ベトナム個人所得税改革案|基礎・扶養控除36.4%増、年1000万VND減税

ベトナム財務省が提出した2025年個人所得税改革案では、基礎控除と扶養控除をそれぞれ36.4%引き上げることで、中間層の税負担を大幅に軽減するあ案を提示しました。年収3億VNDの標準的な世帯で年間約1000万VND(約6万円)の減税効果が見込まれ、物価上昇に対応しつつ内需拡大を図る予定です。2026年からの個人所得税の適用のため、11月に国会で審議される予定です。

控除額の変更内容

財務省の提案によると、個人所得税の基礎控除(本人控除)を現行の月額1100万VNDから1500万VNDへ400万VND引き上げるとのことです。
これは36.4%の大幅増となり、年間では4800万VND(約29万円)の控除額増加を意味します。

扶養控除についても、現行の月額440万VNDから600万VNDへ160万VND(36.4%)引き上げられます。扶養家族1人あたり年間1920万VND(約11.5万円)の追加控除が可能となります。

控除項目 現行(月額) 改正案(月額) 増加額 増加率
基礎控除 1,100万VND 1,500万VND 400万VND 36.4%
扶養控除 440万VND 600万VND 160万VND 36.4%
年間減税額(標準世帯) 1,000万VND

背景

ベトナムでは2020年以来、個人所得税の控除額が据え置かれてきました。この5年間で最低賃金は38%上昇し、消費者物価も継続的に上昇していました。

実質的な税負担が増加していた中間層への支援が急務となっています。政府は2025年のGDP成長率目標を6.5-7%に設定しており、内需拡大が成長の鍵を握ります。減税による可処分所得の増加で、消費拡大と経済成長の好循環を生み出すことが期待されます。

まだ未決定の案ですので、今後の議論状況の確認が必要です。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

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