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タンソンニャット空港で 「プレアライバル申告」制度が開始 ― 外国人の事前オンライン登録を推奨

コラム
2026.04.16
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タンソンニャット空港で 「プレアライバル申告」制度が開始 ― 外国人の事前オンライン登録を推奨

2026年4月15日より、ホーチミン市タンソンニャット国際空港において、外国人の入国に係る事前申告登録制度(Pre-Arrival Information)が開始されました。在ホーチミン日本国総領事館およびJCCH(ホーチミン日本商工会議所)からも通知が発出されています。 ホーチミン市出入国管理局(Cục Quản lý xuất nhập cảnh TP.HCM、Công an cửa khẩu Sân bay Quốc tế Tân Sơn Nhất)は、入国審査の効率化・迅速化およびデジタルトランスフォーメーション推進の一環として、外国人および越僑(ベトナム系外国籍者)を対象に、入国前にオンラインで個人情報を事前申告する制度を2026年4月15日から正式に開始します。 ■参考:ホーチミン日本総領事館の案内 ポイント整理 制度名称:Pre-Arrival Information(事前入国情報申告) 開始日:2026年4月15日 対象空港:タンソンニャット国際空港(ホーチミン市)のみ ※ノイバイ(ハノイ)等は対象外 対象者:外国人およびベトナム系外国籍者(越僑) 義務 or 推奨:現時点では義務ではなく「推奨」 費用:無料(クレジットカード情報の入力も不要) 登録可能時期:入国の3日前から 対応言語:日本語を含む複数言語対応 登録手順は以下のとおりです。 1. 公式サイトにアクセス https://prearrival.immigration.gov.vn/ から申告画面に入る。 公式QRコードからのアクセスも可能。 2. 個人情報を入力パスポート情報、渡航情報等を入力。日本語での案内に対応しています。 3. QRコードを受領・保存登録完了後にQRコードが発行されます。携帯でスクリーンショットを撮るか、印刷して持参してください。 4. 入国審査時にQRコードを提示タンソンニャット空港の入国審査窓口でQRコードを提示することで、手続きが行われます。 大使館の案内によれば、出入国管理局は本登録について「義務とはなっていない」と明言しているとのことです。ただし、事前に個人情報を申告しておくことで入国審査の効率化・迅速化が図られることから、登録を推奨しています。 さらに注目すべきは、登録者専用の入国審査窓口の設置も検討中とのことです。これが実現すれば、事前登録を行った旅客は、ピーク時間帯の長蛇の列を回避できる可能性があります。 現時点では「推奨」にとどまりますが、タイの「TDAC」(2025年5月から義務化)や韓国の「e-Arrival Card」(2025年2月導入)のように、将来的に義務化される可能性も否定できません。特にベトナム政府がデジタルトランスフォーメーションを国家戦略として推進していることを考えると、この制度が全国の国際空港に拡大し、最終的に義務化される流れは十分にありえるでしょう。 各国でも類似の登録を行っている国はあります。 国 制度名 導入時期 義務/推奨 ベトナム Pre-Arrival Information 2026年4月 推奨(現時点) タイ TDAC 2025年5月 義務 韓国 e-Arrival Card 2025年2月 推奨(K-ETA保持者は免除) 日本 Visit Japan Web 2022年11月 推奨 現時点では義務ではありませんが、以下の理由から、日系企業の駐在員およびベトナムへ渡航する全てのビジネスパーソンに、次回入国時からの事前登録を推奨します。 ① 登録は無料で、日本語対応のため手続きが容易 ② 専用窓口が設置されれば入国審査の大幅な時短が期待できる ③ 将来的な義務化に備え、早期に登録プロセスに慣れておくことが望ましい ④ タンソンニャット空港は設計容量の150~170%で運用されており、ピーク時の混雑は深刻 本登録は完全無料であり、クレジットカード情報の入力は一切不要です。今後、偽サイトや高額な代行サイトが出現する可能性がありますので、必ず公式URL(prearrival.immigration.gov.vn)からアクセスしてください。 万が一、登録の過程でクレジットカード情報や金銭の支払いを求められた場合は、詐欺サイトの可能性が高いため、直ちに手続きを中止してください。 以下の点については、本稿執筆時点(2026年4月16日)で公式な情報が確認できておらず、今後の続報を注視する必要があります。 テンポラリーレジデンスカード(TRC)保持者の扱い:日本人駐在員など、既にTRC(thẻ tạm trú)を保持し、Autogateに登録済みの外国人が本制度の対象に含まれるか、あるいはAutogate利用者は申告不要となるかは明確ではありません。 ノイバイ空港等への拡大時期:現時点ではタンソンニャット空港のみの適用ですが、ノイバイ(ハノイ)やダナン等への拡大スケジュールは発表されていません。 義務化の見通し:推奨から義務への移行時期・条件についての公式発表はありません。   関連コラム: 【弁護士事務所解説】ベトナム入国時の注意点について

【2026年度最新】ベトナム産休手続きガイド

コラム
2026.04.16
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【2026年度最新】ベトナム産休手続きガイド

ベトナムにおいて、女性社員から出産の報告を受けた際、会社担当者は産休取得に必要な書類の確認から社会保険機関への申請手続きまで、一連の流れを正確に把握しておく必要があります。本コラムでは、2025年7月施行の2024年社会保険法(41/2024/QH15)や、2026年7月改正予定の人口法の内容に基づき、産休取得の前提条件・期間・必要書類・手続きの流れ・支給額の目安を整理して解説します。 産休給付を受けるには、原則として出産前の12か月間に6か月以上の社会保険加入が必要です(社会保険法41/2024/QH15 第50条第2項)。 なお、以下の例外があります。 12か月以上加入済みで、医師の指示により養胎のため休職した場合:直近12か月のうち3か月以上の加入で可(第50条第3項) 不妊治療のために休職した場合:出産前24か月間に6か月以上の加入で可(第50条第5項) まずは対象の社員様がこれらの条件を満たしているかをご確認ください。 女性社員が出産する場合、産休期間は6か月間です(社会保険法第53条第1項、労働法第139条第1項)。このうち、出産前に最大2か月を前倒しで取得できます。双子以上の場合は、2人目から1人につき1か月が追加されます。 ※2026年7月から、第2子を出産する場合、7か月間取得できる形で人口法改正により改正される予定です。 なお、女性労働者は、出産前に、最大10日(2日×5回)、出産前検診のための休暇(「検診休暇」といいます)を取ることができます(社会保険法第51条)。 また、①労働者と会社の合意、②医師からの診断書取得、を条件として、最短4か月で職場復帰することができます(労働法第157条第4項。以下、この職場復帰を「早期復帰」といいます)。 基本書類として、子の出生証明書の写しが必要です(実務上は公証コピー「Giấy Chứng Sinh」がもとめられることが多いです)。 加えて、以下に該当する場合は追加書類が必要です。 養胎のため休職した場合:医療機関の休職指示書(第61条第1項d号) 不妊治療を受けた場合:治療過程を証明する書類(第61条第1項a号) 出産後に母親が死亡した場合:死亡証明書の写し(第61条第1項b号) 出産後に母親が健康状態でない場合:医療機関の文書の写し(第61条第1項c号) 出産後に胎児が死亡した場合:死亡証明書の写し等(第61条第2項) 休暇日数は原則5営業日になります。必要書類は以下のとおりです。 子の出生証明書等の写し 帝王切開または32週未満の出産の場合:その旨を記載した医療機関の確認書 別途、会社と労働組合(ある場合)の決定に基づきます(社会保険法第60条第2項)。5~10日が上限です。 社会保険法2024 第62条に基づき、以下のとおりです。 産休中、会社は労働者に対して給与を支給する必要はありません(労働法第186条第2項)が、労働者が社会保険料の給付を受ける手続きについては、会社が労働者に代わってその申請手続きを行う必要があります。 ① 社員 → 会社へ書類提出 産休期間終了後45日以内に、上記の書類を会社に提出します(第62条第1項)。 ※実務上は、出産後に出生証明書等が取得でき次第、速やかに提出いただくのが望ましいです。 ② 会社 → 社会保険機関へ提出 会社は、書類の受領から7営業日以内に、産休取得者のリストを作成し、書類とあわせて社会保険機関に提出します(第62条第1項)。 ※通常、社会保険ソフトを通じて電子申請を行ったあと、文書での提出も求められます。 ③ 社会保険機関による審査・支給 社会保険機関は、完全な書類受領から7営業日以内に審査・支給を行います(第62条第3項)。不支給の場合は、書面で理由が通知されます。 ※修正依頼が数回入ることも多いため、実際には10営業日以上かかることがほとんどです。仮に会社が社会保険料の納付を怠たることにより労働者が社会保険給付を受けられなかった場合、会社は従業員に対して本来給付を受けることができたはずの金銭を給付する義務を負います。 主な支給内容は以下のとおりです。 産休手当(第59条第1項):直近6か月の社会保険料算定対象給与の平均 × 100%(※)× 6か月(双子以上でない場合) 出産一時金(第58条第4項):参照額× 2/子 検診休暇手当(第58条第2項):給付月額に相当する金額を24で割った金額 リハビリ休暇手当(第60条第3項):参照額の30% × 日数(最大5~10日) 産休期間中は社会保険の加入期間としてカウントされ、労働者・使用者ともに社会保険料の納付は不要です(第53条第8項)。 (※)なお、ここでいう「給与」は実際の給与額ではなく、社会保険料の算定基礎となる給与なので、上限があります。現行の上限は参照額(mức tham chiếu)の20倍です(2024年社会保険法第31条)。参照額は現時点では基礎給与が廃止されるまでは基礎給与と同義となっており、2024年7月1日以降の基礎給与は月額234万VNDなので、社会保険料の算定対象給与の上限は月額4,680万VND(約28万円)となります。 つまり、仮に社員の実際の給与が月額6,000万VNDであっても、産休手当の計算基礎は4,680万VNDが上限になります。実際の給与との差額分は社会保険からの補填対象にはなりません。   産休制度は、会社の手続き不備によって労働者が本来受け取るべき給付を受けられなかった場合、会社が当該金銭の支払義務を負うリスクもあるため、書類の受領と社会保険機関への提出は期限管理を徹底する必要があります。また、2026年7月からの改正予定(第2子出産時の産休7か月化)にも留意が必要です。

2026年4月の大型連休について(フン王記念日・南部解放記念日・メーデー)

コラム
2026.04.03
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2026年4月の大型連休について(フン王記念日・南部解放記念日・メーデー)

2026年4月は、雄王(フンヴォン)記念日(4月26日)、南部解放(戦勝)記念日(4月30日)、国際メーデー(5月1日)の3つの祝日が集中し、カレンダーの並びから大型連休を取りやすい構成となっています。 とくに2026年は、4月28日(火)・29日(水)の2日間だけ有給休暇を取得すれば、最大で9連休となる可能性があり、従業員の休暇申請、工場の操業、物流、送金スケジュールなど、企業実務への影響も小さくありません。本コラムでは、2026年4月末から5月初旬にかけての祝日配置と、民間企業として押さえておきたい実務上のポイントを整理します。     1.2026年4月〜5月初旬の祝日カレンダー 2026年4月末から5月初旬にかけては、以下のようなカレンダーとなります。 日付 曜日 区分 備考 4月25日 土 週末   4月26日 日 祝日 雄王記念日(旧暦3月10日) 4月27日 月 振替休日 雄王記念日が日曜のため翌月曜に振替 4月28日 火 平日   4月29日 水 平日   4月30日 木 祝日 南部解放(戦勝)記念日 5月1日 金 祝日 国際メーデー 5月2日 土 週末   5月3日 日 週末   ポイント: 4月28日(火)・29日(水)の2営業日を挟んで、前半3連休(4月25日〜27日)と後半4連休(4月30日〜5月3日)が並ぶ形です。 2.雄王(フンヴォン)記念日(4月26日) 雄王記念日(Ngày Giỗ Tổ Hùng Vương)は、ベトナム建国の祖とされる雄王を祀る日であり、旧暦3月10日に定められている祝日です。旧暦基準のため、毎年西暦上の日付が変動する点が特徴です。 2026年はこの日が4月26日(日曜日)に当たるため、祝日が週休日と重なる場合の取り扱いにより、翌4月27日(月曜日)が振替休日となります。そのため、土日を含めると4月25日(土)〜27日(月)の3連休になります。 この時期は、北部フート省のフン王祠を中心に祭典が行われるほか、国内旅行・帰省需要も高まりやすく、交通機関の混雑が見込まれます。 3.南部解放記念日・メーデー(4月30日・5月1日) 続いて、ベトナムでは4月30日が南部解放(戦勝)記念日、5月1日が国際メーデーとして法定祝日となっています。 4月30日:南部解放(戦勝)記念日 1975年のベトナム戦争終結と南北統一を記念する日です。 5月1日:国際メーデー 国際的な労働者の日として位置づけられています。 2026年は、4月30日が木曜日、5月1日が金曜日に当たるため、その後の週末である5月2日(土)・3日(日)と連続し、自然に4連休となります。 2025年との違い: 2025年は祝日の並びの関係で特別な振替措置が取られましたが、2026年は木曜・金曜の配置となるため、特段の追加措置がなくても4連休が成立しやすい点が特徴です。 4.「2日休めば9連休」―大型連休の設計 2026年の最大のポイントは、4月28日(火)と29日(水)の2日間に有給休暇を取得するだけで、4月25日(土)〜5月3日(日)まで最大9連休にできることです。 4/25(土) 4/26(日) 4/27(月) 4/28(火) 4/29(水) 4/30(木) 5/1(金) 5/2(土) 5/3(日) 週末 祝日 振替休日 有給取得で連休化 有給取得で連休化 祝日 祝日 週末 週末 このような日並びは、従業員側にとっては魅力的である一方、会社にとっては休暇申請の集中や、操業・納期・物流の調整が必要となる場面でもあります。特に観光地や航空券の予約が早期に埋まりやすくなるため、従業員の申請も通常より早いタイミングで集中する可能性があります。 5.民間企業の実務対応 法定祝日として扱われるのは、雄王記念日、南部解放記念日、メーデーの計3日です。さらに、2026年は雄王記念日が日曜日に当たるため、4月27日(月)が振替休日となります。 一方で、4月28日(火)・29日(水)は法定休日ではありません。 そのため、この2日を休業日にするかどうかは、各企業の方針や就業規則、勤務カレンダーの設計によって対応が分かれます。 パターン 4/28・29の扱い メリット 注意点 A.通常営業 平日として営業 生産・納期への影響を最小限に抑えやすい 有給申請が集中する可能性があり、人員調整が必要 B.有給取得推奨 有給休暇の取得を推奨 従業員満足度の向上、取引先休業時の実務負担軽減 実質的な強制取得と受け取られないよう配慮が必要 C.振替出勤+全休 別日の土曜出勤等を設定し、4/28・29を振替休日化 連休を明確化し、社内運用を一本化しやすい 就業規則・勤務カレンダー・事前通知の整備が重要 連休の運用方法を会社として決める場合、少なくとも早めの段階で社内周知を行い、工場・倉庫・物流・管理部門を含めた勤務体制を固めておくことが重要です。特にシフト制の職場では、代替要員の確保や休日出勤者の把握も前倒しで進めておく必要があります。 6.日系企業が注意すべきポイント 4月下旬から5月初旬にかけて、ベトナム側のサプライヤーや委託先が一斉に休業する可能性があります。 日本のゴールデンウィークとも時期が近いため、日越双方で確認・承認が止まりやすく、通常よりも意思決定が遅れやすくなります。 発注、検品、出荷、承認スケジュールは、できるだけ前倒しで組んでおくのが安全です。 連休前後は港湾やコンテナヤードの混雑が発生しやすく、通常より早いカット日が設定されることがあります。 税関システムが動いていても、現場対応人数が限られるケースがあるため、搬入・書類差替え・ゲート締切などは各オペレーターの案内を事前に確認すべきです。 最終出荷日から逆算した生産・在庫調整が重要になります。 銀行休業により、外貨送金やL/C決済のタイミングに影響が出るおそれがあります。 月末月初に支払いや決済が集中する企業では、連休前の前倒し手配を検討する必要があります。 祝日に労働させる場合は、割増賃金の計算が必要になります。 祝日が週休日と重なる場合には、振替休日の付与が必要です。 連休明けの欠勤・遅刻・有給の集中申請なども見越して、就業規則や運用ルールを確認しておくと安心です。 ホーチミン市中心部では、南部解放記念日前後に式典やイベントに伴う交通規制が行われる可能性があります。 空港、長距離バスターミナル、高速道路などは、帰省ラッシュにより混雑しやすくなります。 2026年4月末〜5月初旬の休暇方針を早めに社内で決定する 4月28日・29日の扱い(通常営業、有給推奨、振替休日化)を明確にする 取引先・サプライヤー・物流会社の休業予定を事前確認する 出荷、通関、送金、承認フローを前倒しで準備する 祝日勤務者がいる場合は割増賃金計算を事前確認する 日本本社や関係会社との緊急連絡体制を整えておく ※本記事は2026年4月3日時点で整理した内容に基づいています。運用にあたっては、最新の当局案内、各企業の就業規則・社内運用をご確認ください。

Venture Café Fukuoka「Vietnam Night Vol.4」にCastGlobal Law Vietnamの工藤拓人が登壇します

お知らせ
2026.04.02
CastGlobal

Venture Café Fukuoka「Vietnam Night Vol.4」にCastGlobal Law Vietnamの工藤拓人が登壇します

CastGlobal Law Vietnam Co., Ltd.の工藤拓人が、2026年4月1日にVenture Café Fukuokaで開催されるセッション 「Vietnam Night Vol.4!ベトナム在住弁護士兼投資家によるトーク&ライブ壁打ち」に登壇いたします。 Venture Café Fukuokaは、「Connecting Innovators to Make Things Happen」を掲げ、起業家、投資家、研究者、事業会社など、多様なプレイヤーをつなぐコミュニティです。今回のセッションでは、ベトナムにおける事業展開、スタートアップ支援、投資・法務の実務などに関心をお持ちの皆さまにとって、有意義な対話の機会になることが期待されます。 登壇概要は以下のとおりです。 イベント名:Vietnam Night Vol.4!ベトナム在住弁護士兼投資家によるトーク&ライブ壁打ち 開催日:2026年4月1日 主催:Venture Café Fukuoka 詳細・参加登録:主催ページはこちら 工藤は、ベトナムでの日本企業向け国際法務、クロスボーダー投資、スタートアップ支援に継続的に取り組んでいます。本セッションでも、ベトナム市場における実務上の論点や、日本企業・起業家が現地で機会をつかむための視点について、参加者の皆さまと実践的に議論する予定です。 特に、以下のようなテーマにご関心のある方におすすめです。 ベトナム市場への進出・事業展開 日本企業とベトナムのスタートアップ・事業会社との連携 投資・M&A・業務提携における法務上の留意点 現地で事業を進める際の実務感覚や最新の市場動向 CastGlobal Law Vietnam Co., Ltd. 弁護士。日本企業のベトナム進出、クロスボーダー取引、M&A、スタートアップ支援などを中心に、ベトナムで幅広い国際企業法務に従事しています。法務の観点にとどまらず、エンジェル投資家・支援者としての視点も踏まえ、実務に即した助言を行っています。 CastGlobal Law Vietnamは、ベトナムで事業を展開する日本企業に対し、会社設立、投資、M&A、労務、知的財産、紛争対応など、幅広い法務サービスを提供しています。ベトナム市場における法務面・事業面の橋渡し役として、企業の継続的な成長を支援しています。 ベトナムビジネス、スタートアップ、投資・提携に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【3月19日開催】JETRO主催セミナー登壇のお知らせ:日本のスタートアップ創業者が語る、成長市場ベトナム攻略のカギとは

お知らせ
2026.03.02
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【3月19日開催】JETRO主催セミナー登壇のお知らせ:日本のスタートアップ創業者が語る、成長市場ベトナム攻略のカギとは

2026年3月19日(木)、ホーチミン市にて開催される 「日本のスタートアップ創業者が語る、成長市場ベトナム攻略のカギとは」 に、CastGlobal Law Vietnam代表 工藤拓人が登壇いたします。 日時:2026年3月19日(木)14:00-17:00(ベトナム時間) ※日本時間 16:00-19:00 形式:ハイブリッド開催(会場参加+オンラインZoom) 会場:The Sentry C (Sonatus Building, 15 Le Thanh Ton street, Sai Gon Ward, Ho Chi Minh City) 言語:日英同時通訳あり 定員:会場80名/オンライン500名 主催:JETRO、在ベトナム日本国大使館、ホーチミン日本商工会議所(JCCH)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC) 本イベントは、「新しい日越共同イニシアティブ」ワーキングチーム2の活動の一環として実施されます。 第一部(14:20-14:50) 「スタートアップエコシステムやリーガル視点から読み解く、ベトナム市場の魅力と難しさ」 CastGlobal Law Vietnam 代表 工藤 拓人 第二部(15:00-16:10) パネルディスカッション 「日本のスタートアップはどう戦うべきか?ベトナム市場参入のポイント」 モデレーター:工藤 拓人 パネリスト: KAMEREO 田中 卓 CEO Chidori Hospitality 齋藤 壮 CEO Capichi 森 大樹 CEO 質疑応答および会場参加者限定ネットワーキングも予定されています。 人口1億人・高成長市場の実像 ベトナム・スタートアップエコシステムの現状 日本企業が陥りやすい法務・規制上の落とし穴 成功事例に共通する進出モデル 投資家・支援機関が見るべきポイント ベトナム市場は確かに魅力的です。しかし、制度・商習慣・スピード感は日本と大きく異なります。 本セミナーでは、実務視点から「何に注意し、どのように戦うべきか」を具体的に解説いたします。 詳細は以下よりご確認ください。 イベント詳細PDFはこちら 皆様のご参加をお待ちしております。 【お申込みはこちら】 https://forms.office.com/r/94x60G1kxP ※オンライン参加でお申込みいただいた方には後日アクセスURL等をメールでお知らせいたします。

【2026年2月施行】ベトナム新規制4政令を実務目線で整理:金・外為罰則/著作権/税務申告/オンライン広告

コラム
2026.02.22
CastGlobal

【2026年2月施行】ベトナム新規制4政令を実務目線で整理:金・外為罰則/著作権/税務申告/オンライン広告

2026年2月、ベトナムで日系企業の実務に直結する4つの政令が相次いで施行されました。内容は「新しい禁止を増やす」というより、違反時の罰則・当局対応・手続運用を具体化して執行しやすくする方向です。これらの政令の概要をまとめます。 対象政令(施行日) ・政令340/2025/NĐ-CP(2026年2月9日) ・政令373/2025/NĐ-CP(2026年2月14日) ・政令341/2025/NĐ-CP(2026年2月15日) ・政令342/2025/NĐ-CP(2026年2月15日) 政令340/2025は、通貨・銀行分野の行政罰則を全面改訂する政令です。旧・政令88/2019(および改正政令143/2021)を置き換え、2026年2月9日から適用されます。 実務で最も多いのは、①無許可両替(許可のない両替店・金店等)での外貨売買、②ベトナム国内取引での外貨(USD/JPY等)建て表示・契約、③外貨による支払です。政令340は、これらを金額レンジに応じて段階的に罰則化しています。 典型類型 取引金額(USD相当) 罰則(個人の目安) 補足 無許可両替/個人間売買/外貨での支払(違法) 1,000未満 警告(原則) 再犯・反復で罰金へ 同上 1,000〜10,000未満 1,000万〜2,000万VND 出張者の“ちょい両替”がここに入り得ます 同上 10,000〜100,000未満 2,000万〜3,000万VND まとまった送金・決済で問題化しやすい帯 同上 100,000以上 8,000万〜1億VND 高額取引は執行対象になりやすい 外貨建て表示(契約・広告・値札等) 金額に関係なく成立 3,000万〜5,000万VND 「USD建て+VND支払」でも表現次第でリスク 実務コメント(重要) 外為違反は「会社が指示していない従業員の行為」でも、経費精算・取引書類・社内チャット等の痕跡から、会社側の管理不備として発展するケースがあります。少なくとも、(i) 出張・駐在者向けの外為ルール、(ii) 契約テンプレ(通貨条項・表示条項)、(iii) 例外があり得る取引(特区・専門法の例外等)の整理、は優先度が高いです。 金地金(いわゆる“金塊・ゴールドバー”)については、無許可での製造・売買等は3億〜4億VND(=300〜400 million VND)という大きなレンジの罰則が想定されています。一方、個人が陥りやすいのは「無許可業者との売買」「金を決済手段にする」などの行為で、まずは警告、再犯・反復で1,000万〜2,000万VNDに上がり得ます。 無許可業者(許可のない銀行・企業等)との金地金売買、金を支払手段として使う:まず警告→反復で罰金の可能性 同一顧客が1日あたり2,000万VND以上の金売買は、顧客口座と金業者口座での口座決済が原則(現金運用はリスク) 実務上、金店・小規模店舗が混在するため、「相手が許可業者か」の確認が重要 出張者・駐在員向け:両替は「銀行・正規両替所のみ」、領収書要件、違反時の社内対応(経費精算不可/報告義務)を明文化 契約書・見積書・請求書:ベトナム国内取引の通貨表示(USD/JPY)が残っていないか棚卸し(賃料・サービス料・ロイヤルティで頻出) 経理・財務:海外送金・外貨取引のエビデンス(契約・請求書・支払指図)を整備し、銀行からの照会に耐える形へ   政令341/2025は、著作権・関連権の侵害について35の侵害行為類型を明確にし、罰則を整理・強化しました。罰金上限は個人2億5,000万VND、法人5億VNDで、同一行為について法人は個人の2倍という整理です。 ソフトウェア:ライセンス数超過、無断インストール、在宅端末への転用 マーケ素材:画像・動画・フォント・BGMの権利処理不足(制作会社任せで証憑がない) 社内利用:研修資料・翻訳物・SNS投稿での転載/二次利用 実務の勘所 「制作会社が作った=自社が自由に使える」ではありません。①権利帰属(著作権が誰に帰属するか)、②利用範囲(媒体・期間・地域・改変可否)、③再委託の有無を契約と証憑で残すことが、最もコスパの良いリスク低減策です。   政令373/2025は、税務管理法の施行細則である政令126/2020を改正し、申告・決算の運用を調整しました。日系企業の実務で影響が出やすいのは、四半期申告の要件不充足時の扱いと、複数給与(複数社)を得る個人のPIT確定申告の提出先です。 納税者が自ら(または税務当局から指摘されて)要件不充足を認識した場合、次の四半期の初月から月次申告へ切替 過去の四半期分について、月次申告書を再提出し、延滞金(tiền chậm nộp)は計算 ただし、切替に伴って再提出する月次申告書については「遅延提出の行政罰は課さない」という整理(手続リカバリーの明確化) 複数の支払者から給与所得がある場合、年間で最も大きい所得を支払った組織を管轄する税務当局に提出する整理です。提出先を誤った場合も、税務当局側で転送支援を行う旨が示されています。 経理・給与:自社が月次/四半期のどちらで申告しているか、要件を満たしているかの再点検 駐在員・兼業:複数社から所得が出るスキーム(兼職、役員報酬、プロジェクト手当等)がある場合、PIT確定申告の導線を整理¥   政令342/2025は、改正広告法の下で、オンライン広告を中心に運用要件を具体化しました。日系企業にとって重要なのは、(A)ユーザー保護UI要件、(B)違法広告の遮断・削除(24時間)、(C)事業者側の届出・保存・報告義務です。 広告を閉じるアイコン/機能は、1回の操作で広告が閉じられること 静止画広告:待機時間なし 動画・アニメ等:待機(スキップ不可)時間は最大5秒 広告主、広告サービス事業者、媒体(掲載者)等は、当局からの要請を受けた場合、原則24時間以内に違法広告の遮断・削除を実施(または協力)することが求められます。体制がないと、代理店任せの企業ほど対応が遅れがちです。 連絡先情報の事前通知:ベトナムで広告サービスを開始する前に、文化スポーツ観光省へ連絡先情報を通知(変更時は再通知) 記録の保存:広告活動に関する情報・契約・素材等を保存(保存期間:最終表示日から3年間) 年次報告:ベトナムでのオンライン広告サービス事業について、毎年11月25日までに年次報告(臨時報告もあり得ます) オンライン広告の実務では、次のような健康・環境に影響する11カテゴリが特に注意領域です(表示要件・専門法令・許認可とセットで点検が必要)。 化粧品/食品/乳幼児向け栄養製品(一定類型) 家庭・医療用の殺虫・消毒製品、化学物質 医療機器/医療サービス(診療等)/医薬品 農薬、動物用医薬品、飼料、水産養殖関連、種苗等 肥料/種子・苗 アルコール飲料(ビール、度数15度未満の酒等を含む) 代理店契約:違法広告の指摘が来た場合の「24時間対応の主体」「素材差し替え権限」「ログ・素材の保管責任」を明文化 クリエイティブ設計:動画広告は5秒以内で主張が伝わる構造に(スキップ前提) エビデンス保管:健康・食品・化粧品等は、専門法令上の根拠(表示・許認可・届出)をセットで保管 より詳しい内容は以下をご確認ください。 【2026年2月15日施行】広告法・新政令(342/2025/NĐ-CP)の概要と実務対応~UX規制の導入と管理体制の変更点~

【2026年2月15日施行】広告法・新政令(342/2025/NĐ-CP)の概要と実務対応~UX規制の導入と管理体制の変更点~

コラム
2026.02.11
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【2026年2月15日施行】広告法・新政令(342/2025/NĐ-CP)の概要と実務対応~UX規制の導入と管理体制の変更点~

ベトナム政府は2025年12月26日、広告法の詳細規定を定める新政令 342/2025/NĐ-CP(以下、新政令)を公布しました。本政令は2026年2月15日より施行され、従来の政令(181/2013/NĐ-CPおよび70/2021/NĐ-CP)は同日をもって失効します。 今回の改正では、インターネット広告における「ユーザー体験(UX)」に関する具体的な技術要件や、違反広告への対処フロー、行政報告の期限などが変更されています。 本稿では、新政令の条文に基づき、日系企業が留意すべき変更点と実務上の対応事項を整理します。 新政令では、インターネット上の広告表示について、利用者の利便性を確保するための技術的な要件が明文化されました。特にアプリ内広告やポップアップ広告などの仕様において、以下の基準を満たす必要があります。 「固定領域外広告」の定義とスキップ時間:画面上の位置が固定されず、コンテンツの一部または全部を覆う広告(固定領域外広告)について、以下の仕様が義務付けられました。 静止画広告:待機時間なしで即時に閉じることができなければなりません。 動画・動画像広告:広告を閉じるまでの待機時間は最大5秒と規定されました。 「閉じる」ボタンの仕様:広告を閉じるためのアイコンは、1回の操作(ワンタップ)で機能する必要があります。また、偽の閉じるボタンや、識別が困難なボタンの配置は禁止されています。 違反報告機能の実装:利用者が違反広告を通報したり、表示を拒否したりするための導線(アイコンや手順)を配置し、通報に対して適時に処理・通知を行う仕組みが求められます。 自社でアプリやWebサービスを運営している場合、あるいは広告配信を行う場合、広告の表示仕様がこれらの要件に合致しているか、開発・技術部門と連携して確認する必要があります。 広告サービスを提供する企業(広告代理店や媒体社、自社で広告枠を運用する企業等)に対し、以下の行政手続や管理義務が規定されています。 連絡先の事前通知(Form 03):ベトナムでネット広告サービスを提供する組織・企業は、営業開始前に文化・スポーツ・観光省へ連絡先情報(Form 03)を通知する必要があります。通知受理後、4営業日以内に確認書が交付されます。 年次報告期限の変更(11月25日):広告サービス事業者の活動に関する年次報告(Form 04)の提出期限が、従来の「年末」等の慣例から、毎年11月25日に設定されました。 広告記録の3年間保存:広告サービス提供者は、契約書、広告サンプル、掲載期間、位置情報などの記録を、広告表示終了日から3年間保存し、当局による確認が可能な状態にしておく義務があります。 コンプライアンスカレンダーの更新(報告期限の変更)およびデータの保存体制(サーバー容量や保存フロー)の見直しが推奨されます。 特定の製品・サービス(「特別な製品」)に関する広告要件が整理されています。特に以下のカテゴリーでは、必須表示項目に変更や具体化が見られます。 健康補助食品(Thực phẩm bảo vệ sức khỏe)等:製品カテゴリーに応じた定型文言(”Thực phẩm bảo vệ sức khỏe”等)の表示に加え、「本品は薬ではなく、治療薬の代替にはならない」といった推奨文言の表示が必要です。音声・映像広告において、15秒未満の場合は読み上げが免除されますが、画面上での文字表示は必須となります。 化粧品:製品名、機能・効能、公表責任者の名称・住所に加え、国際協定に基づく警告等の表示が必要です。 使用中のバナーや動画広告内の文言が、新政令の要件(文字サイズや表示時間含む)を満たしているか、マーケティング部門での再点検が必要です。 違法広告(法令違反やセキュリティ侵害など)への対処について、対応期限と措置が具体的に規定されました。 24時間以内の削除・遮断義務:広告主、広告サービス提供者、配信者等は、文化・スポーツ・観光省や所管当局から違法広告の通知を受けた場合、24時間以内に当該コンテンツを処理(削除・遮断)する必要があります。 不履行時の技術的措置:上記の要求に応じない場合、文化・スポーツ・観光省および公安省は、通信事業者等を通じて 広告やサービスへのアクセスを技術的に遮断する措置を講じるとされています。この措置は、違法状態が解消されるまで解除されません。 万が一、当局から削除要請があった場合に、担当者不在等で対応が遅れないよう、緊急時の連絡体制や対応フローを整備しておくことがリスク管理上重要です。 新政令 342/2025/NĐ-CP は、デジタル広告のUX規制や管理手続において、より具体的かつ厳格なルールを設けています。 2026年2月15日の施行までに猶予期間はありますが、システムの改修や社内規定(報告期限や記録保存)の更新には時間を要する場合があります。現行の運用と新規定とのギャップを確認し、計画的に準備を進めることをお勧めします。 また、広告法の法改正については、2026年1月1日施行のベトナム広告法改正|インフルエンサー義務化とオンライン広告ラベル等についても、合わせてご確認ください。

「外貨両替は“正規ルートのみ”」を改めて徹底へ―政令340/2025/NĐ-CP(2026年2月9日施行)が実務に与える影響

コラム
2026.02.06
CastGlobal

「外貨両替は“正規ルートのみ”」を改めて徹底へ―政令340/2025/NĐ-CP(2026年2月9日施行)が実務に与える影響

2026年2月9日施行の政令340/2025/NĐ-CP(通貨・銀行分野の行政違反行為と制裁に関する政令)を背景に、ベトナムでは外貨両替について「正規ルートの徹底」が改めて強く意識される局面に入っています。 本稿では、報道と法令(政府法令ポータル等の一次情報)に基づき、一般論としてのポイントと実務上の注意点を整理します。 政令340/2025/NĐ-CPは、通貨・銀行分野(外為・金取引を含む)における行政違反行為と制裁(罰金、没収等)を体系的に定めるものです。政府の法令ポータル等で、公布日(2025年12月25日)・施行日(2026年2月9日)・署名者(副首相 Hồ Đức Phớc)といった基本情報が確認できます。 重要なのは、これが「外貨両替を新たに禁止する」政令というより、従来からある外為規制(許可された場所での取引等)に違反した場合の処分を、より具体的に・厳格に運用しやすくする性質のものだという点です。     報道で繰り返し注意喚起されているのは、次の2類型です。実務的には、「どこで」「誰と」両替したかが最初のリスク分岐になります。 個人同士で外貨を売買する(友人・知人間の両替等) 外貨両替の許可・登録がない組織で外貨を売買する(自由市場、“chợ đen”と呼ばれる闇市場を含む) 大手紙でも、政令340/2025に基づき、こうした行為が取引金額に応じて処分対象となり得る旨が明確に報じられています。     「地域によって両替の“体感難易度”が違う」背景を理解するうえで、具体的な摘発事例は重要です。 2025年10月、ダナン市公安(Công an TP Đà Nẵng)の経済安全部門が、市中心部の金店(宝石店)での外貨売買について、店舗側(私企業の金店)と顧客双方に行政処分を行い、違反に係るVND・外貨を没収した旨を公表・報道しています。規模として「20億VND超相当」と報じられています。 この種の事例がある地域では、店舗側が「リスクに見合わない」と判断して取扱停止(事実上の撤退)に振れやすく、結果として「街の店舗では両替が難しい」という状況が生まれやすくなります。本事例は新政令ができる前の処分ですが、このような実例によってダナンはより厳しく取り締まられる状況にありますので、新政令の運用にも注視が必要です。     今回の局面で影響を受けるのは観光客だけではありません。 在住外国人・出張者:現金ニーズがあっても、安易に非正規ルートに流れると、罰金・没収リスクが現実化します。 宝石店・両替店:許可・登録の有無が死活問題となり、取扱継続には手続・帳票等のコンプラ強化が不可欠です。 銀行・金融機関:行政処分リスクを踏まえ、支店レベルでのKYC/AML、取引目的・証憑確認がより厳格化しやすい環境になります。   政令340/2025は外貨だけでなく、金地金・金製品(vàng)についても行政処分を規定しています。そのため施行前後は「没収されるらしい」といった不安が出やすく、VOVなどが“どういう場合に没収が問題になるのか”を解説しています。 実務上の教訓はシンプルです。“一般人の通常の保有”の話と、“無許可営業・無登録取引”の話を混同しないこと。そして当局が問題視しているのは、許可・登録・正規手続を外した取引である点です。     報道と法令から導ける、現実的な注意点を4つに絞って整理します。 両替は「銀行」または「正規の外貨両替代理店」に限定 許可・登録が確認できない金店、個人間両替は避けるのが安全です。 “店も客も”処分され得る ダナン市公安の事例が示すとおり、顧客側も処分対象になり得ます。 没収があり得る以上、レートが良くても割に合わない 金額が大きいほどリスクは増え、都市によっては「店がやらない」判断が合理的になり得ます。 現金依存を下げる(カード・送金・ATMの併用) 制度・運用の方向性として「正規金融チャネルに寄せる」圧力が高まる局面です。   政令340/2025/NĐ-CP(2026年2月9日施行)は、外貨両替を「突然禁止」する類のものではありません。一方で、個人間両替や無許可店での両替に対して、罰金だけでなく没収まで含めて執行しやすい法体系となり、既にダナン市公安のように具体的な摘発事例も存在します。 したがって実務的には、「両替は正規ルートだけ」「証憑・正規手続を外さない」「現金依存を下げる」の3点を徹底することが、最も合理的で安全な対応です。

【無料】2025年度 海外法務セミナー「経済政策から読み解く ベトナム投資の魅力とリスク」(3月24日神戸開催)

お知らせ
2026.02.05
CastGlobal

【無料】2025年度 海外法務セミナー「経済政策から読み解く ベトナム投資の魅力とリスク」(3月24日神戸開催)

CastGlobal Law Vietnam Co., Ltd(弁護士法人キャストグローバル)代表弁護士・工藤拓人が、神戸市海外ビジネスセンター等主催の「2025年度 海外法務セミナー」にゲスト講師として登壇します。 本セミナーでは、今後20年間の成長目標を掲げるベトナムの投資環境の変化や法改正のポイント、日系企業の進出動向、現地ビジネスで留意すべき法的リスクを、経済政策の視点も踏まえて分かりやすく解説します。 開催概要は以下のとおりです。 テーマ:経済政策から読み解く ベトナム投資の魅力とリスク 日時:2026年3月24日(火)14:00~15:30 会場:神戸国際会館セミナーハウス 802・803会議室(神戸市中央区御幸通8-1-6) 定員:約50名(先着順) 参加費:無料 申込方法:神戸市イベントページ(おでかけKOBE)よりお申し込み 申込みはこちら ゲスト講師として弊所の代表が登壇致します。 ゲスト講師:弁護士法人キャストグローバル パートナー/Cast Global Law Vietnam Co., Ltd 代表弁護士 工藤 拓人(神戸市海外ビジネスサポートデスク) 常任講師:弁護士法人東町法律事務所 芳田 栄二 弁護士/名倉 大貴 弁護士 監修:神戸市海外ビジネスセンター 顧問 村元 四郎 主催:神戸市海外ビジネスセンター、ひょうご・神戸国際ビジネススクエア、弁護士法人東町法律事務所 お問い合わせ:神戸市海外ビジネスセンター(経済観光局国際課) Email:asia-biz@city.kobe.lg.jp TEL:078-231-0222

2025年以降のベトナム電子たばこ規制の最新動向 ―使用者への罰金とたばこ法改正案(2026年2月時点)

コラム
2026.02.02
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2025年以降のベトナム電子たばこ規制の最新動向 ―使用者への罰金とたばこ法改正案(2026年2月時点)

本コラムは、2024年12月3日付「2025年からのベトナム電子たばこ規制の概要」の続編として、2026年2月時点での最新状況をアップデートするものです。 2024年11月の国会決議第173/2024/QH15号により、ベトナムでは2025年から電子たばこ(ベイプを含む)および加熱式たばこについて、製造・販売・輸入・保管・輸送・使用を全面的に禁止する方針が示されました。その後、投資法、行政罰政令、そして「たばこ被害防止法」(以下「たばこ法」)の改正案が相次いで公表され、規制は「グレーゾーン」から「全面禁止・厳格取締り」へと明確にシフトしています。 以下では、前回コラムからの主なアップデートとして、 ① 電子たばこ使用者そのものを直接処罰する政令第371/2025/ND-CP号の内容 ② 電子たばこ・加熱式たばこ等を法律レベルで組み込むたばこ法改正案の骨子 を中心に整理します。 まず、ベトナムにおける電子たばこ規制の「土台」となる枠組みを簡単におさらいします。 2024年11月30日に採択された国会決議第173/2024/QH15号において、 「電子たばこ・加熱式たばこ・その他健康に有害なガス・成分」について、 2025年から製造・取引(販売)・輸入・保管・輸送・使用を全面禁止する方針が明記されました。 これにより、電子たばこ等はベトナム法上、いわゆる「禁止商品(hàng cấm)」として位置付けられています。 投資法の改正により、電子たばこ・加熱式たばこに関する投資・事業活動は、投資禁止分野として明示されました。 これにより、電子たばこ関連ビジネスは、ライセンス実務上も「そもそも登録・許可できない分野」という扱いになります。 電子たばこ等は、政令第98/2020/ND-CP号の規定する「国家が生産・経営・使用を禁止する商品」に該当すると解されており、 その製造・販売・輸入・輸送・保管については、 行政罰:高額の罰金、商品・違法利得の没収など(政令第98/2020/ND-CP号) 刑事罰:一定額以上の取引・組織的違反等の場合、刑法第190条「禁止商品の製造・取引罪」により懲役刑・多額の罰金 といった二重の法的リスクが存在します。 この段階で、メーカー・輸入業者・卸売・小売・物流などの事業者側が電子たばこを扱うことは、既に行政・刑事両面で極めてハイリスクな行為になっている点が重要です。   前回コラムでは、電子たばこの「使用」については、保健省が政令第117/2020/ND-CP号(医療分野の行政違反処理)改正案の中で、使用者に対する罰金(案)を検討している段階であるとご紹介しました。 その後、政府は2025年12月31日付で政令第371/2025/ND-CP号を公布し、同日から施行しました。本政令は、電子たばこ・加熱式たばこに関する行政罰規定を本格的に導入するものであり、特に「使用者本人」を直接処罰する点が従前と大きく異なります。 電子たばこ・加熱式たばこを使用した個人は、 3,000,000〜5,000,000VND(約114〜190米ドル)の罰金の対象となります。 併せて、使用に供した電子たばこ機器・カートリッジ等は没収・破棄されます。 自己の管理する場所(飲食店、ホテル、カラオケ、オフィス、商業施設等)で、電子たばこ・加熱式たばこの使用を許容・黙認した場合、 個人管理者:5,000,000〜10,000,000VNDの罰金 組織(法人等):上記の2倍の罰金 という制裁が規定されています。 これにより、従来のように「禁止商品をビジネスとして扱うとアウト」という事業者側中心の枠組みに加えて、「ベトナム国内で電子たばこを吸った人」も行政罰の対象になることが明確化されました。在留邦人や出張者・旅行者についても、「日本から少量を持ち込んで自分だけで吸うなら問題ない」という感覚は、現行制度の下では明確にリスクが高いと言わざるを得ません。   2026年1月、保健省は「たばこ被害防止法」(2012年法)改正案について、関係省庁・専門家からの意見聴取(パブリック・コンサルテーション)を開始しました。報道ベースで判明している主なポイントは以下のとおりです。 電子たばこ 加熱式たばこ 電子機器(電子たばこ・加熱式たばこ用デバイス) 加熱式たばこ用の特別加工たばこ その他の新型たばこ製品 などの概念を、たばこ法の定義条文に新たに追加する方向です。従来のたばこ法は紙巻きたばこ中心の設計であり、電子たばこ・加熱式たばこに関する定義や禁止行為が明確ではありませんでしたが、これを実態に合わせてアップデートする狙いがあります。 改正案は、既に国会決議第173/2024/QH15号および投資法、政令第371/2025/ND-CP号等で示された方針を踏まえ、以下の行為を法律レベルの禁止行為として明記する方向です。 電子たばこ・加熱式たばこおよびその他新型たばこ製品の所持(保管)・輸送・使用の禁止 これら製品の製造用部品・機器の製造・売買の禁止 これにより、「完成品」だけでなく、組み立て用デバイスやリキッド、部品等も含めて規制対象であることが、法律上明確化される見込みです。 改正案では、紙巻きたばこを含む全てのたばこ製品について、 広告・スポンサー・販売促進・マーケティング活動の全面禁止 小売店・コンビニ・スーパー等でのたばこ製品・パッケージ・ブランドの店頭での陳列禁止(顧客から見えない形での保管) などの措置が盛り込まれています。特にコンビニや免税店等にとっては、レジ周りやショーケースの見せ方を根本的に見直す必要が出る可能性があります。 医療機関・教育機関・子ども向け施設・高火災リスク区域に加え、 法律で特別に認められる一部のケースを除き、全ての屋内施設・公共交通機関を全面禁煙とする方向が示されています。 併せて、施設管理者・組織の責任者に対し、禁煙ルールの掲示・周知・違反者への指導等を行う法的責任をより明確に課す方向性も示されています。 たばこパッケージの主要面に占める健康警告表示の面積を、現行の50%から前面・背面それぞれ85%以上に拡大する案が提示されています。 加えて、2027年1月1日からは特別消費税法の改正により、たばこに対する絶対額課税(1箱あたりの固定額)+従価税のミックス課税が導入される予定であり、価格面からも喫煙抑制を図る方向です。 世界保健機関(WHO)の勧告に沿い、「たばこ対策政策を商業的利益から保護する」趣旨の規定を法文に盛り込む案が検討されています。 禁煙外来や相談窓口などの禁煙支援サービスの対象に、電子たばこ・加熱式たばこ使用者も明示的に含めることが提案されています。 報道によれば、この改正たばこ法は、2026年の国会で審議され、2027年1月1日施行を念頭に置いた長期的な枠組みと位置付けられています。 電子たばこ規制の流れを簡潔にまとめると、以下のようになります。 〜2024年:たばこ法は紙巻きたばこ中心で、電子たばこは定義や禁止行為が不明確。 → 他の法令(禁止商品規制等)を通じて部分的に対応。 2024年11月:国会決議第173/2024/QH15号により、2025年からの製造・販売・輸入・保管・輸送・使用の全面禁止を政治的に宣言。 2024〜2025年:投資法改正により電子たばこ関連事業を投資禁止分野に分類。行政罰政令の改正作業が進行。 2025年12月31日:政令第371/2025/ND-CP号が公布・施行され、 電子たばこ・加熱式たばこの使用者に対する3,000,000〜5,000,000VNDの罰金+機器没収、 使用を容認した施設管理者への5,000,000〜10,000,000VND(組織は2倍)の罰金が明文化。 2026年1月以降:たばこ法改正案により、電子たばこ等の定義、所持・輸送・使用の禁止、広告・展示禁止、禁煙区域拡大、パッケージ警告85%等を法律本文に取り込むプロセスが進行中。 これらを総合すると、ベトナムは電子たばこ・加熱式たばこについて、 国会決議(基本方針) 投資法(投資禁止分野) 行政罰政令(政令第98号・第371号等) たばこ法本体(改正案) という四層構造で、「全面禁止・ゼロトレランス」のスタンスを固めつつあると評価できます。 電子たばこ本体、リキッド、加熱式たばこ用デバイスや部品等を扱う事業は、投資法上禁止事業であり、 同時に「禁止商品」の製造・販売・輸入・保管・輸送として、行政罰および刑事罰の対象となり得ます。 今後、たばこ法改正により部品・設備の製造・売買も法律レベルで禁止行為として位置付けられる見込みであり、「デバイスだけ」「リキッドだけ」といったモデルも含め、実務上は撤退・中止が前提と考えるべきです。 飲食店、ホテル、カラオケ、コワーキングスペース、オフィス等の管理者が電子たばこ使用を黙認した場合、政令第371/2025/ND-CP号に基づき罰金の対象となります。 就業規則、ハウスルール、利用規約、館内掲示等の中で、紙巻きたばこだけでなく電子たばこ・加熱式たばこも含めて全面禁煙とする旨を明記し、従業員・利用者に周知することが重要です。 たばこ法改正により、店頭でのたばこ製品の陳列禁止が導入されると、小売店舗のレイアウトにも影響が出る可能性があります。 2025年12月31日以降、ベトナム国内で電子たばこ・加熱式たばこを使用した場合、個人として3,000,000〜5,000,000VNDの罰金+機器没収のリスクがあります。 また、税関実務上も電子たばこは輸入禁止品として扱われており、入国時に発見された場合には没収等のリスクがあります。 実務的には、「ベトナムには電子たばこを持ち込まない・吸わない」ことを前提としたコンプライアンスが、安全なラインと考えられます。 ベトナムにおける電子たばこ・加熱式たばこ規制は、 国会決議による全面禁止方針の明確化 投資法上の禁止事業化 政令第371/2025/ND-CP号による使用者・施設管理者への罰金の導入 たばこ法改正案による定義・禁止行為・広告規制・禁煙区域・警告表示等の恒久ルール化 という形で、段階的に強化されてきました。今後、国会審議の中で細部の文言が修正される可能性はあるものの、全体としては「規制が緩む」よりも「さらに厳格になる」方向性が高いと考えられます。 日本企業としては、電子たばこ関連ビジネスへの関与を避けるとともに、自社オフィス・店舗における禁煙ルールの整備・運用、在越日本人社員や出張者・旅行者への周知を早めに徹底することが重要です。 本コラムは2026年2月時点の情報に基づいており、今後新たな法令・政令が公布された場合には、随時アップデートしていく予定です。   関連記事: 2025年からのベトナム電子タバコ規制の概要