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労働契約の終了事由(労働法第36条のまとめ)

  • 2015.06.30
  • 労務
  • 労働契約の終了、懲戒・解雇

「労働法」第36条によれば、労働契約は以下の1乃至10の場合に終了します。それぞれ、順にご説明します。 会社にとって最も重要な項目は、以下の1、3及び10になります。 1.契約期間が終了した。ただし、本法第192条6項に規定する場合は除くものとする。 ※第192条6項は、「労働組合の非専従役員である労働者が、労働組合の任期中に労働契約期間が満了した場合は、締結した労働契約を任期終了時まで延長すること。」と規定します。 有期の労働契約の期間満了による労働契約の終了を指します。同一の労働者に関して、有期の労働契約の締結は2回までしか認められておらず、3回目の労働契約は無期となりますので、3回目の労働契約を締結した後は、期間満了による労働契約の終了はできなくなります。 2...

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生産性の悪い労働者を解雇することはできますか。
「労働者の生産性が悪いから解雇したい」、「労働者が会社内の秩序を乱すから解雇したい」といったご相談をいただくことがよくあります。このようなケースで使用者は労働者を解雇することができるでしょうか。 法律上、使用者は、以下の場合に労働者との労働契約を一方的に解除することができるとされています(「労働法」第38条)。 ①労働者が、繰り返し労働契約に定めた業務を遂行しない場合 ②労働者が、病気、事故で連続して 12か月(無期限労働契約の場合)、6か月(有期労働契約の場合)、契約期間の1/2 以上(12か月未満の季節的業務等の労働契約の場合)にわたり治療を受けたが、労働能力を回復できない場合(労働者の労働能力が回復した際は、使用者は労働契約の継続を検討する。) ③天災、火災又は政府が規定するその他の不可抗力の理由により、使用者が全ての克服措置を実行したが、やむを得ず生産規模の縮小及び人員削減を行う場合。 ④労働者が、「労働法」第 33 条で規定する期限(労働契約の一時履行停止期間が終わった日より15 日以内。一時履行停止期間とは、労働者が兵役に行った場合、女性労働者が妊娠している場合、労働者が逮捕された場合等を指す。)後に欠勤する場合。   法的には、ご質問のようなケースは、上記①に該当すれば、会社は労働者を解雇することができます。しかし、一般には、「労働者が、繰り返し労働契約に定めた業務を遂行しない」とまで言えるケースは少ないため、上記①に該当するとの主張は難しいことが多いといえます。 このような場合、労働者が就業規則で規定された服務規律に違反する行為を行っていることがありますので、服務規律違反を理由とする懲戒処分(初めは戒告処分)を行い、軽めの懲戒処分を積に重ねて最終的に懲戒解雇処分を下す、という方法が理屈上はあり得ます。しかし、この方法は時間的・手続的コストがかかりますので、あまり現実的ではないことが多いでしょう。   そうすると、このようなケースでは、①退職勧奨を行って何とか労働契約の合意解除に持っていくか、又は、②有期労働契約であれば、労働契約で合意された期間の満了を待つほかないことがほとんどです。 ①の場合、退職してもらうための補償金として、一定額の金銭(2ヶ月~3ヶ月分の給与相当額を支給するケースが比較的多いように思われますが、ケースバイケースです。)を支給することもよくあります。このような金銭を支給する場合、いくらの金銭が支給されたか、瞬く間に労働者の間に情報が拡散し、事実上、以後同様のケースで労働者に支給する金銭の最低水準となってしまうことがあるため注意しましょう。 金銭の支給を受けた労働者と秘密保持の合意を締結してもほとんど効果がないことが多いですし、人事部又は経理部のベトナム人から情報が拡散されることもありますので、情報の拡散自体は覚悟せざるを得ないでしょう。 そこで、一つ考えられる対応策としては、事後的に、「このケースは●●、●●、●●、という個別の状況に鑑みて、●●ベトナムドンを支給した。」ということを説明できる資料を準備し(例えば、補償金の支払を受ける労働者と使用者の間で締結する労働契約の解除合意にこのような背景事情を規定する。)、ケースが異なれば支給金額も異なることを説明できるようにしておく、ということが考えられます。これは完全な方法とは言えませんが、法的リスクを減少させるための一つの方法としては検討に値します。 間接的に退職勧奨を行う方法として、退職して欲しい労働者に対して仕事を与えない、当該労働者の役職を下げる、等といった方法が用いられることがあります。 このような手法は、プライドが高いホワイトカラーのベトナム人労働者には特に効果的だと言われることがあり、実際に、やり方次第では労働関連法令に違反しない形で実行することができるものもあります。しかし、行き過ぎた場合には違法になり、労働者から損害賠償請求される可能性等もありますので、慎重に検討することが必要です。 なお、「労働者の給与を使用者の一方的決定で下げる」という強硬手段に出る日系企業がたまにありますが、これは基本的に違法ですのでご注意ください。   ②の場合、有期の労働契約が満了するまでは労働契約を維持しなければいけませんので、直ちに労働者を解雇する必要性がそれほど高くない場合には有効ですが、そうでない場合には適さない方法と言えます。
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労働者が退職時に行うべき会社側の手続について
以下のコラムをご確認ください。 【ベトナム労務】労働者が退職時に行うべき会社側の手続について
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【2021年労働法】懲戒処分を実施する際の具体的な手続を教えて下さい。
会社が従業員を懲戒処分とする場合、聴聞会(ベトナム語: họp xử lý kỷ luật lao động )を開催のうえ懲戒を行います。具体的な手続の流れは以下のとおりになります(政令145号70条)。 ①会社は、聴聞会が開催される少なくとも5営業日前までに、懲戒の対象となる従業員(以下、「対象従業員」という)およびその弁護人(いる場合)に対して、聴聞会の時間と場所、対象従業員の氏名(フルネーム)、違反の内容を通知しなければなりません。会社は、聴聞会の実施前に対象従業員およびその弁護人(以下、これらの人物を総称して「参加者」といいます)が当該通知を受け取ったことを確認します。 ②参加者は、①の通知を受け取った場合、聴聞会への出席について会社に連絡しなければなりません。もし参加者のいずれかが聴聞会に参加できない場合、会社と対象従業員は、聴聞会の日時または(および)場所の変更について合意します。当該変更についての合意ができない場合は、会社は当該場所と日時について最終決定を下すことができます。 ③会社は、参加者への上記の通知または変更についての合意に従い、聴聞会を開催します。聴聞会当日に、参加者の出席が確認できない場合であっても会社は聴聞会を開催し、実施することができます。 ④聴聞会の議事録は、聴聞会が終了する前に作成され承認されなければなりません。当該議事録には、参加者の署名がなされなければならない。参加者が署名を拒否する場合には、当該拒否者の氏名(フルネーム)と拒否の理由を議事録に記載します。 ⑤懲罰について権限を有する者は、法定の期間内に懲罰についての決定を下し、当該決定について参加者に通知しなければなりません。   懲戒処分の手続に違反した場合、そもそもの懲戒処分が無効となり、違法な労働契約の解除として扱われることになるためご注意ください。将来的に労働者から解雇の無効を争われるという事例が実務上も多くみられるため、労働紛争リスクが非常に高くなります。 使用者は、懲戒事由についての従業員の故意・過失を立証しなければなりません(労働法第122第1項a号)。 懲戒処分の対象となる従業員(以下「対象者」といいます)が労働組合の構成員である場合、当該所属する労働組合には、懲戒処分(聴聞会)への参加権限があります(労働法第122第1項b号)。 対象者は弁護士または労働組合に弁護を依頼する権利があります(労働法第122第1項c号) 。 懲戒処分の対象となる行為が一つの場合、複数の懲戒処分を行う(たとえば、譴責と降格を同時に行う)ことは認められていません(労働法第122第2項 )。 1人の労働者が一時に複数の懲戒処分の対象となる行為を行った場合、もっとも重大な違反となる行為に対して最も重い形式のみが適用されます(労働法第122第3項。例えば、就業時間中に飲酒のうえセクハラを行い、にセクハラにより懲戒解雇される場合)。