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ベトナムの最新税務指導に関して:労働者向け住宅の税務処理(オフィシャルレター)

2024年8月5日に発行されたオフィシャルレターNo. 44615/CTHN-TTHTは、ハノイ市税務局が企業による労働者向け住宅の提供に関連する税務処理について具体的な指針を示したものです。この通達は、企業が従業員のために提供する住宅や関連サービスに関する税務上の取り扱いを明確にすることで、税務申告の正確性を確保することを目的としています。

この新しい規定は2024年8月5日に回答されたもので、新たな法令ではないものの税務当局の解釈を示したものとして重要です。

1. 法人所得税(CIT|TNDN)に関する規定

企業が従業員のために購入した住宅は、企業の固定資産として認められ、その減価償却費が法人所得税の計算において控除対象となります。この控除は、以下の条件を満たす必要があります:

Circular96/2015/TT-BTC第4条 に基づき、住宅が企業の事業活動に直接関連している場合に限り、減価償却費が認められます。

適用条件: 購入した住宅が労働者の福利厚生として提供されている場合、その費用は控除対象となります。

2. 付加価値税(VAT|GTGT)の控除

企業が労働者のために購入した住宅に関して、付加価値税の控除は厳格に規定されています。特に、住宅が企業の事業活動に直接関連しない場合、付加価値税の控除は認められません。

Circular No.219/2013/TT-BTC 第14条 に基づき、住宅が事業活動と直接関連しない場合、付加価値税の控除は適用されません。

3. 個人所得税(PIT|TNCN)の課税対象

企業が労働者のために住宅や関連サービス(電気、水道など)の費用を負担した場合、これらの費用は労働者の課税所得とみなされます。ただし、課税は以下の基準に基づいて計算されます:

Circular No. 92/2015/TT-BTC第11条 に基づき、企業が負担する住宅関連費用は労働者の所得として課税されます。
個人が事業所に居住している場合、個人所得の課税所得は、住宅の家賃や減価償却費、電気、水道、その他のサービスに基づいて、個人が使用する面積と勤務先の所在地の面積の割合に応じて計算されます。
課税額は、住宅費用やサービス費用の15%を上限として計算されます

住宅についてはこれまでの理解同様ですが、電気水道代や管理費なども含まれることが解釈として明示されていますので注意が必要です。

4. 法令の影響と課題

この通達は、企業の税務処理において重要な指針となる一方で、企業が従業員に提供する住宅に対する税務負担が増加する可能性がありますので注意が必要です。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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