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- 2026.01.08
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【2026年1月1日施行】VAT法改正の概要と企業への影響
2025年12月11日、ベトナム国会(第15期第10会期)において「付加価値税法の一部改正法(法律番号149/2025/QH15)」が可決されました。この改正法は2026年1月1日施行と定められており、付加価値税(VAT)制度に関する重要な変更をもたらします。改正内容は農業分野を中心にVATの課税範囲や税率、還付要件等の見直しを含み、幅広い業種・企業に影響を与えるものです。以下では、本改正の背景と主な内容、実務上の影響について、法令や報道に基づき専門的に解説します。
2024年11月に成立した新しい付加価値税法(48/2024/QH15)は、運用開始後に農業製品や飼料分野、税還付手続における問題点が各業界団体や企業から指摘されました。そして、制度上の障害を早急に解消する必要性から、本改正法は異例の速さで緊急立法されました。法案審議においては、短期間での法改正に慎重意見もありましたが、企業の要望を踏まえ早期に法律を改正することで障害除去を図る方針が採られました。
今回の付加価値税法改正法(2025年法149号)では、VAT制度の三つの主要分野について見直しが行われています。それぞれVAT還付要件の緩和、農業関連の非課税・税率調整、小規模事業者に対する課税売上高基準の引上げです。以下に主な改正ポイントを整理します。
VAT還付条件の緩和
仕入税額の還付要件から「売り手による納税済みであること」という条件が撤廃されました。従来は購入者がVAT還付を受けるためには、取引の売り手が当該取引分のVATを申告・納税済みであることが条件とされており、売り手側の不正や未納によって買い手側の還付申請が滞るリスクがありました。改正法によりこの買い手側には責任外の条件が削除され、売り手と買い手の責任範囲を明確に分離する形となります。これにより税還付手続の迅速化と企業の資金繰り改善が期待されます。
未加工農産品の流通取引における非課税措置の復活
企業間で取引される未加工の農林水産品について、VATの課税・申告義務を免除する規定が復活しました。具体的には、生産農家や漁師等から直接仕入れた未加工(または通常の一次加工のみ)の農作物・水産物等を、企業・協同組合などが他の企業・協同組合へ販売する場合、出荷段階でのVATを申告・納税する必要がなくなるものです。この規定は2014年から施行されていた優遇措置の復活であり、2024年新法で一旦削除されていたものが今回の改正で元に戻りました。
小規模事業者に対する課税売上高基準の引上げ
VATの免税点となる年間売上高基準が大幅に引き上げられました。改正法では「年間売上高5億ドン以下の個人事業者・世帯業者の提供する財・サービスはVATの課税対象としない」と規定されています。従来、ベトナムのVAT制度における小規模事業者の課税最低売上高は年間2億ドンであり、今回引き上げが決定したものです。これにより零細な個人商店や家内業者など多数の事業者がVAT申告・納税義務から解放される見通しです。
上記を含む、改正ポイントのまとめは以下の通りです。
改正項目
改正前の規定(48/2024/QH15, それを改正する90/2025/QH15)
改正後の規定(149/2025/QH15)
VAT還付要件
購入者がVAT還付を受けるには、売り手が当該取引のVATを申告・納税済みであることが必要(旧法第15条第9項(c))
売り手の納税状況にかかわらず購入者は還付申請可能。新法第1条第3項により左記条件(旧法第15条第9項(c))が削除
未加工農産品の企業間取引
生産者以外の事業者が販売する未加工農産品は課税対象(旧法第5条第1項)
企業・協同組合間での未加工農産品販売はVATの申告・納税不要(非課税扱い)。仕入VATは引き続き控除可能(新法第1条第1項(a)にて旧法第5条第1項を修正)
副産物・廃棄物の税率
旧法では規定が明確でなく、未加工(または一次加工のみ)の農林畜水産物が飼料・薬用原料として使われる場合の扱いと、廃品等を回収して再利用・再生して売る場合の税率に分けて記載されていた(旧法第9条第5項)
各生産過程において回収される廃品、副産物、スクラップには、当該廃品、副産物、スクラップの品目の税率水準を適用する、と一本化(新法第1条第2項にて旧法第9条第5項を修正)
小規模事業者の売上免税基準
年間2億VND以下は免税(旧法第5条第25項)
年間5億ドン以下は免税に拡大(旧法第5条第25項が改正され、免税基準が引上げ) ※2026年より適用
定額課税方式
会計・請求書・証憑制度を十分に行わない世帯・個人が推計(定額)方式でVATを納める旨の規定(旧法第12条第3項)
定額方式の削除(新法第1条第3項にて旧法第12条第3項を削除)
本改正法は2026年1月1日から施行され、同日以降発生する取引に適用されます。施行日までに関連政省令・通達が公布される見通しですので、企業担当者は最新の省令・通達にも留意して実務対応する必要があります。また、税務当局の監督手法にも変更が加わる可能性があります。関連する法令動向も含め、包括的にフォローすることが望ましいでしょう。
2025年付加価値税法改正(149/2025/QH15)は、VAT制度の重要な論点について迅速に対応した改正であり、企業にとって好影響をもたらす内容となっています。特に、VAT還付の円滑化や小規模事業者の事務負担緩和といった措置は、ポ有益な環境整備といえます。一方で、施行初期には具体的運用に関する疑問点も生じ得るため、政府から発出される細則やガイダンスを注視し、適切に社内ルールやシステムをアップデートすることが必要です。現地の専門家に相談しながら、確実なコンプライアンス体制を構築することが肝要です。
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- 2025.12.29
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2026年1月2日は休み?―「公務員は4連休」、民間企業はどう設計するべきか
2026年の元旦(テト・ズオンリック/Tết Dương lịch)をめぐり、「1月2日(金)も休みになるのか」というご質問が増えています。結論から言えば、公的部門(行政機関・公立の事業体等)は、1/1(木)〜1/4(日)の4連休となる一方、民間企業は1/2が自動的に法定休日になるわけではありません。
本記事では、(1)公的部門で何が決まったのか、(2)民間に法的な「強制」はあるのか、(3)企業が採るべき設計パターン、(4)人事・労務上の注意点を、根拠条文とあわせて整理します。
政府方針に基づき、行政機関・公立の事業体等(公務員・公的部門労働者)については、2026年1月2日(金)を休日として取り扱い、代わりに2026年1月10日(土)を振替出勤日(hoán đổi ngày làm việc)とする運用が示されています。
休日:2026年1月1日(木)〜1月4日(日)
振替:2026年1月2日(金)の勤務日を、1月10日(土)へ振替
結果として、公的部門は4日連続の休暇になります。なお、実務上は「窓口・税関・公共サービスは完全停止できない」ため、各機関において当直・緊急対応の人員配置が求められています。
ベトナム労働法上、元旦(Gregorian/Calendar New Year)は、原則として「1日(1月1日)」が有給の法定休日です(労働法典2019年:Bộ luật Lao động 2019)。
したがって、民間企業が1/2(金)を休みにするかどうかは、就業規則・社内カレンダー・労使合意等による設計の問題になります。
政府側からは、企業に対して「公的部門と同様の休暇期間を適用することを推奨する」旨の発信がされていますが、これは一般に“推奨”(khuyến khích)であり、直ちに民間へ一律強制する性質のものではありません。企業としては、業種特性(工場稼働、物流、BPO、金融、医療、越境通関等)と人員計画を前提に、最適な設計を選択すべきです。
代表的なパターンは以下のとおりです。
パターン
設計
向いている企業
注意点
A:1/2休み+1/10振替出勤
公的部門と同様に運用
土日休み(週休2日)が基本の企業、内勤中心
就業規則・社内カレンダーで根拠明確化。部署間の例外運用(シフト等)も整理
B:1/2は通常営業+有給休暇の取得推奨
法定休日は1/1のみ。1/2は希望者が年休取得
日系企業で多い現実解(操業・対外対応を維持)
取得推奨が「事実上の強制」にならない運用(公平性・業務配分)
C:稼働継続
工場・物流等は稼働、必要に応じて代休や手当で調整(法律上は通常稼働日のため、手当や代休の義務はなし)
24/7運用、納期・生産優先の企業
補足として、週休が「日曜のみ」の会社では、仮に1/2を休みにしても、1/3(土)は通常勤務となりやすく、結果として「4連休」にならない場合があります。自社の週休日設計(週休1日/2日)を前提に、現実的な運用が必要です。
年末年始は、税関・通関、銀行、外部ベンダー、顧客の稼働が読みにくく、また社内でも棚卸・決算・税務締め・輸出入のスケジュールが集中します。「いつ休むか」よりも、「いつ誰が対応するか」を明確にすることが事故防止に直結します。
対外窓口(日本本社、顧客、当局対応、通関等)の当番表
緊急連絡網(法務・人事・IT・設備保全)
締切(納品・支払・税務申告・輸出入)を先回りした調整
元旦(1/1)は法定休日です。したがって、当日に労働させる場合、労働法典上の祝日労働の割増賃金(少なくとも300%)等の論点が生じます(※日給制等の例外取り扱いもあるため、賃金体系に応じた精査が必要です)。
振替出勤を採る場合、就業規則(Nội quy lao động)、社内カレンダー、労働契約・団体協約(ある場合)との整合がポイントです。監査や労働紛争の局面では「口頭の運用」や「慣行」だけでは弱く、文書の整備がリスク低減になります。
日系企業では、1/2を通常営業日としつつ「有給休暇の取得推奨」とするケースが実務上よく見られます。合理的な一方で、部署によって取得できる/できないが固定化すると不満や紛争の火種になり得ます。取得の優先順位、業務引継ぎ、最低稼働人数等を事前に設計しておくと安全です。
現状の推奨対応事項は以下のとおりです。
公的部門:1/1(木)〜1/4(日)の4連休+1/10(土)振替出勤という運用が示されています。
民間企業:元旦の法定休日は原則1/1の1日。1/2を休みにするかは企業の設計事項です。
実務対応:「A:1/2休み+1/10振替」「B:1/2通常+年休推奨」「C:稼働継続+代休」から、自社の週休日・操業・対外対応を踏まえ選択し、文書化と当番設計を行うのが安全です。
なお、周囲の日系企業の運用としては、体感的に「1/2は通常営業(+有給推奨)」が比較的多く、「公的部門同様の振替出勤まで採る」企業は相対的に少ない印象です。ただし、これは業界(製造/物流/サービス)や稼働モデルで大きく変わりますので、最終的には各社の事情に応じてご判断ください。
免責:本記事は一般的情報提供を目的とするもので、個別案件への法的助言ではありません。具体的な就業規則の改訂、割増賃金、シフト設計等は、貴社の雇用形態・賃金体系・運用実態を前提に個別検討が必要です。
関連リンク:
Báo điện tử Chính phủ:公務員等の元旦休暇(2026年)
Chinhphu.vn(政策情報):元旦休暇(2026年)と企業への推奨
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- 2025.12.24
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verigoods.vn開始|製品・商品品質法改正(2026/1/1)とトレーサビリティ実務
2026年1月1日施行の「製品・商品品質法(改正)」に関連して、商工省(Bộ Công Thương)が2025年12月23日より公式サイトverigoods.vnでトレーサビリティ管理システムの運用を開始しました。結論から言うと、verigoods.vnは、改正法が導入した“高リスク品のトレーサビリティ義務(ロードマップ導入)”を現場で回すための制度インフラと位置づけられます(少なくとも商工省所管領域では)。
※改正法の全体像は、先に公開した以下の記事で解説しています(本稿はその続編です)。
▶ 2026年施行へ|ベトナム製品・商品品質法 大改正を総解説(リスク区分・デジタルパスポート等)
2026年施行へ|ベトナム製品・商品品質法 大改正を総解説―リスク区分とデジタルパスポート義務とは?
商工省(国内市場管理・開発局)は、2025年12月23日からverigoods.vnでトレーサビリティ管理システムを運用開始したと公表しました。企業は、原材料の由来、製造・流通・販売の情報を統一データ標準に沿って登録・更新し、電子認証コード/電子認証ラベル(QR等)を製品に付して消費者・当局が確認できる仕組みです。
開始日:2025年12月23日(運用開始)
重要:2026年1月1日から「一部の高リスク品目」に必須化(商工省通達の発効に連動)
制度目的:消費者保護、情報透明化、模倣品・偽造品対策、事後監視(hậu kiểm)強化
出典(ベトナム語):
・商工省(国内市場管理・開発局)公式発表(2025/12/22付)
Bộ Công Thương chính thức triển khai Hệ thống truy xuất nguồn gốc từ 23/12/2025
・政府電子新聞(Chinhphu.vn)報道(2025/12/22付)
Chính thức triển khai Hệ thống truy xuất nguồn gốc từ 23/12
改正法(法律番号:78/2025/QH15)は、Điều 6d(トレーサビリティとサプライチェーン透明化)を新設し、高リスク製品・商品についてトレーサビリティを「義務」としました。さらに、どの品目が高リスクに該当するかは各省庁がリスク評価に基づいて指定し、ロードマップにより段階導入する建付けです。
高リスク品はトレーサビリティが必須
対象品目は「省庁が指定」(一律ではない)
導入は「ロードマップ」で段階的(企業能力・業界特性に配慮)
同改正法は、「hộ chiếu số của sản phẩm(製品のデジタル・パスポート)」を定義し、バーコード等やデータベースリンクを通じて、製品情報とサプライチェーン情報を読み取り可能としています。トレーサビリティ義務(Điều 6d)と、デジタル技術活用(Điều 6đ)がセットで制度設計されています。
出典(ベトナム語・法令原文):
・改正法(78/2025/QH15)全文(Thư Viện Pháp Luật)
Luật Chất lượng sản phẩm, hàng hóa sửa đổi 2025
ポイント整理:
verigoods.vnは、商工省所管の市場流通領域において、改正法が求める「高リスク品のトレーサビリティ義務」を“実務で実装するための共通基盤”として設計されている、という理解が合理的です(公式発表でも、改正法の施行(2026/1/1)への対応として位置づけられています)。
商工省(国内市場管理・開発局)は、商工省通達が2026年1月1日に発効すると、高リスクの特定グループに対して必須化すると述べています。公表記事で例示されているのは、概ね次の領域です(※通達番号や最終的な対象品目リストは、当該発表記事だけでは確定できません)。
化学品および化学品を含む製品
工業用前駆物質(tiền chất công nghiệp)
爆薬前駆物質(tiền chất thuốc nổ)
産業用爆発物(vật liệu nổ công nghiệp)
たばこ原料・たばこ製品
実務上の示唆:
「自社が当面対象外」でも、①将来的な対象拡大、②取引先(サプライヤー/卸/小売)からのデータ要求、③EC・流通での“証跡要求”が先行する可能性があります。輸出入やOEMが絡む日系企業は、“対象化された瞬間に登録できる状態”を先に作るのが安全です。
項
社内で決めること
よくある落とし穴
①対象判定
自社製品/輸入品/OEM品を棚卸しし、高リスク該当可能性を一次判定
「最終製品のみ」見て、原材料・中間材の規制リスクを見落とす
②データ項目
原材料、ロット、製造工程、検査、物流、販売のどこまでを記録するか
必要情報が部門に散在し、登録時に集まらない
③ID設計
SKU/ロット/シリアルの体系、QR・電子ラベル運用ルール
途中でID体系が変わり、過去データが接続不能になる
④ガバナンス
誰が登録・更新し、監査要求や当局照会にどう答えるか(責任者・手順)
“登録はしたが更新されない”状態になり、逆にリスクになる
契約上は以下を盛り込むことも検討すべきでしょう。
情報提供義務:原材料・製造・検査・原産地等の情報を、期限付きで提供する義務
真正性保証:提供情報の正確性、虚偽の場合の是正・補償
監査協力:行政・第三者監査への協力、証憑(COA、試験報告、輸入書類等)の保存
再ラベリング/回収対応:不適合時の表示是正、回収・出荷停止の手順と費用負担
※改正法は、デジタル空間(EC)での品質・原産地等に関する虚偽情報や不明確な出所の流通に対する禁止規定を強化しています。トレーサビリティ対応は、単なるIT対応ではなく、表示・広告・販売プロセスのコンプライアンスと一体で設計する必要があります。
A. 現時点の公表情報では、2026/1/1から必須化されるのは「一部の高リスク品目」で、その他は推奨(khuyến khích)という整理です。ただし、改正法上は高リスク品のトレーサビリティは義務であり、対象品目は省庁が指定し得ます。対象の広がりは今後の通達・運用で決まります。
A. はい。最小限でも「製品棚卸し」「データ項目の所在整理」「契約の情報提供条項」の3点は先に着手すべきです。対象化された瞬間に“登録できない”ことがリスクになり得ます。
実際の対象や運用は今後の法令、運用を待つ必要があります。
商工省通達:対象品目の確定、登録手順、データ項目、移行措置(※番号・最終文言は今後の公表で確定)
実装の相互接続:他省庁の指定品目が増えた場合、複数システム/複数フォーマットへの対応が必要になる可能性
コスト負担の帰属:登録・ラベル・データ整備費用をサプライチェーンでどう分担するか(契約設計)
商工省のverigoods.vn運用開始は、2026年1月1日施行の製品・商品品質法改正(リスクベース管理、トレーサビリティ義務、デジタル技術活用)と整合し、制度を実務に落とすための共通基盤として機能する可能性が高いといえます。日系企業としては、対象企業であるか否かにかかわらず、(1)製品棚卸し→(2)データ整備→(3)契約手当てを先行させることが、最小コストでリスクを減らすことにつながると考えられます。
弊所では、対象品目の該当性判断、サプライチェーン契約(情報提供・保証・監査協力条項)整備、社内運用フロー策定まで、実務に即して支援していきます。個別の業種・商流を踏まえた対応方針が必要な場合は、お気軽にご相談ください。
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- 2025.11.12
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【ベトナム法令解説】個人所得税の基礎控除・扶養控除を引上げ:2026年課税期間から適用(Nghị quyết 110/2025/UBTVQH15)...
本件は、個人所得税法(2007年法)第19条第1項(家族状況による控除額)の改定を、国会常務委員会の決議で具体化したものです。名目賃金・物価推移、納税者の可処分所得維持の観点から、基礎控除・扶養控除の見直しが決定されました(正式名称:Nghị quyết 110/2025/UBTVQH15)。
適用は2026年課税期間からであり、2025年分(年末調整・確定申告)には影響しません。
2025年までの控除額との対比は以下のとおりです。
区分
旧:決議954/2020
新:決議110/2025
基礎控除(本人)
11,000,000 VND/月(132,000,000/年)
15,500,000 VND/月(186,000,000/年)
扶養控除(1人)
4,400,000 VND/月
6,200,000 VND/月
適用開始
2020/7〜
2026/1/1施行、2026年課税期間から
旧決議の扱い
—
954/2020は失効
企業としては以下のとおり注意が必要です。
源泉計算の更新:2026年1月給与計算から新控除額を反映(ペイロール/ERPの控除マスター更新、テスト計算)。
扶養控除の棚卸:従業員の扶養登録・証憑の更新案内(年初の人事・税務ガイドに明記)。
人件費/税額見込み:課税最低ライン上昇により、総額では源泉税負担が減少傾向(賃金テーブル別のインパクト試算推奨)。
年跨ぎの賞与・支給:計上月と支給月で課税期間の帰属が変わるため、就業規則・賞与ポリシーと整合を確認。
目安の非課税ライン(控除後課税所得の発生閾値)
・扶養なし:15.5百万VND/月
・扶養1人:21.7百万VND/月(15.5+6.2)
※実際は社会保険・医療保険等の強制拠出控除後の課税所得で判定されます。
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- 2025.11.11
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【ベトナム最低賃金】政令 293/2025/NĐ-CP(2026/01/01施行)— 地域別金額・適用ルール・実務チェック...
ベトナム政府は2025年11月10日、政令 293/2025/NĐ-CP を公布し、2026年1月1日から地域別最低賃金(月額・時間給)を改定しました。
本稿では、最低賃金の新水準、適用ルール(工業団地・輸出加工区・ハイテク/デジタル集中区を含む)、暫定運用、そして実務対応の優先順位を整理します。
各地域の最低賃金は以下のとおりです。地域の区分けは政令付録で確認できます。
地域
最低賃金(月)
最低賃金(時間)
地域 I
5,310,000 VND
25,500 VND
地域 II
4,730,000 VND
22,700 VND
地域 III
4,140,000 VND
20,000 VND
地域 IV
3,700,000 VND
17,800 VND
※ 平均上昇率は約7.2%(月額 +250,000〜+350,000 VND)。最低賃金は「労働契約に基づく労働者」に適用されます。
最低賃金の適用に関する詳細のルールは以下のとおりです。
適用基準:原則、雇用主(使用者)が活動する所在地の地域区分に応じた水準を適用します。
支店・事業所:雇用主に複数の単位(支店・事業所)がある場合、各単位の所在地ごとに該当地域の水準を適用します。
KCN/EZ/ハイテク・デジタル集中区:複数地域にまたがる場合は最も高い地域水準を適用します。
区域の名称変更・分割:政府の新規定まで従前区分を暫定適用します。
新設区域:複数区域から新設された場合は最高水準を暫定適用(政府の新規定まで)。
減額回避の経過措置:区域見直しにより付表の地域水準が2025/12/31時点より下がる場合、同日以前に採用済みの労働者は従前水準を継続(新規定まで)。
時間給・日給・週給・出来高:月額/時間額に換算しても最低賃金を下回らないこと(週給→月換算は ×52/12 など)。
賃金構成:職務/職位に対する基本給自体が最低賃金以上となるよう設計し、食事・携帯・交通等の諸手当での「かさ上げ」に依存しないことが無難です。
地域区分(都省・区郡・坊社の具体一覧)は政令の付表PDFで公表されています。所在地の再確認を推奨します(リンクは「6.参考資料」参照)。
今年末までの最低賃金と、来年からの最低賃金の差異は以下のとおり。
地域
2025(政令74/2024)
2026(政令293/2025)
差額
地域 I
4,960,000 / 23,800
5,310,000 / 25,500
+350,000 / +1,700
地域 II
4,410,000 / 21,200
4,730,000 / 22,700
+320,000 / +1,500
地域 III
3,860,000 / 18,600
4,140,000 / 20,000
+280,000 / +1,400
地域 IV
3,450,000 / 16,600
3,700,000 / 17,800
+250,000 / +1,200
単位:左が月額(VND/月)、右が時間額(VND/時)。
各社、必要に応じて以下の対応をご検討ください。
地域コードの再点検:各拠点・支店の付表の地域区分を再確認。
賃金テーブル改定:職務/職位の基本給下限、残業・深夜・有害業務の割増計算の算定基礎を更新。
契約・規程:労働契約・賃金規程・就業規則を2026/01/01発効で改定。派遣・請負は契約上の遵守条項を見直し。
システム切替:給与計算SaaS/ERPの地域マスタと手当テーブルを更新。未達者の是正支給計画を準備。
経過措置の洗い出し:区域再編で下限が下がるケースでは、既存社員の従前水準維持の要否を判定。
広報・トレーニング:管理職・人事・会計への周知、派遣先・請負先との整合を確保。
政令は「雇用主の活動地」と「単位(支店等)の所在地」を基準にしています。
労働契約上の所属単位・勤務場所の記載に整合させ、所属単位の所在地の区分で運用するのが実務的です。
実際の就労地が別地域にまたがる場合は、監督当局との摩擦回避の観点から、実働地の水準に合わせる運用を検討します(社内規程・契約文言で根拠付け)。
最低賃金は「職務/職位に対する賃金」自体の下限です。食事・通信・交通等の一般手当での「かさ上げ」は紛争リスクが高く、基本給そのもので下限を満たす設計を推奨します。
最も高い地域水準の適用が明記されています。運用開始前に、団地の境界と各区分を付表で再確認してください。
従前区分の暫定適用、または最高水準の暫定適用(新設の場合)が規定されています。区域再編のトランジションは給与システムで事前にシナリオ化しておくと安全です。
政令上は、労使で既に合意済みで労働者に有利な条件は継続可能とされています(別段の合意がない限り)。自社の就業規則・労使協定の文言を点検してください。
政府公表:2026/01/01から最低賃金はどれだけ上がるか
原典PDF:政令 293/2025/NĐ-CP(本文)
付表PDF:地域区分(都省・区郡・坊社の一覧)
前回水準:政令 74/2024/NĐ-CP
※ 本稿は公表原典に基づき作成していますが、個別案件では契約・就業規則・配置(所属単位)等により結論が変わる可能性があります。実務適用時は個別にご相談ください。
関連記事(草案時点):
https://cast-vietnam.com/news/vietnam-minimum-wage-2026-increase/
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- 2025.11.04
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【2025年11月3日提出】電子商取引法案の概要と実務対応
2025年11月3日、電子商取引法の草案が国会に提出されました。本稿では、草案の内容と実務対応について分かりやすく解説します。
2025年11月3日、第15期国会第10会期の本会議で、政府(産業貿易省)が電子商取引法案の提出理由と骨子を説明しました。産業貿易省のポータルによれば、同法案は「消費者を保護し、デジタル経済の発展を促進し、公平で透明な場を創出する」ことを狙いとしています。
グエン・ホン・ジエン産業貿易大臣は、現行の枠組み(政令52号および政令85号)が、ライブコマース等のビジネスモデルや消費者保護、個人データ保護などの新課題に対応しきれていないと指摘し、法制化の緊急性を強調しました。
このような流れで、2025年10月30日付の提出書第1007号として、電子商取引法の最新の草案が提出されました。
草案は7章48条で構成されており、新たに規定された内容は以下の表のとおりになっています。なお、電子商取引ウェブサイト・アプリの通知・登録や電子契約認証サービスに関する規定も刷新されています(経過規定あり)。
なお、2026年7月1日施行予定であり、それまでに内容が変更となる可能性がございます。
項目
内容
該当条文
1
大型デジタルプラットフォームは、電子商取引活動管理プラットフォームを通じて削除結果をリアルタイムでオンライン報告しなければならない
第13条3項(リアルタイム報告)/*大型該当性の参照条:第15条7項・第16条2項
2
電子商取引プラットフォームは、違法情報を発見または通報を受領した場合は精査・削除しなければならない。特に仲介型のプラットフォーム(*)の場合は表示前に情報を自動審査しなければならない。
(共通の点検・削除)第13条4項/(自動審査(表示前フィルタ))第15条4項
3
プラットフォームに掲載された商品・サービス情報を、掲載時点から少なくとも1年間保存しなければならない
直接型プラットフォーム(*):第14条4項/仲介型プラットフォーム:第15条5項
4
契約の基本内容に関連する情報を、契約締結時から最低3年間保存しなければならない
直接型:第14条5項(a)(*設立5根にないの小規模企業等は1年の特例あり:同(b))/仲介型(:第15条6項(i)
5
ライブ配信販売に関する、プラットフォーム主宰者の責任を明確化(ライブ画像音声データの1年保存等)
第20条
6
プラットフォームの運営者はライブ配信者の身元を認証し、配信内容の規程を公開し、違法ライブ等のリアルタイム配信遮断措置を実施しなければならない
身元認証:第20条1項/規程の公開:第20条2項/リアルタイム停止・削除等:第20条3項
7
販売者は、ライブ配信者に対し、条件充足を証明する法的文書を提供しなければならない
第21条1項(a)(b)(条件業種・品質関係書類)
8
ライブ配信者は、効用・原産地・品質・価格・プロモーション・保証等について虚偽・誤認の情報を提供してはならない
第22条3項
9
広告内容の事前確認が必要な品目は、確認済み広告内容を正しく実施しなければならない
販売者側の前提:第21条2項/配信者の順守義務:第22条4項
10
アフィリエイトマーケティングサービス提供組織は、アフィリエイターを識別し、活動の追跡・監視メカニズムを有し、違法な商品・サービスへのリンクを遮断・削除しなければならない
識別:第23条1項/追跡・監視:第23条2項/リンク不生成・遮断・削除:第23条3~4項
11
アフィリエイターは、効用・原産地・品質・価格・プロモーション・保証等について虚偽・誤認情報を提供してはならない
第24条2項
*直接型プラットフォーム:「組織・個人が設け、商品売買またはサービス提供の活動を直接行う電子商取引プラットフォーム」
*仲介型プラットフォーム:「多数の当事者が当該プラットフォーム上でアカウント登録を行い、当該プラットフォーム上で商品売買またはサービス提供の紹介・販売を行うことを可能にする電子商取引プラットフォームであって、店舗開設、オンライン注文、ライブ配信による販売、アフィリエイト・マーケティングの提供のいずれかの機能を有するもの」をいいます。
3. 広告法改正 75/2025/QH15 との関係
広告法と電子商取引法
広告法改正(75/2025/QH15)は、オンラインを含む広告全般の内容規律・表示義務・広告伝達者の責務等を横断的に定め、2026年1月1日施行です。
電子商取引法案は、ECプラットフォーム/販売者/配信者/アフィリエイター等の運用ガバナンスを定める場(プラットフォーム)側の規律が中心です、2026年7月1日施行予定です。
重なり領域
ライブ配信で広告規制が及ぶ品目は、事前確認済み広告内容どおりの配信が義務(法案第21条2項・第22条4項)となっています。これは広告法側の要件をライブ配信の運用に貫徹させる設計です。
また、プラットフォームには違法広告の迅速撤去の責務が課されており、こちらは広告法改正案と重なっています。
両者の関係
両者の内容は重複する部分もありますが、基本的な構造としては内容規律(何を言えるか)=広告法、運用規律(どう運営するか)=EC法案となっています。両法の二層適用を前提に社内基準を再設計すべきです。
プラットフォーム類型の確定(直接型/仲介型)
データ保存体制を整えます。
違法内容の自動審査・削除を実装します。
苦情処理体制を整備します。
プラットフォーム:配信者の身元確認をし、ライブ配信規程を公表・運用します(プラットフォーム)。リアルタイム停止/削除の運用訓練や、危険商材の警告表示も必要です。
販売者:配信者への適法性資料提供を徹底します。
配信者:身元確認資料を提出し、虚偽・誤認表示の禁止等の広告規制に従います。
アフィリエイトマーケティングサービス提供組織はアフィリエイターの身元確認、活動監視の体制を整えます。アフィリエイター側は身元情報を帝京し、広告規制を遵守します。
- コラム
- 2025.10.29
- CastGlobal
最低税率15%時代へ:ベトナムのグローバルミニマム課税と税優遇の行方
10月15日施行の政令236/2025/ND-CPによって、ベトナムで詳細なグローバルミニマム課税手続きが規定されました。本稿では、導入背景や適用対象、適用ルールなどについて分かりやすく解説します。
OECD/G20主導で2021年に合意されたグローバル・ミニマム課税(GMT)制度は、多国籍企業(連結収益7億5,000万ユーロ以上)に対し各国で最低15%の実効税率を課す枠組みです。
所在地国で課税が15%未満の場合、その差額分を本社所在国や進出先国で追加徴収するルールとなっており、税源浸食と利益移転への対策として各国が協調して導入を進めています。これにより、大企業は税率の低い国へ利益を移して節税を図ることが難しくなり、途上国を含む各国で公平な税負担と税収確保を図る狙いがあります。ベトナムもこのOECD/G20合意に参加し、2023年末に関連法制度の導入を決定しました。
ベトナム政府は2024年からグローバルミニマム課税ルールを段階的に導入しています。2023年11月29日、ベトナム国会(第15期)が決議第107/2023/QH15号により導入方針を承認し、2024年1月1日から国内法上有効としました。
これを受けてベトナム政府は詳細な実施規則の整備を進め、2025年8月29日付け政令第236/2025/ND-CP号を公布してグローバルミニマム課税の適用手続を定め、2025年10月15日より施行しています。この政令により、ベトナムにおいても所得合算ルール(IIR)および国内適格最低課税(QDMTT、いわゆる「トップアップ課税」)が正式に運用開始され、大規模多国籍企業グループのベトナム拠点に対し、15%未満の法人税しか課されていない場合には不足分の追加課税が行われる法的枠組みが整いました。例えば、ベトナム子会社の実効税率が10%にとどまる場合、差額5%相当の法人税を追加申告・納付する必要があります。
なお、一定の免除規定もあり、6か国以上に構成事業体を持たないこと、QDMTTが適用される国以外の構成事業体が保有する有形資産の帳簿価額が 5,000万ユーロ(約80億円)未満であること、という二つの条件を満たす場合には、最大5年間、IIR及びQDMTTの適用が免除されます。なお、申告手続きを簡素化できる制度であるセーフハーバーも存在しますが、連結売上高が7億5,000万EUR以上の場合には申告自体は必要になります。
ベトナムはこれまで積極的な税制優遇策によりFDI(海外直接投資)を呼び込んできました。法人税の基本税率は20%ですが、分野や地域に応じてさまざまな優遇税率・免税措置が存在します。こうした企業は今後グローバルミニマム課税ルールにより不足分の課税が行われるため、従来享受してきた税メリットが相殺されてしまう懸念があります
もっとも、ベトナム政府は急激な制度変更による投資環境の悪化を避けるため、既存の税優遇措置そのものは直ちに廃止せず維持しています。2025年現在も税制優遇は法令上有効であり、中小規模の投資やグローバルミニマム課税の対象外企業(連結売上7.5億ユーロ未満)にとっては引き続き意義を持ちます。しかし、大規模投資には効果が薄れる以上、ベトナム政府としては投資誘致政策の軸足を変えざるを得ない状況となっています。
例えば、ベトナム国会は2023年11月の第4会期において、グローバルミニマム課税導入に伴う政策対応として「投資支援基金」の設立方針を決議承認しました。これを受け、政府は2024年12月31日付で政令第182/2024/ND-CP号を公布し、投資支援基金の設立・管理・運用に関する詳細規定を定めています。この基金の原資はグローバルミニマム課税に基づき徴収される追加法人税(トップアップ税)収入およびその他合法的財源とされており、要するに各国本社に取られるはずだった税額をプールして投資誘致に再投入する仕組みです。
上述の投資支援策と並行して、ベトナムは自国でトップアップ税を課すための国内法整備も進めています。政令236/2025号により、QDMTT(国内適格最低課税)制度が公式に導入されました。これにより、直近4会計年度中、2会計年度以上においてグローバル連結売上高が7.5億ユーロ以上の多国籍企業グループに属するベトナム企業については、各会計年度のベトナム実効税率(ETR)を算定し、15%に満たない場合は不足分をベトナムで追加納税する義務が生じます。なお、マイノリティ出資の合弁企業については基本的にはGMT申告対象となる構成事業体には含まれません。
具体的な計算方法や申告納付の手続も政令236号で詳細に規定されており、例えば追加税(トップアップ税)の申告・納付期限は該当ベトナム企業の事業年度末から12か月以内と定められています。また、最終親会社の年度末から30日以内に代表会社の通知および構成事業体リストを届け出ること、最終親会社の会計年度終了から90日以内にGMT用の税コードを登録することなども規定されています。
ベトナムに進出している日系企業、とりわけ親会社がグローバル大企業グループに属する企業は、今回の制度変更による影響を正確に把握し、適切に対応する必要があります。
まず税務面の直接的影響として、実効税率15%への引上げがあります。これまでベトナムの税制優遇(例:数年間の法人税免除や低税率適用)により5~10%程度の実効税率しか負担してこなかった企業も、今後は最低15%の税負担が発生することを前提に資金計画を見直す必要があります。仮にベトナムでの税率が低く抑えられていても、QDMTTにより不足分はベトナム税務当局へ納付する義務が生じるため、結果的にグループ全体でみれば税コストは増加します。したがって、今後数年間の損益予測やキャッシュフロー計算においては、各ベトナム子会社につき最低でも15%の法人税を織り込んだシナリオで検討することが重要です。特に税優遇込みで投資採算を算定していた案件については、その前提を再評価し、追加課税分を含めても事業が成り立つか検証する必要があります。
- コラム
- 2025.09.17
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【ベトナム】2026年のテト休暇|公的機関・民間の休暇日程と実務対応
本コラムでは2026年のテト休暇について解説します。新たな情報がでてきましたら随時アップデートしていきます。
最終更新:2025年10月25日
【更新】2025年10月25日
ベトナム政府官房は文書番号:9859/VPCP-KGVX(2025年10月13日付)にて、2026年のテト休暇を「2026年2月14日(土)〜2月22日(日)の9連休」とする首相承認を通知しました。
休暇レンジは旧暦12月27日〜正月6日に対応し、公的機関(公務員等)は本スケジュールに従います。民間企業は法定5日(年末・年始の配分は企業裁量)を本レンジに合わせて設計するのが実務上安全です。
公式報道:政府ポータル(VGP)「2026年テト9連休を首相承認」
民間実務:祝日勤務の割増は少なくとも300%(夜間等は別途加算)。週休日との重複時は振替休日を付与。
1. 旧暦の年末年始(テト)の日付
ベトナムのテト(旧正月)は太陰暦で定められ、労働法上5日間の祝日です。2026年のテト休暇(Tết Âm lịch)は以下の対応となる見込みです(※太陰暦→太陽暦の換算)
2026年2月16日(月):旧暦12月29日(大晦日/Giao thừa)※2026年は「30テト」なし
2026年2月17日(火):旧暦1月1日(元日)
2026年2月18日(水):旧暦1月2日
2026年2月19日(木):旧暦1月3日
2026年2月20日(金):旧暦1月4日
参考:2026年2月21日(土)=旧暦1月5日、2月22日(日)=旧暦1月6日
例年どおりであれば、公的機関は5連休+前後の土日が連なり「9連休」程度になる可能性が高い一方、正式な休暇レンジは政府通知で確定します(後述)。
2. 公的機関に関する規定(正式決定済)
政府官房 文書番号:9859/VPCP-KGVX(2025年10月13日)に基づき、2026年テト休暇は
2026年2月14日(土)〜2月22日(日)の9連休となりました(旧暦12月27日〜正月6日)。
なお、民間企業は労働法の枠内で法定5日を年末・年始に配分しつつ、同レンジに合わせて就業計画・交替勤務表を設計するのが一般的です。
政府官房通知番号/発出日:9859/VPCP-KGVX(2025年10月13日)
公的機関の休暇期間:2026年2月14日(土)〜2月22日(日)(9連休)
該当する旧暦:旧12月27日〜正月6日
教育機関や一部の行政サービスは、各省・市の個別決定で運用の差異が生じる場合があります。所在地の人民委員会告知・各所管の運用をご確認ください。
3. 民間企業の休暇設定(実務ポイント)
労働法に基づき、民間企業はテト休暇5日を、「年末○日+年始○日」のいずれかで設定できます。2025年の運用と同様、以下の3パターンが想定されます。
年末1日+年始4日【今回はほとんどがこの日程を選択すると推測】
2026年は2/16(月)〜2/20(金)の5日間(推奨)。前後の土日(2/14–15、2/21–22)と連続させると最長9連休の運用が容易です。
年末2日+年始3日
(例)2/15(日)〜2/19(木)。この場合、祝日が週休日(日曜)に重なる分は振替休日が翌営業日に発生しうるため、実務上は休みが分断されないよう社内就業規則で整理しておくと安全です。
年末3日+年始2日
(例)2/14(土)〜2/18(水)。週休日との重複が多くなりやすいため、振替休日・代休の整理と給与計算(祝日勤務の割増)に注意が必要です。
少なくとも30日前までに従業員へ休暇計画を通知(テトおよび国慶節は事前告知が求められます)。
工場・24/7オペレーションは、交替勤務の体制図・呼出し規程・緊急連絡網を更新。
休日期間の時間外・祝日勤務の割増賃金(最低300%)、代休・振替の内部ルールを明確化。
4. 銀行・証券取引所・税関など実務の影響
銀行:国家銀行(SBV)の通知・各行の営業案内に連動します。外貨送金・信用状(L/C)決済は休日前に前倒し手配をご検討ください。
証券取引所(HOSE/HNX):政府の祝日スケジュールに合わせて休場となります。配当・権利落ち・受渡(T+2)に影響します。
税関・物流:E-Customs等のシステムは稼働しても、実人員対応は限定的になりがちです。D/O切替・CYカット・港湾ゲートの締め切りは各オペレーター告知を必ず確認してください。
実務アップデート(2025/10/14):
公的機関の9連休確定(2/14〜2/22)に伴い、金融機関(送金・L/C)や証券の受渡(T+2)は直前週の前倒し手配が推奨されます。
税関/E-Customsはシステム稼働でも、現場人員は限定的になりがちです。港湾ゲート・CYカット・D/O切替は各オペレーターの告知を必ず確認ください。
5. よくある質問(賃金・振替・通知期限 等)
労働法上、祝日・テトに勤務した時間外賃金は「少なくとも300%」(日給者は当日の祝日賃金と別に加算)です。夜間労働等は別途加算が生じます。
次の営業日に振替休日を付与します。テトの5日間に週休日が含まれる設計を取る場合、社内通知で振替日を明示してください。
テト・国慶節の休暇スケジュールは、少なくとも30日前までに従業員へ周知するのが原則運用です。特に交替制・シフト制では早期周知が望ましいです。
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- 2025.09.16
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ベトナム個人所得税改革案|基礎・扶養控除36.4%増、年1000万VND減税
ベトナム財務省が提出した2025年個人所得税改革案では、基礎控除と扶養控除をそれぞれ36.4%引き上げることで、中間層の税負担を大幅に軽減する案を提示しました。年収3億VNDの標準的な世帯で年間約1000万VND(約6万円)の減税効果が見込まれ、物価上昇に対応しつつ内需拡大を図る予定です。2026年からの個人所得税の適用のため、11月に国会で審議される予定です。
控除額の変更内容
財務省の提案によると、個人所得税の基礎控除(本人控除)を現行の月額1100万VNDから1500万VNDへ400万VND引き上げるとのことです。
これは36.4%の大幅増となり、年間では4800万VND(約29万円)の控除額増加を意味します。
扶養控除についても、現行の月額440万VNDから600万VNDへ160万VND(36.4%)引き上げられます。扶養家族1人あたり年間1920万VND(約11.5万円)の追加控除が可能となります。
控除項目
現行(月額)
改正案(月額)
増加額
増加率
基礎控除
1,100万VND
1,500万VND
400万VND
36.4%
扶養控除
440万VND
600万VND
160万VND
36.4%
年間減税額(標準世帯)
–
–
1,000万VND
–
背景
ベトナムでは2020年以来、個人所得税の控除額が据え置かれてきました。この5年間で最低賃金は38%上昇し、消費者物価も継続的に上昇していました。
実質的な税負担が増加していた中間層への支援が急務となっています。政府は2025年のGDP成長率目標を6.5-7%に設定しており、内需拡大が成長の鍵を握ります。減税による可処分所得の増加で、消費拡大と経済成長の好循環を生み出すことが期待されます。
まだ未決定の案ですので、今後の議論状況の確認が必要です。
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- 2025.09.10
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【アップデート】ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について
ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について、以前の記事の後に新政令(05/2025/ND-CP、以下「政令05号」という)が施行されたため、本稿では政令の改正点のうち重要部分のアップデート情報をお届けします。新政令は署名の日である2025年1月6日に即日施行されました。
改正前政令08/2022/NĐ-CP(以下「政令08号」という)の第77条第4項によれば、製造・輸入事業者は、以下に従って、自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルする責任を負うことになっていました。
包装及びバッテリー・電池、潤滑油、チューブ・タイヤ等の製品:2024 年1 月 1 日から
電気・電子製品:2025 年1 月 1 日から
交通手段:2027年1 月 1 日から
新政令05号においては、スケジュール自体に変更はないものの、「潤滑油」については、「潤滑油・潤滑剤」に変更されました。また、交通手段に関する規定が2025年1月1日までに公布予定だったのが、2026年1月1日までに公布されることになりました。
政令08号の第77条第2項によれば、リサイクル責任の対象となる包装は、以下の製品・商品の商業包装(直接包装及び外装を含む)でした。
食品の安全に関する法律に基づく食品
化粧品の製造条件に関する法律に基づく化粧品
医薬品に関する法律に基づく薬
肥料、動物用飼料、動物用医薬品に関する法律に基づく肥料、動物用飼料、動物用医薬品
家庭用・農業用・医療用の洗浄剤、製剤
セメント
新政令05号においては、食品からチューインガムが除かれたこと等以外は基本的に同様の枠組みが維持されております。
政令08号の第77条第3項によれば、以下の対象がリサイクルの責任を遂行しなくてよい対象でした。
a)環境保護法の第54条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者
b)前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の製造事業者
c)前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の輸入事業者義務的なリサイクル率
新政令05号においては、これらの項目のうち、(b)(c)が以下のように置き換えられました。
b)第2項に掲げる製品の売上高が年間300億VND未満の製造者・輸入者。
c)当人が市場に出した包装を自ら回収し、再度包装して再販売する場合で、その回収・再包装率が、別表XXII欄4の義務的リサイクル率以上であるとき。
政令08号の第78条によれば、義務的なリサイクル率は 3 年ごとに上昇し、3年間の最終年の 9 月 30 日までに首相政府により調整され、発行されること、製造原料のための輸入スクラップのリサイクルは、製造・輸入事業者の義務的なリサイクル率に含まれないことが定められていました。また、製造・輸入事業者が義務的なリサイクル率を超えてリサイクルした場合、その比率について繰り越しできることとなっていました。
しかし、新政令05号においては、リサイクル率の調整は首相ではなく自然資源環境大臣がすることとなり、輸入スクラップだけでなく工業生産過程で生じる包装廃棄物、製造工程で排出された不良品もリサイクル率の対象外となりました。さらに、繰り越しについても超過「比率」ではなく超過「重量」が基準となりました。
政令08号の第78条第5項によれば、製品・包装の種類ごとの義務的な規格は、政令08号のAppendix XXII の第 5 欄に規定されていましたが、かかるAppendixの内容についても改定されました。
政令08号の第79条第2 項によれば、製造・輸入事業者が製品・包装のリサイクルの組織化という形式を選択した場合、製造・輸入事業者が次の方法でリサイクルを自分で決定することができていました。
リサイクルを自分自身で実施すること。
リサイクルを実施するためにリサイクルサービス事業者を雇うこと。(リサイクルサービス事業者のリストが天然資源環境省により公表される。)
リサイクルの実施を組織するために中間組織に委任すること。(中間組織のリストが天然資源環境省により公表される。)
上記の方法を組み合わせること。
新政令05号においては、委任者の同意がある場合を除いて、再委任が禁止となることが明確化されました。また、委託を受けるリサイクル事業者は、当該製品・包装のリサイクル内容を含む環境許可を保有しなければならないことが明確化されました。
製造・輸入事業者は、ベトナム環境保護基金への財政的な寄付という形式を選択した場合、登録、リサイクル計画の実施及びリサイクル結果の報告を行う必要がなく、その場合には毎年3月31日までに申告し、4月20日までに納付する(2回分割も可能)こととなっていました。
しかし、新政令05号においては分割納付規定が削除されました。
ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)