ベトナムビジネスの飛躍に法務の力を

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ベトナムビジネス飛躍
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CastGlobal Law Vietnam
(CAST)について
ABOUT US

私たちは、2013年にベトナムに設立した日本人弁護士とベトナム人弁護士の所属する日系の弁護士事務所です。ハノイ市とホーチミン市に拠点を有しています。
ベトナムでは、大きなトラブルにならないように日常的に法務を意識して経営することが重要ですが、実際には何が問題になりうるのかや日本との違いもわからず、法的な事柄によって日々の業務に集中できないことも多く生じています。

お客様に憂いなくビジネスに集中いただくため、"法務面からベトナムビジネスを伴走する身近なパートナー"として貢献していきます。

CASTの特徴FEATURES

01

ビジネスの現状・ベトナムのスピード感に合わせたスピーディーかつ柔軟な対応

CASTのミッション

02

タイムチャージに基づかないリーズナブルで相談しやすい顧問契約の設定

CASTの顧問契約

03

ベトナムのM&A、不動産、企業運営に関わる法務、知財戦略などの専門分野の支援実績

CASTの対応分野

活用例

  • 現地の担当弁護士にチャット・メールでいつでも気軽に相談できる環境。
  • 自社の担当・駐在員が変わっても、過去の経緯から把握してアドバイスしてもらうことが可能。
  • 会社の総務・法務スタッフとも普段からやりとりし、社内のコンプライアンス体制・意識向上にも。

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導入事例CASES

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2024.07.31
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erex International Co., Ltd
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Care21 Vietnam Company Limited / Lotus Education Company Limited
2024.07.28
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...
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2023.10.01
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2023.09.07
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ベトナムに進出されるお客様へ向けた連絡窓口などを行っています。
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2023.03.08
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2023.03.08
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NICCA VIETNAM CO., LTD.
2021.11.23
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繊維加工薬剤の製造及び販売

導入事例一覧

ニュースNEWS

コラム
2025.03.11
CastGlobal

ベトナム政府、ビザ免除措置を更新|2025年〜2028年の新ルールと注意点まとめ
ベトナム政府は2025年3月7日付で発行した決議第44号/NQ-CPにより、一部の外国人に対するビザ免除措置を延長・改訂しました。 これにより、従来のビザ免除措置(決議第32号/NQ-CPおよび第128号/NQ-CP)に代わる形で、2025年3月15日から2028年3月14日までの3年間、新しい制度が適用されます。本コラムでは、この新たなビザ免除の内容や背景、従来制度との違いなどを整理し、わかりやすく解説します。 今回の決議第44号では、下記の12か国がビザ免除対象となりました(2028年3月14日までの期間)。 ドイツ フランス イタリア スペイン イギリス(英国および北アイルランド) ロシア 日本 韓国(大韓民国) デンマーク スウェーデン ノルウェー フィンランド 従来リストに含まれていたベラルーシが今回外れたため、13か国から12か国に減少した点です。 2023年8月15日に施行された改正出入国管理法に基づき、ビザ無しでの最大滞在期間は15日間から45日間に延長されています。決議第44号でも、この最長45日間の滞在が引き続き適用され、観光や短期出張などの目的であればビザ手続きなしで渡航が可能です。 適用開始日:2025年3月15日 適用終了日:2028年3月14日 この3年間の時限措置として運用されます。旧決議(第32号・第128号)に基づくビザ免除措置は2025年3月14日で失効し、翌日(3月15日)から本決議が有効となります。 パスポートの種類や入国目的を問わず一律でビザ免除 ただし入国時点で有効なパスポートを所持していること 往復航空券(または第三国行きの航空券)の保有 出入国管理上の問題がないこと こうした従来から定められていた基本要件は、新決議でも踏襲されています。45日を超えて滞在したい場合や、就労など別の在留資格が必要な場合には、ビザ延長または在留資格変更手続きを行う必要があります。 ベトナム政府は2022年3月の決議第32号/NQ-CPで主に日本や欧州主要国を対象に一方的ビザ免除措置を実施し、当初は15日間までの滞在を認めていました。適用期限を2025年3月14日までとしていたところ、2023年8月の決議第128号/NQ-CPで滞在可能日数を45日間に延長するなどの修正が行われました。 旧リストには含まれていたベラルーシが、新たな決議44号では除外されています。そのため、対象国数は13→12に変更され、ベラルーシ国籍者はビザ免除を利用できなくなりました。ベトナム政府から公式な理由説明はなく、今後の追加措置については未定です。 今回の決議44号とは別枠で、2025年3月1日から同年末までの限定期間、ポーランド・チェコ・スイス国民に対して観光目的のビザ免除が試行導入されます。旅行社を通じたツアー参加者向けの特例措置とされ、ベトナム政府の観光振興策の一環です。成功すれば、ほかの欧州諸国へ拡大する可能性もあると報じられています。 45日以上の滞在・就労には別途ビザが必要 長期滞在(45日を超える観光・商用・留学など)や就労を伴う場合は、従来通り労働許可証や在留資格(ビザ)の取得が必須です。 パスポート残存有効期間 一般的に、ベトナム入国時にはパスポート残存期間が6か月以上あることが望ましいとされています。具体的な要件は実務上変わる可能性があるため、渡航前に最新情報を確認する必要があります。 電子ビザの活用 ビザ免除対象外の国籍や45日を超える滞在を予定している方は、ベトナム政府が発行する電子ビザ(E-visa)を検討できます。最近の法改正により、電子ビザの有効期間延長(最長90日)や対象国の拡大が進められています。 旧決議との整合性 2025年3月14日までは旧決議(32号・128号)が継続し、3月15日付で新決議44号が発効します。途中期間で制度が切り替わるため、渡航予定日が2025年3月15日前後にかかる方は特に注意が必要です。 ベトナム政府は公式声明で、「経済・観光振興の観点から、ビザ免除の対象国や期間を必要に応じて延長・拡大する可能性がある」旨を示しています。また、欧州連合(EU)諸国からは「EU加盟国すべてへのビザ免除」を求める声が高まっており、ベトナム側でも観光収入増や投資促進の狙いから、さらなる国・地域の追加を検討する余地があるとみられます。 一方で、国際情勢や各国との外交関係によっては、今回のように対象リストが変更されるリスクも否定できません。常にベトナム政府の公式発表や在外公館の情報を確認し、最新の入国要件を把握することが大切です。 決議第44号/NQ-CP(2025年3月7日付)により、従来のビザ免除措置は2025年3月15日に切り替えられ、対象は計12か国、最長45日間の滞在が2028年3月14日まで認められます。ベラルーシが除外された一方、新たにポーランド・チェコ・スイスへ限定的な試行免除が導入されるなど、一部変化が生じています。 45日を超える滞在や就労目的の場合は別途ビザが必要であり、旧制度と同様にパスポート残存有効期間などの基本的要件も維持されています。 ビザ免除措置はベトナム側の「一方的措置」であるため、今後の外交方針や国内事情に応じて変更が加えられる可能性があります。渡航計画を立てる際は、必ず最新の政府公報や大使館・総領事館のウェブサイトを確認することが重要です。

ベトナム政府、ビザ免除措置を更新|2025年〜2028年の新ルールと注意点まとめ

コラム
2025.03.10
CastGlobal

ベトナム・ホーチミン市、マンション民泊を禁止―2025年開始の規制内容について
ホーチミン市において、2025年2月27日に26/2025/QĐ-UBNDが公布され、これまで明確になっていなかったAirbnbなどの民泊を明文で規制し、具体的な条件などが規定されました。不動産所有者にとっては大きい影響があるため、本コラムではこれまでの規制の背景や規制の具体的内容などについての詳細をまとめます。今後はその他の市や省への影響も懸念されます。 ホーチミン市ではここ数年、Airbnbなどの短期宿泊賃貸サービスが拡大し、マンション(集合住宅)での民泊利用が急増してきました。報道によれば、あるマンションでは居住戸数の60%が短期賃貸に転用されていたとの報告もあります。4区の「Masteri Millennium」では1か月の宿泊客が約1300人に達し、その約8割が外国人旅行者だったというデータも示されています。 このように「事実上のホテル」としてマンションを活用する動きは、エレベーターや共有設備の混雑、騒音や治安リスクなど、常住住民との摩擦を生みました。例えば人気マンションではエレベーター待ち時間が3〜5分から10〜15分に延びたケースもあり、住民が生活に支障を来す事態が発生。さらに、薬物使用など違法行為への懸念も高まり、マンション管理組合や地元当局へ「規制強化」を求める声が続出しました。 社会的には住居としてのマンションの安全・秩序維持が重要視され、経済面ではホテル業界との公平性や課税逃れ問題が指摘されてきました。実際に不動産業界団体などからは「民泊を行うなら事業登録と納税を義務付けるべきだ」という声があり、これらが重なった結果、ホーチミン市当局の規制強化に至ったとみられます。2025年3月には同市人民委員会がマンション使用規定を改正し、住宅用マンションでの短期宿泊営業を明確に禁止する旨を公布しました。 ベトナムではもともと2014年住宅法第6条第11項に「集合住宅を居住目的以外に使用する行為」が明確に禁止されており、マンションをオフィスやホテルのように転用することは原則違法とされていました。ただし長らく有名無実化し、民泊に対する明確なガイダンスがなかったため、Airbnbなどは事実上容認されていた状況です。 しかし2023年に国会で可決された新住宅法(法律番号27/2023/QH15)において、2024年8月1日から施行される改正規定でも「居住目的以外での集合住宅の使用」や「関連法令に反する宿泊賃貸」が禁止行為として再確認されました。短期宿泊向けにマンションを転用することは「非居住目的の使用」とみなされる可能性が高く、違法性を問われる余地があります。 もっとも、「民泊」を名指しで禁止する条項は現時点で存在せず、「数日貸し」が即違法と断定できるかは解釈の争いが残っています。住宅法や関連法令に抵触しない範囲での住宅賃貸は認められるとの見方もある一方、「短期貸しは実質的にホテル業」として無許可営業を問題視する意見も強い状況です。 現時点では政令や通達レベルでの公式解釈が未整備で、ベトナム国内でも見解が分かれているのが実情といえます。 ホーチミン市では2025年3月、マンション管理・使用規定を改正し、「住宅用途のマンションで短期宿泊サービス営業を行うこと」を明文で禁止しました。もし宿泊サービスを行う場合は商業用途を含む複合型マンションであること、正式な観光宿泊の認可を受けることなど条件が課されるため、いわゆる一般的な分譲マンションでのAirbnb営業は認められない方針を明確化しています。これは市として独自に強力な取り締まり根拠を得たともいえます。 集合住宅を本来の居住目的以外で使用した場合、2000万~4000万ドン(約11万〜22万円)の罰金が科され、短期賃貸をやめて居住用途に戻すよう命じられます。実際にバリア・ブンタウ省では、2023年住宅法施行後に短期賃貸禁止の通達をもとに1000万~2000万ドンの罰金を課した事例が報告されています。 無許可で宿泊サービスを行えば、観光や営業許可の不備として別途制裁される可能性があります。また、外国人客の一時滞在登録を怠った場合も公安当局より罰金を科されることがあるため、オーナー側には複合的なリスクが生じます。ホーチミン市警察は2023年に5645人の外国人の滞在登録違反を摘発しており、取り締まりが強化される傾向にあります。 ビジネスモデルの転換 これまでマンションをAirbnb用に購入・運用してきた投資家は、短期賃貸禁止によって長期賃貸への切り替えや物件売却を余儀なくされ、投資回収計画に大きな影響が及びます。 収益性の低下 Airbnb運用で順調に稼働していた場合、1部屋あたり月に500万〜600万ドン(約2.9万〜3.5万円)の利益を得ていたとの報告があります。長期賃貸へ切り替えると利回りは一般的に下がるため、ローン返済に影響が出るオーナーも増加するとみられます。 掲載物件の激減 管理組合が「短期賃貸禁止」と明示して警備員が出入りを厳格にチェックする結果、マンション物件のAirbnb掲載数は70〜80%減少との報告があります。 営業エリアの移動 規制の厳しい4区などから、取り締まりの手薄な地区(7区やビンタイン区など)へ移動するホストもおり、市全域で一斉に取り締まりが行われなければ“いたちごっこ”が続く懸念があります。 宿泊オプションの減少 ホテルより安価で複数人利用や自炊が可能な民泊は、中程度の収入層やバックパッカーに人気でした。民泊を失うことで旅行費用が増加すれば、観光需要の減少や他都市・他国への流出が懸念されます。 地域経済の波及効果 民泊利用者が住宅街の飲食店などで消費することで地域経済が潤う側面がありました。ホテル集中により、こうした“地元消費”が失われるとの指摘もあります。 ホテル業界へのプラス効果 一方で、無許可の民泊が減ることで正規ホテルの稼働率や売上が向上し、価格設定やサービスも改善される可能性があります。また、Airbnb物件が長期賃貸市場へ流れれば、地元居住者にとって賃料の選択肢が広がるメリットもあるかもしれません。 常住住民・管理組合の支持 「マンション本来の住環境を取り戻せる」と歓迎する声が強い一方、短期賃貸を続けたいオーナーとの対立も一部で起きています。管理組合によるロビーやエレベーターでの掲示、警備員による出入り監視が強化される傾向です。 投資オーナーの反発 副収入が絶たれる懸念や「所有権の制限だ」という不満も高まっており、SNS等で管理組合と衝突する事例も報告されています。 観光客の戸惑い ホーチミン市マンションでのチェックインを警備員に拒否される事例が相次ぎ、突然の予約キャンセルなど旅行者が混乱する場面が出ています。 治安維持への支持 一般市民からは「違法民泊が犯罪温床になるより良い」「適正な課税が必要」という声もあり、治安維持や公平性の観点では一定の支持があるようです。 住宅法やホーチミン市の独自規定に照らし、自ら保有するマンションが「居住目的以外の利用」にあたるかをまず精査する必要があります。 万一短期賃貸を行う場合は商業用ライセンス取得や複合用途マンションの区画であることなど、要件を満たしているか必ず確認してください。 外国人向け短期賃貸の手続き 外国人に貸す際は、一時滞在登録が義務付けられており、怠ると公安当局から罰金を科されるリスクがあります。 そもそも住宅法上、外国人に貸す場合は貸主・借主双方が法定条件を満たす必要があるため、形式上の契約や手続をきちんと行うことが求められます。 管理規約で独自に短期賃貸を禁止しているマンションが増えています。オーナーであっても管理規約に違反すればペナルティや実質的な営業不能状態に陥る可能性が高いです。 管理組合と事前に十分協議し、物件用途・利用ルールの合意形成を図ることが重要です。 民泊を事業として行う場合、観光業ライセンスの取得や旅客宿泊業としての届出、売上把握に基づく課税が求められる可能性があります。 Airbnb等のプラットフォームを通じた収益を当局に把握される流れが強まることが想定されるため、脱税とみなされないよう適切な会計処理が必要です。 建設省は「居住用住宅を賃貸すること自体は住宅法で認められる」との見解を示しつつ、住宅法第160条・161条等を遵守するよう促しています。ただし、ホーチミン市のような大都市では、独自の管理規定や強い取締りが先行しており、今後さらに詳しい通達や政令が定められる可能性があります。 観光客誘致において民泊は安価で多様なニーズに対応する重要な選択肢です。一方でマンション住民の平穏な居住環境も守らなければなりません。今後は一律禁止を続けるのか、あるいは許認可制・日数制限・課税強化など、海外事例を参考にした折衷案が検討される余地があります。 2023年の住宅法改正に加え、ホーチミン市の姿勢は「強い取り締まり」に傾いています。短期的には罰則強化や管理委員会との連携で違反行為を厳しく抑制する流れが加速するでしょう。抜け道として“親戚訪問”を装うケース等もあるため、さらなる実効性のある仕組みが整備されるか注視が必要です。 ホーチミン市マンションでの観光宿泊賃貸禁止措置は、2014年・2023年住宅法の規定を背景に、さらに2025年3月の市独自規定で強化された形となっています。実質的には「一般的な住宅用マンションを短期賃貸(民泊)に転用する行為が違法」と判断されやすい状態です。違反時には2000万~4000万ドンの罰金や営業停止が科されるなどペナルティも明確化されており、市当局や管理組合が積極的に取り締まりを進めています。 投資家や民泊ホストにとっては大きな経済的打撃となる一方、住民側からは騒音・治安リスクの軽減を歓迎する声が強く、不動産市場や観光業にも賛否両論の影響が広がっています。将来的には観光振興とのバランスを考慮した管理策の整備が課題となりますが、当面はホーチミン市におけるマンション短期賃貸は禁止が基本スタンスであり、違反リスクへの注意が欠かせません。 実務上はまだ民泊が各プラットフォームで公開されており、どの程度厳しく取り締まられるかはわからない状況です。今後の動向を注視しつつ、正規の許認可手続きや長期賃貸の活用など、適法かつ持続可能な運用を図ることが肝要です。

ベトナム・ホーチミン市、マンション民泊を禁止―2025年開始の規制内容について

コラム
2025.03.03
CastGlobal

ベトナムの税金未納者に対する出国禁止措置 – 政令49/2025/ND-CPの概要と留意点
2025年2月28日に公布・即日施行された政令49/2025/ND-CPにより、一定の税金滞納者に対して出国が一時的に禁止される(出国停止)仕組みが明文化されました。 税務管理法や関連政令で従来から存在していた規定を、具体的な金額要件や滞納期間の設定、出国禁止までの手続を含めて整備した点が大きな特徴ですが、外国人には金額要件が明確化されていません。本稿では、主な対象要件や手続き、企業・個人への影響、他国制度との比較を踏まえたうえで、本制度をどのように理解し運用・対応すべきかを解説します。 以下、政令49/2025/ND-CPの主なポイントを説明します。 政令49/2025/ND-CPでは、税金を滞納している個人や法人代表者に対し、以下のように滞納額や滞納期間に応じて出国禁止措置を行うと定めています。 実際、従来の運用下で少額滞納者への出国禁止が発動された事例が報じられ社会問題化しました。2024年5月には、ホーチミン市税関当局が未納額約99万ドン(わずか4千円相当)の企業社長に対し出国禁止措置を要請し、大きな議論を呼んでいます​。他にも数十万~数百万ドン程度の滞納で経営者が空港で足止めされたケースが複数確認され、「厳しすぎる措置ではないか」との批判が出ました​。 今回はこれを明確化するという趣旨があります。政令49/2025/NĐ-CPでは、税金滞納者に対する出国禁止措置(一時的な出国の延期。ベトナム語:tạm hoãn xuất cảnh)が適用されるケースを明確に4類型定めています​。それぞれの要件は以下のとおりです。 税務当局による強制執行段階にあり 5,000万ドン以上(約2,000米ドル相当)の税金を滞納 法定の納期限を120日超過 税務当局による強制執行段階にあり 5億ドン以上(約2万米ドル相当)の税金を滞納 法定の納期限を120日超過 登記上の所在地で営業実態がなく、納税も滞っている 金額要件の定めはなく、滞納分があるかぎり適用可能 当局の出国禁止通知から30日経過後も未納であれば出国停止が発動 ベトナムを出国する時点で税金の未納がある 納税義務を果たさない限り、一時的に出国が停止される 上記のとおり、一般的には「個人5,000万ドン以上」「法人代表5億ドン以上」「いずれも滞納120日超」という比較的明確な線引きが設けられました。 一方で、外国人、所在不明や国外移住等のケースについては金額要件がなく、滞納状態であれば広く対象となる点が特徴です。引き続き日本人駐在員には不透明な状態が続くとみられます。 出国禁止措置は、税務当局と公安省入国管理当局が連携して以下の流れで実施されます。 税務署が対象者へ電子的に「出国禁止予定」を通知 所在不明の場合はウェブサイト公告などで告知 通知から30日以内に完納すれば出国禁止措置は回避可能 納税がない場合、税務署が入国管理当局に「出国禁止依頼」を送付 対象者情報が出境審査システムへ登録され、空港等で出国が差し止められる 滞納額を完納すると税務署が即時に解除通知を発行 入国管理当局は通知受領後24時間以内に出国禁止を解除 30日間の猶予期間が設けられていること、納付完了後の手続きが24時間以内に迅速処理されることは、納税者の権利を一定程度保護しつつ法執行を担保する仕組みといえます。 では、このような改正が企業や個人にどのような影響をもたらすでしょうか。 大口かつ長期の税金滞納者に対して出国を禁止する措置は、納税を促す強力な圧力となります。専門家の見解によれば、こうした制度により税収確保と公平な税負担が図られ、国家予算にも寄与すると期待されています。 一方で、経営者が海外出張や国際交渉のタイミングで出国停止となった場合、事業活動に支障が出る可能性は否めません。過去には大手企業のCEOが未納税を理由に出国禁止処分を受け、企業再建や資金調達に悪影響が及んだ例もありました。また少額の滞納であっても通知が届かず、出国審査時に突然足止めを受けるケースが報告されているため、定期的な納税状況チェックが大切です。 アメリカでは連邦税の深刻な滞納(概ね5万米ドル超)に対し、国税庁(IRS)が国務省に通報することでパスポート発給や更新が拒否され、実質的に海外渡航ができなくなる制度が運用されています。ただし滞納通知後に分割納付などの合意を結べば制裁回避できるなど、一定の手続保障が組み込まれています。 中国には法執行上の「出境禁止」制度があり、税務・債務問題や公共利益関連の事案でも広範に出国を制限する仕組みがあります。日本や欧州諸国では出国禁止制度そのものは一般的ではなく、財産差押えや訴追など他の手段による滞納処分が主流です。 ベトナムの制度は、比較的少額の滞納(個人5,000万ドン、法人5億ドン)でも出国が直ちに差し止められる可能性がある点が特徴的といえます。 一方、過去には少額滞納者にも厳格適用され、社会的議論を呼んだ経緯があるため、今回の政令で明確な金額基準と猶予期間を示したことは法的安定性の向上につながると評価されています。 今後の在ベトナム企業の留意点としては以下のような点が挙げられます。 本措置は税務管理法(2019年改正)や政令126/2020/NĐ-CPにも根拠があり、政令49/2025/NĐ-CPはその具体的運用を定める位置づけです。電子システムによる当局間連携により、納付完了時の速やかな出国禁止解除が期待されていますが、実際の現場では人的ミスやデータ伝達の遅延が完全に排除されるわけではありません。出国前に納税証明書等を取得しておくなど、納税者側の自己防衛も有効です。 日頃からの税務管理強化 期日内納付と納税履歴の定期チェックを徹底する 通知システムの確認 税務当局からの電子連絡を確実に受け取れる体制を整備する 完納証明書の取得 滞納が解消された場合、税務署に納税証明書(tax clearance)を求め、出国時のトラブルに備える 経営トップの渡航予定把握 経営層に滞納があると海外出張に支障が出る可能性があるため、法人内で早めに対応を検討する 政令49/2025/ND-CPが定める税金未納者の出国禁止措置は、ベトナム政府の税務コンプライアンス強化策の一環として施行されました。 金額要件と滞納期間が具体化されたことで、従来のあいまいな基準による混乱が緩和され、公平かつ予見可能性の高い運用が期待されます。一方で、企業経営や外国人の海外渡航への影響は大きく、通知が届いてから30日以内に納税が完了しない場合には実際に出国できなくなる点に十分注意が必要です。 今後は、税務当局と入国管理局の電子連携が円滑に機能するか、あるいは実務レベルで誤計上や手続き遅延がどの程度抑えられるかが重要な論点になります。いずれにせよ、ベトナムでビジネスや在住を行う企業・個人としては、出国直前に予期せぬ制限を受けることのないよう実務上の動向も引き続き留意が必要です。

ベトナムの税金未納者に対する出国禁止措置 – 政令49/2025/ND-CPの概要と留意点

コラム
2025.03.01
CastGlobal

【ベトナム相続】ベトナム不動産に関して遺言を作成する場合、どのような手続きが考えられますか。
近年、日本人によるベトナム不動産の購入機会が増えています。しかし、購入者が亡くなった際、相続人として「どう相続手続きすればよいかわからない」「名義変更に時間がかかる」といったトラブルも少なくありません。将来、円滑に大切な資産を引き継ぐためには、遺言を作成しておくことを強くおすすめします。 ベトナムの不動産を特定の相続人(例えばお子様など)に相続させたい場合、以下の2つの方法があります。 日本法に基づいて、日本国内の公証役場で遺言を作成する(ベトナム民法681条2項b)。 ベトナム法に基づいて、ベトナムの公証役場で遺言を作成する(ベトナム民法681条2項本文)。 理論上は上記のとおり二つの遺言作成方法がありますが、実務上、日本の公正証書遺言の有効性を認めた事例は確認されていないため、実際に相続が発生した際、円滑に名義変更ができるかは不透明です。 そのため、ベトナム不動産については、②の「ベトナム公証役場での遺言作成」を推奨します。 配偶者がいる場合、遺言作成時に配偶者の共同署名が必要です。 相続開始後は、遺言をもとにベトナム公証役場で「相続宣言手続」(公証法第57条)を行い、その後、土地管理当局(天然資源環境省)でピンクブック(権利証)の名義変更手続きを進める流れになります。 親から子(嫁・婿含む)への不動産相続については、ベトナムでは所得税が免除されます(通達No.111/2013/TT-BCT第3条1項d)。 そのため、ベトナムでの税負担はありません。 ベトナム不動産の相続や贈与に関する手続きは、日本とは異なる点が多く、戸惑うことも少なくありません。 「もしもの時」に備えて、早めに遺言作成や手続き方法について検討を始めることが、家族への安心につながります。特に、ベトナム現地での遺言作成がスムーズな相続へのカギとなりますので、早期の専門家活用をお勧めいたします。  

【ベトナム相続】ベトナム不動産に関して遺言を作成する場合、どのような手続きが考えられますか。

コラム
2025.02.18
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【ニュース】ベトナムへの越境EC等の小口輸入品についての免税範囲の見直し(財務省提案の段階)
本日2025年2月18日より、100万VND以下の小口輸入品についての輸入税免税規定が廃止されています。 ベトナム決定01/2025/QĐ-TTg:小口輸入免税の廃止と新たな課税ルール 一方で、財務省は以下のとおり免税対象範囲の見直しと、それ以外の義務などを合わせて政令を提案中との報道がなされており、こちらが早急に検討されそうです。 一時混乱はありそうですが、新たな制度が始まる可能性が高いため越境EC業界含め要注目ですね。 下記が現在提案されている政令の要点です。 単品価格200万VND以下の商品にVAT免除 同一購入者における年間累計96百万VNDの上限 食品/化粧品等の消費財に限定(工業用部品は除外) 年4回まで検査免除可能 危険物・文化財等は除外対象 分割購入防止のためIPアドレス追跡システム導入 詳細は以下のとおりです。 財務省の新政令案:免税対象範囲の見直し 財務省は免税規定廃止後の新たなルールとして、越境ECを通じて輸入される小口商品の課税に関する政令案を準備中です​。この案では、小額輸入品に一定の範囲で再び免税枠を設ける一方、悪用防止のため厳格な条件を付与する内容となっています。 免税対象の範囲拡大と上限設定 政令案によれば、オンラインプラットフォーム(ECサイト)経由で購入された1件あたりの商品価値が200万ドン(約1万〜1万2千円)以下の輸入品については、輸入関税および輸入段階のVATを免除することが提案されています​。これは従来の100万ドンから閾値を引き上げるもので、小口輸入品に対する免税枠の拡大と言えます​。 ただし年間の累計購入金額が9600万ドン(約55〜60万円)を上限とし、それを超えると免税措置は適用されません​。。この年額上限は、一人の消費者または一企業が免税制度を利用できる総額に上限を設けることで、免税枠の乱用(大量の小口分割発注による免税適用の繰り返し)を防ぐ狙いがあります​。 なお、1件あたり200万ドンを超える注文や、年間上限を超過した場合には、その注文の商品全価値に対して通常の関税・VATが課される仕組みです​。部分的に超過分のみ課税するのではなく、閾値を超えた場合は全額に課税される点に注意が必要です​。 対象となる品目 この免税措置の対象は「オンライン商取引を通じて購入された商品」とされています​。すなわち、ShopeeやLazada、Alibaba系サイト、TikTok Shopなど越境ECプラットフォームを通じた個人輸入品が主な対象です。現時点で特定の商品カテゴリの除外は明記されていませんが、財務省案では2つの選択肢が示されています​。 一つは(A)関係当局が指定する特定品目以外は免税対象外(通常どおり許認可・検査が必要)とする案、もう一つは(B)上記の金額基準に合致するもののみ一律に免税対象とする案です​。後者の場合でも、たとえば禁制品や輸入に際し特別な許可が必要な医薬品・農薬等は従来通り規制対象となるとみられます(それらは別途の法律で輸入自体に許可が必要です)。 実際、ドラフトでは「輸入許可証や各種証明の取得・専門検査を免除する対象品目のリスト」を策定することも検討されており、このリストに載らない商品はたとえ少額でも通常の検査手続きを経る可能性があります​ 。最終的な対象品目の詳細については、関係省庁間の協議で確定する見通しです。 検査免除の条件と不正対策 新政令案には、通関時の検査(専門検査や許認可手続)の免除条件についても明確な条件が盛り込まれています。具体的には、価額が200万ドン以下の越境EC輸入品であれば、年間最大4回までは輸入の際に各種の許可申請や品質検査等を免除する方針です​。ただし5回目以降の輸入や、上述の年間累計9600万ドンを超える場合には、たとえ1件ごとの金額が少額でも通常の検査手続が必要になります​。 この「年4回までの検査免除」という頻度制限は、同一人物が免税枠を悪用して大量の小口発送に分散することを防ぐ効果を狙ったものです​。財務省によれば、こうした回数制限と金額上限を組み合わせることで、利用者が政策の穴を突いて注文を細切れに分割する行為に歯止めをかける意図があります​。 不正対策としては、購入者や送付先の識別情報を一元管理・追跡する仕組みづくりが欠かせません。 具体的には、個人識別番号(納税者IDや身分証情報)に基づいて年間免税枠の利用状況を管理することが想定されます。さらに、同一人物が複数のアカウントや住所を使って回数制限を逃れようとするケースへの対策として、ECプラットフォーム側でのデータ連携や、場合によってはIPアドレスなど技術的手段での検知も議論されています。 財務省はまた、免税対象となる商品をまとめ買い(「gom hang」)して国内で転売するような行為を禁止する規定も提案しており​、越境ECの個人輸入制度を悪用した業者的行為には厳しい姿勢を示しています。 施行時期と政府・関係機関の見解 上述の免税廃止措置(100万ドン以下の免税枠撤廃)は2025年2月18日付で既に発効しています​。一方、新たな政令案については現在パブリックコメントや関係省庁との協議を経ている段階で、正式な施行時期は未定です。 財務省は2023年からこの問題に取り組み、2023年6月には一度政府に対し同趣旨の政令案を提出していました​。その後、越境EC取引のさらなる拡大を受けて内容を追加修正(年4回の制限規定などを盛り込み)し​、2024年末〜2025年初頭に改めて策定した草案を発表しています​。関係者によれば、司法省の審査を経て最終案が首相に提出・承認され次第、2025年中にも新ルールが施行される見通しです。 政府および関係機関も、この政策変更について明確な見解を示しています。国会では「小口だからといって免税するのは不公正であり、越境ECを利用した事実上の脱税を許すべきではない」との声が上がっていました​。 実際、国内販売される商品には一律10%のVATが課税されますが、これまで海外ECからの直送品だけが免税されていたため、国内業者にとって競争上のハンデとなっていた面があります。財務省も「小口輸入品の免税は国内製造業や通常の輸入品との競争条件を歪め、不公平を生んでいる」と指摘し、現行制度をこのまま放置すれば「輸入EC商品への逆保護(逆差別)」につながりかねないとの懸念を表明しました​。また、免税によって品質検査が省かれることで、低品質・模造品が無検査で大量流入するリスクも問題視されています​。こうした理由から、政府としては免税措置の見直しは避けられないとの判断に至ったわけです。 国際的に見ても、越境ECに係る課税の強化は一つの流れです。例えばタイでは2024年5月1日から、輸入額にかかわらず全ての輸入商品にVATを課す制度を導入しました​。。欧州連合(EU)も既に2021年に22ユーロ以下のVAT免税枠を撤廃し、少額でも確実にVATを徴収する仕組みに移行しています(関税については150ユーロ以下無税の枠が残っています)。 ベトナム財務省は、こうした近隣諸国や世界の動向も踏まえつつ、自国の電子商取引市場に適した制度設計を進めていると述べています​。 日系企業への影響とまとめ 日本の越境EC事業者および日系企業にとっても、ベトナム市場戦略の見直しが必要になるでしょう。ベトナムの消費者向けに少額の商品を直送販売している場合、今後は顧客が税負担を負うことになるため、価格設定やマーケティングに配慮が求められます。 例えば「送料無料・消費税込み」のような形で、税負担込みの総額表示や事前徴収を行うなど、購入者に分かりやすい対応が重要です。 また、年間4回までの免税枠という制限から、リピーター顧客が頻繁に小口購入する業態では、まとめ買い割引や現地在庫の活用といった配送回数を減らす工夫も検討すべきでしょう。逆に高額商品の場合はもともと課税対象であったため、大きな影響はありませんが、通関手続きが厳格化されることで配送リードタイムが伸びる可能性には注意が必要です。 総じて、ベトナム政府の今回の措置は、越境EC市場の健全化と税収確保、国内産業保護を目的としたバランス策と言えます​。免税の恩恵が縮小することで一時的な取引減少も予想されますが、長期的には透明で公正な競争環境の整備に寄与するでしょう​。ベトナムの越境EC市場は東南アジアでトップクラスの成長率(年15〜20%)を示しており、市場規模は2024年時点で250億ドルを超えるとされています​。 日本企業にとっても依然として魅力的な市場であることに変わりはなく、今回の制度変更を正しく理解し適応することが、今後のビジネスチャンスを活かす鍵となるでしょう。

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