【ベトナム】2027年のテト休暇はどうなる?|公的機関・民間の休暇日程と実務対応
- 2026.10.03
- コラム
- CastGlobal
速報
2026年10月3日 / CastGlobal Law Vietnam
ベトナム政府官房は、公文10065/VPCP-KGVX(2026年10月2日付)により、2027年のテト(旧正月)休暇を公的機関について2027年2月4日(木)〜2月10日(水)の7連休とすることを通知しました。2027年は旧暦元日が土曜日にあたるため、2026年(9連休)より短い日程です。本コラムでは、ベトナム現地の日系法律事務所の観点から、公的機関の確定日程、民間企業の休暇設定パターン、割増賃金・振替休日の考え方、金融・物流面の実務対応を整理します。
- 公的機関:2027年2月4日(木)〜2月10日(水)の7連休(旧暦12月28日〜正月5日)。法定5日+振替休日2日の構成です。
- 2027年のテト元日は2月6日(土)。旧暦12月は29日までのため、2026年に続き「30テト」はありません。
- 民間企業:法定5日を「年末○日+年始○日」で配分。土日休みの会社は、元日・2日目が週休日と重なるため振替休日2日が加わり、実質7連休となるのが基本形です。
- 当事務所の推奨は、公的機関・銀行と日程が揃う「年末2日+年始3日」(2/4〜2/10)。従業員への通知は遅くとも2027年1月5日(火)頃まで(30日前)に。
1. 2027年の旧暦の年末年始(テト)の日付
ベトナムのテト(Tết Âm lịch)は太陰暦で定まり、労働法上5日間の有給の祝日とされています(労働法(法律番号45/2019/QH14、2021年1月1日施行)第112条1項b号)。2027年は丙午(Bính Ngọ)年から丁未(Đinh Mùi)年への年替わりで、太陽暦との対応は以下のとおりです。
| 太陽暦(2027年) | 旧暦 | 備考 |
|---|---|---|
| 2月3日(水) | 12月27日 | 公的機関は通常勤務(休暇前最終営業日) |
| 2月4日(木) | 12月28日 | 公的機関の休暇初日 |
| 2月5日(金) | 12月29日 | 大晦日(Giao thừa)※「30テト」なし |
| 2月6日(土) | 1月1日 | 元日(Mùng 1)・週休日と重複 |
| 2月7日(日) | 1月2日 | 週休日と重複 |
| 2月8日(月) | 1月3日 | |
| 2月9日(火) | 1月4日 | 公的機関は振替休日 |
| 2月10日(水) | 1月5日 | 公的機関は振替休日(休暇最終日) |
| 2月11日(木) | 1月6日 | 公的機関の仕事始め |
2. 公的機関の休暇日程(正式決定)
内務省の上申書(10033/TTr-BNV(2026年9月11日付)および10137/TTr-BNV(2026年9月14日付))を受け、ファム・ティ・タイン・チャー(Phạm Thị Thanh Trà)副首相が同省の提案を承認し、政府官房が公文10065/VPCP-KGVX(2026年10月2日付)でこれを通知しました。
- 通知文書:政府官房公文 10065/VPCP-KGVX(2026年10月2日付)
- 公的機関の休暇期間:2027年2月4日(木)〜2月10日(水)の7日間
- 該当する旧暦:丙午年12月28日〜丁未年正月5日
- 内訳:法定5日(年末2日+年始3日)+週休日(2/6土・2/7日)との重複による振替休日2日(2/9火・2/10水)
なお、内務省は当初、「年末1日+年始4日」としたうえで2月12日(金)の勤務日を2月27日(土)と入れ替え、2月5日〜14日の10連休とする案も併せて意見照会していましたが、最終的には休暇前の準備期間を確保しやすい7連休案が採用されました。教育機関や一部の行政サービスは、各省・市の個別決定で運用が異なる場合がありますので、所在地の人民委員会や所管官庁の告知もご確認ください。
3. 民間企業の休暇設定(実務ポイント)
法令上の枠組み
労働法第112条3項により、テトの具体的な休日は毎年首相が決定し、民間企業は法定5日を旧暦の「年末○日+年始○日」に配分して設定します。また、週休日が祝日・テトと重なった場合、労働者は次の勤務日に振替休日を取得します(同法第111条3項)。
報道によれば、内務省の9月11日付上申時点では、企業は「年末1日+年始4日」または「年末2日+年始3日」から選択できるとされています(8月の意見照会案では「年末3日+年始2日」も含まれていました)。今回の副首相承認を受けて、内務省から企業・労働者向けの正式な通知が出される予定ですので、最終的な選択肢は同通知で確認してください。
土日休み(週5日勤務)の会社の場合
| パターン | 法定5日 | 振替休日 | 連続休暇/仕事始め |
|---|---|---|---|
| 年末2日+年始3日【推奨】 | 2/4(木)〜2/8(月) | 2/9(火)・2/10(水) | 2/4〜2/10の7連休/2/11(木)〜。公的機関と同一 |
| 年末1日+年始4日 | 2/5(金)〜2/9(火) | 2/10(水)・2/11(木) | 2/5〜2/11の7連休/2/12(金)の1日だけ出勤して週末へ |
| 年末3日+年始2日(選択肢に残る場合) | 2/3(水)〜2/7(日) | 2/8(月)・2/9(火) | 2/3〜2/9の7連休/2/10(水・旧暦正月5日)〜 |
どのパターンでも合計は7日間ですが、取引先の官公庁・銀行と休暇が揃う「年末2日+年始3日」が、手続の停滞や連絡の行き違いを最も起こしにくいと考えます。「年末1日+年始4日」は2026年に多くの企業が採用した形ですが、2027年は休暇明けが金曜日1日だけとなる点に留意が必要です。
日曜のみ休み(週6日勤務)の工場等の場合
土曜日が勤務日の会社では、週休日と重なるのは2/7(日)の1日のみのため、振替休日は1日となり、連続休暇は6日間が基本です(例:年末2日+年始3日なら2/4〜2/9)。シフト制・交替勤務の職場では、各労働者の週休日ごとに振替休日の有無が変わりますので、個別に勤務表で確認してください。
2027年は「7連休+数日の平日」が残る暦のため、年次有給休暇を組み合わせると長期休暇を設計しやすい年です。例えば「年末2日+年始3日」に2/11(木)・2/12(金)の年休を加えると2/4〜2/14の11連休、「年末1日+年始4日」に2/12(金)の年休を加えると2/5〜2/14の10連休となります。帰省距離の長い地方出身の従業員が多い工場では、テト明けの欠勤・離職対策としても有効です。
使用者は労働者の意見を聴いたうえで年次休暇の取得計画を定め、事前に通知する責任があります(労働法第113条4項)。他方、民間企業が土曜日等との「勤務日の入れ替え(振替出勤)」を行う方法については法令上の明文がなく、手続が不十分だと振替出勤日が週休日労働(割増200%以上)と評価されるおそれがあります。実施する場合は、就業規則・労働契約との整合を確認し、労働者の同意と事前通知を書面で残すことを推奨します。
必須の社内実務
- 少なくとも30日前までに従業員へ休暇計画を通知(内務省の例年の案内による運用)。2/4開始なら遅くとも2027年1月5日(火)頃までですが、帰省の交通手配を考えると12月中の周知が望ましいです。
- 社内通知には、法定休日と振替休日の日付を明記してください(「どの日が振替か」が曖昧だと、出勤させた場合の割増率で争いになりやすいためです)。
- 工場・24時間稼働の拠点は、交替勤務の体制図・呼出し規程・緊急連絡網を更新し、休日出勤者の割増賃金の計算方法を事前に給与担当と確認してください。
- テト賞与(いわゆる13か月目給与)は法令上の義務ではなく、労働契約・就業規則・労働協約の定め次第です。支給条件の定めがある場合はその条件どおりに運用してください。
4. 2026年末〜2027年のその他の祝日
同じ公文10065/VPCP-KGVXでは、テトのほか以下の休日も承認されています。特に「ベトナム文化の日」は2026年に新設された祝日ですので、年末の勤務計画にご注意ください。
- ベトナム文化の日:2026年11月24日(火)の1日。文化発展に関する国会決議(国会決議28/2026/QH16、2026年7月1日施行)により、毎年11月24日は労働者が就労を免除され賃金全額を受ける日とされました。民間企業も対象です。なお、同日を労働法第112条に明記する改正案が審議されている段階です。
- 太陽暦の元日:2027年1月1日(金)。土日休みの会社は1/1〜1/3の3連休となります。
- 国慶節(2027年9月2日・木):公的機関は4日間の休暇が承認されています。民間企業は9/2に加え前後いずれか1日の計2日を設定します。具体的な日程は内務省の通知で確認してください。
5. 銀行・証券取引所・税関など実務への影響
- 銀行:国家銀行(SBV)の通知と各行の営業案内に連動します。公的機関の休暇前最終営業日は2月3日(水)となるため、給与・テト賞与の振込、外貨送金、信用状(L/C)決済は1月末〜2月2日頃までの前倒しをご検討ください。
- 証券取引所(HOSE/HNX):政府の休日日程に合わせて休場となるのが通例です。配当・権利確定・受渡(T+2)の日程は各取引所・証券会社の告知をご確認ください。
- 税関・物流:電子通関システム自体は稼働していても、現場の人員対応は限定的になりがちです。D/O切替、CYカット、港湾ゲートの締切は各オペレーターの告知を必ず確認してください。
- 許認可・登記:投資登録・企業登録、労働許可証の更新など行政手続は休暇前後に申請が集中します。期限が2月中旬に到来する案件は、1月中の申請完了を目安に逆算してください。
6. よくある質問(賃金・振替・通知期限 等)
Q1. テト期間中に勤務させた場合の割増賃金は?
祝日・テトの勤務には少なくとも300%の賃金を支払う必要があります。日給制の労働者には、これとは別に祝日分の賃金が支払われます(労働法第98条1項c号)。夜間(22時〜翌6時)の勤務はさらに30%以上、夜間の時間外勤務はさらに20%の加算が必要です(同条2項・3項)。
Q2. 振替休日に勤務させた場合の割増率は?
振替休日は「週休日の振替」であるため、週休日の勤務として少なくとも200%(同法第98条1項b号)とする解釈が一般的です。ただし、振替休日の勤務の割増率を正面から定めた明文規定はないため、当事務所では、トラブル防止の観点から、社内通知で振替日を特定したうえで、割増率の扱いを就業規則等で明確にしておくことを推奨しています。
Q3. 外国人(日本人駐在員)にも同じ休日が適用されますか?
ベトナムで労働契約を締結して就労する外国人労働者には、テト5日に加えて、自国の伝統的な旧正月1日と国家の独立記念日1日の休日が認められています(同法第112条2項)。日本人の場合の扱いは会社ごとに整理が分かれますので、就業規則で明確にしておくと安心です。
Q4. 社内通知はいつまでに必要ですか?
内務省の例年の案内では、使用者は選択した休暇日程を少なくとも30日前までに労働者へ通知することとされています。2027年は2月4日開始の場合、遅くとも1月5日頃までの通知が必要です。
7. 実務上の推奨対応(まとめ)
2027年のテトは、元日が土曜日にあたるため振替休日の扱いが例年以上に重要になります。①内務省の正式通知で選択肢を最終確認する、②原則として公的機関と同じ「年末2日+年始3日」(2/4〜2/10)を採用する、③振替休日の日付と出勤時の割増率を社内通知・就業規則で明確にする、④12月中に従業員へ周知し、金融・通関手続は1月中に前倒しする、という順序で準備を進めることをお勧めします。就業規則の改定や年休の計画付与、テト賞与の設計については、労務Q&A資料もご参照のうえ、お気軽に当事務所へご相談ください。
過去のテト休暇の運用は、以下のコラムもご参照ください。
情報ソース: 政府官房公文 10065/VPCP-KGVX(2026年10月2日付)/内務省上申書 10033/TTr-BNV(2026年9月11日付)・10137/TTr-BNV(2026年9月14日付)/労働法(法律番号45/2019/QH14、2021年1月1日施行)第98条・第111条・第112条・第113条/文化発展に関する国会決議(国会決議28/2026/QH16、2026年7月1日施行)/報道:Báo Thanh Hóa(https://baothanhhoa.vn/pho-thu-tuong-quyet-dinh-phuong-an-nghi-ngay-van-hoa-tet-am-lich-quoc-khanh-303960.htm)、VietNamNet(https://vietnamnet.vn/chinh-phu-dong-y-nghi-tet-dinh-mui-7-ngay-ngay-van-hoa-viet-nam-1ngay-2561220.html)、Đại biểu Nhân dân(https://daibieunhandan.vn/du-kien-nghi-le-van-hoa-viet-nam-4-ngay-tet-nguyen-dan-2027-trong-7-ngay-10430298.html)、Nông nghiệp và Môi trường(https://nongnghiepmoitruong.vn/de-xuat-hai-phuong-an-nghi-tet-dinh-mui-d824803.html)、当事務所調査
免責事項: 本記事の内容は2026年10月3日時点の情報に基づいています。民間企業向けの内務省通知など、制度の詳細は今後公表・変更される可能性があります。個別の案件については専門家にご相談ください。
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