【ベトナム】自然災害基金の概要(企業負担・従業員負担)について

1. 自然災害基金とは

ベトナムにおいては、法律第33/2013/QH13号(法律第60/2020/QH14号により一部修正)により、ベトナムに所在する企業および18歳以上のベトナム国民は、自然災害に関わる基金(ベトナム語:Quỹ phòng, chống thiên tai。以下「自然災害基金」といいます)へ拠出する義務が課せられています(同法第10条第2項a号)。当該基金は、自然災害が発生した場合の被災者への援助等に活用されると規定されています(同法第10条第3項)。

2. 企業負担と従業員負担について

1)企業負担分

ベトナム国内に所在するローカル企業と外資企業は年間財務報告書記載の資産価格の0.02%に相当する金銭(但し、最低でも50万VND、最高でも1億VNDの範囲となります)を拠出する義務を負います(政令78/2021/ND-CP号。以下「政令78号」といいます。第12条第1項)。

2)従業員負担分

ベトナムで一般的な企業のもとで勤務する18歳以上のベトナム人労働者は、勤務する地域の最低賃金の半額を契約書上の労働日数で割った金額を拠出する義務を負います(政令78号第12条第3項b号)。
なお、上記の負担については経済的状況により義務が免除される場合があります(政令78号第13条参照)。

3. 自然災害基金の納付について

1)企業の納付義務

自然災害基金の拠出については、企業と労働者個人でそれぞれに拠出義務を負いますが、個人の拠出分も含めて、企業が個人より徴収して管轄の人民委員会に納付する義務を負います(政令78号第15条第1項)。
また、企業は、毎年5月15日までに納付の計画について提出する義務を負います。
そして個人の負担分については毎年7月末までに、企業負担分については、最低でも半分を毎年7月末、残りは11月末までに納付をする義務を負います(政令78号第15条第3項)。

2)罰則

自然災害基金の納付計画が未提出の場合、500万VND~1000万VNDの範囲で罰金を課される場合があります(政令03/2022/ND-CP号第17条第2項)。
また、自然災害基金の納付を行わなかった場合、未納付額に応じて、60万VND~2000万VNDの範囲で罰金が科される可能性があります(同条第1項参照、第6条第3項)。

3)現状

自然災害基金については地方により運用がまちまちのこともあり、地域によっては当該基金の納付が全く行なわれていない場合もあります。しかし、法律上は上記のように納付は義務となっています。そのため各自治体から負担を求める書面を受け取った場合、納付する必要があります。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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