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【ベトナム企業法】有限責任会社・株式会社の委任代表者について教えて下さい。

1 委任代表者とは

委任代表者とは、法人たる会社の所有者、社員、株主から書面による委任を受け、これらの法人のために権利行使を行う個人のことをいいます(企業法4条1項)。つまり、社員総会や株主総会に出席し、出資者の意思を代表して表明する個人の方を指します。

2 委任代表者の資格、員数

1)委任代表者の資格

委任代表者になるためには、完全な民事能力を有すること、企業の設立及び管理を禁止される対象者ではないこと(刑事責任に問われていないこと等。詳しくは企業法17条2項参照)、また会社が定款や契約等で定めた資格や条件があればその資格や条件を満たすこと等が必要です(企業法14条5項c号)。

2)委任代表者の員数

また、会社が二人以上有限責任会社において定款資本35%以上を保有する場合、株式会社において普通株式総数の10%以上を保有する場合は、最大3人の委任代表者に委任することができます(企業法14条2項。ただし、定款で委任代表者の員数についての定めがある場合には、定款の定めが優先適用となります。)。

3)委任代表者が複数の場合のそれぞれの権限分配

委任代表者が複数いる場合、それぞれの委任代表者が代表する株式数や持分の割合について具体的に定める必要がありますが、具体的に定めない場合はそれぞれの委任代表者は等分の権利行使ができます。

例)ベトナム有限責任会社に対する日本企業の出資割合が、ベトナムの有限責任会社の持分の60%であり、3人の委任代表者を指定する場合

① 委任代表者の代表する持分の割合を定める場合
委任代表者A 会社持分の30%について権利行使する
委任代表者B 会社持分の20%について権利行使する
委任代表者C 会社持分の10%について権利行使する

② 委任代表者の代表する持分を定めない場合
委任代表者A、B、Cはそれぞれ会社の持分の20%について権利行使する

 

3 委任代表者の指定

委任代表者の指定は、書面でしなければならず、会社に通知する必要があります。委任代表者の指定の際に用いられる委任状には、以下の主要な内容を含まなければならないとされています(企業法14条4項)。

a) 所有者、社員、株主の名称、企業コード、本店の住所
b) 委任代表者の数及び各委任代表者に対応する株式、持分の割合
c) 委任代表者一人ずつの氏名、恒久的住所、国籍、公民身分証明カード、人民証明書、旅券又はその他の合法的な個人身分証明書の番号
d) 委任代表者一人ずつに対応する委任期限;その場合においては委任を受けた開始日を明記する。
đ) 所有者、社員、株主の法定代理人、委任代理人の氏名、署名

 

4 委任代表者の情報についての行政への報告義務

1)有限責任会社

会社を設立する等して最初の委任代表者を定める場合、会社の本店が所在する管轄の営業登録機関(ベトナム語:Cơ quan đăng ký kinh doanh)に委任代表者の合法的な個人身分証明書(身分証明書・パスポート等)の公証版や委任代表者の指定文書を提出しなければなりません(政令01/2021/ND-CP号(以下「政令01号」といいます)24条3項)。

また、委任代表者を交代する場合にも、交代の日から10営業日以内に委任代表者の情報を営業登録機関に報告する必要があります(政令01号60条3項)。

2)株式会社

上場会社でない株式会社は、外国法人の委任代表者を定める、または変更する場合、その氏名、国籍、旅券番号、住所に関する情報を、その情報を得てから3営業日以内に、営業登録機関に提出しなければなりません(企業法176条3項、政令01号60条1項)。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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