【ベトナム】2026年のテト休暇|公的機関・民間の休暇日程と実務対応

コラム
2025.09.17
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【ベトナム】2026年のテト休暇|公的機関・民間の休暇日程と実務対応
本コラムでは2026年のテト休暇について解説します。新たな情報がでてきましたら随時アップデートしていきます。 最終更新:2025年9月17日 1. 旧暦の年末年始(テト)の日付 ベトナムのテト(旧正月)は太陰暦で定められ、労働法上5日間の祝日です。2026年のテト休暇(Tết Âm lịch)は以下の対応となる見込みです(※太陰暦→太陽暦の換算) 2026年2月16日(月):旧暦12月29日(大晦日/Giao thừa)※2026年は「30テト」なし 2026年2月17日(火):旧暦1月1日(元日) 2026年2月18日(水):旧暦1月2日 2026年2月19日(木):旧暦1月3日 2026年2月20日(金):旧暦1月4日 参考:2026年2月21日(土)=旧暦1月5日、2月22日(日)=旧暦1月6日 例年どおりであれば、公的機関は5連休+前後の土日が連なり「9連休」程度になる可能性が高い一方、正式な休暇レンジは政府通知で確定します(後述)。 2. 公的機関に関する規定(未公表・更新予定) 2026年テトの公的機関(公務員等)の正式スケジュールは、現時点で未公表です。 例年、労働傷病兵社会省(MOLISA)の案を踏まえ、首相の指示を政府官房(VPCP)が通知します(2025年は 8726/VPCP-KGVX が該当)。2026年分の通知が出次第、下記を差し替えます。 政府官房通知番号/発出日: 公的機関の休暇期間(カレンダー): 関連:4/30・5/1、国慶節(9/2)連休の扱い: 教育機関(学校)の休暇は、教育訓練省や各省・市人民委員会の決定で地域ごとに前広に公表されることがあります(例:一部省市で教職員・生徒の11日休暇など)。個社の実務では所在地のローカル決定もご確認ください。 3. 民間企業の休暇設定(実務ポイント) 労働法に基づき、民間企業はテト休暇5日を、「年末○日+年始○日」のいずれかで設定できます。2025年の運用と同様、以下の3パターンが想定されます。 年末1日+年始4日【今回はほとんどがこの日程を選択すると推測】 2026年は2/16(月)〜2/20(金)の5日間(推奨)。前後の土日(2/14–15、2/21–22)と連続させると最長9連休の運用が容易です。 年末2日+年始3日 (例)2/15(日)〜2/19(木)。この場合、祝日が週休日(日曜)に重なる分は振替休日が翌営業日に発生しうるため、実務上は休みが分断されないよう社内就業規則で整理しておくと安全です。 年末3日+年始2日 (例)2/14(土)〜2/18(水)。週休日との重複が多くなりやすいため、振替休日・代休の整理と給与計算(祝日勤務の割増)に注意が必要です。 少なくとも30日前までに従業員へ休暇計画を通知(テトおよび国慶節は事前告知が求められます)。 工場・24/7オペレーションは、交替勤務の体制図・呼出し規程・緊急連絡網を更新。 休日期間の時間外・祝日勤務の割増賃金(最低300%)、代休・振替の内部ルールを明確化。 4. 銀行・証券取引所・税関など実務の影響 銀行:国家銀行(SBV)の通知・各行の営業案内に連動します。外貨送金・信用状(L/C)決済は休日前に前倒し手配をご検討ください。 証券取引所(HOSE/HNX):政府の祝日スケジュールに合わせて休場となります。配当・権利落ち・受渡(T+2)に影響します。 税関・物流:E-Customs等のシステムは稼働しても、実人員対応は限定的になりがちです。D/O切替・CYカット・港湾ゲートの締め切りは各オペレーター告知を必ず確認してください。 5. よくある質問(賃金・振替・通知期限 等) 労働法上、祝日・テトに勤務した時間外賃金は「少なくとも300%」(日給者は当日の祝日賃金と別に加算)です。夜間労働等は別途加算が生じます。 次の営業日に振替休日を付与します。テトの5日間に週休日が含まれる設計を取る場合、社内通知で振替日を明示してください。 テト・国慶節の休暇スケジュールは、少なくとも30日前までに従業員へ周知するのが原則運用です。特に交替制・シフト制では早期周知が望ましいです。

ベトナム個人所得税改革案|基礎・扶養控除36.4%増、年1000万VND減税

コラム
2025.09.16
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ベトナム個人所得税改革案|基礎・扶養控除36.4%増、年1000万VND減税
ベトナム財務省が提出した2025年個人所得税改革案では、基礎控除と扶養控除をそれぞれ36.4%引き上げることで、中間層の税負担を大幅に軽減するあ案を提示しました。年収3億VNDの標準的な世帯で年間約1000万VND(約6万円)の減税効果が見込まれ、物価上昇に対応しつつ内需拡大を図る予定です。2026年からの個人所得税の適用のため、11月に国会で審議される予定です。 控除額の変更内容 財務省の提案によると、個人所得税の基礎控除(本人控除)を現行の月額1100万VNDから1500万VNDへ400万VND引き上げるとのことです。 これは36.4%の大幅増となり、年間では4800万VND(約29万円)の控除額増加を意味します。 扶養控除についても、現行の月額440万VNDから600万VNDへ160万VND(36.4%)引き上げられます。扶養家族1人あたり年間1920万VND(約11.5万円)の追加控除が可能となります。 控除項目 現行(月額) 改正案(月額) 増加額 増加率 基礎控除 1,100万VND 1,500万VND 400万VND 36.4% 扶養控除 440万VND 600万VND 160万VND 36.4% 年間減税額(標準世帯) – – 1,000万VND – 背景 ベトナムでは2020年以来、個人所得税の控除額が据え置かれてきました。この5年間で最低賃金は38%上昇し、消費者物価も継続的に上昇していました。 実質的な税負担が増加していた中間層への支援が急務となっています。政府は2025年のGDP成長率目標を6.5-7%に設定しており、内需拡大が成長の鍵を握ります。減税による可処分所得の増加で、消費拡大と経済成長の好循環を生み出すことが期待されます。 まだ未決定の案ですので、今後の議論状況の確認が必要です。

【アップデート】ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について

コラム
2025.09.10
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【アップデート】ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について
ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について、以前の記事の後に新政令(05/2025/ND-CP、以下「政令05号」という)が施行されたため、本稿では政令の改正点のうち重要部分のアップデート情報をお届けします。新政令は署名の日である2025年1月6日に即日施行されました。   改正前政令08/2022/NĐ-CP(以下「政令08号」という)の第77条第4項によれば、製造・輸入事業者は、以下に従って、自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルする責任を負うことになっていました。 包装及びバッテリー・電池、潤滑油、チューブ・タイヤ等の製品:2024 年1 月 1 日から 電気・電子製品:2025 年1 月 1 日から 交通手段:2027年1 月 1 日から 新政令05号においては、スケジュール自体に変更はないものの、「潤滑油」については、「潤滑油・潤滑剤」に変更されました。また、交通手段に関する規定が2025年1月1日までに公布予定だったのが、2026年1月1日までに公布されることになりました。   政令08号の第77条第2項によれば、リサイクル責任の対象となる包装は、以下の製品・商品の商業包装(直接包装及び外装を含む)でした。 食品の安全に関する法律に基づく食品 化粧品の製造条件に関する法律に基づく化粧品 医薬品に関する法律に基づく薬 肥料、動物用飼料、動物用医薬品に関する法律に基づく肥料、動物用飼料、動物用医薬品 家庭用・農業用・医療用の洗浄剤、製剤 セメント 新政令05号においては、食品からチューインガムが除かれたこと等以外は基本的に同様の枠組みが維持されております。   政令08号の第77条第3項によれば、以下の対象がリサイクルの責任を遂行しなくてよい対象でした。 a)環境保護法の第54条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者 b)前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の製造事業者 c)前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の輸入事業者義務的なリサイクル率 新政令05号においては、これらの項目のうち、(b)(c)が以下のように置き換えられました。 b)第2項に掲げる製品の売上高が年間300億VND未満の製造者・輸入者。 c)当人が市場に出した包装を自ら回収し、再度包装して再販売する場合で、その回収・再包装率が、別表XXII欄4の義務的リサイクル率以上であるとき。   政令08号の第78条によれば、義務的なリサイクル率は 3 年ごとに上昇し、3年間の最終年の 9 月 30 日までに首相政府により調整され、発行されること、製造原料のための輸入スクラップのリサイクルは、製造・輸入事業者の義務的なリサイクル率に含まれないことが定められていました。また、製造・輸入事業者が義務的なリサイクル率を超えてリサイクルした場合、その比率について繰り越しできることとなっていました。 しかし、新政令05号においては、リサイクル率の調整は首相ではなく自然資源環境大臣がすることとなり、輸入スクラップだけでなく工業生産過程で生じる包装廃棄物、製造工程で排出された不良品もリサイクル率の対象外となりました。さらに、繰り越しについても超過「比率」ではなく超過「重量」が基準となりました。   政令08号の第78条第5項によれば、製品・包装の種類ごとの義務的な規格は、政令08号のAppendix XXII の第 5 欄に規定されていましたが、かかるAppendixの内容についても改定されました。   政令08号の第79条第2 項によれば、製造・輸入事業者が製品・包装のリサイクルの組織化という形式を選択した場合、製造・輸入事業者が次の方法でリサイクルを自分で決定することができていました。 リサイクルを自分自身で実施すること。 リサイクルを実施するためにリサイクルサービス事業者を雇うこと。(リサイクルサービス事業者のリストが天然資源環境省により公表される。) リサイクルの実施を組織するために中間組織に委任すること。(中間組織のリストが天然資源環境省により公表される。) 上記の方法を組み合わせること。 新政令05号においては、委任者の同意がある場合を除いて、再委任が禁止となることが明確化されました。また、委託を受けるリサイクル事業者は、当該製品・包装のリサイクル内容を含む環境許可を保有しなければならないことが明確化されました。   製造・輸入事業者は、ベトナム環境保護基金への財政的な寄付という形式を選択した場合、登録、リサイクル計画の実施及びリサイクル結果の報告を行う必要がなく、その場合には毎年3月31日までに申告し、4月20日までに納付する(2回分割も可能)こととなっていました。 しかし、新政令05号においては分割納付規定が削除されました。 ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)

ベトナムにおける暗号資産規制の最新動向【2025年9月】

コラム
2025.09.08
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ベトナムにおける暗号資産規制の最新動向【2025年9月】
ベトナムは世界的にも暗号資産普及率が高い国であるにも関わらず、これまで暗号資産の法的地位は不明確でした。最近になってベトナム政府は暗号資産をめぐる規制整備に大きく舵を切り、関連法を制定するなど重要な動きが相次いでいます。本稿ではこのような政府の動きについて分かりやすく解説します。   ベトナムではビットコインを含む暗号資産は法定通貨でも法定の支払手段でもなく、これまで明確な定義や包括的な規制法も存在しませんでした。中央銀行(SBV)は2017年以降、一貫して「暗号資産は合法的な支払手段ではない」と表明(5747 /NHNN-PC)し、暗号資産の発行・供給・使用を禁止する方針を取ってきました。具体的には、政令により、合法なキャッシュレス決済手段として小切手や銀行カードなどが列挙され、これら以外の支払い手段は「違法な支払手段」と規定されています(52/2024/ND-CP第3条10項、11項)。暗号資産は違法な支払手段と見なされ、暗号資産を支払いに使用した場合は個人最大1億ドン、法人最大2億ドンの行政罰金(88/2019/ND-CP第26条6項d、第3条3項b)や刑事処罰(改正刑法206条1項)の対象となっています。 もっとも、暗号資産を保有したり売買したりする行為自体は現行法で明示的に禁止されておらず、個人・企業が投機資産として暗号通貨を保有・取引することは一応許容されています。 しかし、それらは法的に「資産」と認められてこなかったため契約上の権利保護が及ばず、投資家は自己責任のグレーな環境に置かれてきました。実際にベトナムの裁判所では暗号資産が合法な資産や財貨に該当しないとの判断も示されており、違法行為による被害救済や課税に支障を来していました。 こうした中、ベトナム政府は暗号資産の法的枠組み整備に向けて近年本格的に動き始め、2025年6月14日には国会で「デジタル技術産業法」(71/2025/QH15)が可決されました。同法はベトナム初の暗号資産を資産として認める法律であり、2026年1月1日施行予定です。   新たな法律「デジタル技術産業法」(未施行)により暗号資産を含む「デジタル資産」が民法の定める「資産」であることが明記され、「電子環境上でデータ形式により作成・発行・保管・移転・認証される資産」と定義されました(同法第46条)。デジタル資産は「仮想資産」と「暗号資産」の2種に分類され、特に暗号資産は「作成・発行・保存・移転の過程の検証に暗号技術を使用するもの」と定義されています(同法第47条2項)。 デジタル資産:電子環境上でデータ形式により作成・発行・保管・移転・認証される資産 暗号資産:作成・発行・保存・移転の過程の検証に暗号技術を使用するもの 暗号資産の概念を明確化したことで、政府の管理・監督の対象として正式に組み込まれることになります。 さらに同法は政府に対し、国際基準に沿ったマネーロンダリング対策やサイバーセキュリティ基準など具体的な規制条件を策定・実施する権限も付与しました(同法第48条)。 このようにデジタル技術産業法は暗号資産経済の発展を促進しつつ健全に規制するための画期的な一歩と評価されています。なお、同法は暗号資産を「資産」として認めたのみで、決済手段としての利用禁止は据え置かれています。   新法の制定と並行し、暗号資産市場の試験的運用(サンドボックス)に関する枠組み作りも進められています。2025年6月27日、国会は決議第222/2025/QH15号を採択し、ホーチミン市とダナン市にまたがる国際金融センター(IFC)の設立を承認しました。 このIFCは「1センター2拠点」モデルと称され、ホーチミン市とダナン市をデュアルロケーションとする構想です。IFC内ではデジタル資産を含む幅広い金融サービスの提供が許可される見込みですが、開始時期は定かではありません(2026年7月開始という報道がありましたが撤回された模様です)。いずれにせよ、こちらは実験的なものであり、暗号資産決済の全面解禁を意味していないことには注意が必要です。 このIFC決議は2025年9月1日に施行され、2030年に中間評価が行われた後、将来的に2034年までにIFC専用法制定へ移行する計画です。   現行法上、ベトナムにおいて暗号資産を決済手段(支払手段)として使用することは明確に違法とされています。中央銀行が所管する非現金決済に関する政令では、電子マネーや銀行振込など法定通貨に連動した正規の決済手段のみが認められ、それ以外の手段での支払いは違法と規定されています。したがってビットコインなど暗号資産による支払いは「違法な支払手段の使用」に該当し、違反した場合は個人で最大1億ドン、法人で最大2億ドンの罰金が科されます。さらに2017年改正の刑法では、不法な支払手段を発行・提供・使用する行為は2018年1月以降刑事罰の対象ともなり得る旨が定められています。 例えば、某国内大学が授業料のビットコイン納付を試験的に認めようとしましたが、中央銀行が「暗号資産による受領を続ければ現行法違反となり処罰されうる」と警告し、最終的に大学側は方針を撤回するなどの事例が存在します。 このように暗号資産で商品やサービスの代金を直接支払う行為は現時点で禁止されています。   以上のように、現行法では暗号資産決済は禁止されているものの、中長期的に暗号資産のより広い利用に関する規制緩和や制度整備が進む可能性があります。ただし2025年時点では、暗号資産を直接の支払手段として商取引に使うことは依然違法であり、暗号資産での支払い受付を表明すれば処罰対象となる点に変わりはないことに注意が必要です。

2025年ベトナム「建国記念日(独立記念日・国慶節)」休暇について

コラム
2025.08.25
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2025年ベトナム「建国記念日(独立記念日・国慶節)」休暇について
2025年のベトナムの建国記念日(国慶節)は2025年9月2日(火)です。本コラムでは建国記念日前後の休暇についてまとめます。 また、今回は建国80周年記念ということで、ハノイにおいて大規模なパレード及びそのリハーサルが予定されています。大きい交通規制が予定されていますので、ハノイ在住・観光を予定されている方は最新情報にご注意ください。 2025年の国慶節は、9月2日(火)です。公務員等の公式な休暇は、8月30日(土)〜9月2日(火)の連続4日間(週休日2日+国慶節2日)と通知されています。 8/30(土):週休日 8/31(日):週休日 9/1(月):国慶節に付随する休日(前日) 9/2(火):建国(独立)記念日 当日 (上記は「6150/TB-BLĐTBXH(2024.12.03)」による公式スケジュールです。) 労働法(2019年労働法112条)上、国慶節は2日間(9月2日+その前日または翌日のいずれか1日)の有給休暇です。どちらを選ぶかは毎年の実情に応じて首相が決定します。 また、週休日が祝日と重なった場合は、翌営業日に振替休日を与える必要があります(労働法111条3項)。 企業(民間)は、2025年の国慶節の2日間として A案:9/1(月)+9/2(火)、または B案:9/2(火)+9/3(水) のいずれかを選択できます。実施の少なくとも30日前までに従業員へ通知してください(同通知6150号)。 実務上は、A案(9/1+9/2)を採用すると8/30(土)〜9/2(火)の4連休になり、運用がシンプルです。 通知6150号も、公務員スケジュールに準拠することを推奨しています。 日付 区分(A案) 区分(B案) 8/30(土) 週休日 週休日 8/31(日) 週休日 週休日 9/1(月) 国慶節の付随休日(推奨) 平日(通常勤務) 9/2(火) 国慶節当日 国慶節当日 9/3(水) 平日 国慶節の付随休日 ※週休日と祝日が重なる場合の代休は、翌営業日に付与(労働法111条3項)。 やむを得ず国慶節に出勤させる場合、最低でも300%(日給制は当日の賃金とは別に300%)の支払いが必要です。週休日は200%、通常日の時間外は150%が最低水準です(労働法98条・政令145/2020のガイダンス)。 休暇方式(A案 or B案)を決定し、30日前までに全従業員へ通知(社内掲示・メール・勤怠システム)。 代休の発生有無を確認(週休日との重複時)。 シフト・生産計画・顧客対応を4連休(A案想定)で設計。 祝日出勤の賃金設定(150%・200%・300%の適用)を給与ロジックに反映。 行政機関は原則8/30〜9/2が休暇の前提で手続き・納期を前倒し調整(公的スケジュールに準拠)。 8月31日時点の、在ベトナム日本国大使館からの情報は以下です。随時変更の可能性もあるため、ご注意ください。 ●9月1日の交通規制について、午後10時から規制が開始され、翌2日午後1時まで(従前の開始時刻午後6時から後ろ倒し、終了時刻午後3時から前倒し)との情報がベトナム政府のオフィシャルサイトで掲載されました。 ●今後も急遽の変更等が行われる可能性もあり、オフィシャルサイトでの最新情報の確認をお願いします。 1 9月2日は、ハノイ市内において、ベトナム建国80周年を祝う記念行事が開催される予定であり、下記日時の車両の通行禁止や制限などの交通規制が行われる予定です。 ■交通規制が行われる予定の日時(31日時点で確認できているもの) 9月1日(月)午後10時~翌2日(火)午後1時(開始・終了時間変更) 2 交通規制の実施時間やエリアについては、下記オフィシャルサイト内の情報をご確認ください。急遽変更となる可能性もありますので、当該期間に外出を予定されている場合は時間に余裕を持って行動して頂き、最新の情報を確認ください。 オフィシャルサイト:https://a80.hanoi.gov.vn/ また、これまでの予行演習実施時は、毎回多数の市民が沿道に集まり、一部では身動きのとれないような状況も起きているところ、そのような場所では、転倒や荷物の紛失など、雑踏に伴うリスクに注意してください。 当日は、関係区域において携帯電話の通信が遮断・規制されるとのアナウンスがなされておりますのでご留意ください。   8月29日時点の、在ベトナム日本国大使館からの情報は以下です。随時変更の可能性もあるため、ご注意ください。 ●8月29日の交通規制について、午後10時から規制が開始され、翌30日午後1時まで(従前の開始時刻午後6時から後ろ倒し、終了時刻午後3時から前倒し)との情報がベトナム政府のオフィシャルサイトで掲載されました。 ●今後も急遽の変更等が行われる可能性もあり、オフィシャルサイトでの最新情報の確認をお願いします。 9月2日は、ハノイ市内において、ベトナム建国80周年を祝う記念行事が開催される予定であり、予行演習などを行うため下記日時の車両の通行禁止や制限などの交通規制が行われる予定です。 ■交通規制が行われる予定の日時(29日時点で確認できているもの) 8月29日(金)午後10時~翌30日(土)午後1時(開始・終了時間変更) 9月 1日(月)午後6時~翌 2日(火)午後3時 2 交通規制の実施時間やエリアについては、下記オフィシャルサイト内の情報をご確認ください。急遽変更となる可能性もありますので、当該期間に外出を予定されている場合は時間に余裕を持って行動して頂き、最新の情報を確認ください。 これまでの予行演習実施時は、毎回多数の市民が沿道に集まり、一部では身動きのとれないような状況も起きているところ、そのような場所では、転倒や荷物の紛失など、雑踏に伴うリスクに注意してください。また、予行演習及び当日には関係区域において携帯電話の通信が遮断・規制されるとのアナウンスがなされておりますのでご留意ください。 オフィシャルサイト:https://a80.hanoi.gov.vn/

【速報】8月7日施行の外国人労働に関する新政令「219/2025/NĐ-CP」解説

コラム
2025.08.12
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【速報】8月7日施行の外国人労働に関する新政令「219/2025/NĐ-CP」解説
ベトナム政府は8月7日、外国人労働者の受入れ手続を全面的に組み替える政令219/2025/NĐ-CPを施行しました。従来の152/2020/NĐ-CP(および改正70/2023/NĐ-CP)に代わる新しい基本政令で、発給権限の所在、審査期間、在留資格区分・要件、免除枠の扱いが実務的に大きく変わります。背景としては、手続きの明確化・迅速化、高度分野の人材確保などがあります。 新政令は、労働許可(WP)と「WP不要」確認の発給・再発給・延長・取消の権限を、原則として「当該外国人が就労予定の所在地の省級人民委員会」に置きました(219/2025/NĐ-CP第4条)。これにより、従来MOLISA/省労働局が担ってきた枠組みから、地方政府トップ主導へと制度設計が移ります。なお、複数省で勤務する場合は本社所在地の省級人民委員会になります。 旧政令では、申請先・発給主体は「労働傷病兵社会省(MOLISA)または省労働局」と明記しており(152/2020/NĐ-CP第11条)、70/2023/NĐ-CPもこの基本構造は維持していました。 7/1施行の分権政令128/2025/NĐ-CPは、外国人労働分野の具体任務を省級人民委員会に「分権・分級」する条文(第8条など)を置き、延長手続の宛先を省人民委員会に明確化していました。新政令219はこれを本体法制に取り込み、重複を避けるため128/2025の関連規定を失効させています(219/2025/NĐ-CP第35条3項)。 219/2025は、雇用者は予定就労日の60日前から10日前までに申請し、完全な申請受理から「10営業日以内」にWPを審査・発給、却下時は「3営業日以内」に理由書を通知することと定めました(219/2025/NĐ-CP第22条3項)。従来の5営業日(152/2020第11条2項)より長く見えますが、需要説明の審査と発給審査を「一本化」したのがポイントで、二重手続を実務上一体化しています。 70/2023では、外国人受入れの「需要説明」と「WP発給申請」が段階的・別建てで運用される場面が残っていました(70/2023/NĐ-CP第3条3項)同改正の趣旨説明、MOLISA/省労働局が需要を承認)。219/2025は報告・需要説明を発給申請のパッケージ内に組み込み、申請書式(付録様式03)も統合。企業側の提出・審査フローの実務負担を一本化する設計です。 ・専門家(chuyên gia):学士以上+「実務2年」に緩和。さらに金融・科学・技術・イノベーション・国家DXなど優先分野では「学士以上+実務1年」でも可。 ・技術者(lao động kỹ thuật):①1年以上の訓練+実務2年、または②訓練要件なしで実務3年のいずれかで可。 (比較)70/2023では専門家「3年」、技術者は「訓練1年以上+3年」等と、総じて経験要件が重めでした。 なお、経営管理者(ディレクター等)については要件が厳格化しました。具体的には次のいずれかと定義され、(b)の形態については、実務経験3年要件が追加されました。 a) 企業の支店、駐在員事務所、営業所の責任者。 b) 機関・組織・企業における一部門の責任者で、その分野で少なくとも3年の実務経験を有し、予定職位に適合する者。 中央省庁や省級人民委員会が確認する「優先分野(金融・科学・技術・イノベーション・国家DX・優先的社会経済分野)」の業務に従事する外国人について、WP不要の対象に新たに整理・拡張。既存の免除類型も維持されています(219/2025/NĐ-CP第7条)。 有効期間は2年(219/2025/NĐ-CP第10条)で、延長は1度に限り2年となりました(同政令第17条)。延長は有効期間満了の10日前から45日前までに申請、5営業日以内に延長受理されることになりました(同政令第16条)。 2025年8月7日同日をもって152/2020/NĐ-CP(70/2023/NĐ-CPで改正)における「外国人労働」部分は失効しました(219/2025/NĐ-CP第35条)。 1. 申請窓口は「就労地の省級人民委員会」軸に再編。多拠点勤務やグループ内異動など、企業は就労地ごとの当局対応計画を再設計する必要があります。 2. 需要説明+発給の一本化で、書類突合せ・往復が減る一方、審査の実質化で「10営業日」運用に。申請時期に注意が必要です。 3. 採用要件の緩和があり、優先分野人材の受入れは機動的に。職位要件の適合性(学位・経験年数)に関する見直しが必要です。   項目 219/2025(新政令) 152/2020・70/2023(旧政令) 発給権限の所在 省級人民委員会 労働・傷病兵・社会省(MOLISA)又は省労働局 手続の流れ・処理期間 需要説明(外国人雇用の必要性の申請)と発給審査を一体化。受理後10営業日で発給/不許可は3営業日以内に通知 受理後5営業日で発給だが、手続は需要説明と発給申請が段階的。 職位定義・要件 ・専門家:原則「学士以上+2年」。ただし優先分野(金融・科学技術・イノベーション・国家DX等)は「学士以上+1年」を可。 ・技術者:①1年以上の訓練+2年経験、又は②訓練なしで3年経験 ・経営管理者の一部形態について実務経験3年要件の追加 ・専門家:「学士以上+3年」 ・技術者:「訓練1年以上+3年」 WP不要(免除)枠 優先分野(金融・科学・技術・イノベーション・国家DX・優先的社会経済分野)の業務に従事する外国人を追加 該当する規定なし  

ベトナム最低賃金案 2026 年 7.2%UP|地域別新額と企業が取るべき対応

コラム
2025.07.23
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ベトナム最低賃金案 2026 年 7.2%UP|地域別新額と企業が取るべき対応
2024 年 7 月 1 日に施行された政令 74/2024/ND-CP で月額最低賃金は平均 6 %引き上げられました。これにより地域Ⅰは 4,960,000 VND、地域Ⅳでも 3,450,000 VND へ上がり、行政区再編後の「34 省体制」に対応する形で適用地域が整理されています。 もっともインフレ率や労働者の生活費上昇を考えると 6 %では不十分との声が強く、労使双方とも追加引き上げに向けた協議を継続してきましたが、今回7.2%を2026年から増額するということで案がでてきました。 今年 7 月、国家賃金評議会(NWC)は第 2 回会合で 平均 7.2 % の再引き上げを政府に勧告することで合意しました。労働側は最大 9.2 %を主張した一方、使用者側は 6 %台を希望。最終的に折衷案として 7.2 %でまとまった格好です。 この勧告がそのまま政令化されれば、2026 年 1 月 1 日以降の月額最低賃金は以下の水準となります(カッコ内は現在比の上げ幅)。 地域Ⅰ:5,310,000 VND(+350,000) 地域Ⅱ:4,730,000 VND(+320,000) 地域Ⅲ:4,140,000 VND(+280,000) 地域Ⅳ:3,700,000 VND(+250,000) 内務省(MOHA)は 7 月 18 日付で政令草案をポータルに掲載し、パブリックコメントを開始しました。草案のポイントは3つです。 月額水準は NWC 勧告どおり 7.2 %増。 時間給を明文化。 地域Ⅰで 25,500 VND/時(約 143 円)、地域Ⅳで 17,800 VND/時(約 100 円)と初めて上限額が政令本文に組み込まれました。 地域リストを再整理。 34 省体制への移行後も4つの地域区分自体は維持しつつ、市区町村の合併・改称を反映。 地域については既に2025年7月1日より地方自治体再編の影響が出ていますので注意してください(以下コラムも参照)。 最低賃金の区分変更へ|128/2025/NĐ-CPの要点と実務影響(2025年7月1日〜) (1) 賃金テーブルの再チェック 従業員の基本給が新しい月額・時間額を下回らないか早期に試算しましょう。技能・職務手当がある場合は、労働法第 90 条のとおり最低賃金に上乗せする義務があります。 (2) 社会保険・労働契約の見直し 最低賃金は社会保険料算定基礎の下限としても機能します。2026 年 1 月計算分に間に合うよう、給与システムや就業規則を 2025 年内に更新する必要があります。 (3) ブランチごとの地域判定 工場や支店が複数地域にまたがる場合、それぞれの所在地で異なる最低賃金が適用されます。行政区画の変更で「実は地域Ⅱから地域Ⅰに入れ替わっていた」というケースもあるため注意が必要です。 (4) 予算と人件費戦略の再構築 最低賃金はあくまで「下限」です。製造業では従来から実勢賃金が下限を大きく上回る地域も多く、署名済みオファーレターとのギャップが拡大する恐れがあります。人材確保競争を意識し、ベンチマーク賃金も同時に見直しましょう。   ~8 月中旬:パブリックコメント締切 11~12 月:政府が最終政令を公布見込み 2026 年 1 月 1 日:改定最低賃金施行(予定) 政令公布までは数字が変更される可能性がゼロではありませんが、過去の例では評議会勧告が大幅に覆ることは稀です。上記水準を前提に準備を進め、公布後に確定値へ微調整するアプローチが実務的といえます。 最低賃金の連続引き上げは、インフレ抑制と労働者保護を両立させるバランス調整の結果です。日本企業を含む外資系企業にとっては人件費の上昇圧力となりますが、早期のシミュレーションと社内周知によりリスクは最小化できます。 最後に、政令公布後の正式数字を必ずご確認の上、給与体系や労働契約を適切にアップデートしてください。不明点があれば専門家へご相談いただくことをお勧めします。   【ベトナム労務】2024年7月1日からの最低賃金の変更について

ベトナムBO申告義務ガイド2025:改正企業法で25%超実質的支配者の届出が必須に

コラム
2025.07.06
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ベトナムBO申告義務ガイド2025:改正企業法で25%超実質的支配者の届出が必須に
2025 年 7 月 1 日に施行された改正企業法(76/2025/QH15)と政令168/2025/ND‑CPにより、ベトナム企業は最終的な実質的支配者(受益所有者、Beneficial Owner:BO)を特定・報告・管理する義務を負うことになりました。FATF(金融活動作業部会)の勧告24へ対応し、マネーロンダリングや汚職防止を目的としています。改正された企業法のスタートに合わせ、2025年7月1日に施行されています。 BOは 「最終的に25 %超を所有・支配する自然人」または「経営上の重要事項を単独決定できる自然人」 と定義されました(政令168・17条)。 新ルール(2025/7/1〜) 旧ルール(〜2025/6/30) 所有基準:直接・間接を問わず25 %超の持分または議決権を持つ自然人 明確な所有比率基準なし(AML法での概念的把握にとどまる) 支配基準:取締役選任・定款改正・事業再編を単独決定できる自然人 規定なし 例外:法人格のない個人事業者(hộ kinh doanh)は対象外 例外規定なし 下記のように今回、過去になかった新たな義務として各法人に届け出義務が課せられています。 従前(59/2020/QH14+政令01/2021) 改正後(76/2025/QH15+政令168/2025) BO概念 法文上の明記なし。AML法・銀行 KYC 実務で補完 企業法本体4条35項で初定義。政令168が詳細基準を規定 提出タイミング 義務なし 新設企業:設立時 / 既存企業:最初の登記変更時 更新義務 義務なし 変更後10日以内に届出(政令168・18条) 保存期間 規定なし 解散・破産後5年間保管(企業法216条1項h) 行政アクセス 個別照会 NBRIS経由で公安・税務が無償即時照会可(政令168・52条) 日系企業でも対応が必要となるため、下記のようなステップで対応を管理されることを推奨します。 ステップ 内容 実務ヒント ① 収集 BOの氏名・生年月日・国籍・住所・保有割合・本人確認書類 親会社・SPCにKYCフォームを配布し自己申告を義務化 ② 保管 社内・NBRIS双方で電子保存。解散後5年保持 既存DMSにタグを付して検索性を確保 ③ 申告 設立時 or 登記変更時にBOリストを提出(BOがいない場合でも25%以上の組織株主がいる場合はその旨を届け出) BO個人について、Circular 68/2025/TT‑BTC(10号)の新様式を使用 *組織株主の届け出については、11号の様式を使用 ④ 更新 BO変更から10日以内にオンライン届出 役員・IR宛の自動リマインドを設定 ⑤ 罰則 虚偽申告等は行政罰+刑事責任の可能性(企業法16条) D&O保険の対象範囲を再確認   FATFは2023〜24年にかけて勧告24・25を改訂し、各国に公共機関によるBO登録簿の設置と25 %基準の導入を求めました。ベトナムが 2026 年の第 5 次相互審査を控える中、今回の改正は不可欠な「宿題」です。   ベトナムへの投資など様々な面で企業活動への影響が予測されます。詳細は下記画像もご覧ください。 影響領域 想定される課題 推奨アクション 内部統制 多層出資のトレーシング負荷 グループ横断持株図データベースを整備 取引スピード 増資・M&A時の当局審査が長期化 SPA・SHAにBO情報条項を事前挿入 資金調達 ファンド経由投資で開示拒否リスク LP/GPとのサイドレターで情報提供を義務付け レピュテーション 虚偽申告が公表される可能性 四半期ごとのモニタリングレポートを取締役会に提出   グループ持株図を可視化し、25 %超保有者を抽出 KYC/自己申告フォームで親会社・ファンドに開示を要求 Circular 68様式で社内ITシステムをテンプレート化 Nominee構造の再評価──虚偽申告リスクを回避 外部専門家の活用:複雑案件については専門家へのご相談も検討ください。 改正法は「規模を問わずすべての法人」を対象に、最終的な自然人レベルまでの所有・支配構造を透明化することを求めています。“いずれ登記変更時に出せばよい”と油断せず、今のうちに所有構造を棚卸しし、申告体制を整えることが最小コストでのコンプライアンスへの近道です。 専門家としては、まずリスクベースで優先順位付けし、シンプルな社内ルールを早期に確立することを強く推奨いたします。 今後実務が開始され、新たな情報も増えていくと思いますので、情報は随時アップデートしてください。 関連コラム: ベトナム企業法2025年改正|公務員出資禁止・BO開示など主要7ポイント(2025年7月1日施行)

【ベトナム】On the Spot取引に関する条文変遷の動向

コラム
2025.07.02
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【ベトナム】On the Spot取引に関する条文変遷の動向
On the Spot取引(みなし輸出入通関)については近年大きな動きがありました。特に、2025年7月1日の政令改正によって、On the Spot取引の範囲自体が変更されました。本稿では、2025年7月21日現在までのベトナム政府の動きについて分かりやすくまとめました。 *新政令の施行に伴い記事を更新しました 今まで政令においては、以下の(a)~(c)の物品に関する取引がOn the Spot取引として認められてきました(08/2015/ND-CP第35条1項)。 (a) 海外組織・個人がベトナムにて加工を依頼し、その海外組織・個人がベトナムでの組織・個人に販売する物品 (b) ベトナム国内企業と輸出加工企業・非関税地帯での企業の間で売買される物品 (c) ベトナム企業とベトナムに進出しない外国組織・個人(外国商人)間で売買される物品で、その外国商人がベトナム国内の他の企業で納品を請求する物品 2025年7月1日から、関税法の改正にあわせて、新政令(167/2025/ND-CP)の35条が施行となり、On the Spot取引の範囲が以下のように変更になりました。 (a) 海外組織・個人がベトナムにて加工を依頼し、その海外組織・個人がベトナムでの組織・個人に販売・譲渡する物品 (b)  ベトナム企業と外国組織・個人(外国商人)間で売買・賃貸・借入される物品で、その外国商人がベトナム国内の他の企業で納品を請求する物品 これによって、ベトナム国内企業とEPEの間の取引(改正前のbの取引)についてはOn the Spot取引の対象から外され、改正前のcの取引については「ベトナムに拠点をもたない」要件が削除され、賃貸、借入の場合が追加されました。 ただ、政令自体は施行されたものの、実務レベルでは、地方によって改正への対応に差が出ているようです。 On the Spot取引について、全部削除案や一部削除案、(c)の修正案が出るなど政府の動きは変遷しています。今回はOn the Spot取引にまつわる条文の変遷について分かりやすくまとめてみました。 2023.5 総局通達( 2587/TCHQ-GSQL )で「On the Spot取引そのものを削除」という叩き台を提示。 2024.9 財務省が正式にOn the Spot取引全削除案をパブリックコメント 2025.3 首相とEuroChamの懇談会で、欧州企業が削除反対・移行期間をと要望→On the Spot取引を存続する方向に軌道修正 2025.4 On the Spot取引を残す方向で関税法の改正案発表 2025.5.8 政令改正の第3次ドラフト公表(35条の(b)を削除、(c)のうち「ベトナムに進出しない」要件を削除) 2025.5.22 財務省が再び政令からOn the Spot取引の丸ごと削除案を掲載(1年猶予あり) 2025.5.26 パブリックコメントの批判を受け改正政令のドラフトを更新し、On the Spot取引復活。 2025.6.25 国会が関税法改正を可決。On the Spot取引自体の存続が確定(新設47条aにOTSの定義が盛り込まれているため)。 2025.7.1~ 改正関税法施行。On the Spot取引に関する新政令も施行。 関連Q&A: ベトナムに進出している外国企業が、外国の親会社名義でOn The Spot取引(みなし輸出入通関)をすることの制限について(2023年の財務省改正案を含む。)

【ベトナム】現金決済上限「2,000万VND → 500万VND」への引下げ(2025年7月1日施行)

コラム
2025.07.02
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【ベトナム】現金決済上限「2,000万VND → 500万VND」への引下げ(2025年7月1日施行)
ベトナムでは、2025年7月1日〜、現金決済の上限を2000万VND→500万VNDに引き下げる政令(118/2025/ND-CP)が決定されました。 これが施行される場合、500万VNDを超える現金支払が認められなくなり、現金取引や接待交際費の立替も難しくなる見込みですので、重要な影響がありそうです。 (2025年6月13日に政令案について作成した記事を、7月1日の公布を受けてアップデートしました。) 正式な政令においても、500万VND以上の現金決済を認めないこととなりましたので、下記事項についてご注意ください。施行はVAT新法と同様に、2025年7月1日開始です。   根拠 ポイント 発効日 VAT法2024(法48/2024/QH15)第14条2項b号 入力VATを控除する条件として「非現金決済証憑の保有」を義務化。金額上限を明記せず、政令で詳細を定めると規定 2025/7/1 VAT法政令118号(本政令) 従来20 百万→5 百万VND以上(VAT込み) の請求書は非現金決済が必須。小額(< 5 百万)取引は例外 2025/7/1(予定) 旧ルール(VAT法2008改正・Circular 219/2013) “< 20 百万VND/回” までは現金払いでも入力VAT控除・CIT損金算入可 現行(~2025/6/30) 接点と注意点 企業所得税(CIT)の損金要件 は、これまでもVATルールに連動(Circular 78/2014等)。正式なCIT改正通達は未公布ですが、同じ5 百万基準に統一される可能性が高いとみられます。   非現金決済が必須となる金額 商品・サービス購入額 税込5 百万VND以上/回(複数回の同日購入合算含む) 包括される費用:会議費、接待交際費、旅費、設備仕入れ等あらゆる経費 認められる非現金手段 銀行振込(インターネット・モバイルバンキング含む) 会社クレジット/デビットカード決済 小切手、委任(lệnh chi) 正規電子マネー・eウォレット 例外(政令26条2項) a) 仕入れと売上の相殺払いの場合は、契約で相殺方法が明記され、双方が相殺内容を確認した対照表(または三者合意書)が必要。 b) 金銭の借入・貸借による相殺の場合は、事前に作成された貸借契約書と貸付側口座から借入側口座への振込証憑が必要。売買代金と貸付金の相殺、販売者からの支援金との相殺も同様。 c) 第三者への委任払いの場合は、委任契約が文書で締結され、第三者が合法的な個人または法人であること。 d) 株式や社債で支払う場合は、事前に作成された書面の売買契約が必要。 đ) 上記a~dによる支払後に残額が500万ドン以上となる場合、その残額については非現金決済証憑がなければ控除不可。 e) 強制執行により国庫口座へ振込む場合は、その振込額に対応する仕入れVATを控除できる。 g) 500万ドン以上の割賦・分割払い購入では、契約書・インボイス・非現金決済証憑を基に控除できる。支払期日前で証憑が未取得でも一時控除は可能。期日到来時に証憑がなければ当該分を減算修正する。 h) 1回の輸入または購入が税込500万ドン未満、または海外からの無償サンプル・贈与品の場合は非現金決済証憑を要しない。 i) 従業員が社内規程に基づいて非現金で立替払いし、会社が非現金で精算する場合は控除可。 項目 現状(~2025/6) 2025/7以降のリスク 入力VAT控除 20 百万超のみ非現金必須 5 百万超は非現金必須。現金払いは控除不可 CIT損金算入 20 百万超は非現金必須 改正通達で5 百万超へ連動する見込み 接待交際費 例:8 百万VNDの会食→現金可 同額はカード/振込必須。現金精算は税務否認リスク 社内精算フロー 現金払いが主流 申請額5 百万超=カード決済を新ルールに 2025/Q2:社内支払規程改定案を法務・経理でレビュー 銀行/カード発行:利用枠・担当者を確定し発行申込 会計システム:現金/非現金フラグを5 百万基準に自動判定 従業員研修:新ルールとカード精算手順を周知 正式政令公布後:最終条文を反映し、CIT通達動向をモニタリング 2025年7月から非現金決済要件が20 百万→5 百万VNDに大幅強化されました。接待交際費をはじめ、5 百万VND超の支払いは会社カードや振込へ切り替えない限り、入力VAT控除・損金算入が認められなくなる可能性があります。早期の内部規程整備とキャッシュレス決済インフラの導入で、税務・監査リスクを回避しましょう。   個人での立替がカードや送金であれば問題ないのでしょうか?その場合、会社と個人の間の精算も送金対応であれば、現金決済を挟んでいないため問題ないようにみえます。しかし、この点CITの損金算入に関するCircular 96/2015/TT-BTCの規定が問題になります。 500 万 VND超でも「出張経費」に限り、個人カード→会社銀行精算を “非現金決済” とみなして控除・損金に出来る余地が残ります。 ただし接待・会食など日常交際費については例外扱いされておらず、原則使えません。 したがって、これに代わる新たな規定が出ない限り、個人カード立替等での決済もCITの損金不算入になる可能性は大きく、推奨はできません。上記の会社カードでの精算や会社からの送金対応をできるだけ行うべきと考えています。 区分 要件/根拠 実務ポイント CIT側(現行) Circular 96/2015/TT-BTC Art.4出張旅費・航空券等を個人カードで決済しても、①正規インボイス②出張命令書③社内規程で個人カード使用を許可――の3条件を満たせば「非現金決済」として損金算入可 ・対象は出張関連費用に限定。交際費は射程外 VAT側(新法) 本政令26条2項iにおいて「従業員が社内規程に基づいて非現金で立替払いし、会社が非現金で精算する場合は控除可。」控除可と明記 ・委任状+二重振込明細+会社名義eインボイスの4点証憑が必須 非適用領域 接待交際費・備品購入等、業務上不可避の出張に当たらない支出 ・税務当局は「委任払い=出張など限られたケース」を想定しており、交際費で使うとVAT控除もCIT損金も否認リスク高   第26条 非現金決済の証憑 事業者は、税込額が500万ドン以上の財貨・サービス(輸入品を含む)を購入する場合、非現金決済を証明する書類を備えなければならない。 1.非現金決済証憑とは、政府政令52/2024/NĐ-CP(2024年5月15日公布)に定める決済方法を証明する書類であり、購入者が現金を売り手口座へ直接入金した証憑は含まれない。 2.付加価値税法第14条第2項b号に定める特例は以下のとおり。 a) 仕入れと売上の相殺払いの場合は、契約で相殺方法が明記され、双方が相殺内容を確認した対照表(または三者合意書)が必要。 b) 金銭の借入・貸借による相殺の場合は、事前に作成された貸借契約書と貸付側口座から借入側口座への振込証憑が必要。売買代金と貸付金の相殺、販売者からの支援金との相殺も同様。 c) 第三者への委任払いの場合は、委任契約が文書で締結され、第三者が合法的な個人または法人であること。 d) 株式や社債で支払う場合は、事前に作成された書面の売買契約が必要。 đ) 上記a~dによる支払後に残額が500万ドン以上となる場合、その残額については非現金決済証憑がなければ控除不可。 e) 強制執行により国庫口座へ振込む場合は、その振込額に対応する仕入れVATを控除できる。 g) 500万ドン以上の割賦・分割払い購入では、契約書・インボイス・非現金決済証憑を基に控除できる。支払期日前で証憑が未取得でも一時控除は可能。期日到来時に証憑がなければ当該分を減算修正する。 h) 1回の輸入または購入が税込500万ドン未満、または海外からの無償サンプル・贈与品の場合は非現金決済証憑を要しない。 i) 従業員が社内規程に基づいて非現金で立替払いし、会社が非現金で精算する場合は控除可。 3.同一日に同一納税者から500万ドン未満の取引を複数回行い、合計が500万ドン以上になる場合は、非現金決済証憑がなければ控除できない。