【ニュース】ベトナムでも国際最低課税(グローバルミニマム課税)の対応が本格化。2024年の施行に向け。
- 2023.07.24
- コラム
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2024年に始まる国際最低課税(グローバルミニマム課税)について、ベトナムでも2023年後半に対応が本格化しそうです。
グローバルミニマム課税:
グループの全世界での年間総収入金額が7億5000 万ユーロ以上の多国籍企業グループを対象にしており、基準税率 15%以上の課税を確保する目的で、子会社等の所在する軽 課税国での税負担が基準税率 15%に至るまで、本拠地に所在する親会社等に対して上乗せ(トップ アップ)課税を行う制度たとえば、ベトナムで10%課税された場合でも、親会社が日本にある対象企業については、日本でも最低税率の15%までの残り5%が課税されることになるもの。
ベトナムは、通常の企業所得税が20%ですが、製造業やIT業などで大幅な減税をすることで外資企業を誘致してきました。
たとえば、IT企業については、設立から15年間基準税率10%、黒字化から4年免税・9年50%減税という大幅な優遇税制が敷かれており、これにより外資企業も誘致できる上、人材も育つという良い循環がうまれていました。
グローバルミニマム課税が導入されると、ベトナムの外資系企業のうち1015社がこの税率の対象となるとされており、2024年に適用された場合、サムスン、インテル、LG、ボッシュ、シャープ、パナソニック、フォックスコン、ペガトロンという外国企業(これらでベトナムへのFDI総額のほぼ30%を占める)など、ベトナムの70以上の企業が影響を受けるとされています。
ベトナムで税額が低くても本拠地で課税されてしまうとすれば、ベトナムへの税制優遇は投資の理由ではなくなってしまうため、何らかの異なるメリットを出すべくベトナム政府は対応を検討中です。
参考:
VnExpress「National Assembly to review global minimum tax in October」
https://e.vnexpress.net/news/business/economy/national-assembly-to-review-global-minimum-tax-in-october-4628710.html
NNA ASIA「国際最低課税の対応法令、24年年初に施行へ」
https://www.nna.jp/news/2545434