ベトナムのVAT税率減少(VAT8%の軽減税率の継続)とVietnam Airlinesの支援策について
- 2024.07.01
- コラム
- CastGlobal
ベトナム国会は2024年6月29日に第7回会期で重要な決議を採択しました。この決議には、いくつかの注目すべき経済政策が含まれています。その中でも特に重要なのは、付加価値税(VAT)の減少と、Vietnam Airlinesへの支援策です。
VAT税率の減少
国会は2024年末まで一部の商品のVAT税率を10%から8%に引き下げることを決定しました。この措置は、証券、保険、銀行、不動産などの特定の業種を除いたほとんどの物品やサービスに適用されます。
•対象外の業種: 不動産、証券、銀行サービス、通信、情報技術、コークス、化学製品、特定消費税の対象となる物品やサービス。
•適用範囲: 輸入、生産、加工、取引の各段階において一律に適用。
•除外事項: VATが課されない、または5%のVATが適用される商品やサービスは現行の法律規定に従い減少の対象外。
この政策により、国民は生活費を節約でき、消費が刺激されると期待されています。政府は、この措置により2024年後半の税収が約24,000億VND(約4,000億VND/月)減少すると予測していますが、それでも経済全体の活性化を目指しています。
Vietnam Airlinesへの支援策
同時に、Vietnam Airlinesに対する支援策も決議されました。国家銀行は、Vietnam Airlinesの4,000億VNDの再融資ローンの返済期限を3回まで自動延長することを決定しました。延長期間は最初の再融資期間と同じ長さで、合計延長期間は最大5年となります。この措置は、COVID-19の影響で経済的困難に直面している航空会社の短期的な流動性をサポートするものです。
•延長期間: 各延長期間は最初の再融資期間と同等。
•総延長期間: 最大5年(過去2回の延長を含む)。
•返済義務: Vietnam Airlinesは、2024年7月から12月までの間に全ての元本を返済する義務があります。
政府は、この支援策が効果的に実施されるよう、関連機関や企業に対して厳格な監視と報告を求めています。さらに、Vietnam Airlinesの包括的な再構築計画を早急に策定し、持続可能な発展に向けた解決策を講じるよう指示しています。
経済全体への影響
これらの政策は、ベトナムの経済成長を支える重要な施策として決議されたものです。
VATの軽減税率は、コロナ禍後に導入され(一時の取りやめを経て)継続しています。今回も6月30日に10%に戻る直前での再継続で、事業者にとっての混乱はあるものの、経済全体にポジティブな影響を与えることが期待されています。これからの数ヶ月間で、これらの政策がどのように実行され、どのような成果を上げるか注目されます。
参考(前回延長時の記事):