【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について

本コラムでは、ベトナムのビザ制度の全体像と、日本人がよく利用するビザの種類について、最新の法令に基づき整理します。

※本記事は2026年4月時点の情報に基づき更新しています。制度・運用は随時変更される可能性があるため、具体的な申請にあたっては必ず最新情報をご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。

1.現在のベトナムのビザ規定

ビザ免除措置(2025年3月15日〜2028年3月14日)

ベトナム政府は、2025年3月7日付決議第44/NQ-CP号により、日本を含む12か国の国民に対するビザ免除措置を延長しました。これにより、2025年3月15日から2028年3月14日までの3年間、日本人はパスポートの種類や入国目的を問わず、滞在期間が45日以内であればビザなしでベトナムに入国することができます。

なお、2023年8月15日施行の改正出入国管理法(法律No.23/2023/QH15)により、ビザ免除での滞在期間は従来の15日間から45日間に延長されています。また、同改正により、従前の「前回ベトナム出国時から30日以上経過していること」という要件も撤廃されました。

ビザ免除に関する最新情報は以下の記事をご参照ください。

ベトナム政府、ビザ免除措置を更新|2025年〜2028年の新ルールと注意点まとめ

ベトナムのビザ制度の根拠法令

ベトナムのビザ制度は、以下の法令により規定されています。

  • 外国人のベトナムへの出入国、通過、居住に関する法律(No.47/2014/QH13)(2015年1月1日施行)
  • 同法の一部を改正・補足する法律(No.51/2019/QH14)(2020年7月1日施行)
  • 同法の一部を改正・補足する法律(No.23/2023/QH15)(2023年8月15日施行) ― E-VISAの有効期間を30日から90日に延長、ビザ免除の滞在期間を15日から45日に延長

現在、ビザの種類は27種類あります。今回はその中でも、日本人が利用する機会の多いビザをご紹介します。

なお、法律No.51/2019/QH14第7条第4項に記載されている例外を除き、入国後にビザの目的変更はできません。長期滞在や就労に切り替える場合は、原則として一度出国してから適切なビザを再取得する必要があります。

ビザの種類一覧

ビザの種類は以下のとおりです。

記号 対象者 最長有効期間
NG1 ベトナム共産党中央執行委員会書記長、国家主席、国会議長、首相から招待された代表団のメンバー 12か月
NG2 ベトナム共産党中央常務委員会、国会副主席、国会副議長、副首相、ベトナム祖国戦線中央委員会の委員長、最高人民裁判所長、最高人民検察庁の長官、国家監査員の総長などの招聘による代表団のメンバー 12か月
NG3 公館、領事館、国際連合に加盟する国際機関の代表事務所、政府間機関の代表事務所のメンバーとその配偶者、18歳未満の子供、使用人など 12か月
NG4 外交使節団、領事事務所、国際連合に加盟する国際機関の代表事務所および政府間組織の代表事務所を訪問する者 12か月
LV1 ベトナム共産党中央委員会、国会、政府、ベトナム祖国戦線中央委員会、最高人民裁判所、最高人民検察院、ベトナム国家監査院、省庁、閣僚級機関、政府付属機関、省および中央運営都市の人民評議会と人民委員会の部局や機関で働く者 12か月
LV2 社会政治団体、社会団体、ベトナム商工会議所で働く者 12か月
LS ベトナムで活動する外国人弁護士 5年
DT1 ベトナムへの投資額が1,000億ドン以上、または投資奨励地域への投資を行う投資家・外国組織の代表者 5年
DT2 ベトナムへの投資額が500億ドン以上1,000億ドン未満、または投資奨励地域への投資を行う投資家・外国組織の代表者 5年
DT3 ベトナムへの投資額が30億ドン以上500億ドン未満の投資家・外国組織の代表者 3年
DT4 ベトナムへの投資額が30億ドン未満の投資家・外国組織の代表者 12か月
DN1 ベトナムの法律に従い、法人格を持つ他の企業・組織で働く外国人 12か月
DN2 ベトナムが締約している条約に基づき、サービスの提供、商業活動の確立、その他の活動を行うために入国する外国人 12か月
NN1 国際組織、外国の非政府組織の駐在員事務所の所長、プロジェクトの代表者 12か月
NN2 外国企業の駐在員事務所の所長、支店の代表者、または外国の経済組織・文化組織・その他専門組織の代表者 12か月
NN3 外国の非政府組織、外国企業の駐在員事務所、外国企業の支店、外国の経済組織・文化組織・その他専門組織で働く者 12か月
DH ベトナムで研修、学習する者 12か月
HN 会議やシンポジウムに参加する者 3か月
PV1 ベトナムに常駐する特派員やジャーナリスト 12か月
PV2 ベトナムに短期間滞在する特派員やジャーナリスト 12か月
LD1 ベトナムが締約国である条約に別段の定めがない限り、労働許可証の免除確認書をもってベトナムで働く外国人 2年
LD2 ベトナムで働き、労働許可証を取得する必要のある外国人 2年
DL ベトナムを観光する者 3か月
TT LV1、LV2、LS、DT1、DT2、DT3、NN1、NN2、DH、PV1、LD1、LD2を保有する外国人の配偶者または18歳未満の子供 12か月
VR 親族訪問等の目的で来訪する者 6か月
SQ 法律No.47/2014/QH13第17条第3項に該当する者 30日
EV E-Visa(電子ビザ) 90日

2.日本人がよく使うビザ

DT1/DT2/DT3/DT4(投資ビザ)

ベトナム法人に出資している日本人などが該当する投資ビザです。2019年改正(法律No.51/2019/QH14)により、投資金額に応じてビザの種類・有効期間が細分化されました。

  • DT1:投資額1,000億ドン以上 ― 最長5年
  • DT2:投資額500億ドン以上1,000億ドン未満 ― 最長5年
  • DT3:投資額30億ドン以上500億ドン未満 ― 最長3年
  • DT4:投資額30億ドン未満 ― 最長12か月

投資家本人のほか、外国組織の代表者も対象となります。投資ビザで入国した方は、ベトナム国内でのTRC(Temporary Residence Card:一時在留許可証)の取得も可能です。

DN1/DN2(ビジネスビザ)

ベトナムの現地法人への出張や、サービス提供・商業活動等のために入国する場合に利用するビザです。取得にはベトナムの受入企業からの招聘状(インビテーションレター)が必要です。実務上、認められる滞在期間は概ね3か月または6か月です。

なお、短期の技術指導等であっても、実質的にベトナムでの「就労」と評価される活動を行う場合は、DNビザではなく労働許可証とLDビザの取得が必要となる場合があります。出張の名目であっても、業務実態によっては就労とみなされるリスクがあるため、事前に十分な検討が必要です。

NN2/NN3(駐在員事務所・支店勤務者向け)

ベトナムにある日本企業の駐在員事務所や支店で働く場合に取得するビザです。NN2は代表者、NN3はスタッフが対象となります。

LD1/LD2(就労ビザ)

長期間就労する際に取得する就労ビザです(ベトナムに進出した日系企業で働く駐在員・現地採用者など)。

実際にベトナムで働くためには、就労ビザ(LDビザ)に加えて労働許可証(Work Permit/ワークパーミット)の取得が必要です。LDビザの取得には、原則として労働許可証の取得(またはその免除)が前提となります。

【2025年8月7日施行】政令No.219/2025/ND-CPによる労働許可証制度の大幅改正

2025年8月7日付の政令No.219/2025/ND-CPにより、労働許可証の取得手続が大きく改正されました。主な変更点は以下のとおりです。

  • 申請窓口の変更:従来の労働傷病兵社会省(MOLISA)・省労働局から、就労地の省級人民委員会に変更
  • 手続の一本化:「外国人雇用需要の報告」と「労働許可証申請」が統合され、様式03で一括申請が可能に
  • 処理期間の明確化:申請受理日から10営業日以内に発給(不承認の場合は3営業日以内に理由書面通知)
  • 採用要件の緩和:専門家の実務経験要件が3年以上→2年以上に、技術者も要件緩和
  • 労働許可証の延長:延長は1回のみ・最長2年(延長後は新規申請扱い)
  • 免除カテゴリーの拡大:金融・科学技術・イノベーション・デジタル変革等の分野の外国人労働者にも免除対象が拡大

なお、政令152/2020/ND-CP(政令70/2023/ND-CPで改正)の外国人労働者に関する規定は、2025年8月7日をもって失効しています。

詳細:ベトナム新政令219/2025/ND-CP解説|外国人労働手続き全面改正

労働許可証の免除について、改正労働法(No.45/2019/QH14)第154条および政令No.219/2025/ND-CP第7条等に定められた一定の要件を満たす場合、労働許可証の取得が免除されます(ベトナムでの就労が30日以内かつ年間通算3か月以内の外国人、ベトナム人と婚姻している外国人、ベトナムの法律に基づく外国人弁護士など)。ただし、免除の場合でも、免除確認書の取得または当局への通知が必要となる点にご注意ください。

DH(研修・学習ビザ)

ベトナムへの留学、実習、研究者としての研修等に該当するビザです。

EV(E-Visa/電子ビザ)

インターネット上で申請・取得ができる電子ビザです。以下の基準を満たす方が申請可能です。

  • ベトナムに入国する外国人であること
  • 有効なパスポートを所持していること
  • 法律No.47/2014/QH13第21条の入国禁止事由に該当しないこと

2023年6月24日に可決された改正出入国管理法(法律No.23/2023/QH15)の2023年8月15日施行により、E-Visaの有効期間は従来の30日から90日に延長され、シングルエントリー(1回限り入国)とマルチプルエントリー(期間内の複数回入国)のいずれかを選択可能となりました。

また、2025年12月2日付決議No.389/NQ-CPにより、E-Visaで出入国可能な国際国境ゲート(空港・港湾・陸路)が大幅に拡大されています(日本からの直行便が就航する主要空港はすべて対象です)。

E-Visa申請公式サイト(2024年11月リニューアル/いずれからでも申請可):

申請後、発給まで原則3営業日(申請翌日から起算)を要します。入国時には発給されたE-Visaを印刷し、パスポートと併せて提示してください。

関連ニュース:【ニュース】ベトナムのe-visaとノービザ滞在の期間が延長(2023年8月15日〜)


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【執筆者】CastGlobal

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