を取得することができる。 第4節 特殊な業務を行う者の勤務時間・休憩時間