【ベトナム外貨管理】ベトナム国内における外貨使用の規制について

1. ベトナム領域内における外貨使用の禁止

ベトナム領域内におけるすべての取引、支払、価格表示、広告、値札、契約書における金額の表示は、一部の例外を除いて外貨をもって行うことができないとされています(外貨との併記を含む。法令第06/2013/PL-UBTVQH13号第22条(法令第28/2005/PL-UBTVQH11号により修正))※。

なお上記の例外については、通達32/2013/TT-NHNN号第4条(通達16/2015/TT-NHNN号により修正および追加)に定められています。
こちらについては例外が相当数ありますので、気になる方は個別に確認して頂きたいですが、日系企業にも関わりがあるようなものですと、例えば外国人労働者の給与については外貨での支給が認められています(通達32/2013/TT-NHNN号第4条第14項)。

※こちらについては、根拠として政令70/2014/ND-CP号や通達32/2013/TT-NHNN号を記載しているものもありますが、本稿では上位規範である法令(PHÁP LỆNH)を根拠として記載しております。

2. 外貨使用に対する罰則

ベトナム国内において、上記の例外に当てはまらないにも関わらず外貨を用いた取引を行った場合、当該契約は法律91/2015/QH13号(民法)第123条により無効になると解されます。

また、上記に加えて、例えば会社組織がベトナム国内の契約等において外貨を表示した場合には、6000万VND~1億VNDの範囲で罰金が科される可能性があります(政令88/2019/ND-CP号第23条第4項N号。違反行為によって具体的な罰金やその他の行政罰が異なりますので、罰則の詳細を確認したい方は当該第23条全体をご確認下さい)。

慣行としていまだに契約書等に外貨が記載されている例を見かけることも多いですが、上記のように法令上規制されているため、自社のベトナム国内の契約書や値段表記等についてはしっかりご確認ください。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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