ベトナムビジネスの飛躍に法務の力を

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(CAST)について
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私たちは、2013年にベトナムに設立した日本人弁護士とベトナム人弁護士の所属する日系の弁護士事務所です。ハノイ市とホーチミン市に拠点を有しています。
ベトナムでは、大きなトラブルにならないように日常的に法務を意識して経営することが重要ですが、実際には何が問題になりうるのかや日本との違いもわからず、法的な事柄によって日々の業務に集中できないことも多く生じています。

お客様に憂いなくビジネスに集中いただくため、"法務面からベトナムビジネスを伴走する身近なパートナー"として貢献していきます。

CASTの特徴FEATURES

01

ビジネスの現状・ベトナムのスピード感に合わせたスピーディーかつ柔軟な対応

CASTのミッション

02

タイムチャージに基づかないリーズナブルで相談しやすい顧問契約の設定

CASTの顧問契約

03

ベトナムのM&A、不動産、企業運営に関わる法務、知財戦略などの専門分野の支援実績

CASTの対応分野

活用例

  • 現地の担当弁護士にチャット・メールでいつでも気軽に相談できる環境。
  • 自社の担当・駐在員が変わっても、過去の経緯から把握してアドバイスしてもらうことが可能。
  • 会社の総務・法務スタッフとも普段からやりとりし、社内のコンプライアンス体制・意識向上にも。

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導入事例CASES

導入事例一覧

ニュースNEWS

コラム
2024.04.11
CastGlobal

ベトナムの2024年4月30日・5月1日の連休について(南部解放(戦勝)記念日と国際メーデー)
ベトナム労働法第112 条により、 南部解放(戦勝)記念日(Ngày Chiến thắng):4 月30 日と国際メーデー(Ngày Quốc tế lao động:):5 月1 日は祝日となっています。 そのため、カレンダー上は以下のとおりとなります。 4月27日(土) 4月28日(日) 4月29日(月) 4月30日(火) 5月1日(水) 5月2日(木) 5月3日(金) 通常の土曜日 通常の日曜日 平日 南部開放記念日 国際メーデー 平日 平日   上記のように、土日と連休との間に4月29日の平日が挟まっているため、4月29日(月)を振替休日とし、5連休とすることを政府が検討しているという報道がなされています(4月29日の分は別途振替出勤を設ける)。 参考: 1.https://vtv.vn/xa-hoi/trinh-thu-tuong-phuong-an-nghi-5-ngay-lien-tuc-dip-le-30-4-1-5-20240411110218071.htm 2.https://nld.com.vn/nghi-le-30-4-va-1-5-lien-tuc-5-ngay-tien-luong-nhung-ngay-hoan-doi-the-nao-196240410103830692.htm 3.https://dantri.com.vn/lao-dong-viec-lam/trinh-thu-tuong-quyet-dinh-viec-nghi-5-ngay-dip-304-15-20240410161337897.htm しかし、こちらは公的機関の労働者を中心とするものであり、一般的な企業に適用されるものではありません。 その後、公的機関については4月29日が休暇となり、その週の土曜日を代替出勤日とすることに決まりました。 民間企業については、推奨はされているものの義務ではない(祝日の扱いにはならない)と理解できます。 https://vnexpress.net/thu-tuong-chot-nghi-5-ngay-dip-30-4-4733654.html そのため、4月29日について民間企業は自社の取り扱いを決める形になります。 一般的に、有給取得を推奨することや、通常の平日通り扱う(任意で有給を取るなど)という扱いとしています。

ベトナムの2024年4月30日・5月1日の連休について(南部解放(戦勝)記念日と国際メーデー)

コラム
2024.03.21
CastGlobal

ベトナムでの外国企業のM&Aの現状や注意点 (主に2023年データ・報道に基づく)
2023年のM&Aについて、外国投資局の発表はどうだったでしょうか。 ベトナムでは外資企業がベトナム国内企業に投資する場合、計画投資省の認可が必要であり、この際に認可された金額ベースの直接投資金額、間接投資金額が発表されています。 計画投資省外国投資局(FIA)が発表したデータによると、2023年のFDI認可額は前年比32%増の365億9000万USD。これには、M&Aのみではなく、新規投資・追加投資の認可額が含まれています。 国別認可額では、シンガポールが約68億USD、続いて、日本、香港、中国、韓国、台湾となっています。これら 6 つのパートナー国だけで、2023 年の外国投資資本の 81.4% 以上を占めています。 M&Aによる出資・株式取得額をみると、シンガポールが22億USD、日本が29億USDとなっており、日本からの投資金額が全体のトップとなっています。 No. 国・地域 M&A件数 投資額 1 シンガポール 349 22.0億USD 2 日本 230 29.4億USD 3 香港 91 1.3億USD 4 中国 412 1.6億USD 5 韓国 961 4.0億USD 6 台湾 234 2.8億USD M&Aの投資金額順に産業分野を並べると、以下のとおりです。新規投資件数の場合、製造業がトップですが、不動産と金融が非常に大きいということがわかります。 1件あたりの金額が大きいうえ、外資の規制も大きい分野ということもありM&Aの参入が多くなったと考えられます。 No. 産業 M&A件数 投資額 1 不動産 102 31.5億USD 2 金融 22 15.5億USD 3 加工・製造 529 15.4億USD 4 テクニカル・プロフェッショナルサービス 531 7.7億USD 5 卸売・小売 1433 6.0億USD 6 医療・社会支援 11 3.4億USD 7 IT 265 1.8億USD 8 運輸・倉庫 138 1.5億USD 9 電気・ガス・水道 9 1.0億USD 出典: 投資計画省・外国投資局Website https://fia.mpi.gov.vn/Detail/CatID/f3cb5873-74b1-4a47-a57c-a491e0be4051/NewsID/00689952-458e-417a-bf12-896d853e1276 Vn economyによれば、ベトナムのM&A市場は2023年で44億USD以上に達する見込みです。「2023 年最初の 10 か月間で、M&A 市場は前年同期と比較して 23% 減少したが、この市場は政治的安定と高い基準のおかげで依然として海外投資家から魅力的であると考えられており、国内での利用は急速に増加し続けている。」と述べられています(*1)。 平均取引額は5,450万米ドルに達し、投資家が戦略的投資に移行し、より大きな財務的可能性を必要としていることを示しており、また、政策支援や需要の増加により、グリーンエネルギー、テクノロジー、不動産、ヘルスケアなどの主要分野でM&A取引が増加する可能性があると予測されています。 さらに投資分野について、Nhan Danでは、現在、多くの投資家は経済の基本基盤である食料生産と流通をはじめ、農業や食料といった主要セクターへの回帰を優先していると言われており、次に病院、医薬品、医療機器などの医療分野であると述べてられています(*2)。このようにベトナムのM&Aは市場規模が増大しているだけではなく、幅広い分野で取り扱われていることが分かります。 更に、ベトナムのM&Aにおける日本の立ち位置は向上しています。1996年から2022年末までにベトナムでは約6,550件の合併・買収(M&A)取引があり、2022年までは主にタイと韓国の競争だったのに対し、2023年から現在は日本の投資家による新たなM&Aの波が形成されています。円の価値が下がっていることもあり、そのため日本企業は「資金を持ってきて海外(ベトナムなど)に投資する」ことが求められているとされています(*3)。 (*1) Vn economy Thị trường M&A Việt Nam đạt giá trị hơn 4,4 tỷ USD năm 2023 https://vneconomy.vn/thi-truong-ma-viet-nam-dat-gia-tri-hon-4-4-ty-usd-nam-2023.htm (*2) “Phá băng” thị trường M&A Việt Nam https://nhandan.vn/pha-bang-thi-truong-ma-viet-nam-post785442.html (*3) DN Nhật Bản đẩy mạnh M&A tại thị trường Việt Nam https://tphcm.chinhphu.vn/dn-nhat-ban-day-manh-ma-tai-thi-truong-viet-nam-101240312184155633.htm ベトナムの人口はおよそ1億人で、国民の平均年齢は31歳です。 労働年齢人口は69%を占める黄金の人口構造により高い優位性を持っています。労働人口は約20年間上昇していくことが想定されています。 また、IT人材の豊富さも強みです。ベトナムの全労働者に占める情報技術人材の割合は、総労働者5,100万人のうち1.1%と推定されていてインドの1.78%、韓国の2.5%、アメリカの4%には劣るもののこの割合が2%まで上昇すると予想されています。 実際には、都市部のIT人材の質・量は非常に高いと評価されており、特にこれまでのIT業界への優遇税制、外国企業誘致、ITエンジニア教育の継続などにより、ITエンジニアのエコシステムもできあがっています。 2022年10月発表 「2050年を見据えた2021~30年の国家マスタープランによれば、ベトナムは2050年までに高所得国入りを達成する目標を掲げました。 マスタープランによると、2021~30年におけるGDP成長率目標を年平均7.0%、 2031~50年までは6.5~7.5%に設定。 一人当たりGDPを、2030年までに7,500ドル、 2050年までに27,000~32,000ドルへと引き上げることを目指しています。 コロナ禍や今後のそれ以外の要因でこの通りの計画が難しいとしても、各種調査においてベトナムの経済成長のポテンシャルは非常に高く評価されています。 たとえば、ベトナムの2023年のGDPは東南アジア5位・世界35位でしたが、英国経済ビジネスリサーチセンター(CEBR)によると、ベトナムのGDPは2038年までに1兆5590億USD(約230兆円)に達し、東南アジアで2位(1位はインドネシア)、世界では21位に上昇すると予想されています(*4)(*5) (*4) 23年GDP、ベトナムは東南アジア5位・世界35位 IMF報告(VIETJO) https://www.viet-jo.com/news/economy/240313175657.html (*5) ベトナム、今後10年間で資産2.3倍に増加 繁栄スピードは世界一 https://www.viet-jo.com/news/economy/240222193358.html また、ITの力強さも牽引しており、2025年までにベトナムのデジタル経済がGDPの約20%を占め、2030年までに、デジタル経済はベトナムのGDPを7〜16%押し上げ、約280億〜620億米ドルに相当すると予測されています。 「包括的戦略的パートナーシップ」はベトナム外交上で最高位の2国間関係を表していますが、中国、ロシア、インド、韓国に加え、2023年にアメリカと日本も加わりました。中国や欧米との関係性のバランスがこれだけ取れている国は東南アジアでは非常に珍しいです。 アメリカにとっては、米中摩擦からのベトナムの位置づけの重要性(国防、経済など多方面)もあり、地政学的に重要になっているため、2023年9月10日に米国とベトナムにおける関係性を「包括的戦略的パートナーシップ(Comprehensive Strategic Partnership)に格上げする旨を公表しました。2013年に締結された包括的パートナーシップから2段階格上げと過去にない関係強化となりました。 2023年12月27日には日本も「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」から「アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」に格上げしました。 政治的なつながりだけでなく、各国への輸出などを通じて経済的なつながりも強く、バランスのよい各国との経済関係に更に期待が高まってきています。 日本からベトナムへの投資意欲はこの10年高いままですが、近年更に高い注目を維持しています。 2023年度のJETROのアンケート、JBICのアンケートにおいても東南アジアでトップクラスの投資対象国として事業拡大の回答が多くなされています。 JETROのアンケートにおけるベトナムへの進出メリットとして挙げられている上位は、①市場規模・成長性、②安定した社会情勢、③人件費のやすさ、④駐在員の生活環境が優れている、⑤ワーカー等の雇やすさです。 JETRO:2023年度 海外進出日系企業実態調査|アジア・オセアニア編 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/a261e38b2e86c8d5/20230023rev1.pdf JBICの「中期的な有望国・地域」アンケートにおいても、2022年の4位から2023年はインドに次ぐ2位にランクアップしています。中国への投資意欲が減っている一方で、ベトナムは安定的に上位の結果を獲得しており、今年はアメリカ・中国を抑えて2位となりました。 なお、上位の有望理由は①現地マーケットの今後の成長性、②安価な労働力、③優秀な人材、④他国のリスク分散の受け皿として、⑤第三国の輸出拠点として、が挙げられています。逆に課題としては、①労働コストの上昇、②法制の運用が不透明、③他社との厳しい競争、④管理職人材の確保が困難、⑤技術系人材の確保が困難、などが挙げられています。 JBIC 2023年度海外直接投資アンケート調査結果(第35回) また、日本に中長期滞在しているベトナム人は、中国についで2位となっています(2023年発表、出入国管理庁)。 (1) 中国 788,495人 (+26,932人) (2) ベトナム 520,154人 (+30,842人) (3) 韓国 411,748人 (+   436人) (4) フィリピン 309,943人 (+11,203人) (5) ブラジル 210,563人 (+ 1,133人) (6) ネパール 156,333人 (+16,940人) (7) インドネシア 122,028人 (+23,163人) (8) ミャンマー 69,613人 (+13,374人) (9) 米国  62,425人 (+ 1,621人) (10) 台湾 60,220人 (+ 2,926人) 特定技能在留外国人数に限ると、ベトナムが約11万人で全体の53.1%を占めており、最多となっています(2023年12月末データ)。 このような日本への人材移動、その人材のベトナムへの還流などにより、さらに日本との関係性が強まり、またM&Aでの進出も様々な業種で増えていくことが予想されます。 各種報道、実務に基づきCastGlobal作成   本コラムでは詳細の説明は省略しますが、ベトナムのM&Aでは一般的なM&Aに比べて注意したほうがよい点も多くあります。 ベトナムの注目度があがり、様々な業種で中小企業、スタートアップのM&Aが増えています。特にベトナム向けのサービス(医療・教育・エンタメ・IT等)の分野では数年前に比べて大幅に増加しています。 これらの投資では、投資金額が大きくないことも多く、コストの削減のためにデューデリジェンスその他の調査を省略するという事例も見られます。 もっとも、ベトナムのローカル企業では会計・法務ともに法律に沿っていない運用をしている会社が多数あり、買収後のPMIにおいて大きいリスクが出てくる事例があり、その時点で相談を受けることもあります。 解決可能なものであればよいのですが、ビジネスにおける根本的なライセンスの問題や会計上大きいインパクトのある問題であることもあります。このような事態を避けるため、できる限り重要点の事前の調査は行うようにしてください。 現地企業の買収についてリスクが高い場合、新しい企業の設立+事業譲渡を行ってリスクを分断することもできないか、検討することもあります。 特にベトナムマーケット向けの事業では、ローカルのパートナーが重要となります。 そのため、多くの分野でベトナム人パートナーへの追加出資などが行われており、その場合Joint Venture(合弁会社)となって共同の投資家となります。 マイノリティ投資で特に運営に関与しないと決めているのではなく、こちらも経営に関わっていく場合、中長期的に意思決定の齟齬が生じ、経営を続けるのが難しくなるケースもあります。 契約において、両者での株主間契約をきっちり締結する、将来的なさらなる株式購入のステップを決めておく、意思決定できなくなった場合の処理を決めておく、などは日本企業にとって非常に重要になります。 ベトナムのM&Aでは、ベトナム当局の投資認可(M&A承認)、出資者変更の手続などで時間がかかるケースが多くあります。 これらの行政手続きの準備・実行に3−6ヶ月程度かかることもあります。 また、その前にデューデリジェンスや、契約交渉で更に3−6ヶ月の時間がかかることも多くあります。デューデリジェンスで見つかった事象によっては、その改善を待つために更に多くの時間をかけるケースもあります。 このように時間がかかるのは当然の前提として進めないと、交渉で不利になったり、リスクが潜在化したまま契約締結してしまい、将来の大きなリスクになることもあります。 日本の投資側の事情で急ぎたい場合や、ベトナムの投資先から急かされる場合もあるとは思いますが、大きな責任を伴うM&Aを行う場合、金額の多寡にかかわらずしっかりした検討をする必要があります。 一方、中国企業・韓国企業などの意思決定は早いので、手続を急いで行いつつも、意思決定はスピーディーに行っていく、ということも重要になります。ケースバイケースですが、経営陣がバランスよく判断していくことがとても重要です。 その他、M&Aの手続や規制に関しては、下記のQ&A記事(会員限定)もご覧ください。 ベトナムにおけるM&Aの手続および規制の概略  

ベトナムでの外国企業のM&Aの現状や注意点 (主に2023年データ・報道に基づく)

コラム
2024.02.07
CastGlobal

【ベトナム労務】2024年7月1日からの最低賃金の変更(国家賃金評議会の提案)
ベトナムの国家賃金評議会は、2024年7月1日から地域別の最低賃金を平均6%引き上げることを政府に正式に提案しました。2022年7月以来の2年ぶりの引き上げとなり、ファム・ミン・チン首相の承認後、正式に公布される見通しとなっています。 各地域の最低賃金の推移は以下のとおりです(すべて6%アップで調整)。 第1地域:496万VND 第2地域:441万VND 第3地域:386万VND 第4地域:345万VND 国家賃金評議会が合意した地域別最低賃金: 地域 2022年7月〜 2024年7月〜 第1地域 468万VND 496万VND 第2地域 416万VND 441万VND 第3地域 363万VND 386万VND 第4地域 325万VND 345万VND 最低賃金については労働法(法律:45/2019/QH14)に以下の規定が存在します。 第91 条 最低賃金額 1 最低賃金額とは、経済・社会の発展状況に応じた、労働者とその家族の最低限度の生活水準を保障するために、通常の労働条件の下で最も単純な業務を行う労働者に対し支給される、最も低い賃金額である。 2 最低賃金額は地域ごとに定められ、時給・月給で決定される。 3 最低賃金額は、労働者及びその家族の最低限度の生活水準、最低賃金額と市場の賃金額との相関、消費者物価指数、経済成長の速度、労働需給関係、雇用及び失業、労働能率、企業の支払能力に基づき調整される。 4 政府は、本条の詳細を定め、国家賃金評議会の勧告に基づき最低賃金額を決定し、公表する 上記の規定に従い、最低賃金は物価水準等に応じて第1から第4の地域ごとに規定されます。最低賃金の決定過程については、草案が国家賃金評議会により審議され、了承を得た草案が首相府に提出されます。そして首相の最終判断を経た後、政令の形式で発布されます。 今回はこの国家賃金評議会からの正式な提案であり、従来はほぼこのまま承認されています。 労働法によれば、賃金とは以下のように定義されています。 第90 条 賃金 1. 賃金とは、業務を実施するために、合意に基づき、使用者が労働者に対して払う金員であり、業務又は職位に応じた賃金額、手当その他の補助からなる 法文の原文も確認すると賃金とは、基本給(mức lương)、手当(phụ cấp lương)、その他の支給金(các khoản bổ sung khác)の三つにより構成されていると理解できます。 政令90/2019/ND-CP号の規定をみると、最低賃金では、mức lươngという用語を使用しているので、手当金を除いた基本給が最低賃金として予定されていると理解できます。そのため、手当金等を除いた基本給が最低賃金額を下回ってはいけないことになりますので、この点注意が必要です。

【ベトナム労務】2024年7月1日からの最低賃金の変更(国家賃金評議会の提案)

コラム
2024.01.31
CastGlobal

ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)
2020年の環境保護法によれば、製造・輸入事業者は、リサイクル責任(第54条)と廃棄物の収集・処理の責任(第55条)の2つの責任を有します。ベトナム政府は2022年1月10日、「環境保護法の複数条項の詳細規定に関する政令08/2022/ND-CP」を制定しました。本政令の第77~86条において、2020年環境保護の第54、55条で定める廃棄製品・包装材のリサイクルに関するEPR制度の詳細が定められています。一部は2024年1月から開始されます。詳細は以下のとおりです。 政令No.08/2022/NĐ-CP(以下「政令08号」という)の第77条第4項によれば、製造・輸入事業者は、以下に従って、自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルする責任を負う。 包装及びバッテリー・電池、潤滑油、チューブ・タイヤ等の製品:2024 年1 月 1 日から 電気・電子製品:2025 年1 月 1 日から 交通手段:2027年1 月 1 日から 政令08号の第77条第1項によれば、本政令のAppendix XXIIの第 3 欄に規定される製品・包装を製造・輸入してベトナムの市場に出す組織・個人は、その製品・包装をリサイクルする責任を遂行しなければならない。 政令08号の第77条第2項によれば、リサイクル責任の対象となる包装は、以下の製品・商品の商業包装(直接包装及び外装を含む)である。商業包装の定義について、政令No.43/2017/NĐ-CPの第3条第5項を参照。商業包装ではない包装について、通達05/2019/TT-BKHCNの第3条第1項を参照。 食品の安全に関する法律に基づく食品 化粧品の製造条件に関する法律に基づく化粧品 医薬品に関する法律に基づく薬 肥料、動物用飼料、動物用医薬品に関する法律に基づく肥料、動物用飼料、動物用医薬品 家庭用・農業用・医療用の洗浄剤、製剤 セメント リサイクル責任の対象となる製品及び包装の種類については、政令08号Appendix XXIIを参照。 政令08号の第77条第3項によれば、以下の対象がリサイクルの責任を遂行しなくてよい対象である。 a)環境保護法の第54条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者 b)前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の製造事業者 c)前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億VND 未満の政令08の第77条第1項に規定される包装の輸入事業者義務的なリサイクル率 政令08号の第78条によれば、最初の3年間の製品・包装の種類ごとの義務的なリサイクル率は、政令08号のAppendix XXII の第 4 欄に規定されている。義務的なリサイクル率は 3 年ごとに上昇し、3年間の最終年の 9 月 30 日までに首相政府により調整され、発行される。 製造・輸入事業者は、義務的なリサイクル率を達成するために、政令08号のAppendix XXII の第3欄に規定される自身で製造・輸入した製品・包装をリサイクルするか、又は他の製造・輸入事業者が製造・輸入した同類の製品・包装をリサイクルすることができる 。 製造原料のための輸入スクラップのリサイクルは、製造・輸入事業者の義務的なリサイクル率に含まれない。 製造・輸入事業者が義務的なリサイクル率を超えてリサイクルした場合、その比率の差は、翌年の義務的なリサイクル率に計算するよう保留される。 政令08号の第78条第6項によれば、製品・包装の種類ごとの義務的な規格は、政令08号のAppendix XXII の第 5 欄に規定されている。 例えば:A企業は、2024 年に 100トンのカートン包装である商業包装を製造し市場に出す。Appendix XXIIの規定に基づき、カートン包装の義務的なリサイクル率は20%である。そのため、2024 年に、A企業は、少なくとも 20トンのカートン包装をリサイクルする責任を有する(=100トン x 20%)。 Appendix XXIIの規定に基づき、A企業は、義務的なリサイクル規格を満たすために、(i) 商業用パルプの製造又はトイレットペーパー、板紙、紙箱等の紙製品の製造を含むリサイクルソリューションを行い、(ii) リサイクルされる20トンのカートン包装から少なくとも 40%の材料量をリサイクルし、回収する。これは、少なくとも 8トンの商業用パルプ又は紙製品を回収する必要があることを意味する (= 20トン x 40%)。 環境保護法の第54条第2項によれば、対象となる組織・個人は、製品・包装をリサイクルするために次のいずれかの形式を選択することができる。 ■製品・包装のリサイクルの組織化 政令08号の第79条第2 項によれば、製造・輸入事業者が製品・包装のリサイクルの組織化という形式を選択した場合、製造・輸入事業者が次の方法でリサイクルを自分で決定する。 リサイクルを自分自身で実施すること。 リサイクルを実施するためにリサイクルサービス事業者を雇うこと。(リサイクルサービス事業者のリストが天然資源環境省により公表される。) リサイクルの実施を組織するために中間組織に委任すること。(中間組織のリストが天然資源環境省により公表される。) 上記の方法を組み合わせること。 また、製造・輸入事業者は、毎年3月31日までに、天然資源環境省に対して年間リサイクル計画を登録し、前年のリサイクル結果を報告しなければならない。製造・輸入事業者が全てを受任者に委任した場合、受任者は、製造・輸入事業者に代わって登録及び報告を行う責任を有する。(政令08号の第80条第1項) 現在、天然資源環境省は、EPR 電子情報ポータル(https://epr.monre.gov.vn/vi/)を正式に公開している。 対象となる製造・輸入事業者は、天然資源環境省への紙書類の提出に代わり、2024 年 1 月 29 日から国家 EPR電子情報ポータル (オンライン) 上で登録、申告、報告等を行わなければならない。 ■製品・包装のリサイクルを支援するためのベトナム環境保護基金への財政的な寄付 ベトナム環境保護基金への寄付額の計算方法及び寄付方法について、政令08号の第81条参照。 製造・輸入事業者が、ベトナム環境保護基金への財政的な寄付という形式を選択した場合、登録、リサイクル計画の実施及びリサイクル結果の報告を行う必要がない(政令08号の第80条第4項)。 政令08号の第83条第1 項によれば、政令08号のAppendix XXIIIの第2欄に規定される製品・包装を製造・輸入してベトナムの市場に出す事業者は、廃棄物の処理活動を支援するためにベトナム環境保護基金に財政的に寄付する責任を有する。しかし、以下の対象を除く。 環境保護法の第55条第1項に基づく製品・包装を、輸出若しくは一時輸入、再輸出のために製造・輸入するか、又は研究・学習・試験の目的で製造・輸入する事業者 前年度の販売及びサービスの提供による収益が300 億 VND 未満の製造事業者 前年度の輸入総額(税関価値による計算)が200 億 VND 未満の輸入事業者 対象となる包装は、製品・商品の商業包装(直接包装)である。 製品・包装ごとの具体的な寄付額は、政令08号のAppendix XXIIIの第3欄、第4欄及び第5欄に規定される。 廃棄物の処理活動を支援するためのベトナム環境保護基金への寄付額が5年ごとに上昇する。ベトナム環境保護基金への財政的な寄付の実施の流れについては、政令08号の第84条を参照。 ベトナム環境保護基金が支援する廃棄物処理活動は以下を含む。 家庭、個人から発生した家庭用固形廃棄物の収集、輸送、処理 家庭用固形廃棄物の処理のテクノロジー、技術、アイデアの研究・開発 植物保護薬を含む包装の収集、輸送、処理 現在の時点において、リサイクルを支援するためのベトナム環境保護基金への寄付額を計算するための基礎となるリサイクル費用水準(政令08号の第81条第1項のFsである)に関する規定は発行されていない。 天然資源環境省は首相政府への提出のためにリサイクル費用水準に関する決定の草案を作成している。また、天然資源環境省は、EPR制度に関する規定を明確にするために政令08号の一部を改正し、追加する政令の草案も作成している。

ベトナムの拡大生産者責任(EPR)制度について(環境・リサイクル)

コラム
2024.01.04
CastGlobal

【ベトナム】食品ラベルに関する新規制について(2024年2月15日から)
2023年12月30日付で、保険省より、栄養成分と栄養価の食品ラベル上の記載方法を案内する通達29/2023/TT-BYT号(以下「通達29号」といいます)が公布されました。 通達29号は、2024年2月15日から施行となります。もっとも、通達29号第8条に実施のロードマップについての記載があり、同条によれば、遅くとも2025年12月31日までに同通達に従って、栄養成分や栄養価を記載しなければならず、2026年1月1日からは、この通達に従わないラベルを生産、印刷、輸入、使用することはできないと規定されています。 したがって、施行前までに対応が必要というわけではなく、2025年末までの対応が求められているものと解されます。 1)ベトナムで生産、取引、輸入、流通させられる包装済みの食料品のラベルには、以下の栄養成分とその容量が記載されなければなりません(通達第29号第5条第1項および付録Ⅰ)。 カロリー(kcal) タンパク質(g) 炭水化物(g) 脂質(g) ナトリウム(mg) 2)清涼飲料水(Nước giải khát)、砂糖を加えた加工乳およびその他の砂糖を加えた食品については、添加した砂糖の合計量を記載する必要があります(通達第29号第5条第1項第2項)。 また、油で揚げるような加工を施している食料品については、上記の五つの栄養成分に加えて、飽和脂肪酸についても記載する必要があります(通達第29号第5条第1項第3項)。 1)以下の原材料および食料品については、通達第29号の適用対象外となります(通達第29号第1条第2項) 消費者に直接販売されない原材料および商品 単一の原材料のみ使用されている食料品 ミネラルウォーター(天然水)およびボトル入りの水(CO2または香料のみを添加しているものも含む) 食用塩、精製塩 酢、およびその代用品(香料のみを添加しているものも含む) 香料、添加物、食品加工助剤 酵素 着色料と香料以外のものが含まれていない茶とコーヒー 健康を守るための食品 アルコール飲料 など 2)また以下に規定する基準値以下の成分についても記載が不要となります(通達第29号付録Ⅰ) 100㎖あたり、4kcal以下のカロリー 100g(100㎖)あたり、5g以下のタンパク質 100g(100㎖)あたり、5g以下の炭水化物 100g(100㎖)あたり、5g以下の脂質 100g(100㎖)あたり、1g以下の飽和脂肪酸 100g(100㎖)あたり、5g以下の砂糖 100gあたり、005g以下のナトリウム

【ベトナム】食品ラベルに関する新規制について(2024年2月15日から)

コラム
2024.01.03
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【ベトナム】付加価値税(VAT)減税措置の延長について(2024年1月1日〜6月30日)
政府は、2023年12月28日付で、付加価値税の減税に関する政令94/2023/ND-CP号(以下、「政令94号」といいます)を発布しました。 政令94号により、一部の業種の商品やサービスを除き(化学製品、精製石油、金融、不動産、保険業など。詳しくは政令94号をご参照ください)、10%とされている税率が、2024年1月1日から同年6月30日まで、減税されます。 VAT減税対象外の商品・サービス: 電気通信、情報技術、財政金融活動、銀行、証券、保険、不動産業、金属、金属製品、鉱業製品(石炭鉱業を除く)、コークス、精製石油、化学製品、アルコール・たばこなど特別消費税が課税される商品及びサービス。 減税の対象となる商品やサービスに対する税率は8%となります。 2023年7月1日から12月31日まで適用となっていた減税措置を延長したものです。 参考: 【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜) 一部の嗜好品または嗜好性の高いとされる商品やサービスについても、特別消費税が課されることにより、減税されません(政令94号の付録Ⅱ参照) ※以下は概要で、すべてを記載しているわけではありません。詳細は政令第94号の付録Ⅱをご確認下さい。 1)嗜好品の例 タバコ類 ビールを含む酒類 ガソリン など 2)サービスの例 ダンスホール マッサージ カラオケ カジノ ゴルフ など

【ベトナム】付加価値税(VAT)減税措置の延長について(2024年1月1日〜6月30日)

コラム
2023.12.05
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【ベトナム】VAT減税の延長とグローバルミニマム課税についての国会決議
ベトナム国会は2023年11月29日、付加価値税(VAT)税率が10.0%となっている商品・サービスに対するVAT税率を8.0%とする決議を可決しました。 2024年6月末までの適用となります。 2023年7月1日から12月31日まで適用となっていた減税措置を延長したものです。 *参考:https://www.reuters.com/markets/asia/vietnam-extend-vat-cut-until-mid-2024-support-economy-2023-11-29/ 対象は以前と同様ですので、以下をご確認ください。 【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜) また、グローバルミニマム課税(GMT)に対応する上乗せの課税を正式に可決しました。 これにより、現在15%未満の税しか支払っていない条件を満たす企業は、来年の初めからその差額を補う上乗せ税を支払う必要があります。 具体的な法案は来年に見送りになりましたが、先に決議で課税を決定した形です。 参考:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76567420Q3A131C2FFJ000/ 【ニュース】ベトナムでも国際最低課税(グローバルミニマム課税)の対応が本格化。2024年の施行に向け。

【ベトナム】VAT減税の延長とグローバルミニマム課税についての国会決議

コラム
2023.11.26
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【ベトナム】2024年のテト休暇(Tet Holidays)、建国記念日(国慶節)について
ベトナムでは太陰暦に基づき、年末年始の休暇であるテト休暇(Tết Âm lịch)の日付が決められ、労働法上5日間の祝日と規定されています。西暦での日付は毎年変わりますが、2024年は、太陽暦の2月9日(金)が大晦日、2月10日(土)が元旦となります。 2月8日(木):旧暦大晦日前日 2月9日(金):旧暦大晦日 2月10日(土):旧暦元旦 2月11日(日):テト2日目 2月12日(月):テト3日目 2月13日(火):テト4日目 2月14日(水):テト5日目 2月15日(木):テト6日目 2023年11月22日、2024年のテト休暇(NGHỈ TẾT ÂM LỊCH)および建国記念日(国慶節)の休暇(NGHỈ LỄ QUỐC KHÁNH)についての通知5015/TB-LDTBXH号(以下、「通知5015号」といいます)が労働傷病兵社会省(BỘ LAO ĐỘNG – THƯƠNG BINH VÀ XÃ HỘI)から公布されました。 なお、労働法上「週休日が祝日・正月と重なる場合、労働者は次の営業日に週休の振替休日を付与される」とされており、今回は土日がテト期間にあることから、土曜日・日曜日が週休日の企業には代休も発生することになります。 労働傷病社会省は、通知5015号において、公務員の休暇について以下のように記載しています。 2024年2月8日(木)から2月14日(水)まで。 労働法112条第1項b号に基づき5日の正月休暇と、週休日である土日の休みの分2日合わせて、7日間が休みとなることが通知5015号中にも記載されています(労働法第111条第3項も参照)。 2月8日(木) 2月9日(金) 2月10日(土) 2月11日(日) 2月12日(月) 2月13日(火) 2月14日(水) 大晦日の前日 (旧暦猫年12月29日) 大晦日 (旧暦猫年12月30日) 旧暦1月1日 旧暦辰年1月2日 旧暦辰年1月3日 旧暦辰年1月4日 旧暦辰年1月5日 2024年8月31日(土)から9月3日(火)まで 8月31日(土) 9月1日(日) 9月2日(月) 9月3日(火) 建国(独立)記念日   通知5015号は、民間企業などに対しても上記の公的機関のテト期間に従って、テト休暇と国慶節を設定することを推奨していますが、以下のような日程で休みを設定することも認めています。 以下の三つの日程で休みを設けることを認めています。なお、テト休暇は土日を挟む関係で、週休日をどのように設定しているかによって会社ごとに日程が異なる可能性があります。テト休暇と週休日が重なる場合は、労働法第111条第3項により翌営業日を振替休日とする必要があります(そのため、土日が週休の会社は振替休日と合わせて全部で7日間が休みとなります)。 大晦日の1日と元旦の4日を正月休暇とする。 年末の2日と年始の3日を正月休暇とする。 年末の3日と年始の2日を正月休暇とする。 今回はパターンが多くありますが、一例を以下に示します。 ケースA:代休1日間=週休1日間(日曜日を想定)の企業が2月9日から休暇を取得 ケースB:代休2日間=週休2日間(土曜日及び日曜日を想定)の企業が公的期間同様に2月8日から休暇を取得 2月8日(木) 2月9日(金) 2月10日(土) 2月11日(日) 2月12日(月) 2月13日(火) 2月14日(水) ケースA 代休1日 (働く場合の給与) 平日 (100%) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) ケースB 代休2日 (働く場合の給与) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 祝日3日目 (300%) 祝日4日目 (300%) 祝日5日目 (300%) 週休日の代休 (200%) 週休日の代休 (200%) ① 9月2日の建国記念日の前日である1日を国慶節の休日に指定する 9月1日が日曜なので、日曜が週休日となっている会社は、労働法111条第3項により、結局翌営業日の9月4日が休みとなるので、②を選んだ場合と同じ結果となります。 ② 9月2日の建国記念日の翌日である3日を国慶節の休日に設定する テト休暇と国慶節の休暇についてどの日程にするか決定した後、会社はその日程を従業員に通知する必要があります。会社は休暇の開始日の少なくとも30日前までに従業員にその日程を通知しなければなりません。

【ベトナム】2024年のテト休暇(Tet Holidays)、建国記念日(国慶節)について

コラム
2023.10.18
行政書士法人キャストグローバル

【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい
前記事で団体監理型技能実習について述べましたが、今回は技能実習制度において規定されているもう一つの技能実習の形「企業単独型技能実習」について解説していきます。 前回の記事は以下から。 【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい 技能実習制度とはその名の通り実習生に日本で行う研修を通じて特定の技術を習得してもらい、実習修了後に本国に学んだ技術をフィードバックする事を前提に設計されています。(技能実習法第1条)これは企業単独型技能実習であっても団体監理型技能実習と変わりありません。 技能実習を在留資格別に分類すると以下の通りとなります。(3号を除く) 1年目 2年目 3年目 団体監理型技能実習 技能実習第1号ロ 技能実習第2号ロ 技能実習第2号ロ 企業単独型技能実習 技能実習第1号イ 技能実習第2号イ 技能実習第2号イ (技能実習法第2条3項及び5項) 団体監理型技能実習と同様に企業単独型技能実習も1号~3号まで存在し、各在留資格の在留期間も変わりません。 技能実習生受け入れに伴って団体監理型技能実習では3つの機関が介在していましたが、企業単独型技能実習では2つの機関しか制度上想定されていません。 ① 実習実施者 技能実習生が実際に技能研修を行う企業、団体を指します。企業単独型技能実習では海外の子会社関連会社から日本国内の法人が実習生を受け入れることとなります。 ② 実習実施機関の現地法人 実習実施者の海外現地法人が送り出し機関に代わって現地での採用を行う事となります。あくまで、海外現地法人の常勤職員の転勤又は出向と位置付けられます。現地法上の転勤や出向の取り扱いを十分に確認しておく必要があります。 団体監理型実習生受け入れの流れは以下の通りとなります。 (JITCO、https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/) 上記、海外の所属機関の範囲が定義されていますが、基本的に(1)の海外支店、子会社、合弁会社が想定されており、その他要件に該当する場合には更なる証明が必要とされます。 企業単独型技能実習は監理団体を介在しない、例外的な技能実習の形態であり全技能実習の中でも数パーセントの割合でしか実行されていません。又、監理団体が負っていた責務、役割を全て実習実施者が負う必要があり、現地法人の存在も必須となります。この事実を考えると、企業単独型技能実習を実行できる可能性がある企業は、既に技能実習生の受け入れ実績があり、更に既に海外支店が存在する大企業だと言えるでしょう。 関連記事: 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい

【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

コラム
2023.10.14
CastGlobal

【ベトナム・労働許可】就労する外国人労働者の条件等について一部を変更した政令第70/2023/NĐ-CP号について
政府は、2023年9月18日、ベトナムで就労する外国人労働者に関する政令第152/2020/NĐ-CP 号(以下、「政令第152号」といいます。)の条項の一部を改正する政令第70/2023/NĐ-CP号(以下、「政令第70号」といいます。)を公布し、同政令は即日発効となっています。 政令第70号は外国人の労働許可書(ワークパーミット/Work Permit。以下「WP」といいます。)に関する変更点などについて規定しており、日系企業にも重要な影響を及ぼすので、以下に主な変更点を記載します。 以前の規定では、外国人労働者が専門家とみなされるために、以下の条件を満たすことが必要とされていました。 大学レベル以上の卒業証明書または同等の資格証明書類を持つこと ベトナムで就労する予定の職能に適合する分野を専攻し、その専攻分野で3年以上の実務経験を有すること しかし、政令第70号により、高等教育における専攻との一致要件は削除されています。 そのため、外国人労働者は、 大学レベル以上の学校を卒業したことまたは同等の資格を有すること、 ベトナムで就労予定の職能に適した3年以上の実務経験を有すること の二点を満たせば、専門家とみなされます(政令第70号第1条第1項(a))。   政令第70号第1条1項(c)によれば、 ベトナムで就労する予定の職能に適した1年以上の研修を受け、 その職能について3年以上の実務経験を有する 外国人労働者は、技術的な労働者とみなされます。 旧規定と比較すると、やはり教育との関連性が要求されなくなっています。   執行役員社長について政令第70号第1条1項(b)は、具体的にどのような者が当たるかを明記しています。 同項により、執行役員社長は以下のいずれかに該当する者とされています。 企業の支社・駐在事務所あるいは営業所の長 組織・機関・企業の一つ以上の事業を直接に運営し、それらの事業の長として務め、組織・機関・企業の最高責任者の指導・指示を直接に受ける者   原則として、会社は外国人労働者を雇入れる前に、ベトナム人労働者が対応できず外国人労働者の使用を必要とする各ポジションに対するニーズを確定し、当局へ報告・説明しなければなりません(以下、「外国人労働者の使用ニーズを報告する手続」といいます。)。 政令第152号によれば、この手続きは外国人労働者の使用予定日の少なくとも 30 日前までとされていました。しかし、政令第70号によりこの手続きは、外国人労働者の使用予定日(雇用開始日)の少なくとも 15 日前までに、労働・傷病兵・社会省または外国人労働者が就労する予定地の労働・傷病兵・社会局で行わなければならないと変更されています(政令第70号第1条2項)。   政令第70号第1条2項により、会社は、外国人労働者の使用ニーズを報告する手続を行う前に、外国人労働者を募集する予定のポジションにベトナム人労働者を募集する通知を以下のとおり実施しなければなりません。この通知は、2024年1月1日より実施しなければならないとされています。 募集通知の内容:ポジション、職務、ジョブディスクリプション、人数、資格・実務経験に関する条件、給与、勤務時間・所在地を含む必要がある。 募集通知の方法:労働・傷病兵・社会省の電子情報ポータル(雇用局)または、省レベルの人民委員会の委員長が設立した採用サービスセンターの電子情報ポータルにて掲載する。 募集通知の期限:当局へ報告・説明する予定日の少なくとも 15日前。 外国人労働者を募集する予定のポジションにベトナム人労働者を募集することができなかった後、会社は、外国人労働者の使用ニーズを報告する手続を行います。   従来は、外国人労働者の勤務所在地の1か所(普通はベトナム本社の住所)がWPに記入されていました。しかし、政令第70号第1条5項(a)によれば、外国人労働者が、複数の勤務所在地にて就労する場合、WP発給申請書にその外国人労働者の全ての勤務所在地を記入しなければならないと変更されています。 複数の勤務所在地が複数の省・中央直轄市にある場合には、WPの発給を担当する機関が、労働・傷病兵・社会省となります(政令第70号第1条11項(a))。 複数の勤務所在地が同じ省・中央直轄市にある場合、WPの発給を担当する機関は、外国人労働者が就労する地方の労働・傷病兵・社会局となります(政令第70号第1条11項(dd))。 政令第70号第1条3項によれば、外国人労働者が、複数の省・中央直轄市にて就労する場合、会社は以下に従って報告をしなければなりません。 報告の方法:労働・傷病兵・社会省及び外国人労働者が就労する所在地の労働・傷病兵・社会局へオンラインで報告する 報告の雛形:政令第70号の付録Ⅰ、17/PLIの書式を用いる 報告の期限:外国人労働者の就労開始日から3営業日以内   WPの再発給となる場合として、政令第70号第1条7項は、労働許可書の有効期限内にWPに記載した企業名(企業コード変更なし)が変更される場合を追加しています。   政令第70号第2条により、工業団地・経済地区の委員会は、以下の権限を喪失することになります。 工業団地・経済地区で就労する外国人労働者に対するWPの発給・再発給・更新・取消、および当該外国人労働者がWPの発給対象外であることの確認 外国人労働者の使用状況に関する報告書の受理 ベトナム人労働者が対応できない各ポジションに対する外国人労働者の使用ニーズに関する工業団地・経済地区の会社の報告説明書の受理 工業団地・経済地区の会社は、状況に応じて、WP申請などの上記の手続を労働・傷病兵・社会省または外国人労働者が就労する所在地の労働・傷病兵・社会局で実施する必要があります。 最後に、政令第70号はWP申請書類などを規定しています。これらの書類については、政令第70号の原文をご確認ください。  

【ベトナム・労働許可】就労する外国人労働者の条件等について一部を変更した政令第70/2023/NĐ-CP号について

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