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ベトナムの相続制度について教えてください

  • 2018.11.23
  • 親族・相続関連
  • 親族・相続一般

■ベトナムの相続 ①相続法 ベトナムでの相続は、大きくいえば日本と類似の制度となっています。 相続については、民法において規定されていますが、2017年1月1日から新しい民法が施行されています。 民法第609条から第662条が相続について定めており、第609条から第623条が「総則」、第624条から第648条が「遺言による相続」、第649条から第655条が「法定相続」、第656条から第662条が「遺産の精算・分割」という構成となっています。 この構成からもわかるとおり、遺言がある場合には遺言が優先されますが、それがない場合には法定相続分に基づいた相続となります。 ②相続の開始、遺産、相続人 相続は、財産を有するものが死亡した時点から開始されます(民法第611条)。 遺産は、被相...

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日本居住の日本人がベトナムで相続財産を有する場合、どのようにすればスムーズに相続手続できますか(主に遺言について)。
ベトナムに不動産を所有している場合、「土地使用権、住宅および土地に付随する他の資産所有権の証明書」上に、所有者の名義が記載されています。相続が発生する場合、この証明書を書き換える必要があります。また、金融機関に預金がある場合、当該金融機関に相続人の死亡を伝えた上で、相続人が口座解約・送金等を進めることとなります。 いずれの場合も、誰が相続人かどうかを確定することになりますが、不動産についてはベトナム法、預金については日本法となるものの、日本に住む日本人の場合、ほとんどの場合が日本にいる相続人が手続を行うということになると推測されます。 ベトナム法が適用される不動産の場合、ベトナムの相続法が適用されるため、法律自体をベトナム当局に説明することは問題ありません。しかし、具体的なケースにおいて誰が相続人になるかどうかは、被相続人の家族関係を証明しなければわからないということになります。 一方、預金の場合、日本の相続法が適用されるため、そもそもベトナムの金融機関に日本の相続法がどのような制度となっているかという説明をしたうえで、具体的なケースにおいて誰が相続人となるかを証明しなければならないということとなります。 これらは、日本の専門家の意見及び日本の公的な書類で証明する必要が出てきますが、ベトナム語の作成や公証認証なども必要になる可能性が高く、時間も費用もかかることとなります。実務上は、法令上このような場合に必要書類が定まっているわけではないため、それ以外の書類を要求される可能性もあります。 ベトナム現地に詳しくない相続人がこのような対応をすることは非常に困難と考えられますので、相続人の負担を軽減するためにも、対応策を検討しておく必要があるでしょう。 ベトナムで遺言を作成しておく場合、後述するように、遺言の形式はベトナム法令に従って確定することも可能となります(民法第681条)。 そのため、ベトナムで遺言を作成しておくことにより、ベトナム国内手続において日本の相続法の説明や、相続人構成の証明を行わずに、相続手続を行うことができる可能性があります。具体的には、ベトナムにおける相続財産とそれを相続させる者を明記しベトナムの遺言の形式で作成しておくことによって、当該相続人が身分証明できれば、行政当局及び金融機関での手続を行うことができます。 このような外国人がベトナムで遺言を残し、相続手続きをしたという実務はほとんど実例がないため、実際にはその他の書類を要求される可能性も十分ありますが、少なくとも全く作成していないよりは手続が容易になります。遺言による相続人が決まっていない場合、相続人全員の合意書等が無い限りベトナムでの手続を進めてくれないということにもなるためです。 なお、日本で遺言を残したとすると、それをベトナムで使用するために、日本の相続法に従った遺言なのかどうかの証明が必要になります。また、遺言自体をベトナム語にする必要も出てきます。この場合も、手続する相続人を指定しておくことができるので、法定相続よりは容易になる可能性は高いですが、ベトナム法の形式で作成しておくほうがスムーズになると考えられます。   遺言の準拠法は、民法681条で定められています。 これによると、遺言の作成・変更・撤回の能力は、その時点で遺言作成者が国籍を有する国の法令に従って確定されます。また、遺言の形式は、遺言が作成された国の法令に従って確定されます。それ以外の場合であっても、  ①遺言作成をした時点又は死亡した時点で遺言作成が常住していた国、 ②遺言を作成した時点又は死亡した時点で、遺言作成者が国籍を有していた国、 ③相続財産が不動産である場合、不動産の所在地、 の法令と合致する場合にはベトナムにおいて公認されると規定されています。 本件では、遺言作成の能力については日本法で確定されることになりますが、遺言の形式については、日本で遺言を作成すれば日本法、ベトナムで遺言を作成すればベトナム法に準拠するということになります。 では、日本で作った日本の遺言がベトナムで有効になるのでしょうか。 日本で作られた遺言ですので、遺言の形式は日本の法令で確定されます。また、遺言の作成能力も日本国籍保有者ですので、日本法で確定されます。したがって、日本で有効な遺言については、ベトナムでも有効となります。 もっとも、上述したように、ベトナムの手続に日本の遺言を使う場合、ベトナム語で日本法の説明文書等が必要になってくると考えられるため、その点は注意が必要です。   ベトナムでベトナム法に則った遺言を作成する場合はどうでしょうか。 上述のとおり、ベトナムで遺言を作成すれば、ベトナム法にしたがって遺言の形式が確定されますので、少なくともベトナム国内においては有効なものとなります。   では、ベトナムではどのような遺言作成方法があるでしょうか。遺言については民法第624条から第648条が規定しています。 まず、遺言は文書によりなされなければなりません。ただし、文書により遺言することができないときは、口頭で遺言することもできます(民法第627条、第629条)。 文書による遺言には、以下の4種類があります(民法第628条)。 ・証人のいない文書による遺言(民法第633条)   ―自筆で内容を記載し、署名 ・証人のいる文書による遺言(民法第634条)    ―自筆又はタイプ打ちが可能。遺言者の署名又は指印。証人2人の署名。 ・公証された文書による遺言(民法第635条、第636条)   ―公証の前で遺言の内容を宣言。公証人が書き取り。遺言者の署名又は指印。公証人の署名 ・確証された文書による遺言 (民法第635条、第636条)  ―確証権限者の前で遺言の内容を宣言。公証人が書き取り。遺言者の署名又は指印。公証人の署名 遺言の内容は、①遺言をした年月日、②遺言者の氏名と居所、③遺産を受領する個人の氏名、機関・組織の名称、④遺産の内容と遺産の所在、で構成されます。その他の内容も記載可能です。遺言が複数頁に渡る場合、各頁に番号を記載し、遺言者が署名又は押印する必要があります。 上記のような形式、内容での遺言が法律上は可能であるが、実務上、ベトナム公証人、確証権限者は、外国人の遺言を公証・確証していません。したがって、証人のいない文書による遺言か、証人のいる文書による遺言を行うしかないのが現状です。将来的には状況が変わる可能性もあるため、実務の確認が必要となります。 遺言は、遺言者により、いつでも修正、補充、代替、撤回が可能です。   ベトナムの相続法においても、日本の遺留分同様の制度が規定されています。 具体的には、法定相続人が、本来の法定相続分の3分の2よりも少ない遺産の分しか享受することができない場合、以下の者は法定相続分の3分の2と同等の遺産分を享受することができます(民法第644条)。  ① 未成年の子、父、母、妻、夫  ② 成年者となっているが、労働能力がない子 この規定は、遺産受領を拒否(放棄)した者、遺産を享受する権利を有しない者には適用されません。  
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  • 2014.05.04
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ベトナムの離婚制度・財産分与・親権の帰属について教えて下さい。
ベトナムでは以下の場合に離婚が認められています。   (1)協議離婚 ベトナムでは、日本のような協議離婚は認められていません。 夫婦の双方が離婚を申請し、裁判所における和解が成立しない場合、双方が真に離婚を希望し、かつ、財産分割、この保育、養育、世話、及び教育について合意したものとみなされるときは、裁判所は、合意による離婚及び際しの正当な利益を保障することを基礎とする財産及び子に関する合意を承認します。   (2)裁判離婚 離婚を求める配偶者は裁判所に離婚の申請をすることができます(ベトナム家族法85条1項)。 ただし、妻が妊娠している場合又は12ヶ月以下の子を養育している場合には、夫は離婚を請求することはできない(同条2項))。裁判所は、まず和解を勧め(同法86条)、和解が成立しない時は、離婚を許可することができるとされている(同法89条)。 夫婦が合意に達しないか、妻子の正当な利益を保証するものではないものの合意に達しているときには、裁判所は、それについての決定を行います(ベトナム家族法90条)。 夫婦の一方が離婚を申請し、裁判所における和解が成立しない場合には、裁判所は、審理の結果、状態が深刻で、夫婦がもはや共同生活をすることができず、婚姻の目的を達せられないとみなすときは、離婚の決定をします(ベトナム家族法91条・89条)。   では、離婚時の夫婦の財産はどうなるのでしょうか。   離婚に伴う財産分与は、関係当事者によって合意されます。合意に達しない時は裁判所にその解決を請求することになります。 一方の個人財産はその者に帰属します。   共有財産の分割は、当事者の状況、財産の状態、財産の創造、保存及び発展に対するそれぞれの当事者の貢献についての適正な考慮をもって、原則として2等分されます。 家庭における家事は、収入を生じる労働とみなされ、貢献と考えられます(ベトナム家族法95条)。 夫婦の連帯財産債務の解決も、それらの者によって合意され、合意に達しない時には、裁判所にその解決を求めることができます(同法96条)。   夫婦は、離婚後も、未成年の子、民事行為能力を喪失し、労働能力及び自らを扶養する財産を有しない成人の子を庇い、世話をし、教育し、かつ育てる義務を有します(ベトナム家族法92条)。 夫婦は、離婚後に直接的に教育する者、夫婦の子に対する権利及び義務について合意します。   合意に達しないときには、裁判所は、子の利益に基づき子を直接的に養育する一方当事者を専任することができます。 その場合、子が9歳以上であるときは、その希望が考慮され、子が3歳以下であるときは別段の合意がされない限り、直接的に養育については母親に割り当てられます(ベトナム家族法92条)。 離婚後に、子を直接的に養育しない者は、子を訪問する権利を有するとされ(同法94条)、面会権が保証されています。