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【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

コラム
2023.07.28
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【訪日ビザ5:団体監理型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

日本国内で外国人が現業分野で就労することは、非常に限られた手段でのみ認められています。そのうちの手段の一つが技能実習制度を利用することとなります。 技能実習制度とはその名の通り実習生に日本で行う研修を通じて特定の技術を習得してもらい、実習修了後に本国に学んだ技術をフィードバックする事を前提に設計されています。(技能実習法第1条) 技能実習を在留資格別に分類すると以下の通りとなります。(3号を除く) 1年目 2年目 3年目 団体監理型技能実習 技能実習第1号ロ 技能実習第2号ロ 技能実習第2号ロ 企業単独型技能実習 技能実習第1号イ 技能実習第2号イ 技能実習第2号イ (技能実習法第2条3項及び5項) 技能実習は上記の通り団体監理型技能実習と企業単独型技能実習に分類できますが、当記事では団体監理型技能実習について解説を行います。 大きく分けると3つの機関が団体監理型技能実習制度に介在しています。 実習実施機関 技能実習生が実際に技能研修を行う企業、団体を指します。 実習実施者については届出制となりますので、実習に当たっては技能実習機構に届け出を行う必要があります。(技能実習法第2条6項) 監理団体 技能実習生の紹介、監督を行うのが監理団体です。監理団体については許可制となりますので、技能実習機構に事前に許可申請を行う必要があります。(技能実習法第2条10項) 送り出し機関 技能実習生の募集・選抜、送り出し前の日本語教育、送り出し後のサポート、帰国後の実習生に対するフォローアップなどを行います。(技能実習法第二十三条第二項第六号)   団体監理型技能実習生受け入れの流れは以下の通りとなります。 技能実習生の受け入れが単純に申請や届け出、受け入れ企業の希望のみをもって行われるものではなく、送り出し機関を含む関係各所の協力関係に基づいて成り立っていることが見て取れると思います。 なお、技能実習制度は見直しが検討されており、中間報告が令和5年5月に技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の形で中間報告がなされています。 制度の枠組みの大きな変更はないと思われるものの、送り出し、監理団体の双方の規制を強化する方向で検討されており今後も引き続き注視が必要です。 関連記事: 【訪日ビザ4:技能実習】現地採用したベトナム国籍の従業員に日本で長期間技能を身に着けさせたい 【訪日ビザ6:企業単独型技能実習】日本国内で一定数の外国人従業員を現業分野で流動的に受け入れたい

【ニュース】ベトナムでも国際最低課税(グローバルミニマム課税)の対応が本格化。2024年の施行に向け。

コラム
2023.07.24
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【ニュース】ベトナムでも国際最低課税(グローバルミニマム課税)の対応が本格化。2024年の施行に向け。

2024年に始まる国際最低課税(グローバルミニマム課税)について、ベトナムでも2023年後半に対応が本格化しそうです。 グローバルミニマム課税: グループの全世界での年間総収入金額が7億5000 万ユーロ以上の多国籍企業グループを対象にしており、基準税率 15%以上の課税を確保する目的で、子会社等の所在する軽 課税国での税負担が基準税率 15%に至るまで、本拠地に所在する親会社等に対して上乗せ(トップ アップ)課税を行う制度 たとえば、ベトナムで10%課税された場合でも、親会社が日本にある対象企業については、日本でも最低税率の15%までの残り5%が課税されることになるもの。 ベトナムは、通常の企業所得税が20%ですが、製造業やIT業などで大幅な減税をすることで外資企業を誘致してきました。 たとえば、IT企業については、設立から15年間基準税率10%、黒字化から4年免税・9年50%減税という大幅な優遇税制が敷かれており、これにより外資企業も誘致できる上、人材も育つという良い循環がうまれていました。 グローバルミニマム課税が導入されると、ベトナムの外資系企業のうち1015社がこの税率の対象となるとされており、2024年に適用された場合、サムスン、インテル、LG、ボッシュ、シャープ、パナソニック、フォックスコン、ペガトロンという外国企業(これらでベトナムへのFDI総額のほぼ30%を占める)など、ベトナムの70以上の企業が影響を受けるとされています。 ベトナムで税額が低くても本拠地で課税されてしまうとすれば、ベトナムへの税制優遇は投資の理由ではなくなってしまうため、何らかの異なるメリットを出すべくベトナム政府は対応を検討中です。 参考: VnExpress「National Assembly to review global minimum tax in October」 https://e.vnexpress.net/news/business/economy/national-assembly-to-review-global-minimum-tax-in-october-4628710.html NNA ASIA「国際最低課税の対応法令、24年年初に施行へ」 https://www.nna.jp/news/2545434 【追記】 なお、2023年の第15期国会の第6回会議では、グローバル・ミニマム課税に関する決議草案が短縮手続きにより採択される予定だったが、同案の審議・採択は次回以降に見送られることになっています(以下のVietjoリンク参照)。 https://www.viet-jo.com/news/economy/231018184245.html 【追記2】 ベトナム国会は、グローバルミニマム税(GMT)構想に対応する上乗せの課税を正式に可決しました。これにより、現在15%未満の税しか支払っていない企業は、来年の初めからその差額を補う上乗せ税を支払う必要があります。 具体的な法案は来年に見送りになりましたが、先に決議で課税を決定した形です。 https://www.vietnam-briefing.com/news/tax-update-global-minimum-tax-vat-tax-reduction-confirmed-for-2024.html/

【ベトナム相続】日本居住の日本人がベトナムで相続不動産を有する場合、どのようにすればスムーズに相続手続できますか。

コラム
2023.07.24
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【ベトナム相続】日本居住の日本人がベトナムで相続不動産を有する場合、どのようにすればスムーズに相続手続できますか。

日本人がベトナム国内に財産を遺して亡くなった場合、その相続手続きには原則として日本の民法が適用されます(民法第680条1項)が、遺産が不動産の場合には、ベトナムの民法が適用されることとなります(同2項)。 そのため、被相続人との関係で誰が相続人となるのかは、ベトナムの民法を確認の上、被相続人との相続関係にあることを当局に対し証明していく必要が生じます。 ベトナム民法上の法定相続は、以下のようになっています(第651条)。 a) 第一相続順位は,死亡した者の配偶者,実父,実母,養父,養母,実子,養子からな る。 b) 第二相続順位は,死亡した者の父方の祖父母,母方の祖父母,実の兄弟姉妹,父方の 祖父母,母方の祖父母である死亡した者の実孫からなる。 c) 第三相続順位は,死亡した者の曾祖父母,死亡した者の伯父・伯母,叔父・叔母,死亡 した者の実の甥・姪,死亡した者の実の曾孫からなる。 同じ相続順位にある相続人が複数いる場合,各相続人は、均等の割合で遺産を共同相続します(同2項)。次順位の相続人は、死亡等により先相続順位の者がいない時にのみ,相続権を有することができるとされています(同3項)。 日本同様、遺産が複数の法定相続人間で共有状態となっている場合、遺産分割を行う必要がありますが、ベトナム法上、特別受益や寄与分といった概念はありません。 不動産のように現物での分割が困難な遺産については、共同売却のほか、価格鑑定実施後に代償分割する方法が定められています(第660条2項)。 もっとも、日本法とは異なり、遺産分割には時効期間が設定されており、不動産の遺産分割の時効は30年となっています(第623条1項)。時効期間経過後は、当該不動産を管理している者が遺産不動産を取得し(同2項)、そのような管理人がいない場合には、国庫に帰属することとされています(同3項)。 不動産を相続するためには、「土地使用権、住宅および土地に付随する他の資産所有権の証明書」(いわゆるピンクブック)上の所有者名義を書き換えるため、当局に対し、被相続人の死亡と、被相続人との相続関係を証明する書類を提出する必要があります。 また、遺産分割によって相続人のひとりが単独で取得する場合、又は相続人が法的な遺言によって取得する場合には、遺産分割協議書(ベトナム語:Văn Bản Thỏa Thuận Phân Chia Di Sản Thừa Kế)を提出する必要が生じるものと思われます。相続人が複数おり、相続人が相続される不動産の分割を合意せず、その不動産を共同で所有する場合には、遺産開陳書(ベトナム語:Văn Bản Khai Nhận Di Sản Thừa Kế)を提出する必要が生じるものと思われます。遺産開陳書及び遺産分割協議書は、ベトナム公証役場で公証される必要があります。 日本在住の日本人が被相続人の場合、被相続人の死亡や、その相続関係については、上記のいずれも戸籍謄本によって証明可能ですが、当然、戸籍謄本は日本語での記載であるため、これをベトナム語に翻訳した書類を添付して認証を得る必要があります。 手続きとしては公証役場で公証人の認証、公証人が所属する地方法務局で法務局長の公証人押印証明を取得した後、外務省でアポスティーユや公印確認を取得する必要があります。さらに、ベトナムはハーグ条約非加盟国であるため、外務省の公印確認を取得した後、駐日大使館の領事認証を取得する必要があります。 相続発生後に遺産を誰に渡したいか、予め決まっている場合には、遺言書を作成する必要があります。 遺言の形式については、遺言が作成された地の国の法令に従って確定されるほか、以下の場合にも、ベトナムにおいて公認されるとされています(民法第681条2項)。 ①遺言作成をした時点又は死亡した時点で遺言作成が常住していた国 ②遺言を作成した時点又は死亡した時点で、遺言作成者が国籍を有していた国 ③相続財産が不動産である場合、不動産の所在地 したがって、日本法に従って遺言を作成することも可能ですが、ベトナムでこれを執行するためには、これをベトナム語に翻訳の上、日本の相続法に従った遺言であることの証明(日本法の説明書等)も必要になるものと思われます。 他方、ベトナムにおいて、ベトナム法に則った遺言を作成する場合、以下の方法が規定されています。 ①証人のいない文書による遺言(民法第633条) ―自筆で内容を記載し、署名 ②証人のいる文書による遺言(民法第634条) ―自筆又はタイプ打ちが可能。遺言者の署名又は指印。証人2人の署名。 ③公証された文書による遺言(民法第635条、第636条) ―公証の前で遺言の内容を宣言。公証人が書き取り。遺言者の署名又は指印。公証人の署名 ④確証された文書による遺言 (民法第635条、第636条) ―確証権限者の前で遺言の内容を宣言。公証人が書き取り。遺言者の署名又は指印。公証人の署名 もっとも、実務上、ベトナム公証人、確証権限者は、外国人の遺言を公証・確証していません。したがって、証人のいない文書による遺言か、証人のいる文書による遺言を行うしかないのが現状です。場所や時期により状況が変わる可能性もあるため、実務の確認が必要となります。 遺言の内容は、①遺言をした年月日、②遺言者の氏名と居所、③遺産を受領する個人の氏名、機関・組織の名称、④遺産の内容と遺産の所在、で構成されます。その他の内容も記載可能です。遺言が複数頁に渡る場合、各頁に番号を記載し、遺言者が署名又は押印する必要があります。 遺言者は、遺言において遺産管理人を指定することができ(第626条5項) 、遺産管理人は、以下の権利義務を有するとされています(第617条1項)。なお、遺産管理人の指定がない場合、相続人間の合意により遺産分割者を選任することも可能とされています。 ①遺産目録の作成 ②他人に占有されている遺産の回収(法律で別段の規定がある場合を除く) ③遺産の保管 ④各相続人に対する遺産状況の通知 ⑤相続人の要求に従った遺産の引き渡し また、遺言者は、遺言において遺産分割者を指定することができ(第626条5項) 、遺産分割者は、遺言のとおりに遺産を分割しなければならないとされています(第657条2項)。 なお、遺産分割者の指定がない場合、相続人間の合意により遺産分割者を選任することも可能とされています。 このように、ベトナムでは、遺産を管理する者と、遺産を分割(遺言を執行)する者が別の役職として区別されていますが、同一人を指定することも可能とされています(第657条1項)。 外国人が遺言者である遺言を執行する場合には、遺言者の死亡の証明と、遺産の受取人であることの身分証明が必要になるものと思われます。その場合、やはり戸籍等の翻訳と、公証人による認証、公証人の押印証明を取得した後、外務省で公印確認を取得し、駐日大使館の領事認証を取得する必要があります。 なお、ベトナムの相続法においても、日本の遺留分同様の制度が規定されています。 具体的には、法定相続人が、本来の法定相続分の3分の2よりも少ない遺産の分しか享受することができない場合、以下の者は法定相続分の3分の2と同等の遺産分を享受することができます(民法第644条)。 ① 未成年の子、父、母、妻、夫 ② 成年者となっているが、労働能力がない子 この規定は、遺産受領を拒否(放棄)した者、遺産を享受する権利を有しない者には適用されません。

ベトナムの2023年9月初頭の連休(建国記念日・国慶節)について

コラム
2023.07.21
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ベトナムの2023年9月初頭の連休(建国記念日・国慶節)について

法律第 45/2019/QH14 号(以下「労働法」といいます)第112条第1項đ号により、太陽暦9月2日(建国記念日/National Day/Quốc khánh)とその直前または直後の1日、合計2日間は祝日とされています。 建国記念日(国慶節・独立記念日)は、日本がポツダム宣言に調印した1945年9月2日にホー・チ・ミン氏によってベトナム民主共和国の建国が宣言された日として祝日になっています。 2023年の公務員の休日に関わる通知(Thông báo)第5034/ TB-LĐTBXH号第2項により、公務員の場合、2023年9月1日金曜日から同年9月4日月曜日までの4日間が連休とされます。 そのため、多くの企業はこれと同様の日程を休みとしますが、民間企業においては9月1日金曜日ではなく、9月3日日曜日を祝日扱いとすることも可能です(その場合の振替については後述)。 祝日に労働者が勤務を行う場合、労働法第98条第1項c号により少なくとも通常の勤務日の300%に相当する賃金を支給する必要があります(会社の週休日に関係なく、2023年9月2日は祝日勤務となります)。 もう一日の休みについては前記のとおり労働法第112条第1項đ号により、会社が9月2日の前日の1日金曜日とするか、翌日の3日日曜日とするかの指定をすることができ、指定日(1日 or 3日)に勤務をさせた場合は上記と同じ賃金を支払う必要があります。 週休日が、祝日と重なる場合、労働法第113条第3項により、次の営業日に振替休日が付与されることになります。2023年は9月2日が土曜日に当たるため、多くの会社において振替休日が発生することになります。 土日が週休日の会社でかつ公務員と同様の日程で金曜日から連休とする場合、9月4日(月曜日)は、9月2日の独立記念日の振替休日となります。 振替休日における勤務は週休日に勤務を実施させる場合と法律上同様となるので、労働法第98条第1項b号により、少なくとも通常の勤務日の200%に相当する賃金を支給する必要があります。 整理すると以下のとおりです。 ※代休は翌営業日とされているので、Bパターンも記載していますが、通常は政府の休日と合わせるため、A/C/Dのいずれかを選択する企業が多くなります。 9月1日(金) 9月2日(土) 9月3日(日) 9月4日(月) 9月5日(火) A:土日が週休で、9月1日・2日を祝日とする場合 (働く場合の手当) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 週休日 (200%) 週休日(土曜日)の代休 (200%) 平日 B:土日が週休で、9月2日・3日を祝日とする場合 (働く場合の手当) 平日 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 週休日(日曜日)の代休 (200%) 週休日(日曜日)の代休 (200%) C:日曜日が週休で、9月1日・2日を祝日とする場合 (働く場合の手当) 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 週休日 (200%) 平日 平日 D:日曜日が週休で、9月2日・3日を祝日とする場合 (働く場合の手当) 平日 祝日1日目 (300%) 祝日2日目 (300%) 週休日(日曜日)の代休 (200%) 平日  

【ベトナム】2022年度分の自然災害基金の請求について

コラム
2023.07.14
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【ベトナム】2022年度分の自然災害基金の請求について

ベトナムにおいては、法律第33/2013/QH13号(法律第60/2020/QH14号により一部修正)により、ベトナムに所在する企業および18歳以上のベトナム国民は、自然災害に関わる基金(ベトナム語:Quỹ phòng, chống thiên tai。以下「自然災害基金」といいます)へ拠出する義務が課せられています(同法第10条第2項a号)。 弊社でも、ホーチミン市1区当局より、2022年の実績に基づいた自然災害基金の請求が届きましたので、各社にも(タイミングが異なるものの)届いているかと思います。 政令78/2021/ND-CP号により、企業負担分と従業員負担分は以下とされています。 支払い可能額の50%を7月31日までに、残額を11月30日までに支払うよう通知が来ています(詳細は各社ご確認ください)。 ベトナム国内に所在するローカル企業と外資企業は年間財務報告書記載の資産価格の0.02%に相当する金銭(但し、最低でも50万VND、最高でも1億VNDの範囲となります)を拠出する義務を負います(政令78/2021/ND-CP号。以下「政令78号」といいます。第12条第1項)。 ベトナムで一般的な企業のもとで勤務する18歳以上のベトナム人労働者は、勤務する地域の最低賃金(ホーチミン市・ハノイ市であれば現在4,680,000VND)の半額を契約書上の労働日数で割った金額を拠出する義務を負います(政令78号第12条第3項b号)。 今回のホーチミン市1区からのレターでは、従業員一人当たり90,000VNDと記載されており、通常は給与から控除されることになります。複数企業で働いている場合、最長の労働契約の会社で支払うのみで足ります。 参考(会員制Q&A): 自然災害基金について教えてください。

【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜)

コラム
2023.07.03
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【ニュース】ベトナムでVATを8%にする軽減税率が再開(2023年7月1日〜)

ベトナムの国会は、2023年7月1日から12月31日までVATの税率を2%引き下げ8%になることを決議しました(決議101/2023/QH15)。 もっとも、以下の商品・サービスについては減税対象外となります。 VAT減税対象外の商品・サービス: 電気通信、情報技術、財政金融活動、銀行、証券、保険、不動産業、金属、金属製品、鉱業製品(石炭鉱業を除く)、コークス、精製石油、化学製品、アルコール・たばこなど特別消費税が課税される商品及びサービス。 また、これに基づいてVATが8%となる詳細のリスト(政令No.44/2023/NĐ-CP)が公表されました。 ベトナム語ではありますが、具体的なリストが下部に記載されていますので、ご確認ください。 なお、飲食店においては以下のような取り扱いとなっています。 ・食べ物:8% ・ソフトドリンク: 8% ・アルコール飲料(ビール含む):10% VAT申告を正しく申告するため、上記のリストを確認し、また、必要に応じて会計・税務事務所にご相談ください。 2023年7月1日以前にサービス提供が完了している、または商品の所有権や使用権の移転がある場合には、VAT10%が適用されます。

【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について

コラム
2023.06.24
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【ベトナムビザ】ベトナム入国ビザの種類について

2022年3月15日の政府決議(No. 32/NQ-CP)によって、コロナ禍で停止していたビザの免除が再開されました。日本人はベトナムへの入国にあたって、滞在期間が15日以内であればパスポートの種類、目的を問わずビザは必要ありません。 それ以上の滞在は基本的にビザの申請が必要です。 6月24日、ノービザ入国(15日以内)について、期間を45日まで延長することが決定しました(施行は8月15日〜)。 ※なお、e-visaについても30日→90日へ延長、マルチプル(複数回入国)対応に変更されています(後述)。 【ニュース】ベトナムのe-visaとノービザ滞在の期間が延長(2023年8月15日〜) ベトナムのビザは「外国人のベトナムへの出入国、通過、居住についての法律(47/2014/QH13)」およびその改正法(51/2019/QH14)によって定められており、現在27種類あります。 今回はその中でも日本人に利用される機会の多いビザをご紹介します。 なお、51/2019/QH14の7条の4に記載されている例外を除き、入国後にビザの目的変更はできません。 NG1 ベトナム共産党中央執行委員会書記長、国家主席、国会議長、首相から招待された代表団のメンバー 12か月 NG2 ベトナム共産中央常務委員会、国会副主席、国会副議長、副首相、ベトナム祖国戦線中央委員会の委員長、最高人民裁判所長、最高人民検察庁の長官、国家監査員の総長などの招聘による代表団のメンバー 12か月 NG3 公館、領事館、国際連合に加盟する国際機関の代表事務所、政府間機関の代表事務所のメンバーとその配偶者、18歳未満の子供、使用人など。 12か月 NG4 外交使節団、領事事務所、国際連合に加盟するため、国際機関の代表事務所および政府間組織の代表事務所に勤務するために来日する人、外交使節団領事事務所、国際連合に加盟する国際機関の代表事務所および政府間組織の代表事務所のメンバーの訪問者 12か月 LV1 ベトナム共産党中央委員会、国会、政府、ベトナム祖国戦線中央委員会、最高人民裁判所、最高人民検察院、ベトナム国家監査院、省庁、閣僚級機関、政府付属機関、省および中央運営都市の人民評議会と人民委員会の部局や機関で働くようになった人 12か月 LV2 社会政治団体、社会団体、ベトナム商工会議所で働く人 12か月 L S ベトナムで活躍する外国人弁護士 5年 DT1 ベトナムへの投資が1000億ドン以上または投資奨励の対象の地域への投資をする投資家および外国組織の代表者 5年 DT2 ベトナムへの投資が500億ドン以上1000億ドンまたは開発投資促進の対象となる地域への投資をする投資家および外国組織の代表者 5年 DT3 ベトナムへの投資が30億ドン以上500億ドン未満の外国人投資家および外国組織の代表者。 3年 DT4 ベトナムへの投資が30億ドン以下の外国人投資家および外国組織の代表者 12か月 DN1 ベトナムの法律に従い、法人格を持つ他の企業や組織で働く外国人 12か月 DN2 ベトナムが締約している条約に基づき、サービスの提供、商業活動の確立、その他の活動を行うために入国する外国人 12か月 NN1 国際組織、外国の非政府組織の駐在員事務所の所長、プロジェクトの代表者 12か月 NN2 外国企業の駐在員事務所の所長、支店の代表者、または外国の経済組織、文化組織、その他の専門組織の代表者 12か月 NN3 外国の非政府組織、外国企業の駐在員事務所、外国企業の支店、外国の経済組織、文化組織、その他の専門組織駐在員事務所で働く者 12か月 DH ベトナムで研修、学習する人 12か月 HN 会議やシンポジウムに参加する人 3か月 PV1 ベトナムに常駐する特派員やジャーナリスト 12か月 PV2 ベトナムに短期間滞在する特派員やジャーナリスト 12か月 LD1 ベトナムが締約国である条約に別段の定めがない限り、労働許可証の免除証明書をもってベトナムで働く外国人 2年 LD2 ベトナムで働き、労働許可証を取得する必要のある外国人 2年 DL ベトナムを観光する人 3か月 TT LV1、LV2、LS、DT1、DT2、DT3、NN1、NN2、DH、PV1、LD1、LD2を保有する外国人の配偶者または18歳未満の子供 12か月 VR 親族を訪問するなどの目的で来訪する人 6か月 SQ 同法17条3項に該当する者 30日 EV E-Visa 30日   DT1/DT2/DT3/DT4 投資ビザです。ベトナム法人に出資している日本人などが該当します。以前は金額を問わず最大5年間でしたが、2019年の改正によって金額で種類が細分化され、期間もそれぞれ割り当てられました。   DN1/DN2 ビジネスビザです。ベトナムの現地法人への出張等に使われます。取得にはベトナムの勤務先企業からの招聘状(インビテーションレター)が必要です。実務において認められる期間は基本的に3か月か6か月です。   NN2/NN3 ベトナムにある日本の駐在員事務所や支店で働く場合に取得します。   LD1/LD2 就労ビザです。長期間就労する際に取得します。(ベトナムに進出した日系企業など。実際にベトナムで働くには就労ビザに加えて労働許可証(ワークパーミット)の二つが必要です。LDビザの取得には労働許可証の取得が必要となります。本コラムでは労働許可証自体の要件については解説しませんが、労働許可証自体にも種類・要件があり、取得が困難な場合もあるためご注意ください。ベトナムの改正労働法(45/2019/QH14)の154条と、外国人労働者に関する政令(152/2020/ND-CP)の7条に規定されている場合は労働許可証が免除されます。(ベトナムでの就労が3か月以内の外国人、ベトナム人と婚姻している外国人、ベトナムの法律に基づいてベトナムの弁護士資格を持つ外国人弁護士など)   DH ベトナムへの留学や実習、研究者としての研修が該当します。   EV e-visaです。ネットで申請手続きができます。以下の基準を満たしているときは申請が可能です。 ・ベトナムに入国する外国人であること ・パスポートを所持していること ・「外国人のベトナムへの入国・出国・通過・ベトナムでの居住に関する法律(47/2014/QH1)」の21条の入国禁止者に該当しないことE-visaの有効期間は30日で、入国は1回に限られます。(シングルビザ) 2023年8月15日から、e-visaの期間が90日に延長され、かつ、複数回入国(マルチ)に対応することが決定しました。 こちらのサイトでE-visa申請が可能です。入国時には発給されたビザを印刷し、パスポートと共に提示します。 ※ビザ申請のサイトは2024年11月リニューアル(以下のいずれかから) https://evisa.gov.vn/ https://thithucdientu.gov.vn/ 【ニュース】ベトナムのe-visaとノービザ滞在の期間が延長(2023年8月15日〜)  

【ニュース】ベトナムのe-visaとノービザ滞在の期間が延長(2023年8月15日〜)

コラム
2023.06.24

【ニュース】ベトナムのe-visaとノービザ滞在の期間が延長(2023年8月15日〜)

ベトナム国会は、法律23/2023/QH15を可決し、外国人入国者に付与される電子ビザ(e-visa)の有効期限を、1回入国または複数回入国の場合の最長30日から90日に延長することを決めました。また、複数回(マルチ)の入国も可能となります。 さらに、ベトナムの一方的ビザ免除(ノービザ)プログラムの対象となる国や地域から渡航者は、現在の15日間から延長され45日間の滞在が可能となりました。 ノービザ滞在は、日本、韓国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ロシア、ベラルーシの13カ国に認められています。 2023年8月15日から開始となります。 ※23/2023/QH15は、「ベトナム国民の出入国に関する法律およびベトナムにおける外国人の出入国・通過・居住に関する法律の多数の条項の修正および補足」というタイトルであり、その他の出入国関連の条文も変更されています。 *Vietnam lawmakers approve extension of e-visa validity to 3 months https://e.vnexpress.net/news/travel/vietnam-lawmakers-approve-extension-of-e-visa-validity-to-3-months-4621230.html 政府からの要請時点での記事は以下↓ 【ニュース】ベトナム政府、e-visa(観光電子ビザ)とノービザの期限延長の承認を正式に要請

【ベトナム】個人データ(個人情報)保護に関する政令No.13/2023/ND-CPの注目点(2023年7月1日施行):最新版

コラム
2023.06.17
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【ベトナム】個人データ(個人情報)保護に関する政令No.13/2023/ND-CPの注目点(2023年7月1日施行):最新版

政府は、2023年4月17日に、個人データ(個人情報)[1]保護に関する政令No.13/2023/ND-CP(以下、「本政令」という。)を公布しました。本政令は2023年7月1日より施行されます。本政令は、草案段階から多くの企業にとって影響力の大きい政令として注目がされており、施行される政令が可決されてからもどのような運用となるのか明確でない部分も多いです。 現時点において、本政令の規定について政府からの運用についての案内や、解釈についての公式的な見解は存在していません。そのため、本政令の解釈と運用については、将来的に発行される政令や通達、またはその他オフィシャルレター等の書面を通じて、明らかにある可能性があります。第3に記載のとおり、今後新たな解釈指針や文書のフォーマット、ポータルサイトが公表される可能性が高いですので、新しい情報には注意が必要です。 以下では、政令の内容や記事作成時点でわかっている情報に基づき、本政令の主要な内容について整理します。 ※今後、本コラムは新しい情報等に基づいて随時アップデートしていきたいと思います。 本政令は、以下の対象に適用されます。 ベトナムの機関・組織、ベトナム人 ベトナムにある外国の機関・組織、所在する外国人 国外で活動するベトナムの機関・組織、ベトナム人 ベトナムにおいて個人データの処理に直接関与する、または当該処理に関連する外国の機関・組織、ベトナムに所在する個人 個人データ 個人データとは、記号、文字、数字、画像、音声の態様または、電子媒体上で類似の表現をされるものであり、特定の個人に関連付けられるまたは特定の個人の確定に資するものをいう。(本政令第2条1項) 本政令上、個人データは、名前や生年月日などを含む基本的な個人データ(本政令第2条3条)、と政治的見解や遺伝情報、犯罪歴などを含む機密性の高い個人データ[2](本政令第2条4項)とに分類されている。 個人データの処理 個人データの処理とは、個人データの収集、記録、分析、検証、保管、修正、開示、結合、アクセス、追跡、回収、暗号化、復元、コピー、共有、送信、提供、移転、削除、廃棄またはその他の関連する活動など、個人データに影響を及ぼす1つまたは複数の活動をいう。(本政令第2条7項) 個人データ管理者 個人データ管理者とは、個人データ処理の目的と手段を決定する組織または個人をいう。(本政令第2条9項) 個人データ処理者 個人データ処理者とは、データ管理者との契約・合意を通じて、データ管理者に代わってデータ処理を行う組織または個人をいう。(本政令第2条10項)[3] 第三者 第三者とは、個人データの主体、個人データ管理者、個人データ処理者以外の者であり、個人データの処理を許可された組織または個人をいう。(本政令第2条12項) 上記の定義などにより、ベトナムにおいて活動している日系会社を含む外資企業も、顧客や従業員から収集、記録、保管などしている個人データの処理を直接に行い、またはこのデータの収集・記録・保管の目的と手段を自ら決定するなどしている場合、個人データ管理・処理者として本政令の条項の適用を受ける可能性があります。   原則として個人データ管理・処理者は、個人データを処理する際、処理の目的、処理されるデータの種類などをデータ主体に通知して、関連する個人データ処理の許可に関する同意をこのデータ主体から取得しなければならないとされています(本政令第11条)。 個人の生命や健康を保護するために個人データを直ちに処理する必要がある場合、法律の規定に従う個人データを開示する場合、法律の規定に従って契約上の義務を履行する場合[4]、国家安全保障や大規模災害などに関する緊急事態などの場合、同意の取得なしに個人データを処理できると規定されています(本政令第17条)。 データ主体への通知およびデータ主体からの同意は、電子形式等も含めた書面による方法でなされなければなりません(本政令第11条5項、第13条3項)。取得した同意や通知については、事後的に管轄当局からの提出を求められる場合に備えて、保管しておくことが推奨されます。 なお、失踪宣告を受けた者、死亡者、および子供の個人データなどの特別な場合の個人データ処理については別途の規定が存在するため、留意が必要です(本政令第19条、第20条)。   データ主体は、自己のデータに対して知る権利、アクセス権、同意権、同意の撤回権、データの提供や削除を要求する権、データ処理に対して制限を課すまたは反対するなどの権利を有します(本政令第9条)。個人データ管理・処理者はデータ主体から当該権利の行使を受けた場合、その要求に対応しなければなりません。 上記の要求への対応については法定期限が定められているものも存在します。例えば、データ処理の制限・反対の要求 (本政令第9条6項、8項)、データの提供の要求(本政令第14条3項)、データの削除の要求(本政令第16条5項)などに対して、データ主体より要求を受けた後、原則として 72 時間以内に対応しなければならないと規定されています。   本政令に対する違反行為を発見した場合、個人データ管理・処理者は、違反発生後72時間以内に公安省に通知しなければならないと規定されています。この場合の通知は、本政令のフォーム No. 03 に基づき実施することが要求されています。   個人データ管理・処理者は、個人データの処理を開始した時点から個人データ処理影響評価の書類を作成し、保管しなければなりません。この点、国内で個人データを扱う企業について、広く適用される可能性があり、かつ、新しい手続であることから重要な手続となっています。 個人データ処理影響評価の書類は、以下の内容を記載しなければならないとされています(同1項)。 個人データ管理・処理者の情報・連絡先 個人データ保護の担当者(下記第7項を参照)の氏名・連絡先 個人データ処理の目的 処理される個人データの種類 個人データを受領する組織または個人(ベトナム国外の組織または個人を含む) ベトナム域外に個人データを移転する場合はその旨 個人データの処理期間、個人データを削除・廃棄する場合の予定期間(もしあれば) 適用される個人データ保護措置の説明 個人データ処理の影響程度の評価、発生する可能性がある結果・損害、そのような損害を軽減または排除するための対策 そして、個人データ処理日から60日間以内に当該作成した書面を公安省に送付しなければなりません。 なお、公安省に送付された書類の内容に変更があった場合、個人データ管理・処理者は、個人データ処理影響評価の書類を更新・補足し、当該書類を公安省に再送する必要があります。   ベトナムからベトナム域外への個人データ移転についても、これまでにない新しい手続が設定されました。 ベトナム国民の個人データをベトナム域外に移転する場合、個人データ管理・処理者は以下の手続(国外移転影響評価書類の作成)を実行しなければならなりません。 個人データの国外移転に関する影響評価の書類を本政令に規定されている様式に従って作成し、個人データの処理日から60日以内に公安省に送付すること。なお、公安省から要求がある場合は影響評価の書類を訂正しなければならない データ移転が完了した後、データ移転の情報と担当組織・個人の連絡先詳細を書面で公安省に通知すること 公安省に送付された書類の内容に変更があった場合、個人データの国外移転の影響評価の書類を更新・補足し、該当の書類を公安省に再送すること   個人データ管理・処理者は、個人データ保護に関する規則を作成し、発行しなければならないと規定されています(本政令第27条第2項)。個人データ保護に関する規則の内容や形式については、本政令において具体的に言及されていないため、個人データ管理・処理者は、自らの状況に合わせて社内の規則を作成すれば足りると解されます。もっとも今後、通達等により規則の内容が規定される可能性も排除できません。   本政令第2条4項に規定されている機密性の高い個人データを処理する場合、個人データ管理・処理者は、個人データの保護の担当者を指定し、公安省に属するサイバーセキュリティ・ハイテク犯罪防止局にこの担当者の情報を送付すべきです。   現在、当局のセミナーでの発言情報や弊社での調査等により、上記以外に本政令の運用等に関わる以下の情報を入手しています。もっとも、下記はベトナム政府から公式に文書等で開示されたものではなく、記載内容について確定的な事項ではないため、その点はご留意ください。 本政令の適用対象は、本政令発効以前に収集された個人データにも及ぶが2023年7月1日以前に取得されたデータについては、改めてデータ主体の同意を得る必要はない。 公安省は、現在、個人データの保護に関する5つの新たな行政手続を発表する準備を進めている。それには、個人データ処理影響評価書類の作成・送付、および個人データ国外移転影響評価書類の作成・送付に関するものも含まれる。また、個人データ処理影響評価書類と個人データ国外移転影響評価書類は、それぞれ別の書式を用いた別の手続によって行われなければならない。公安省は、政令発効前に当該書類と書式の公開と、個人データ保護に関する国家ポータルサイトを開設する予定である。ポータルサイト上での入力も可能となる予定。 政令では、個人データ国外移転方式について規定しておらず、個人データ国外移転の影響評価書類を作成しなければならないとのみ定めているため、移転の方式に関わらず、同影響評価書類の作成が必要になる。 書類の作成は政令発効日(2023年7月1日)から60日以内に行わなければならない。 書類の書式はすべてベトナム語で作成されなければならない。国家ポータルサイトの書類書式に直接記入するか、書式をダウンロードする場合は、サイバーセキュリティ・ハイテク犯罪局に直接送付しなければならない。 法律に特別な規定がある場合を除き、個人データの売買、譲渡において利益を生み出すすべての行為が法律の規定に違反する。 データの処理をベトナム国内で行うかどうかに関係なく、ベトナム国民のデータを収集する外国企業、ベトナム国民のデータを国外に移転する企業、ベトナム国民のデータを受けとる企業、これらのすべての企業が理論上は本政令の適用対象となる可能性がある。 2021年に公安省が公表した行政違反処罰の政令草案(個人情報保護に関わる措置の違反に対する処分などについて)によれば、本年12月1日から違反に関わる処罰が発効される予定とされている。しかし、現時点において、当該違反に対する処分についての政令の公布について、確定的な情報がない。そのため、本政令の施行日から一定期間の間は、罰則がない状況で本政令が運用される可能性が高いといえる。 上記に基づくと、これから発表されるポータルサイトや一部の書類のフォーマットも参照のうえ、2023年7月1日から60日以内に対応を進める企業が増えていくように思われます。それぞれの書類は準備に時間がかかる可能性もあるため、情報収集のうえ早めに対応することが推奨されます。 ——————– [1] 個人情報という表現が日本語の表現としては一般的と考えるが、本政令中原文においてベトナムで一般的に情報と訳される“thông tin”ではなくデータや資料と訳される“dữ liệu”が用いられているため、以下、「個人データ」という表現を統一して用いる。 [2] 原文は“dữ liệu cá nhân nhạy cảm” [3] 個人データ管理者と処理者を包括した定義も存在し、本文中で「個人データ管理者・処理者」と記載している場合がある。 [4] 現時点において、契約上の義務を履行するため(原文:Để thực hiện nghĩa vụ theo hợp đồng)の範囲が明確に示されていない。そのため、当然に個人データが含まれる契約類型(労働契約、法人同士の売買契約等において署名書の個人データ)についても同意の取得に関わる規定が排除されない可能性があるため、注意が必要である。

【ベトナム】現地法人の設立のステップについて教えてください(企業法・投資法)

コラム
2023.06.10
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【ベトナム】現地法人の設立のステップについて教えてください(企業法・投資法)

日本企業その他の外資企業がベトナムで現地法人を設立する場合、どのようなステップを踏む必要があるでしょうか。 大きな流れがわかりづらいという声も多いため、本コラムでは概要を説明したいと思います。 ベトナムでの設立形態は、主として株式会社・有限責任会社ですが、今回は出資者が一人(一社)の一人有限責任会社を想定しています。その他の形態でも設立手順はほぼ一緒となりますので、参考になるかと思います。 なお、以下は本コラム作成時点の内容であり、法令や実務の変更によって内容が変わることがあるという点はご留意ください。 参考: 【ベトナム企業法】有限責任会社と株式会社の違い 法律上、外国企業がベトナムにおいて現地法人を設立するためには、①投資登録証明書(以下に「IRC」といいます。)と②企業登録証明書(以下に「ERC」といいます。)の2つの手続が必要となります。 また、それに加えて銀行口座開設等の実務上の手続も必要になりますので、関連する手続についても概要を説明します。 ベトナムでの経営事業に関しては、最低限以下の条件を満たさなければなりません。 2020年の投資法第6条での禁止な投資・経営分野と、政令第31/2021/ND-CP第I付録A項目に規定されている外国投資家が市場参入できない分野リストに属しないこと =禁止分野ではないこと 政令第31/2021/ND-CP第I付録B項目に規定されている外国投資家に対する条件付き市場参入分野リストに属する場合には、その分野に対する市場参入の条件を満たすこと =条件付き分野の場合には条件を満たすこと 政令第31/2021/ND-CP第I付録のリンクは、以下のJETROのリンクから確認できます。 https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/vn/invest_02/pdfs/vn7A030_seigenbunya_gyosyu.pdf 一定分野に対する市場参入の条件は、現地法人における外国投資家の定款資本保有割合、投資形式、投資活動範囲などを含め、WTO・CPTPPへのコミットメントなどの国際条約・規約やベトナム国内の各分野に関する法令に規定されています(2020年投資法第9条3項参照)。 IRCとERCを申請するため、現地法人の本社住所を決定し、オフィス賃貸借に関するMOU又は正式な契約書を事前に締結することが必要です。 【実務上の注意点】 現地法人の本社住所を置く場所は、オフィス利用の目的が認められている場所でなければならないためご注意ください。(たとえば、通常の住宅等ですと登録できないため、契約前に事前にご確認ください。) また、工業団地以外で行われる製造業に対して、ホーチミン市のDPI(計画投資局)は、現地法人の生産に最新テクノロジーを使用し、環境を汚染しないこと等を証明できない限り、製造業を承認していないとしています。この証明自体が実務上難しく、承認の可能性は高くないため、スムーズな設立のためには工業団地内での設立を推奨します。 投資登録証明書(IRC)の申請に関する概要は以下のとおりです。 申請先:省レベルの計画投資局の対外経済課 申請形式:オンライトで投資プロジェクトの情報を提出した後、申請先での書面の提出 書類処理期間:適法な書類をすべて受領した日から15日以内 ※実務上はより遅れる場合があります。 必要書類:以下の書類は基本的な書類です。当局は、検討中に、追加書類の提出を請求する可能性がありますので、ご注意ください。 投資プロジェクト実施の申請書(通達第03/2021/TT-BKHĐTのForm A.I.1) 投資プロジェクトの提案書(通達第03/2021/TT-BKHĐTのForm A.I.4) 投資家の財務能力説明書 書類提出者への委任状 投資家の履歴事項全部証明書 (*) 投資家の代表取締役のパスポートの写真のあるページ(*) 投資家の直近2年間の財務報告書又は銀行口座の残高証明書 (*) ※財務報告書と残高証明書の両方があれば、一緒に提出したほうが確実です。 オフィス賃貸借に関するMOU又は正式な契約書の公証コピー ※当局は賃貸している場所について疑義がある場合に、賃貸している場所が会社住所として使用を許可されることを証明する追加書類の提供を要求することがあります。この場合には、投資家が貸主に対して証明書類の準備を依頼します。 結果:IRCの取得 なお、2020年投資法第30条から第32条までの移住・再定住要請をする投資プロジェクトや環境に大きな影響を与える投資プロジェクト等に対しては、IRCを申請する前に、当局への投資方針承認の申請が必要です。 もっとも、通常の事業を行う一般的な現地法人の設立では、この申請を行うことは必要とされていません。 企業登録証明書(IRC)の申請に関する概要は以下のとおりです。 申請先:省レベルの計画投資局の経営登録課 申請形式:オンライトでの提出 書類処理期間:適法な書類をすべて受領した日からの3営業日以内 必要書類:以下の書類は基本的な書類です。当局は、検討中にその他の書類の提出を請求する可能性がありますので、ご注意ください。 一人有限責任会社登録の申請書(通達第01/2021/TT-BKHĐTのForm I-2) ※一人有限責任会社の場合 所有者の委任代表者のリスト(通達第01/2021/TT-BKHĐTのForm I-10) 現地法人の定款 所有者の委任代表者の任命に関する所有者の決定書 書類提出者への委任状 所有者の履歴事項全部証明書 (*) 現地法人の法定代表者のパスポートの写真があるページ(*) 所有者の委任代表者のパスポートの写真があるページ(*) IRCのコピー公証版 結果:ERCと現地法人を管理する税務局に関する通知書の取得 【留意点】 (*)の書類はベトナムの管轄当局へ提出できるために、(i)日本での公証・領事認証と(ii)ベトナム語への翻訳、(ii)翻訳版の公証という手続を経なければなりません。 ※日本で公証を行う際にベトナム語もセットで行う場合もありますが、翻訳・翻訳公証はベトナムでの正式な翻訳サービス会社に依頼し、ベトナム国内で行うことが通常です。 日本での領事認証の手続きについて、外国法人は日本での管轄当局とご確認して、当該手続きを実施していただけましたら、幸甚です。 また、パスポートの写真のあるページ については、本人がベトナムにいる場合(短期間の出張でも可能)、(i)から(iii)までのかわりに、ベトナムでの公証コピーを取得する簡易な手続をすることができます。 その他、一般的には以下のような手続も必要となります。 ERC又はERCドラフトを受領した後、社印の作成サービスを提供する企業(社印作成の企業)に社印の作成を依頼します。 通常、ERC又はERCドラフトのコピー版と、現地法人の法定代表者からの委任状(社印作成企業への連絡を担当する者に対する委任状)を提出するのみとなります。 社印の作成期間は1日~2日程度です。 ■直接投資講座(DICA)の開設 DICAは、定款資本金・外国からのローンの受け取りや、配当の振り込みなどの通達第06/2019/TT-NHNNの第6条、7条に規定されている目的のみに使用されます。 ERCの発行日から90日間以内にDICAに定款資本金を振り込まなければならないため、DICAの開設は法人設立後できる限り早く行ったほうがよいです。 【注意点】 DICAの開設については、銀行によって投資金額等によって開設できる/できないの判断がなされることがあることや、必要資料が会社設立資料と重複しているものがあることなどもあります。そのため、会社設立と同時期に取引したい銀行に連絡し、口座開設の可否や必要資料について確認することが望ましいです。 ■経常口座開設 売上の受け取りや賃金や経費の支払いなどの日常の取引のために、経常口座(普通口座)を開設する必要もあります。 DICAに振り込まれた定款資本金やローンは通常外貨ですので、この金額をベトナム国内で使用可能にするために、ベトナムドンに変えたうえでベトナムドンの経常口座に入金することとなります。なお、外国への送金・外国からの入金のために外貨の経常口座も開設可能です。 投資に関する定期的な報告をオンラインで提出するために、現地法人がアカウントの作成手続きをDPIで行うことが必要です(2020年投資法第72条、政令第31/2021/NĐ-CP第102条、第104条参照)。現地法人は、現地法人の当該アカウントの担当者を指定し、この担当者の情報をこの登録書に記載しなければなりません。 基本的な手順は、現地法人がアカウント作成登録書(雛形があります)を作成し、DPIにこの登録書を提出するという方法です。実務上の手続は変わることもありますので、都度DPIにご確認ください。