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コラム

ベトナム入国時の注意点について(2023年最新)

本コラムでは、ベトナムに入国する際に一般的に気をつけなければならない点について、整理します。
入国時の規制・制度は随時変わる可能性があるため、入国時には改めて確認するようお願いいたします。

1.渡航前の手続き

■査証(ビザ)について

○基本情報
45日以上の滞在、または業務目的で報奨を伴う場合はVISAの発行が必要。
詳しくはこちらをご覧ください。

【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について(2023年最新版)

○電子ビザの申請について
日本を含む80カ国はオンラインで申請・決済できる電子ビザ「E-VISA」の発行が許可されています。電子ビザの有効期限は渡航日より90日間です。発効までに3営業日以上を必要としているので、余裕をもった申請が必要です。
(2023年8月15日より、30日から90日間に延長され、かつ、複数回入国にも対応しました。)

以下のリンクから申請できます。
https://evisa.xuatnhapcanh.gov.vn/web/guest/trang-chu-ttdt

○ビザ免除措置
以下の要件に当てはまる場合、ビザ無しでも入国できます。

  • ベトナム滞在期間が45日以内
    (2023年8月15日より、15日から45日に延長されました。)
  • ベトナム入国の時点でパスポート旅券の有効期限が6か月以上あること
  • 47/2014/QH1第 21条により入国禁止措置の対象になっていないこと

○APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)※以下ABTC
APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするための特別なカードです。
申請するには、申請書類を準備の上、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)ABTC班に郵送しなければなりません。ABTCを保有している場合、入国時の審査ゲートも優遇されており、迅速に入国が可能です。

必要書類は以下の通りです。
000040032.pdf (mofa.go.jp)

以下のリンクよりABTCカードの詳細を確認できます。
APECビジネス・トラベル・カード(ABTC)とは?|外務省 (mofa.go.jp)

■パスポート(旅券)

・ベトナム渡航の場合、渡航日から6か月以上の有効期限を残したパスポートが必要
※VISA申請時にも、有効期限6か月以上を残したパスポートが必要となります。
パスポートは継続発行・新規発行に関わらず、発行完了まで6日間(土日祝を除く)を要するので注意が必要です。

 

2.入国に必要な持ち物

■パスポート
有効期限6か月以上を残したもの

■VISA
入国審査時に使用します。発給されたE-VISAは印刷して持参します。
※報酬を伴う業務目的での滞在、または45日以上の滞在をする者
※ノービザ(ビザ免除措置)での入国の場合には不要。

■復路航空券または第三国への航空券
確認を受ける場合があります。Eチケットを事前に印刷して準備しておきましょう。
※VISAなしでベトナムに滞在する者が対象

■滞在先情報
入国審査時、ベトナムでの滞在場所を聞かれることがあります。
滞在するホテル等の名前と住所があらかじめわかるよう準備します。

 

3.到着した空港での手続きについて

■入国審査

到着後、イミグレーションカウンターで入国審査が行われます。

・審査官に、パスポート・復路のEチケット・VISAを提示が必要。
・審査官から「滞在期間」「滞在場所」「滞在目的」について聞かれる場合があります。(もっとも、口頭で確認されることは少ないです。)
・審査通過後、パスポートに入国スタンプを押される。

【注意点】

  • VISAを利用する場合、入国審査時にVISAを提示しないと、ノービザで入国扱いになってしまい、ノービザの期間を超えて帰国時に不法滞在として扱われる場合があります。VISAをしっかり提示するようにご注意ください。
  • 滞在許可期限の確認について
    審査官がパスポート下に記入する日付(日/月/年)は滞在許可の期限日です。
    VISAを取得し、45日以上滞在する人は、記入された日付が正しいかどうか、その場を離れる前に確認する必要があります。

※自動入国ゲート
現在、自動入国ゲートの導入が行われています。ベトナム居住者については事前に登録することで使うことができるようになるようですが、まだ導入段階のため係員も不慣れ、かつ、外国人の使用例も多くありません。

■税関検査

持ち込み、持ち出し禁止物は以下の通りです。

  • 骨董品
  • 爆発物
  • 麻薬
  • ベトナム人のモラルに悪影響をもたらす写真、出版物、映像、等。

詳しくは以下のリンクから確認できます。
ベトナム出入国情報 | 在ベトナム日本国大使館

 

■外貨申告

○上限を超えた現金・外貨を持って入国する場合は申請が必要です。
上限は以下の通りです。

  • 現金5,000米ドル
  • 同額相当の外貨
  • 1,500万ベトナムドン

○申請方法
空港で税関係官に申告用紙を請求し、申請します。

 

4.その他空港到着後の注意点

■外貨交換

○ベトナムドン(VND)について
1VND=約0.006円(2023年8月29日現在)
VNDをおおよその日本円に換算するときは、0を3つ取って6をかけると計算しやすいです。
(例)50,000VNDの場合、下の位から0を3つ取った値「50」×6=300円

○両替所

両替所は空港や街中にあります。
日本や、ベトナムの空港での換金は街中にある料金所よりレートが悪いことが多いです。
必要最低限分だけ空港などで換金し、主には比較的レートの良い街中の両替所、金屋、宝石店などを利用することがおすすめです。

○街中の両替所の代表例
※レートなどは、その時々で変わります。両替金額が間違いないかどうかは、常に現地で確認するようにしてください。

・ホーチミン
Quầy Thu đổi Ngoại tệ Eximbank 59(135 Đ. Đồng Khởi, Bến Nghé, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh)
↓google map
https://maps.app.goo.gl/YyU2wnVYGUyB5pUz5?g_st=il

・ダナン
Hiệu vàng Soạn Hà(121 Trần Phú, Hải Châu 1, Hải Châu, Đà Nẵng 550000)
↓google map
https://maps.app.goo.gl/prm5fkzogvT1kas17?g_st=il

・ハノイ
QUANG HUY GEMSTONE & JEWLLERY(130 P. Hàng Bạc, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm, Hà Nội)
↓google map
https://maps.app.goo.gl/GBrfRgzoXE3DsJrw6?g_st=il

■タクシー利用について

ベトナムでの移動手段は車タクシーやバイクタクシーが一般的です。
支払い方法は現金が基本です。(ビナサンタクシーやマイリンタクシーではクレジットカードを使うことも可能です)
料金表示は下3桁(000)が表示されていません。自分でメーターを見て支払いします。

例)下記の写真の場合
98,000 VND の支払いです。

【注意点】

「白タク」と呼ばれるぼったくりのタクシーも多くいます。利用するタクシー会社に注意してください。
特に、空港出口付近のタクシー乗り場に行く途中で話しかけてくるドライバーは、「白タク」である場合が多いです。

正規のタクシー乗り場には、上記のタクシー会社のスタッフ(ユニフォーム着用)がおり、案内してくれることが多いです。できるだけ、そうしたスタッフに声をかけて乗るべきタクシーを指示してもらいましょう。

下の表では南部ホーチミン、中部ダナン、北部ハノイ、の3地域に分けてタクシー利用に関して整理しています。

タンソンニャット国際空港(ホーチミン) ダナン国際空港 ノイバイ国際空港(ハノイ)
タクシー会社 VINASUN(ビナサン)

MILINH(マイリン)

VINASUN(ビナサン)

MILINH(マイリン)

TIEN SA(ティエンサ)

Taxi group(タクシーグループ)

MILINH(マイリン)

国際線ターミナル

タクシー乗り場

到着ロビーを出て左

→Taxi Standの看板(空港タクシー乗り場)を直進

→タクシー乗り場到着

到着ロビー正面

※上記のタクシーが居なければ、右手方面に5分ほど歩き、国内線ターミナルより乗車

到着ロビーを出て左
中心地への所要時間 30分 15分 40分
中心地までの料金 200,000VND(*1) 100,000VND(*1) 400,000VND(*1)

*1:別途空港使用料が取られます。10,000〜15,000VNDを要求されることが多いので、それに従って支払います。

○タクシー会社と画像

上記でおすすめしたタクシーブランドに似せた車も多くあります。
以下にタクシー画像を載せているので、参考にしてください。

VINASUN(ビナサン)タクシー MILINH(マイリン)タクシー
 
TIEN SA(ティエンサ)タクシー Taxi group

 

■配車サービスアプリ「Grab」

東南アジアを中心に普及している配車アプリです。
アプリは英語と中国語に対応しており、日本で会員登録、クレジットカードの登録が出来ます。
アプリ上で出発地・到着地を指定可能、さらに予約段階で支払額がわかるため、ベトナム語が出来なくても問題ありません。

アプリの詳細は以下のリンクから確認できます。

Grab Japan | 東南アジアで一般車の配車を依頼するならぜひダウンロード

【注意点】

  • 雨の日はドライバーが捕まりにくいので注意が必要です。
  • なお、空港などではタクシー乗り場のような正規の乗車場所がないケースも多くあり、タクシーのほうが便利なこともあります。Grabを利用する場合は、本当に自分が予約した車かどうかを確認してから、乗り込むようにしてください。
  • 予約したGrabを装って話しかけてくる「白タク」ドライバー(往々にしてぼったくられる)の被害例もあります。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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