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ベトナム新投資法(2015年7月1日施行) 重要ポイント解説(3)

  • 2016.04.30
  • 投資
  • 投資一般・会社設立

【目次】 ベトナム新投資法(2015年7月1日施行) 重要ポイント解説(1) 1.はじめに 2.投資禁止分野及び制限付投資分野の明記 3.投資優遇 ベトナム新投資法(2015年7月1日施行) 重要ポイント解説(2) 4.外国投資家に関連する投資手続 ベトナム新投資法(2015年7月1日施行) 重要ポイント解説(3) 5.投資の形式 6.国会、首相、省の人民委員会の投資政策の承認を受ける投資プロジェクト 7.その他の変更点 8.2005年投資法と新投資法との関係   5.投資の形式 2005年投資法では、直接投資の形式として、以下を定めていました(2005年投資法第21条以下)。 ①国内投資家又は外国投資家...

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理美容業(床屋/ヘアーカット)のライセンスについて
目次1. 理美容業(Hair cut業)への外資出資に関する適法性2. 理美容業についての規制 ベトナムにおける理美容業の規制はあるのでしょうか。 この事業について、外国投資家に対する市場アクセスについてWTOコミットメントに誓約されていませんが、政令第31/2021/ND-CP号(政令第31号)付けの外国投資家に対する市場アクセス制限分野、業種リストに属しておらず政令第31号第17条4項a号によれば、外資企業がこの事業に出資することができると考えられています。 Web上の情報でも、すでにいくつかの日系企業はこのビジネスラインを持っています。 なお、2020年投資法第IV付録に従って、理美容業は、条件付き事業ではありません。 理美容業や理美容従事者の資格に関する規制を見つけませんので、特別な条件なしで理美容業の開業を行うことができると考えられます。 現状、日本と異なり個人に対する資格などもありません。
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2020年投資法の附録第IV号に規定されている条件付経営投資事業リストの変更 (保険法と映画法)
2020年公布の投資法(2021年施行)においては、一部の事業について条件付きであるとされており、その事業分野名が附録第IV号(以下に「附録第IV号」といいます。)に列挙されていました。 2022年公布の保険業法と同じく2022年公布の映画法が2023年1月1日より有効とされており、附録第IV号に規定されている条件付経営投資事業リストも変更されています。 具体的には、以下の表のとおりです。 附録第IV号に規定される旧規定 新規定 法的根拠 説明 第29項:保険仲介、保険補助活動 第29項:保険仲介 第29a項:保険補助サービス 2023年1月1日より有効となっている2022年の保険業法第155条 「保険補助活動」から「保険補助サービス」に変更されていますが、保険業法に規定される用語に統一するための用語の修正のみと考えます。 第192項:映画配給と映画普及のサービス 第192項:映画普及のサービス 2023年1月1日より有効となっている2022年の映画法第48条 2022年の映画法によれば、映画配給サービスが条件付経営投資分野ではなくなりました。(※) 映画配給とは、映画の交換、売買、賃貸、輸出入という活動です(2022年映画法第3条7項)。 映画普及とは、映画館、テレビシステム、サイバースペース、その他の視聴覚メディア等を通じて、視聴者に映画を配信することとされています(2022年の映画法第3条8項)。 ※映画配給について「条件付分野」から外されたましたが、改正映画法の第8.1条により映画配給サービスについて「外資系企業の出資比率は51%が限度とする」とされています。また、政令31/2021/ND-CP号付録I第B.1条ににより、同サービスは「外国投資家が条件付きで参入が認められる事業分野」に規定されています。 そのため、実際にはまだ外資系企業の参入のためにはベトナム資本の企業との合弁で行う必要があると考えられます。
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ベトナムの駐在員事務所について教えて下さい。
以下のコラムをご確認ください。 ベトナムの駐在員事務所について
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  • 2022.10.31
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支店と経営拠点の相違について
ベトナムに設立された法人が、ベトナム国内に拠点を設ける場合、支店という方法と経営拠点を設ける方法とがあります。 両者の相違について、以下簡易的に記載します。 内容 支店 経営拠点 行政手続 登録手続:申請書類が経営拠点の登録より多い(政令第01/2021/NĐ-CP号第31条1項に基づく) 閉鎖手続: 税務に関する手続:支店を閉鎖する前に、税務に関する義務を完了するために税務当局に登録することが必要。支店が従属支店ではなく独立支店の場合、発生する税務手続が多いですので、従属立採算に比べて複雑で手間かかる(同政令第72条1項に基づく)。 社会保険に関する手続:支店が労働契約を締結して、社会保険料をの納付する場合、閉鎖の際、社会保険との手続きを行うことが必要 そのため、支店の閉鎖手続きが経営拠点の閉鎖に比べて、複雑で、手間かかる場合が多いです。 登録手続:申請書類がより少ない (同政令第31条2項に基づく) 閉鎖手続: 税務に関する手続:経営拠点を閉鎖する前に、税務に関する義務を完了するために税務当局に登録することが必要。経営拠点は従属採算であり、会計手続は本社で対応しするため、発生する会計・税務手続は少なく、支店より簡易である。 社会保険に関する手続:経営拠点が労働契約を締結せず、社会保険料を納付しないため、閉鎖の際、社会保険との手続きは発生しない。 上記のとおり、経営拠点の閉鎖手続きが支店の閉鎖に比べて簡易になっています。 活動の範囲 本社の事業内容に従って活動する。 本社の委任代表であり、労働契約、取引契約などの契約を締結できる。 (2020年企業法第44条1項に基づく) 本社の事業内容に従い活動する。 本社の委任代表ではなく、労働契約、取引契約などの契約を締結できない。 (2020年企業法第44条3項に基づく) 会計制度 本社との独立採算又は従属採算を選択できる。 本社の従属採算制度である。
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  • 2021.09.20
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ベトナムにおけるビジネスライン(VSICコード)と事業活動について教えてください。
ベトナムにおいては、その営業活動に当たってVSIC(Vietnam Standard Industrial Classification)コードの登録が必要となります。VSICコードは企業がどのような事業活動を行うか申告し登録するもので、VSICコードの詳細については、決定27/2018/QD-TTg号(以下、「決定27号」といいます)に記載されています。 これに加えて外資企業はCPC(Certificate of Professional Competence)コードの登録が必要となります。 CPCコードとは、ベトナムがWTO(世界貿易機構)に加盟する際にした、サービス分野に関して外国投資家に対して一定の市場開放をする旨のコミットメント(通称「WTOコミットメント」といわれるものです)中で使われている番号のことです。 なお、設立の際のVSICコードや、CPCコードの登録については、下記のJETROが作成した「ベトナム拠点設立マニュアル」に有益な情報が記載されていますので、そちらもご覧になって下さい。 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ed272f032fec21e9/vn_manual201811.pdf 本稿では、設立後に会社が行う事業と上記のVSICコードとの関係について記載いたしますので、設立時のVSICコードとCPCコードの登録に関わる記載は上記の資料等をご確認下さい。以下でいうビジネスラインは原則としてVSICコードのことを指します。   特にローカルの会社においては、必ずしもビジネスラインに則って事業活動を行っていないのが現状です。外資に対しても現状のところ摘発事例は多くなく、登録していない事業活動を実施することにそれほど抵抗感がない方もいるかもしれません。 しかし、登録していないビジネスラインに関わる事業活動を行うことは法律的には違法となります。会社組織の場合、登録されていない事業活動に従事している場合、3000万から4000万VNDの範囲で罰金を科される場合があります(政令50/2016/ND-CP号第13条第5項)。 現状こちらの罰金はそれほど科せられていないようですが、より現実的な事項として会計処理の問題があるようです。 すなわち、登録していないビジネスラインに関わる事業活動については、登録されていない事業活動に関わる費用を損金として処理できないことがあり、罰金よりもこちらの方が問題として顕在化する場合が多いとの印象があります。   会計処理を行うため、契約等の名目を登録されているビジネスラインの範囲内にする場合も散見されます。例えば、本当は別のサービスの提供をしているのに、コンサルティング契約とするような場合です。最後にこの場合に内在する問題点について記述しようと思います。 民法(91/2015/QH13)第124条は、別の民事取引であることを隠ぺいするために、別の取引を装った場合、当該取引は無効になると規定されています。したがって、ビジネスライン外の事業を実施する際、会計処理のために別契約を締結することも行われていますが、相手方の都合が悪くなった場合に当該契約の無効を主張されるリスクがあります。この点は十分注意が必要となります。   以上のとおり、原則として登録していないビジネスラインに関わる事業を行うことは違法であり、罰金を科せられたり、当該事業に関わる損金について会計処理できない等の問題が生じ得ます。会計処理の問題をクリアにするために、別名目の契約を締結する場合がありますが、この場合は契約の無効を主張されるリスクが内在します。 現状はビジネスラインに関わる摘発は厳しく行われていませんが、今後はこの状況が変化する可能性もあります。また上記のようなリスクも存在します。新規のビジネスラインの登録には費用や時間がかかる場合もありますが、繰り返し行う事業活動については、適切なビジネスラインを取得しておくことが推奨されます。
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  • 2021.01.05
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ベトナムにおけるフランチャイズビジネスに関わる法規制
ベトナムにおいては、例えば外資企業特有の規制として、小売り事業におけるエコノミックニーズテスト(Economic Needs Test(以下、「ENT」といいます))があります。これは、小売店舗の出店に関して、二店舗目以降の小売店舗開店の可否について経済需要に応じて個別的に判断されるというものです。当 該エコノミックニーズテストの内容(基準)は必ずしも明確でないため、二店舗目以上の店舗を展開したい場合にこのENTがビジネス上の障壁になる場合があります。 また、投資証明書(Investment Registration Certificate)の取得手続きはやや煩雑で、時間を要する場合もあります。 このようなビジネス上の障害を回避するため、ベトナムにおけるビジネス展開の方式としてフランチャイズが選択されることがあります。 フランチャイズ方式であれば、ベトナムに子会社を設立せずにベトナムでビジネスを展開することができます。 フランチャイジーがベトナムローカル企業である場合には、上記のような外資企業に関わる規制を回避することができます。 政令35/2006/ND-CP号(政令120/2011/ND-CP号、政令08/2018/ND-CP号により一部が修正されています。以下「政令35号」といいます)5条により、ベトナムにおいてフランチャイズ事業を行うためには、フランチャイザーが当該事業を過去に1年以上行っていたことが必要です(政令35/2006/ND-CP号5条。当該政令は、政令120/2011/ND-CP号、政令08/2018/ND-CP号により一部が修正されています。以下当該政令を「政令35号」といいます)。 ベトナム国外からフライチャンズ事業を実施する場合には、事業の開始前にフライチャンズの登録が必要となります(政令35号17条)。この登録は商工省へ行います。   フランチャイズの登録に当たっては、商工省に対して、フランチャイズ事業の内容を説明する文書の提出が必要とされます(政令35号19条)。 フランチャイズ事業の内容を説明する文書の内容については、通達09/2006/TT-BTM号(以下、「通達09号」といいます)別紙3にその詳細が規定されています。以下にその主要な内容を記載します。 ・フランチャイザーに関する一般情報(名称、本社の住所、連絡先、設立日等) ・ブランド名、知的財産権の内容 ・フランチャイズ料等、フランチャイズに要する費用 ・フランチャイザーの義務 ・フランチャイズに関わる契約 上記の内容に変更がある場合には、当該変更が生じた日から30日以内に、変更内容を商工省に通知する必要があります。   上記のようにベトナムにおいてフランチャイズ事業を選択するメリットは種々あります。 しかし、フランチャイズビジネスにおいては、フランチャイザーにより自社ブランドを毀損されるリスクがあるところ、ベトナムにおいてはブランド価値についての理解が日本よりも希薄です。そのため、ベトナムでフランチャイズビジネスを展開する上では信頼できる事業パートナーの存在が不可欠となってきます。
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  • 2020.11.24
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2021年施行の投資法・企業法の重要点を教えて下さい。(期間限定公開)
目次■2021年施行 ベトナム新投資法・企業法の重要ポイント第1.投資法1.規制分野、優遇分野に関する変更2.    外国投資家の資本比率変更に関する規制第2. 企業法1.    現物出資の期限の調整2.    社印の事前通知義務の削除3.    有限責任会社における変更点4.    株式会社における変更点■終わりに 2020年6月17日、投資法(以下「新投資法」といいます。)及び企業法(以下「新企業法」)がベトナム国会で可決され、2021年1月1日から施行されます。新投資法・新企業法は2014年公布・2015年7月1日施行の現行法(以下「2014年投資法」「2014年企業法」といいます。)に代わって施行されるものであり、重要な変更もあるため、主要な変更点について解説します。   そもそも投資できる分野・業種なのかについて、投資法は根幹の規定となりますが、その点について全体としては若干緩和、明確化される方向となっています。 ①    条件付き投資分野リストの調整・減少 新投資法により、債権回収サービス事業は条件付き投資分やから禁止分野リストに変更されました。ベトナムでの条件付き投資分野(投資に関して一定の条件が課される分野)に関して、新投資法は以下、24の事業を廃止し、8の事業を追加しました。このため、これまでは243事業だった条件付き投資分野は、227事業となります。たとえば、フランチャイズ事業や物流事業などが条件付き投資分野から削除されており、外資系企業にも影響が出そうです。 ただし、実際に廃止される分野についての運用は個別法が出ないと変わらない可能性が高いですので、今後の法令の改正を確認していく必要があります。 廃止される分野 追加される分野 1. 債権回収サービス事業 2. 商事仲裁組織のサービス活動 3. 債権取引サービス事業 4. 液化石油ガスボンベ(LPGガス ボンベ)の生産・修理事業 5. フランチャイズ事業 6. 物流事業(Logictics Servics) 7. 不動産仲介・不動産取引所の運営管理に関する知識の教育、トレーニングサービス 8. マンションの運営管理業務に関する専門的知識の教育、トレーニングサービス 9. 外国の組織・個人により行われる都市計画の作成・コンサルティングサービス 10. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の取引に関する条約(CITES)の付録に記載されていない、野生の、絶滅寸前の、貴重な、希少な各種動植物の生殖、育成、人工植 11. 商業目的のための開拓,使用が制限された森の植物,森の動物の事業 12. HIV 検査サービス事業 13. 人の身体の組織バンクサービス業 14. 生殖支援、精子の維持、胎芽の維持サービス事業 15. 伝染病を引き起こす微生物の検査サービス事業 16. 予防接種サービス事業 17. アヘン性物質中毒の、他の薬による、治療サービス事業 18. 代理出産サービス事業 19. 医療省の専門分野管理の領域に属する食品事業 20. 医療用具の分類組織活動 21. 医療用具の検定サービス事業 22. オートバイ利用者のヘルメットの製造業 23. 大衆向け広告を通じた商品の紹介サービス 24. 有害廃棄物管理サービス事業 1. 清浄水(生活用の水)事業 2. 建築サービス 3. データセンターサービス事業 4. 電子識別,認証サービス事業 5. 輸入メディア発行サービス事業 6. 漁船の検査 7. 漁船の乗組員の訓練、育成 8. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の取引に関する条約(CITES)の付録 及び絶滅危惧,貴重,希少な野生動植物,水産物の目録に属する動植物の標 本の加工、取引、運搬、宣伝、展示、保存。 ②    投資優遇分野・対象・適用形式の調整 また、2014年投資法と比較して、新投資法は、以下のとおり何らかの投資優遇分野・対象を追加しました。たとえば、障害者雇用のプロジェクト、創造的スタートアップ投資プロジェクト、中小企業の物流チェーン経営投資などについて優遇が追加されています。 優遇の内容としては、従来同様の企業所得税の免税・減税などの税務上の優遇措置、輸入税の免除、土地使用料等の減免のほか、短期の減価償却や控除可能な費用の増加なども挙げられています。 ③    外国投資家に対する市場参入制限分野リストの公表 この①−③に加え、新投資法9条により、政府は、各種法令・条約などに基づき、外国投資家に参入を記載する分野を別途明確に規定することとされました。この規制の対象は、(a)市場参入が認められない分野と、(b)市場参入が条件付きとされる分野が含まれることとなります。これまでは、WTOコミットメントなど各種の個別の文書を参照して規制を確認することが必要でしたがが、明示されることになりそうです。 この点は、外国投資家にとっても、これまで調査しづらかった規制の理解に寄与すると考えられます。   これまで2014年投資法の下では、「外国投資家の出資比率がベトナム国内経済組織の51%以上になる場合」に、M&A承認と呼ばれる外国投資家の出資条件を審査する手続が必要とされていた。一方、新投資法では、この手続について「51%以上」から「50%を超える」場合に変更されました。 また、従前は実務上51%を超える外国投資家比率のある企業については、同じ比率で出資者が変更される場合であってもM&A承認が必要とされていました。しかし、新投資法では、保有比率が従前から増加しない場合にはM&A承認が必要とされないことが明確となりました。 この点は、M&A承認が必要な場面が少なくなったという点において、外国投資家にとっても重要な変更点となっています。一方で、外国投資家が条件付き投資分野に投資する場合には、上記比率にかかわらずM&A承認が必要とされていますが、この点の変更はありません。   2014年企業法では、企業登録証明書の発行日から90日以内にすべての種類の出資を完了するものとされていました。この点、新企業法では、出資財産を運送、輸入し、又はその財産の所有権移転のための行政手続を実施する時間を含まないと明確化されました。   2014年企業法では、企業は、社印の使用前に社印の印影を経営登記機関に通知する義務を負っていましたが、新企業法ではこの通知の必要性がなくなりました。これも含め、新規業法では各種手続の電子化が想定されています。現状、ベトナムの各種行政手続の電子化は遅れていますが、新企業法下で電子化やそれに伴う手続の迅速化が加速することが期待されます。   ベトナムでは3人(社)以上の株主を必要とする株式会社ではなく、有限責任会社が一般的であり、新企業法でも同様です。2014年企業法において各社の法定代表者は複数定めることができるようになっていたものの、その役職については特に明確に規定されていませんでした。これに関して、新企業法では、一人の法定代表者は、社員総会の会長、社長又は総社長でなければならないとされました。その他、細かい点が多く修正されていますが、紙面の関係上省略します。   ①    少数株主保護 株式会社においても、大枠は変わらないものの細かく修正されています。特に少数株主の権利は変更されており、新企業法は、株主総会の招集の請求、監査役会に対し会社の管理運営活動に関わる検査の請求、また株主総会の決議の取消請求の保有比率を「10%」から「5%」に減少しており、かつ、「6ヶ月間以上継続」という保有期間を廃止しています。また、取締役会の決議の停止・取消の訴訟提起に関する「1年間」の保有期間要件(比率は特に制限なし)、会長・社長・取締役へ会社を代表する損害賠償請求を起こす保有期間である「6ヶ月」の保有期間要件(1%の保有比率は同様)はいずれも削除されました。。 ②    監査委員会会長の要件の緩和 2014年企業法において会計士又は監査人である必要があるとされていたため、選任が難しい場合もあった監査役会会長について、新企業法では、経済・財務・会計・監査・法律・経営管理又は企業経営に関する専門分野で大卒以上の証明書を付与された者とされており、資格の限定がなくなりました。   以上に記載した以外にも新法として様々な部分に変更のある投資法・企業法ですが、ベトナムでの他の法分野と同様、今後出される下位法令や実務上の運用によって、実際は大きく変わってくる可能性もあります。引き続き、このような情報に注視が必要です。
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  • 2020.07.07
  • 投資一般・会社設立
電子ゲームサービス事業(スマホゲーム含む)のライセンス規制について教えてください。
目次1. 法的根拠2. 外資制限3. インターネット上の電子ゲームの分類及びそれぞれの各類に応じるライセンス3.1電子ゲームの分類(政令72号31条参照)3.2それぞれの各分類に応じるライセンス(政令72号31条1項2項参照)4. ライセンス取得の条件 ①    ベトナム社会主義共和国と WTO の各加盟国の間のサービス関係の合意一覧表であるWTOコミットメント(以下「WTOコミットメント」という) ②    政令27/2018/ND-CP により修正されたインターネット上の情報及びインターネットサービスの管理、供給及び使用をガイダンスする政令72/2013/ND-CP(以下「政令72号」という) インターネット上の電子ゲームサービス提供の事業(以下「本件事業」という)については、外資企業が本件事業のライセンスを持っているベトナム国内企業と合弁で事業を行うことができるのみである。 外資比率は合弁会社の定款資本の49%を超えてはならないとされている。 (WTOコミットメント及び政令72号31条4項参照) インターネット上の電子ゲームでは、以下の4つ類に分けられている。 ①        G1ゲームとは、企業のゲームサーバーシステム(Game Server System) を通じて複数のプレイヤーとの間の相互作用があるものである。 ②        G2ゲームとは、企業のゲームサーバーシステムとのプレイヤ―の間の相互作用のみがあるものである。( 即ち、プレイヤーの間の相互作用がないとのこと) ③        G3ゲームとは、複数のプレイヤーとの間の相互作用があるものだが、企業のゲームサーバーシステムとのプレイヤ―の間の相互作用はないものである。 ④        G4ゲームとは、インターネットからダウンロードされ、複数のプレイヤーとの間の相互作用と企業のゲームサーバーシステムとのプレイヤ―の間の相互作用がないものである。 G1ゲームの提供の場合:情報通信省(Ministry of Information and Communication)によって発行された(ア)電子ゲームサービス提供ライセンスと(イ)各電子ゲームの脚本・コンテンツ承認決定書が必要 G2, G3, G4ゲームの提供の場合:(ウ)情報通信省によって発行された電子ゲームサービス提供登録証明書及び(エ)情報通信省への各電子ゲームのサービス提供を報告することが必要 (ア)  電子ゲームサービス提供ライセンス取得の条件(政令72号32条参照) –           ベトナム法の規定に従って成立され、インターネット上の電子ゲームサービスの事業を有する営業登録証明書(ERC)を有する法人でなければならないこと。 (具体的な事業コード:9329(他のエンタメ活動、詳細:電子ゲームサービスの提供) –           ゲームサービスの提供へ使用するためのドメイン名を登録したとのこと。 –           インターネット上の情報セキュリティを確保すること。 –           以下の条件を満たす電子ゲームサービスを提供するシステムがあること。 プレイヤーの個人情報の保管と更新の機能がある。 ベトナムに設置され、ベトナムで支払いサービスを提供する企業と接続され、支払い条項の正確かつ十分な更新と情報の保存が確保され、プレーヤーが支払いアカウントの詳細を検索できるような支払いシステムを有する。 24時間、ゲームをしている時間が管理でき、18歳未満のプレーヤーがG1ゲームをする合計時間が24時間以内で180分を超えないように管理ができる。 広告、ゲームの紹介又は電子ゲームの提供の際、企業が提供する全ての電子ゲームに対して、年齢に基づく電子ゲームの分類結果を継続的に表示すること。 「1日180分以上のゲームをしたら、健康に大きな害を及ぼします」旨のゲームのフォーラム上で目立つ位置やプレイ中のデバイス画面で警告がある。 システムに障害が発生した場合に安全性を維持するための機器や接続に関する予防案、及びデータベースを保存するための案があること。 安全、情報セキュリティ、プレイヤーの個人情報の機密性を確保するための施策がある。 人員数:電子ゲームを管理する人員が最低1人は確保されていること。 (イ)  各電子ゲームの脚本・コンテンツ承認決定書取得の条件(政令72号32c条参照) –           最低1年間の残り期限のある電子ゲームサービス提供ライセンスを有すること。 –           政令72号の規定と適合する年齢に基づく電子ゲームを分類する結果があること。 –           各電子ゲームの脚本・コンテンツには、下記の内容がない。 電子ゲームの内容には、政令72号5条1項に定める反政府、ベトナム公安に損害を与える、テロ行為・戦争宣伝、民族・宗教衝突等のような禁止される内容。 殺人、拷問、暴力、欲望の扇動、ポルノ、国の倫理的および文化的伝統と慣習に違反、歴史的伝統の歪曲と破壊、領土主権とその完全性の侵害、自殺扇動、 薬物やアルコール、喫煙、ギャンブル、テロリズム、虐待、女性や子供の人身売買、その他の有害または禁止される内容。 政令72号32c条2項に定めるプレーヤーのアカウントを管理するための対策がある。 (ウ)  情報通信省によって発行された電子ゲームサービス提供登録証明書(政令72号33条参照) –       ベトナム法の規定に従って成立され、インターネット上の電子ゲームサービスの事業(9329事業コード)を有する営業登録証明書(ERC)を有する法人である。 –       インターネット上のサービス提供である場合、サービスの提供へ使用するためのドメイン名を登録したこと。 –       運営規模に敵する財務、技術、人事を有すること。 –       インターネット上の情報セキュリティを確保すること。 –       支払いシステム(ある場合)がベトナムに設置され、ベトナムで支払いサービスを提供する企業と接続され、支払い条項の正確かつ十分な更新と情報の保存が確保され、プレーヤーが支払いアカウントの詳細を検索できるように設定されること。 –       ゲームサービスの品質とプレーヤーの利益を保証するための施策がある。 –       情報の安全性と情報セキュリティを確保するための対策がある。 (エ)  情報通信省への各電子ゲームに対してのサービス提供の報告(政令72号33đ条参照) G2,G3,G4ゲームを正式に提供する日からの30日営業間前に、企業は Authority of Broadcasting and Electronic Information (ABEI) に通知書(政令72号の様式21)を送付しなければならない。この通知書は直接、郵便又はオンラインによるABEIへ提出されることができる
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  • 2020.02.21
  • 投資一般・会社設立
支店開設に必要な書類等を教えてください。
一般的に、支店を設立する際に必要となる書類・提出先・期間は以下のとおりです。 a.            支店開設申請書(通達第20/2015/TT-BKHDT号の第II.11様式) b.            支店開設に関する社員総会の決定書(サンプルあり) c.             支店開設に関する社員総会の議事録書(サンプルあり) d.            支店長補任に関する決定書(サンプルあり) e.            企業登録証明書(ERC) 及び投資登録証明書(IRC)の写し f.              書類の提出及び受領に関する委任状 様式・サンプルについて必要な場合は、弊所にお問い合わせください。