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日本企業のベトナム企業に対する債権管理の注意点・問題点(消滅時効・紛争解決)

  • 2020.03.18
  • 組織体制、契約管理
  • 債権回収

日本企業からベトナム企業に対する債権回収のお悩みは、ベトナムでも良く耳にします。結論からいうと、数十万円から数百万の債権の場合、訴訟提起等を行って債権回収を行うメリットはないことも多いのが現状です。今回は、債権管理を行う上での注意点・問題点についてなるべく日本の場合と比較して説明したいと思います。 ■消滅時効 1) 時効期間 日本法とベトナム法では、時効についての定め方・期間が異なります。日本法の債権の消滅時効については、民法167条1項が以下のように規定しています。 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。 一方、ベトナムでは民法429条が「契約に関する提訴時効」という表題で以下のように債権の時効を規定しています。 「裁判所に対して契約紛争の解決を請求するための提...

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ベトナムの債権譲渡の手続について教えて下さい。
ベトナムでの債権譲渡の方法については、主にベトナム民法典(2015年民法典)に規定されています。債権譲渡とは、債権者が第三者に対して自分の債権を譲渡することを指します。 以下は、ベトナムでの債権譲渡に関する手続きの基本的な流れと関連する規定です。 目次1. 債権譲渡の法的根拠2. 債権譲渡の手続き3. 債権譲渡における制限事項4. 必要書類 ベトナム民法典第365条~第371条において、債権譲渡に関する詳細な規定が示されています。 第365条では、債権者は、法律で禁止されていない限り、第三者に債権を譲渡する権利を持つことが明確にされています。 債権譲渡を行う場合、以下のステップを踏む必要があります。 譲渡契約の締結:債権者(譲渡人)と第三者(譲受人)の間で、譲渡契約を締結します。この契約に基づいて、債権が譲渡されることが確定します。 債務者への通知:債権が譲渡された場合、債権者は債務者に対して債権の譲渡を通知する義務があります。債務者がこの通知を受け取るまで、譲受人は債務者に対して支払いを請求することができません(第370条)。 譲渡の効力発生:債務者への通知が完了すると、譲渡の効力が発生します。債務者は譲渡が行われたことを認識した時点から、譲受人に対して債務を履行する義務があります。 一部の債権(例えば、パーソナルサービスに関連する債権)は、譲渡が制限される場合があります。また、契約上の条項で、債権譲渡が禁止されていることもあります。 債権譲渡によって、譲渡人が持っていた全ての権利と義務が譲受人に移転しますが、債務者に不利な条件変更はできません。 債権譲渡契約書 債権譲渡に関する通知書(債務者宛) 必要に応じて公証・認証が求められる場合があります。義務者からの拒否を避けるため、債権譲渡の契約書を公証しておくことも一つの手段となります。
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取引の相手方に対する債権の時効は何年ですか?
ベトナムでは、①消滅時効と、②訴訟時効が存在します。 ①は、その期間が終了するときに、義務者がその義務を免除される期間であり、②は、主体が侵犯された合法的な権利利益を保護するよう要求するために裁判所に提訴する権利を有する期間をいいます。 一般的に時効というとき、②を指すのが通常です。   訴訟時効は原則として合法的な権利と利益が侵害された日から2年間となります。 ※賃金債権については原則として労働争議調停を要求できる期間が6ヶ月、裁判書に要求できる期間が1年となっている等、例外もあり。   (1)義務者による義務の承認、(2)義務者による義務の一部の完了、(3)当事者による和解の場合には提訴時効が始めから再度カウントされることになります。 もっとも、ただ単に請求をしただけでは提訴時効はストップしないことに注意が必要です。 債務についての「承諾書」を取るのが最も容易な提訴時効の中断方法と考えられています。