【弁護士事務所解説】ベトナム入国時の注意点について【2026年最新】

2026年5月 最新更新 ベトナム入国ガイド

初版公開:2023年9月13日 / 最終更新:2026年5月15日 / CastGlobal Law Vietnam

ベトナムに入国する際に一般的に気をつけなければならない点について、ベトナムに駐在する日本国弁護士が最新情報に基づき整理します。2026年4月15日から開始されたプレアライバル申告制度、E-Visaの最新運用、ノービザ滞在ルール、税関申告、Autogate(自動入国ゲート)、ファストトラック、Grab利用時の注意点まで、これ1本でベトナム入国の全体像を把握できます。

📝 2026年5月の主要アップデート

プレアライバル申告制度開始(2026年4月15日〜・タンソンニャット空港)

・タンソンニャット出国Autogateが約2ヶ月間一時停止(システムアップグレード)

・ノービザ滞在期間:15日→45日に延長

・E-Visa:30日→90日に延長、複数回入国対応

・パスポート発給期間が3〜4週間に延長(2025年3月24日〜)

1. 渡航前の手続き

ビザ(査証)について

基本ルール:日本国籍の場合、45日以内の滞在かつ観光・短期出張目的であればビザ免除(ノービザ)で入国可能です。それを超える滞在、または報酬を伴う業務目的での渡航ではビザの発給が必要です。

ビザの種類について詳しくはこちらのコラムをご覧ください👇

【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について

電子ビザ(E-Visa)の申請

日本を含む80カ国以上が、オンラインで申請・決済できる電子ビザ「E-Visa」の発給対象です。

▍ E-Visaのポイント

・有効期間:渡航日より最大90日(2023年8月15日改正で30日→90日に延長)

複数回入国(マルチ)にも対応

・発行までに最低3営業日を要するため、余裕を持った申請が必須

・申請サイト:https://evisa.xuatnhapcanh.gov.vn/

ビザ免除措置(ノービザ)

以下の要件を満たす場合、日本国籍者はビザ無しで入国できます。

・ベトナム滞在期間が45日以内(2023年8月15日に15日→45日に延長)
・ベトナム入国時点でパスポートの有効期限が6ヶ月以上残っていること
・改正出入国法第21条に基づき入国禁止措置の対象になっていないこと

※ ノービザは原則として観光・短期商用が対象です。報酬を伴う業務目的での滞在はビザが必要です。

パスポート(旅券)の要件

ベトナム渡航には、渡航日から6ヶ月以上の有効期限を残したパスポートが必要です(E-Visa申請時も同様)。

⚠ パスポート発給期間に注意(2025年3月24日〜)

日本政府は2025年3月24日より、偽変造対策強化のため、人定事項ページにプラスチック基材を用いた「2025年旅券」の発給を開始しています。

これに伴い、海外の大使館・総領事館でのパスポート発給は3〜4週間を要するようになりました(従来は申請後3営業日)。これは旅券が日本国内で作成され、海外の在外公館まで配送される運用に変わったためです。

残存有効期間が1年未満の方は早めの切替申請をご検討ください。詳細は在ホーチミン日本国総領事館のお知らせをご確認ください。

プレアライバル申告(タンソンニャット空港利用時)

2026年4月15日より、ホーチミン市タンソンニャット国際空港において、外国人の入国に係る事前申告登録制度(Pre-Arrival Information)が開始されました。

事前にオンライン申告を完了することで、入国審査時にQRコードの提示のみで手続きが可能となります。事前登録者はAPECレーン(ファストトラック)に並ばせてもらえる運用も確認されており、大幅な時間短縮が期待できます。

✅ プレアライバル申告のポイント

・公式登録サイト:https://prearrival.immigration.gov.vn/

・無料・日本語対応・所要時間3〜5分

・入国の3日前(72時間前)から申告可能

・対象空港は現時点でタンソンニャット国際空港のみ

制度の詳細・最新運用状況については以下のコラムをご覧ください👇

タンソンニャット空港で「プレアライバル申告」制度が開始 ― 外国人の事前オンライン登録を推奨【最新版】

APECビジネストラベルカード(ABTC)

APEC加盟国・地域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするための特別カードです。

ABTCを保有している場合、入国時の審査ゲートが優遇されており、専用のAPECレーンから迅速に入国することが可能です。日本での申請は、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)ABTC班への郵送で行います。

詳細:

2. 入国に必要な持ち物

▍ 必須の持ち物

① パスポート:有効期限6ヶ月以上を残したもの

② ビザ(E-Visa等):報酬を伴う業務目的または45日以上の滞在の場合。E-Visaは必ず印刷して持参。ビザを提示しないとノービザ入国扱いとなり、滞在期間超過で不法滞在になるリスクあり

③ 往路航空券(半券):直近は提示を求められます

④ プレアライバル申告のQRコード:タンソンニャット空港利用時(2026年4月15日〜)

⑤ ABTCカード:APECレーン優先入国を利用する場合(アプリ表示可)

▍ 確認される可能性のあるもの

復路航空券または第三国への航空券:ノービザ入国者が対象。Eチケットを印刷して準備推奨

滞在先情報:ホテル名・住所が分かるよう準備

3. 到着空港での手続き

入国審査

到着後、イミグレーションカウンターで入国審査が行われます。

審査官にパスポート、往路Eチケット、ビザ(必要な場合)を提示します。「滞在期間」「滞在場所」「滞在目的」について口頭で確認されることがありますが、近年は省略される傾向にあります。審査通過後、パスポートに入国スタンプが押されます。

⚠ 入国審査の重要な注意点

① ビザの提示忘れに注意:ビザを取得していてもイミグレーションで提示しないと、ノービザ入国扱いとなります。ノービザ期間(45日)を超えて帰国時に不法滞在として処理されるリスクがあります。

② 滞在許可期限の確認:審査官がパスポートに記入する日付(日/月/年)が滞在許可の期限日です。ビザを取得し45日以上滞在する方は、その場で正しく記入されているか必ず確認してください。

Autogate(自動入国ゲート)の最新運用

タンソンニャット空港、ノイバイ空港、ダナン空港、カムラン空港、フーコック空港で、Autogate(自動入国ゲート)が運用されています。生体認証(顔認証・指紋)とパスポートスキャンにより、約30秒〜1分で入出国手続きが完了します。

対象者 入国Autogate 出国Autogate
ベトナム人(チップ付きパスポート) 利用可(登録不要) 利用可(登録不要)
外国人(TRC/PRC保持者) 利用不可 通常は利用可(事前登録要)
※タンソンニャットは2026年3月下旬〜約2ヶ月間一時停止中(システム改修)
外国人(観光・短期出張) 利用不可 利用不可

▍ Autogate登録の流れ(駐在員向け・参考)

① 登録(5分):パスポートとレジデンスカードを提示、全指の指紋を登録

② 登録後の待機(10分)

③ 電子ゲート通過(3分):パスポート、搭乗券、右手人差し指の指紋

※ 一度登録すれば次回以降は③のみ。荷物のセキュリティチェックは別途必要

注意:2026年3月26日以降、タンソンニャット空港の出国Autogateが約2ヶ月間一時停止されています。これはシステム新規導入・アップグレードのための一時措置で、廃止ではありません。期間中、Autogate登録済みの旅客(ABTC保持者、TRC保持外国人を含む)は、従来の手動カウンターで優先処理を受けられます。入国Autogateは通常稼働中(5基増設で能力強化)です。

税関検査

以下の物品は持ち込み・持ち出しが禁止されています。

・銃器
・骨董品
・爆発物
・麻薬
・ベトナム人のモラルに悪影響をもたらす写真、出版物、映像等
詳細:在ベトナム日本国大使館 出入国情報

外貨申告

以下の金額を超える現金・外貨を持って入国する場合、税関での申告が必要です。

▍ 申告不要の上限

・現金 5,000米ドル

・同額相当の外貨

1,500万ベトナムドン(VND)

上記を超える場合は、空港の税関係官に申告用紙を請求して申請します。

4. 空港到着後の注意点

外貨交換(両替)

ベトナムドン(VND)の為替の目安は、1 VND ≒ 約0.0058円(2024年9月時点)。日本円への概算は、VNDから「ゼロを3つ取り、6を掛ける」と簡単です。例:50,000 VND → 50×6 = 約300円。

両替は空港よりも街中のレートの方が良いのが一般的です。空港では必要最低限のみ両替し、メインは街中の両替所、金店、宝石店を利用するのがおすすめです。

▍ 各都市の代表的な両替所

ホーチミン:Quầy Thu đổi Ngoại tệ Eximbank 59
135 Đ. Đồng Khởi, Bến Nghé, Quận 1
Google Map

ダナン:Hiệu vàng Soạn Hà
121 Trần Phú, Hải Châu 1, Hải Châu
Google Map

ハノイ:QUANG HUY GEMSTONE & JEWELLERY
130 P. Hàng Bạc, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm
Google Map

※ レートは日々変動します。両替金額が間違いないか必ず現地で確認してください。

タクシー利用について

ベトナムでの移動手段は車タクシー・バイクタクシーが一般的です。支払いは現金が基本(ビナサンタクシー、マイリンタクシーではクレジットカード可)。料金表示は下3桁(000)が省略されています。例:「98」表示なら98,000 VNDの支払い。

⚠ 「白タク」(ぼったくりタクシー)に注意

空港出口付近のタクシー乗り場に向かう途中で話しかけてくるドライバーは、白タクの場合が多くあります。

正規のタクシー乗り場には、タクシー会社のユニフォームを着用したスタッフが配置されています。スタッフに声をかけて、乗るべきタクシーを指示してもらいましょう。

南部ホーチミン、中部ダナン、北部ハノイの主要空港におけるタクシー情報を整理します。

空港 タクシー会社 乗り場 中心地まで 料金目安
タンソンニャット(ホーチミン) VINASUN、MILINH 到着ロビーを出て左、Taxi Stand看板を直進 約30分 200,000 VND*
ダナン国際空港 VINASUN、MILINH、TIEN SA 到着ロビー正面(不在時は国内線ターミナルへ) 約15分 100,000 VND*
ノイバイ(ハノイ) Taxi Group、MILINH 到着ロビーを出て左 約40分 400,000 VND*

*別途、空港使用料として10,000〜15,000 VNDが請求されます。

VINASUN(ビナサン )

MAILINH(マイリン)

なお、近年はXanh SM(Vinグループ運営、水色の車体)のシェアが急増しており、こちらも信頼できる選択肢です。

xr:d:DAFRJHjsz8Y:4329,j:410228193191960385,t:23082314

配車サービスアプリ「Grab」

東南アジアで広く普及している配車アプリです。アプリは英語・中国語対応で、日本にいる段階で会員登録・クレジットカード登録が可能。出発地・到着地を指定でき、予約段階で料金が確定するため、ベトナム語ができなくても安心して利用できます。

 

Grab Japan(公式サイト)

⚠ Grab利用時の注意点

・雨の日はドライバーが捕まりにくくなります

・空港等では正規の乗車場所がない場合もあり、タクシーの方が便利なケースもあります

・乗車前に、本当に自分が予約した車かを必ず確認してください

・Grab予約を装って話しかけてくる白タクドライバーによる被害例があります

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 日本人は何日までノービザでベトナムに滞在できますか?

A. 観光・短期商用目的であれば45日以内です(2023年8月15日に15日→45日に延長)。報酬を伴う業務目的の場合はビザが必要です。

Q2. プレアライバル申告をしなかった場合、入国できませんか?

A. 現時点では未登録でも入国拒否にはなりません。ただし手続きに時間がかかり、APECレーン等の優先処理も受けられません。事実上の義務として対応することを推奨します。

Q3. E-Visaの有効期間と複数回入国は?

A. 2023年8月15日の改正により、E-Visaは最大90日有効・複数回入国可能となりました。

Q4. ABTCを持っているとどのレーンが使えますか?

A. APECレーン(ファストトラックレーン)が利用できます。また、タンソンニャットでは事前にプレアライバル申告のQRコードを提示することで、ABTCを持っていなくてもAPECレーンに並ばせてもらえる運用が確認されています(正式運用ではないため変更可能性高い)。

Q5. パスポートの残存有効期間が6ヶ月を切っています。入国できますか?

A. 入国できません。ベトナム入国時点で残存有効期間が6ヶ月以上必要です。2025年3月24日以降、海外大使館でのパスポート発給は3〜4週間を要するため、早めの更新申請をおすすめします。

Q6. 駐在員(テンポラリーレジデンスカード保持者)もプレアライバル申告は必要ですか?

A. 公式には明確な見解がありませんが、念のため事前登録しておくことを推奨します。登録は無料で3〜5分、デメリットはありません。

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お問い合わせ

ベトナムでのビジネス・出張・駐在に関する法務面でのご相談は、ベトナムに駐在する日本人弁護士・ベトナム人弁護士が在籍するCastGlobal Law Vietnamまでお気軽にお問い合わせください。

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情報ソース:在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館、ベトナム出入国管理局(Cục Quản lý xuất nhập cảnh)、Công văn số 1474/CACK TSN、Znews.vn、外務省、当事務所独自調査。
免責事項:本記事の内容は2026年5月9日時点の情報に基づきます。法令・運用は変更される可能性があり、個別案件については専門家にご相談ください。

CastGlobal

【執筆者】CastGlobal

ベトナムの法律事務所

ベトナムで主に日系企業を支援する弁護士事務所です。日本人弁護士・ベトナム人弁護士が現地に常駐し、最新の現地情報に基づいて法務面からベトナムビジネスのサポートをしています。

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