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- 2023.03.02
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【訪日ビザ2:企業内転勤】ベトナムで採用した従業員にデスクワークを内容とした研修を受けさせたい
日本国内において外国籍の従業員が研修を行う場合、殆どのケースで在留資格を取得する必要があります(出入国管理及び難民認定法第二条の二)。 これが、前回コラムでお話しさせて頂いた大前提です。 前回コラムはこちら↓ 【訪日ビザ1】ベトナムで採用したベトナム国籍の従業員に日本本社で研修を受けさせたい場合の査証(ビザ)について 前回、報酬、雇用、研修内容に着目して訪日ビザを分類しました。 報酬の発生 雇用契約 研修内容 企業内転勤 〇 本国又は日本法人 デスクワーク 研修 ×(実費の範囲においてのみ可) 本国 デスクワーク 技能実習 〇 日本法人 単純労働を含む実務的な作業 企業内転勤は上記のとおり、報酬の支払いが発生し、かつ研修内容がデスクワークの場合に限定して取得するビザになります。 特徴しては「研修内容がデスクワークに限定される事」「転勤・赴任・出向等海外の子会社や関連会社との人事異動が想定されている事」という点が挙げられます。また、上記3種の在留資格中、唯一最長5年の在留資格が設定されている点も特徴的です。(出入国管理法別表第二) 企業内転勤はデスクワーク人材の一時的な人事異動等の場合に取得するのが一般的です。 来日する人材について学歴は問われませんが、1年以上の転勤元企業での継続した就労実績が求められます。⦅出入国管理法別表第三(第六条、第六条の二、第二十条、第二十一条の四、第二十四条関係)⦆ ・デスクワークのみに業務内容が限定される事 企業内転勤で従事する業務内容は学問的・体系的な知識を要するデスクワークが想定されています。これは在留資格技術人文知識国際業務と同様の業務内容と表されています。⦅出入国管理法 附 則 (令和四年一二月九日法律第九七号) 抄、別表第一の二⦆尚、研修の内容にOJTが含まれる場合はビザが取得できない可能性がありますので注意が必要です。 ・在留期間更新申請時に国内での納税義務を果たしているか問われる事 現地法人から直接給与を受け取っている場合確定申告が必要な可能性がありますので注意が必要です。納税証明書を期間更新の際に提出する必要が有ります。 企業内転勤は申請人本人の学歴も要しませんし、辞令に応じた在留期間ではありますが、期間更新を受ける事で長期間滞在し研修を受ける事も可能です。しかしながら、単純労働を前提とした研修には対応出来ません。従って、上記注意点を踏まえた上で研修内容を精査し、雇用形態や研修スケジュールが合致する場合においてのみ企業内転勤のビザを選択するべきだと言えます。 次の記事: 【訪日ビザ3:研修ビザ】ベトナムで採用した従業員に現業を含む内容の研修を受けさせたい 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい
会員制Q&Aサイト「Vietnam Legal Online」アップデートのお知らせ
CastGlobal Vietnam Co., Ltd.では、ベトナムでの法務等で生じる疑問について整理したQ&A「Vietnam Legal Online」を更新しており、顧問先や会員企業に公開しております。 この度、Q&Aサイトのデザイン刷新、モバイル対応、その他全体の機能改善を行いましたのでお知らせ致します。 1週間のお試しIDの発行も行っています。 なお、データベースシステム自体も更新しており、一部の会員の方のパスワードですとログインできない事例が生じております。お手数ですが、会員でログインできない方は、 info-v@castglobal-law.com または弊社担当者までご連絡ください。
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- 2023.02.06
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【訪日ビザ1】ベトナムで採用したベトナム国籍の従業員に日本本社で研修を受けさせたい場合の査証(ビザ)について
日本国内において外国籍の従業員が研修を行う場合、殆どのケースで在留資格を取得する必要があります(出入国管理及び難民認定法第二条の二)。これは、ベトナムで雇用関係にある従業員が日本に入国する場合においても同様です。 在留資格を取得する必要があるかどうかは日本国内で想定されている研修内容に拠ります。 例えば商談や展示会への出席、オリエンテーションの様な限定された研修内容であれば日本国内での在留資格を取得することなく、短期滞在ビザで研修を行う事も考えられます。 短期滞在ビザで研修を行うのは特定のケースしか想定されませんが、ポイントしては「報酬の受け取りが発生しない事」「受け入れ法人が研修を通して利益を得ていない(成果物等を介して)事」という点が挙げられます。又、その短期滞在ビザでの滞在期間は90日を超える事は出来ません。(出入国管理及び難民認定法別表第二)。 従って外国籍従業員が研修を行う場合には在留資格を取得するのが一般的です。 研修に対応する在留資格は、「企業内転勤」、「研修」、「技能実習」等が想定されます。その他「技術人文知識国際業務」も考えられますが、長期滞在を想定した在留資格ですのでで、帰国を前提とした研修とすると使い勝手の点で劣ります(出入国管理及び難民認定法別表第一(第二条の二、第二条の五、第五条、第七条、第七条の二、第十九条、第十九条の十六、第十九条の十七、第十九条の三十六、第二十条の二、第二十二条の三、第二十二条の四、第二十四条、第六十一条の二の二、第六十一条の二の八関係))。 在留資格の用途から大別すると「企業内転勤」「研修」はデスクワーク、「技能実習」は実務作業を行う事が在留資格上認められます。それぞれメリットデメリットを踏まえて在留資格の選択方法について解説します。 「企業内転勤」、「研修」、「技能実習」を報酬の有無、雇用契約の主体、研修内容に分けると以下のとおり大別されます。 報酬の発生 雇用契約 研修内容 企業内転勤 〇 本国又は日本法人 デスクワーク 研修 ×(実費の範囲においてのみ可) 本国 デスクワーク 技能実習 〇 日本法人 単純労働を含む実務的な作業 企業内転勤、研修、技能実習で各々契約の形態や報酬の支払い方法が変わってくる事が見て取れるものと思います。 例えば単純労働を前提とした研修であれば技能実習しか選択肢が無い事になりますし、デスクワークが前提でかつ給与を支払うのを前提とした研修とするのであれば企業内転勤しか選択肢は無いという事になります。(平成二年法務省令第十六号出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令) また、研修の在留資格は、報酬の支払いは不可となりますが、実費を超えない範囲であればこれは支給しても問題はないと考えられています。例えば宿泊費、食費等滞在中の日常生活に必要な費用は支給して問題ありません。 したがって、研修内容を精査し、雇用形態や研修スケジュールを綿密に兼用した上で在留資格を選択する必要があると言えます。 ※次回以降、各在留資格についてそれぞれ取得の流れや注意点について比較検討していきます。 【訪日ビザ2:企業内転勤】ベトナムで採用した従業員にデスクワークを内容とした研修を受けさせたい 【訪日ビザ3:研修ビザ】ベトナムで採用した従業員に現業を含む内容の研修を受けさせたい 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい
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- 2023.02.02
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【ベトナム労務】労働者が退職時に行うべき会社側の手続について
ベトナムにおける労働契約の終了事由については、法律第45/2019/QH14号(以下「労働法」といいます。2021年1月1日施行。)第34条に規定されています。このうち主な終了事由としては以下のものを挙げることができます。 労働契約期間の満了 両当事者の合意 懲戒解雇処分 片方当事者からの一方的解除 (その他の終了事由については、労働法第34条をご確認下さい。) 原則として、会社は労働契約の終了に当たって、労働契約の終了を通知する必要があります(労働法第45条第1項)。労働契約期間満了や合意による終了の場合は、特に通知についての期限は規定されていません。そのため、契約終了日までに通知すれば足りると解します。 法律上定められる一方的な解除事由(後述)がある場合、労働契約の一方的な解除が可能となります。 会社による一方的解除の場合、事前の通知が必要になる場合があります。 事前の通知が必要な場合は、労働契約の期間に応じて、以下の法定通知期間が設定されています(労働法第36条第2項)。 無期労働契約:45日以上前 12か月以上36ヶ月以下の有期労働契約:30日以上前 12か月未満の有期労働契約:3営業日以上前 なお、以下に記載する解除事由が無断欠勤の連続等の場合には、そもそも連絡を取ることが難しい状況になってしまっているので事前の通知は不要です。 また、懲戒解雇の場合は特殊な手続となるため、4を参照ください。 理由なく5営業日以上連続して無断欠勤があった場合や、労働者が定年に達した場合(契約により定年後も雇用する内容となっている場合は解除事由となりません)などには会社は当該労働者との契約を一方的に解除できます。 他にも会社が定めた業務評価基準に達しない場合や、長期の治療によっても疾病等から回復しない場合も会社からの一方的解除事由となります。もっとも、この場合事前に詳細な業務評価基準を定めておくことや、疾病等から回復しないことについて医師などの専門家による書面が必要と考えます。 その他の一方的解除事由については、労働法の第36条をご確認ください。 職場において窃盗や横領、暴力行為によって他人に傷害を負わせる、その他会社に重大な損害をもたらす行為をした場合など(詳しくは労働法第125条をご確認下さい)は、一定の手続きを踏むことにより当該労働者を懲戒解雇することができます。 懲戒手続きを行なうためには、当該従業員の弁明等を聞くため、聴聞に相当するような手続(便宜上以下「聴聞会」といいます)を実施する必要があります。大まかな手続きは以下のとおりです(政令第145/2020/ND-CP号(以下「政令第145号」といいます)第145号第70条)。 ① 会社は、聴聞会が開催される少なくとも5営業日前までに、懲戒の対象となる従業員(以下、「対象従業員」という)およびその弁護人(いる場合)に対して、聴聞会の時間と場所、対象従業員の氏名(フルネーム)、違反の内容を通知しなければなりません。会社は、聴聞会の実施前に対象従業員およびその弁護人(以下、これらの人物を総称して「参加者」といいます)が当該通知を受け取ったことを確認します。 ② 参加者は、①の通知を受け取った場合、聴聞会への出席について会社に連絡しなければなりません。もし参加者のいずれが聴聞会に参加できない場合、会社と対象従業員は、聴聞会の日時または(および)場所の変更について合意します。当該変更についての合意ができない場合は、会社は当該場所と日時について最終決定を下すことができます。 ③ 会社は、参加者への上記の通知または変更についての合意に従い、聴聞会を開催します。聴聞会当日に、参加者の出席が確認できない場合であっても会社は聴聞会を開催し、実施することができます。 ④ 聴聞会の議事録は、聴聞会が終了する前に作成され承認されなければなりません。当該議事録には、参加者の署名がなされなければならない。参加者が署名を拒否する場合には、当該拒否者の氏名(フルネーム)と拒否の理由を議事録に記載します。 ⑤ 懲罰について権限を有する者は、法定の期間内に懲罰についての決定を下し、当該決定について参加者に通知しなければなりません。 上記の手続きを踏まない等、懲戒処分の手続に違反があった場合、懲戒処分が無効となり、違法な労働契約の解除として扱われる可能性があるので注意が必要です。 懲戒事由については以下の原則が適用されます。 使用者は、懲戒事由についての従業員の故意・過失を立証しなければなりません(労働法第122第1項a号)。 懲戒処分の対象となる従業員(以下「対象者」といいます)が労働組合の構成員である場合、当該所属する労働組合には、懲戒処分(聴聞会)への参加権限があります(労働法第122第1項b号)。 対象者は弁護士または労働組合に弁護を依頼する権利があります(労働法第122第1項c号) 。 懲戒処分の対象となる行為が一つの場合、複数の懲戒処分を行う(たとえば、譴責と降格を同時に行う)ことは認められていません(労働法第122第2項) 1人の労働者が一時に複数の懲戒処分の対象となる行為を行った場合、もっとも重大な違反となる行為に対して最も重い形式のみが適用されます(労働法第122第3項)。 したがって、懲戒処分を行うに当たっては、会社は十分な証拠集めを行っておく必要があります。 原則として契約終了から14営業日以内に、会社はすべての金銭等を労働者に支給する必要があります(労働法第48条第1項柱書)。通常想定されるのは以下のものとなります。 1)給与 未払いの給与があれば、これを支給する必要があります。 2)未消化の有給 退職する労働者に未消化の有給がある場合、会社はこれを買い取れなければなりません(労働法第113条第3項)。 未消化の有給については、退職時の前月の給与を基準として1日あたりの給与額を算定し、これに未消化の有給の日数を乗じた金額を支給する必要があります(政令第145号第67条第3項)。 3)退職手当 労働者が12か月以上の勤務実績がある場合には、懲戒解雇による退職の場合を除いて、1年につき半月分の賃金に相当する退職手当を支給しなければなりません(労働法第46条第1項)。前記の半月分の給与とは退職前の6ヶ月分の給与の平均額を基準として算定されます(労働法第46条第1項)。 この点、失業保険の加入(納付)期間は、退職手当を算定するための期間から控除されます(会社法第46条第2項)。そのため、会社が適切に社会保険に関わる手続きを行なっている場合は、高額の退職金を会社が負担する必要はありません。 試用期間について社会保険の加入手続きを行なっていなかった場合、女性の労働者について産休を取得した場合現行法上では社会保険の納付ができないので、これらの期間がないか労働者の社会保険の加入状況を確認する必要があります。 また、退職者が外国人労働者である場合(かつ12か月以上の勤務実績がある場合)、外国人はベトナムの失業保険の加入対象でないため、法令上は退職金の全額を会社が負担する必要がありこの点注意が必要です。
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- 2023.01.11
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【ベトナム労務】試用期間中の有給休暇はどのように扱われますか。
ベトナムにおいては、労働契約で合意した労働日数の50%以上を勤務した場合、一月勤務するごとに一日の有給休暇が発生します(政令第145/2020/ND-CP号(以下「政令第145号」といいます)第66条第2項・法律第45/2019/QH14号(以下「労働法」といいます)第113条第2項)。これが、勤務期間一年未満の労働者に対する有給休暇のルールです。 原則として一年に12日間の有給休暇が付与されますが(労働法第113条第1項a号)、勤続年数が5年経過するごとに有給休暇の日数が一日加算されることになります(労働法第114条)。 有給は労働者の権利として認められているものですから、退職時に未消化の有給休暇がある労働者に対しては、会社は当該未消化の有給休暇を買い取らなければなりません(労働法第113条第3項)。 買取を実施する単価の計算の基準となる給与額ですが、退職時の前月の給与額を基準として計算されると規定されています(政令145号第67条第3項)。 なお、買取時の一日当たりの給与額については、有給取得日に勤務した場合の通常の給与額である300%(労働法第98条第1項c号)を基準とすべきという見解もあるようですが、前記の第67条第3項が単に前月の給与額を算定の基準とすべきとのみ規定しており、割増賃金について一切言及していないため、通常の給与額100%の一日あたりに相当する金額に未消化の有給日数を乗じた金額を支給すれば足りると考えられます。 政令第65条第2項によれば、試用期間終了後も当該雇用主のもとで働き続ける場合の試用期間は、有給を計算する際の労働期間として算定されることが規定されています。この規定により、例えば試用期間が60日の場合、試用期間明け後に、当該労働者は2日間の有給を保持していることになります。 一方同項の文言は、試用期間終了後となってているため、その反対解釈として試用期間中(試用期間終了前)の就業期間は、これが終了するまでは有給を算定する際の、就業期間としては加算されないと考えられます。 したがって、試用期間中は労働者に対して有給は発生せず、正式な労働契約に移行することなしに契約を終了させる場合※は、契約終了時の有給の買取も不要と考えます。 ※試用期間中は、特段の理由なく契約を終了することが可能です(労働法第27条第2項参照)。
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- 2023.01.09
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日本で正式に設立され、登録(記)されている会社で、1年以上営業活動を継続している会社は、ベトナムに駐在員事務所を設立することが可能です(政令07/2016/ND-CP号(以下「政令07号」といいます)第7条第1項・第2項)。 駐在員事務所は、外国企業がベトナムに進出するに当たっては最も簡便な形態の一つですが、以下に記載するように法的地位にいくつかの制限があります。 駐在事務所にはベトナムの法律上法人格が認められていません。そのことから、その他の会社形態とは異なり無限責任(責任の範囲が出資額に限定されない)を負うとされています。また、法人税の納付義務も発生しません。 上記のとおり駐在員事務所には法人格がなく、法律に規定された範囲でのみ活動が認められます。以下、駐在員事務所ができること・できないことについてその主要な内容を記載します。 できること できないこと 外国本社との連絡業務、市場調査、外国投資家の投資・経営の機会の促進(政令07号第30条) 営利目的の活動(商法第18条第1項) 事務所や必要な施設および設備の賃借(商法第17条第2項) 外国本社の代理人として契約を締結し、また既に締結された契約の修正等を実施すること(商法第18条第3項) 支出専用の銀行口座の開設(商法第17条第4項参照) 顧客から入金を受けること 就業するベトナム人および外国人の雇用(商法第17条第3項) ※表中に引用されている商法とは、法律36/2005/QH11号を指します。 駐在員事務所の存続期間は法律上5年とされています。もっとも、更新することにより5年を超えて事務所を存続させることが可能です(政令07号第9条)。 駐在員事務所長について以下のような法律の規定が存在します。 その他会社の法定代表者には、少なくとも一人がベトナムに居住しなければならないという居住義務が法律上規定されています(法律59/2020/QH14号(企業法)第12条第3項)。一方、駐在員事務所長については居住義務について明示した規定が存在しません。 もっとも、居住義務はないものの、駐在員事務所長はベトナムに不在する場合、その権限を誰かに委任しなければならないとされています(政令07号第33条第3項)。受任者については法令の規定上、特に限定がなされていませんが、法令の趣旨から考えて受任者はベトナム居住者でなければならないと考えます。 以下の役職(職責)に就くことが法律上禁止されています(政令07号第33条第6項) a. 同じ外国法人の支店の代表 b. 他の外国法人の支店の代表 c. その外国法人の法的代表者又は、他の外国法人の法的代表者 d. ベトナム法律に従い設立する経済組織の法的代表者`
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- 2023.01.04
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【ベトナム労務】2022年の時間外労働時間の上限引き上げ措置終了について
2022年3月23日付けで、ベトナムの国会常務委員会は1年及び1月あたりの残業時間に関する議決17/2022/UBTVQH15号(以下「議決15号」といいます)を採択し、残業時間について、労働法の規定(同法第107条)よりも長い時間労働者に課すことを許容していました。 議決15号の詳細は、以下の記事をご参照ください。 https://cast-vietnam.com/news/qa_20220524/ 同議決は、別の議決30/2021/QH15号(以下、「議決QH15号」といいます)に基づき発行されました。議決QH15号には「国会によって(同措置が)延長される場合を除き、2022年12月31日までに適用される」との記載があるところ、本措置については国会によって延長がなされませんでした。 そのため、今後国会や政府が別段の措置を取る場合は別にして、同措置は2023年1月1日以降失効し、残業時間の規制は労働法の規定に基づき規制されることになります。 労働法上の残業時間(時間外労働時間)規制の概要は以下のとおりです。 労働者の同意を得ない時間外労働は禁止(労働法第107条2項第a号) 1日の残業時間は、所定の労働時間の50%を超えないこと(同条同項第b号。例えば、8時間となっている場合は、残業は4時間までとなります) 1月あたりの残業時間が40時間を超えないこと(同条同項第b号) 1年あたりの残業時間が200時間を超えないこと(同条同項第c号。一部の業種や状況においては1年間に300時間まで時間外労働をさせることが認められています。)
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- 2022.12.25
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ベトナムでは太陰暦に基づき、年末年始の休暇であるテト休暇(Tết Âm lịch)の日付が決められ、労働法上5日間の祝日と規定されています。西暦での日付は毎年変わりますが、2023年は、太陽暦の1月21日が大晦日、1月22日が元旦となります。 運用として、公的機関等の休暇と民間企業の休暇とは異なるため、以下2023年について説明します。 首相府から労働局への2022年12月1日付け文書8056/VPCP-KGVX号により、ベトナムのĐam首相は、労働傷病兵社会省の休暇案に同意し、公的なテト休暇期間は2023年1月20日(金曜日)から1月26日(木曜日)までの7日間となりました。 これにより、土曜日と日曜日が週休となっている公的機関等は上記の日程が休暇日となります。 民間企業についての通知5034/TB-LDTBXHによれば、民間企業は、テト休暇日数について以下の3つのオプションの一つを選択することが可能となります。 週休日がテト休暇日と重なる場合には、労働者は次の営業日に週休の振替休日を付与されます。 ①年末1日と年始4日間(1月21日から25日, 週休の振替休日を含まない) ②年末2日間と年始3日間(1月20日から24日, 週休の振替休日を含まない) ③年末3日間と年始2日間(1月19日から23日, 週休の振替休日を含まない) ■ケースA 例えば、とある会社が上記①のオプションを選択した場合、かつ、週休日が日曜日の1日だとします。 この場合、その会社のテト休暇期間は、1月21日から26日(1月21日から25日までが祝日、26日が週休の代休)となります。 もし1月21日から25日までに従業員を勤務させる場合、労働法(法律45/2019/QH14号)第98条第1項c号に基づき、300%に相当する賃金を追加で支払う必要があります。26日(週休の振替休日)に従業員を勤務させる場合、200%に相当する賃金を追加で支払う必要があります(政令145/2020/ND-CP号第55条第3項参照)。 このケースでは、1月20日についてはテト休暇期間にあたりません(オプション②、③を選択した企業は異なりますのでご注意ください)。そのため、この日に従業員を勤務させても、通常の給与を支払えば足ります。 ■ケースB 他方で、週休日が土曜日及び日曜日の2日間ある場合、代休として2日間与える必要があります。この場合、②のオプションを選ぶと、1月20日から24日までが祝日、25日と26日が週休日の代休ということになります。 1月20日 1月21日 1月22日 1月23日 1月24日 1月25日 1月26日 ケースA (働く場合の給与) 平日 (100%) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) ケースB (働く場合の給与) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) 週休日の代休 (200%) 実際の休暇については会社ごとに決めることになり、実務上は公務員の休暇に合わせる企業も多いです。上記を参考にご検討ください。
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- 2022.11.08
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【ベトナム】政令第71号/2022/ND-CPに規定されるテレビ・ラジオ放送サービス海外事業者に対する影響
2022年10月1日に、テレビ・ラジオ放送サービスの運営・提供・使用を規定する政令第6号/2016/ND-CP(以下「政令第6号」といいます。)の一部を改正・補足する政令第71号/2022/ND-CP(以下「本政令」といいます。)が公布されました。 本政令は2023年1月1日から施行されます。 本政令の海外事業者に対する影響について、本政令は、海外事業者がベトナム国内で提供するサービスを含むテレビ・ラジオ放送サービスの管理範囲を明記化しています。 具体的には、以下のとおりです。 政令第6号は、ベトナム政府がテレビ・ラジオ放送サービスを管理することを規定していますが、海外事業者がベトナム国内で提供するサービスを含むかどうかを明記していませんでした。 一方、本政令第1条3項b号によれば、ベトナム政府がベトナム国内でのテレビ・ラジオ放送サービスをベトナムの法律に基づいて管理します。管理されるサービスには、海外事業者からベトナム国内でのユーザーに提供するインターネット上のテレビ・ラジオ放送サービス(以下「OTT TV」といいます。)も含まれます。 つまり、本政令では、ベトナム国内でのユーザーにOTT TVを提供する海外事業者がベトナム企業と同様に、ベトナム法令を厳守し、サービスを提供するための法定の登録手続等を行うことが必要とされています。
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- 2022.11.07
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【ベトナム】海外からの借入れ及び返済に対する外貨管理に関する2022年9月30日付中央銀行通達第12/2022/TT-NHNN号について
2022年9月30日、海外からの借入れ及び返済に対する外貨管理に関する中央銀行通達第12/2022/TT-NHNN号(以下「本通達」といいます。)が公布されました。本通達は2022年11月15日から施行されます。 本通達は、海外からの借入れ及び返済に対する外貨管理に関する中央銀行通達第03/2016/TT-NHNN号(以下「通達第03号」といいます。)に代わって、通達第03号に規定されているのローン登録・ローン変更登録に関する手続をいくつか改正しています。 以下のとおり、本通達に規定されている重要な改正点を説明します。 旧通達第03号第9条3項によれば、期限に返済できなかった短期ローンについては、ローンの引出日からの満1年時点から10日以内に、借主がローンを返済すれば、ローン登録手続を行うことは不要とされていました。 本通達第11条3項は、30営業日に返済猶予期間を延長しました。 すなわち、ローンの引出日からの満1年時点から30営業日以内に、借主がローンを返済すれば、ローン登録手続を行うことは不要です。 旧通達第03号第15条2項、3項に規定されているローン変更登録不要の場合に加えて、本通達第17条2項は、以下の場合を追加しています。 a) 登録済スケジュールと比較して、利息・手数料の返済スケジュールを変更するが、ローン契約で規定された利息・手数料の確定方法を変更しない場合。 b) 引出金・ローン元本返済・利息返済・手数料返済の金額を、ローン通貨の100通貨単位の範囲内で、登録済金額と比較して変更(増減)する場合。 c) ローン引出・ローン元本の返済を複数回に分ける場合、一定の返済時の実際の引出金・ローン元本の返済の金額が、引出・返済スケジュールに規定される金額と比較して下回る場合。 旧通達第03号第13条3項によれば、ローン登録申請期限がi.ローン契約の締結日、ii. ローン延長合意の締結日、iii. 通達第03号第9条3項に規定される元本残高が存続する短期ローンに対し、ローンの最初の引出日後満1年の時点から30日以内とされていました。 しかし、本通達第15条2項は、通達第03号と比較してローン登録申請期限を延長しました。 すなわち、上記のi、iiの場合には、申請期限が30営業日となり、本通達第11条3項に規定される元本残高が存続する短期ローンの場合には、60営業日になります。 旧通達第03号第39条、第40条によれば、借主がオンファイン又は書面で四半期報告を提出する義務を負いますが、本通達第41条1項によれば、月次報告を提出しなければなりません。報告の提出はオンラインが優先となり、書面での報告の提出はウェブサイトのダウン等でオンラインでの提出できない場合のみとされています。 a. ベトナムドン建ての口座 旧通達第03号第29条によれば、貸主が借主に出資する外国投資家である場合に、貸主がベトナムにてベトナムドン建ての口座を通じて貸付を行うことが可能です。本件のローンの基礎となるは、貸主がベトナムで出資することから発生するベトナムドン建ての配当金です。 一方、本通達第30条1項、2項によれば、上記の場合に加えて、登録情報の不正または偽造によるローン登録確認書が失効となるローンの回収の場合等一定の場合に、貸主のベトナムドン建ての口座が使用されるということになりました。 b. 外貨建ての口座 本通達第30条3項によれば、貸主がローンを実施するために外貨建ての口座を使用する場合、ベトナムにて外国為替使用制限規定に従います。