【弁護士事務所解説】ベトナム入国時の注意点について【2026年最新】

本コラムでは、ベトナムに入国する際に一般的に気をつけなければならない点について、最新の法令・運用を踏まえて整理します。

※本記事は2026年4月時点の情報に基づき更新しています。制度・運用は随時変更される可能性があるため、渡航直前には必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

1.渡航前の手続き

査証(ビザ)について

■基本情報
45日を超える滞在、または業務目的で報酬を伴う場合は、事前にビザの取得が必要です。
ビザの種類の詳細は以下の記事をご覧ください。

【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について

■電子ビザ(E-VISA)の申請について
E-VISAは、ベトナム公安省出入国管理局が運営する専用サイトからオンラインで申請・決済が可能です。日本を含む多数の国・地域の国民が対象で、有効期限は発給から90日間、シングルエントリーとマルチプルエントリーが選択できます。

根拠法令は「出入国管理法の一部を改正・補足する法律(第23/2023/QH15号)」で、2023年8月15日から現在の制度(90日・複数回入国対応)となっています。申請から発給までの所要日数は原則3営業日(申請の翌日から起算)ですので、余裕をもって申請してください。

公式申請サイト(2024年11月にリニューアル/いずれからでも申請可):
https://evisa.gov.vn/
https://thithucdientu.gov.vn/

なお、2025年12月2日付決議第389/NQ-CP号により、E-VISAで出入国可能な国際国境ゲート(空港・港湾・陸路)が大幅に拡大されています。

■ビザ免除措置(日本人の場合)
日本国籍保有者は、以下の要件を満たす場合、ビザなしでベトナムに入国することができます。

  • ベトナム滞在期間が45日以内であること
  • ベトナム入国時点でパスポートの有効期限が6か月以上残っていること
  • 法律第47/2014/QH13号第21条に定める入国禁止事由に該当しないこと
  • 帰国またはトランジット出国のチケットを保持していること

このビザ免除措置の根拠は、2025年3月7日付決議第44/NQ-CP号です。同決議により、日本を含む12か国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、ロシア、日本、韓国、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)に対する45日間のビザ免除措置が、2025年3月15日から2028年3月14日まで継続適用されることが確定しています。

なお、ビザ免除措置での入国の場合、原則として滞在期間の延長は認められていませんのでご注意ください。45日を超えて滞在する場合には、事前にビザを取得する必要があります。

■APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)
APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑化するための特別なカードです。ABTCを保有している場合、入国審査の優先レーンを利用でき、最大90日までのビザ免除で滞在することも可能です。

申請には、申請書類を準備の上、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)ABTC班に郵送する必要があります。

必要書類等の詳細は以下をご参照ください。
申請必要書類(外務省PDF)
APECビジネス・トラベル・カード(ABTC)とは?|外務省

パスポート(旅券)

ベトナム渡航の場合、渡航日から6か月以上の有効期限を残したパスポートが必要です。ビザ申請時・ビザ免除入国時のいずれでも、この要件は共通です。

【重要】2025年3月24日以降、海外の大使館・総領事館でのパスポート発給には3〜4週間を要します。

日本政府は、偽変造対策を強化するため、人定事項ページにプラスチック基材を用いた「2025年旅券」の発給を2025年3月24日から開始しています。従来は在外公館で申請後3営業日程度で交付されていたところ、現在は旅券が日本国内で作成されて在外公館まで配送されるため、最短でも3週間、場合によっては4週間程度を要する運用となっています。

現在お持ちのパスポートの有効期限が十分かを今一度ご確認いただき、残存有効期間が1年未満になった時点で切替申請をご検討ください。

詳細:在ホーチミン日本国総領事館

プレアライバル申告(ホーチミン市タンソンニャット空港からの入国)

ホーチミン市出入国管理局によれば、2026年4月15日から、タンソンニャット国際空港において外国人を対象とする事前申告登録制度(プレアライバル申告)が開始されました。入国前にオンラインで個人情報・滞在情報等を登録することにより、入国審査の迅速化が期待されています。

登録サイト:https://prearrival.immigration.gov.vn

詳細は以下の関連記事をご参照ください。

タンソンニャット空港で 「プレアライバル申告」制度が開始 ― 外国人の事前オンライン登録を推奨

2.入国に必要な持ち物

入国時に必要なもの・提示を求められる可能性があるものは以下のとおりです。

■必須のもの

  • パスポート(有効期限6か月以上残存)
  • ビザ(ビザ免除入国の場合は不要。E-VISAの場合は印刷して持参)
    ※報酬を伴う業務目的での滞在、または45日を超える滞在の場合はビザが必須
    ※ビザを取得していながら提示しない場合、ノービザ入国として扱われ、結果として不法滞在となるリスクがあるためご注意ください
  • 往路航空券(チケットまたは半券)
    直近の実務上、パスポート・ビザと併せて提示を求められるケースが増えています
  • ABTC(APEC/ABTCレーンから優先入国する場合。アプリでの提示も可)

■確認を受けることがあるもの

  • 復路または第三国行き航空券
    特にビザなし滞在の場合に確認されることがあります。Eチケットを事前に印刷して準備しておくと安心です
  • 滞在先情報
    入国審査時、ベトナムでの滞在場所を聞かれることがあります。ホテル等の名称と住所を予め確認しておきましょう

3.到着した空港での手続きについて

入国審査

到着後、イミグレーションカウンターで入国審査が行われます。

  • 審査官に、パスポート・ビザ(ある場合)・往路航空券を提示します
  • 審査官から「滞在期間」「滞在場所」「滞在目的」について口頭で質問される場合があります(実際には口頭確認を省略されるケースも多いです)
  • 審査通過後、パスポートに入国スタンプが押されます

【注意点】

  • ビザを取得している場合、入国審査時にビザを提示しないとノービザ入国として扱われてしまい、ノービザの期間(45日)を超えた時点で不法滞在となる恐れがあります。必ずビザを提示してください。
  • 滞在許可期限の確認:審査官がパスポート下部に記入する日付(日/月/年)は滞在許可の期限日です。ビザを取得して45日を超える滞在を予定している場合は、記入された日付が正しいかその場で確認してください。

※自動入国ゲート(電子ゲート)
タンソンニャット空港等では自動入国ゲートの導入が進んでいます。ベトナム居住者は事前登録により利用可能ですが、2026年4月時点では外国人観光客の利用は制限されています。居住者の方は出国時の利用が可能です。

【電子入管ゲート登録体験:2024年9月】
出国用に電子入管ゲートを登録してみました。
①登録5分 → ②登録後10分待機 → ③電子ゲートで3分で出国手続完了。一度登録すれば、以降は③のみで出国可能です。
必要なもの:
①登録時:パスポート、レジデンスカード、全指の指紋登録
③電子ゲート利用時:パスポート、搭乗券、右手人差し指の指紋
※その後の手荷物セキュリティチェックは別途必要です。

税関検査

ベトナムへの主な持込禁止品・規制品は以下のとおりです。

  • 銃・武器類
  • 骨董品
  • 爆発物
  • 麻薬等違法薬物
  • ベトナム人の道徳に悪影響を及ぼす写真、出版物、映像等(ポルノ・肌の露出が大きいグラビア等を含む)
  • 電子たばこ・加熱式たばこ(2025年1月1日より全面禁止)

詳細は以下をご確認ください。
ベトナム出入国情報|在ベトナム日本国大使館

【2025年1月〜】電子たばこ・加熱式たばこの全面禁止にご注意ください
2024年11月のベトナム国会決議により、2025年1月1日から電子たばこ・加熱式たばこの使用・製造・輸送・保管等が全面的に禁止されています。違反した場合、使用については警告または100万〜200万ドンの罰金、輸送・保管・製造については更に重い罰金・刑事処罰の対象となる可能性があります。出張者・駐在員の方もご注意ください。

外貨申告

入国時の外貨持込み額自体に上限はありませんが、下記金額を超えて所持して入国する場合は、税関に申告する必要があります(国家銀行通達第15/2011/TT-NHNN号)。

  • 現金 5,000米ドル または同額相当の外貨
  • 1,500万ベトナムドン
  • 300グラム以上の金・宝石類(国家銀行決定第1165/2001/QD-NHNN号)

■申告方法
空港で税関係官に申告用紙を請求し、必要事項を記入して提出します。

【注意点】申告を行わずに出国時に上記金額を超える現金を持ち出そうとした場合、所持金が没収される可能性があります。また、入国時の申告は12か月経過後または一度出国した時点で無効となりますので、出国時にも改めて確認が必要です。

4.その他空港到着後の注意点

外貨交換

ベトナムドン(VND)について
ベトナムの通貨単位はドン(VND)で、紙幣の桁数が大きいため、ゼロの数にご注意ください。日本円に概算する際は、下3桁(000)を取った数字に約6を掛けると目安になります(※為替レートは変動するため、渡航直前に最新レートをご確認ください)。

例:50,000VND → 下3桁を取った「50」× 6 = 約300円

■両替所
両替所は空港や街中にあります。空港での換金は街中の両替所よりレートが悪いことが多いため、必要最低限のみ空港で両替し、残りは比較的レートの良い街中の両替所・金行・宝石店等を利用することをお勧めします。

【街中の主な両替所】
※レートは都度変動しますので、両替金額は必ず現地で確認してください。

ホーチミン
Quầy Thu đổi Ngoại tệ Eximbank 59(135 Đ. Đồng Khởi, Bến Nghé, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh)
Google Map

ダナン
Hiệu vàng Soạn Hà(121 Trần Phú, Hải Châu 1, Hải Châu, Đà Nẵng 550000)
Google Map

ハノイ
QUANG HUY GEMSTONE & JEWLLERY(130 P. Hàng Bạc, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm, Hà Nội)
Google Map

タクシー利用について

ベトナムでの移動手段は、車タクシー・バイクタクシー・配車アプリが一般的です。支払方法は現金が基本ですが、VINASUN(ビナサン)やMAI LINH(マイリン)等ではクレジットカードの利用も可能です。タクシーメーターは下3桁(000)が省略表示されているため、自分でメーターを確認して支払います。

例:下の写真の場合、98,000 VNDの支払いです。

タクシーメーター例

【注意点】

「白タク」と呼ばれるぼったくりタクシーが多く存在します。特に、空港出口付近のタクシー乗り場に向かう途中で話しかけてくるドライバーには要注意です。

正規のタクシー乗り場では、ユニフォームを着用したタクシー会社のスタッフが案内してくれますので、できるだけそうしたスタッフに声をかけて乗るべきタクシーを指示してもらいましょう。

下表では南部ホーチミン、中部ダナン、北部ハノイの3地域に分けてタクシー利用情報を整理しています。

タンソンニャット国際空港(ホーチミン) ダナン国際空港 ノイバイ国際空港(ハノイ)
タクシー会社 VINASUN(ビナサン)
MAI LINH(マイリン)
Xanh SM
VINASUN(ビナサン)
MAI LINH(マイリン)
TIEN SA(ティエンサ)
Xanh SM
Taxi Group(タクシーグループ)
MAI LINH(マイリン)
Xanh SM
国際線ターミナル
タクシー乗り場
到着ロビーを出て左
→「Taxi Stand」看板を直進
→タクシー乗り場到着
到着ロビー正面
※上記タクシー会社の車がない場合、右手方向に5分ほど歩き国内線ターミナルより乗車
到着ロビーを出て左
中心地への所要時間 30分 15分 40分
中心地までの料金目安 200,000VND(*1) 100,000VND(*1) 400,000VND(*1)

*1:別途、空港使用料として10,000〜15,000VND程度が請求されることが一般的です。

【2025年4月開業:タンソンニャット空港T3について】
タンソンニャット国際空港では、2025年4月に国内線ターミナルT3が新たに開業しました。国際線は従来どおりT2発着ですが、国内線乗継の場合はT1またはT3に移動する必要があります(T1・T3とT2は保安エリア内での移動不可。国際線→国内線の乗継は一旦到着ロビーに出て再度チェックインが必要)。

タクシー会社と車体イメージ

上記でお勧めしたタクシーブランドに似せた車も多く存在します。以下のタクシー画像を参考にしてください。直近ではVinグループの「Xanh SM」(水色の車体が特徴的な電気自動車タクシー)のシェアが急拡大しており、こちらも安心して利用できます。

Xanh SMの車体

 

VINASUN(ビナサン)タクシー MILINH(マイリン)タクシー
 
TIEN SA(ティエンサ)タクシー Taxi group
配車サービスアプリ「Grab」/「Xanh SM」

東南アジアを中心に普及している配車アプリです。アプリは英語・中国語に対応しており、日本国内で会員登録・クレジットカード登録が可能です。アプリ上で出発地・到着地を指定でき、予約段階で支払額が確定するため、ベトナム語が話せなくても利用できます。

また、電気自動車タクシー「Xanh SM」も独自のアプリを提供しており、近年利用者が急増しています。

アプリの詳細は以下のリンクからご確認ください。

Grab Japan|東南アジアで配車を依頼するならダウンロード

【注意点】

  • 雨の日はドライバーが捕まりにくくなるため、時間に余裕をもってご利用ください。
  • 空港では配車アプリ用の正規乗車場所が明確でないケースもあり、状況によっては通常のタクシーの方が便利なこともあります。配車アプリを利用する場合は、車両ナンバー・ドライバー名を確認してから乗車してください。
  • 予約した配車アプリの車を装って話しかけてくる「白タク」ドライバーによる被害例も報告されています。ご注意ください。

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CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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